とある転生の幻想交差 Re:birth   作:僧侶

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設定多め


太陽×月×星=翔太とユーノは蚊帳の外

 雀宮翔太は悩んでいた。

 昨日の一騒動から明けて翌日。現在は小学校の教室で4時間目の授業中だった。それもあと数分で終わり、昼休みに突入する。昨日の事を詳しく話し合おうと皆で決めた昼休みだった。朝はアリサが遅刻しかけたので話す時間がなかった。

 ジュエルシードの事、クロウカードの事をユーノから聞き出す、というのがメインではあるが、昨日の別れ際、アリサの視線は翔太にも注がれていた。人やら能力やらを召喚するなんていう非常識をクラスメイトが成したのだ。気にならない方がどうかしている。

 ある程度話すにしても、さて、どこまで話したものだろうか、とため息をつく。

 ちなみに、翔太の心ここにあらずの態度に担任の先生は涙目だったりする。

 

 雀宮家七兄妹の次男で末っ子。私立聖祥大付属初等科に通う三年生。成績は優秀で運動神経も抜群、と近所で評判の神童、というのが周囲の人たちの評価である。本人や家族は「十で神童、十五で天才。二十過ぎればただの人」と言って憚らない。仮に大人として翔太の事を見ると実はそれほど大したことなかったりするのだから当然だ。

 ともあれ、今ではそんな有名な彼だが、三歳になるまで近所の人たちは存在すら知らなかった。それまで翔太の事を一切敷地外に出した事がなかったからである。

 虐待ではない。むしろ逆だ。翔太を守るためにそれは仕方のない事だった。

 

 雀宮翔太は、この世に生を受けた段階では、魂を宿していなかったのだ。

 

 自発的な動作は一切なく、言葉も発しない。瞳は何も映さず、どんな音にも反応しない無色透明の空の子であった。普通の家庭であれば悲観に暮れるしかないところだが、生憎か幸いか雀宮家は少々普通の家系とは異なっていた。

 

 海鳴の地に古くから存在する雀宮。四方を白い壁に囲まれた純日本家屋のお屋敷が雀宮家の家だ。敷地内には生活のベースとなる母屋を中心に、庭園、道場、離れなどがある。中でも目を引くのが鳥居とお社である。

 要するに雀宮家は神を祀っているのだ。ただ、雀宮の屋敷は神社ではない。外から参拝されることはなく、血族のみで管理を行っている。周囲に隠しているわけではないが、本坪や賽銭もないので参拝らしいことはできない。

 そんな特殊な家系には当然と言うべきか、特殊な力を持つ者がいる。雀宮家の兄妹の中で、最も神と感応が高い五女が、雀宮家の祀る神である朱雀に頼んで召喚した魂、それが今の翔太に宿っている魂だった。故に家族は翔太が転生した者である事を知っている。といっても家族はそんな事を気にすることなく、雀宮家の末っ子として育てられた。そう、末っ子として。転生前の世界では普通に大人だったのに、三つ上の姉に着せ替え人形にされてしまうくらい家庭内のカーストの最底辺である末っ子として……

 

 ふいに浮かんだトラウマを首を振って振り払い、とりあえず転生の事や家族の事は話す必要はないと割り切ったところで授業終了のチャイムが鳴り響いた。

 

 

 

「さて皆の衆、賢人会議の時間だ」

「なのは、その卵焼きおいしそうね。一つ頂戴」

「うんいいよ。代わりにそのから揚げ頂戴」

「なのはちゃん、私のミニハンバーグとも交換して?」

「うん!」

「放置プレイ!?」

 

 いつも通りと言えばいつも通りな、みんな楽しみお昼ご飯の時間である。

 翔太のボケも華麗にスルーの女子陣である。

 

「それで朝は時間がないから話せなかったし、現状確認と情報交換をしましょうか」

「そうだね」

「うん」

「朝話せなかったのはアリサが寝坊したからだろ」

 

 なんで俺は無視してアリサの号令には従うんだー!と吼える翔太。あんなネタふりじゃ普通乗りたくない。

 

「う、うるさいわね!眠かったんだから仕方ないでしょ!」

『わいが何度起こしても起きんかったからなぁ~。ほんま寝起きの悪い娘やで』

「て、わあああああ!!?」

 

 咄嗟に胸元の鍵を両手で隠して周囲に聞こえなかったかきょろきょろ見回すアリサ。

 

「ちょっと! 急に喋るんじゃないわよ! 誰かに聞かれたらどうするのよ!」

『す、すまん』

「アリサも声でかいぞー」

「はっ!?」

 

 アリサたちの座っている屋上の一角に、ちょっぴり好奇の視線が集まっていた。

 

「ば、ばれてはいないわね」

「大丈夫だよ。いつものアリサちゃんと変わらないよ?」

「そうね…ってそれどういう意味よなのは!」

「にゃ~!?」

『………話が進まみませんね』

「でもにぎやかで楽しいでしょ? スピネル」

『……否定はしません』

 

 変なのが増えてもなんだかんだでいつもと変わらないアリサたちだった。

 

 

 

「さて、じゃれあってても時間が過ぎるだけだし、さっさと話を進めようぜ」

「そうね」

 

 仕切り直す翔太に、なのはいじりをすぱっと止めて同意するアリサ。

 その横でなのはが涙目になってほっぺたをさすってるのは見ない方向で。

 

「まず一番最初の大前提の確認よ。私たちはこの町に落ちたジュエルシードと、クロウカードの回収をする。みんないいわね?」

「おう」「うん!」「うん」『はい』『せやな』『そうですね』

 

 ちなみにユーノはレイジングハートを介して念話での参加だった。周りに聞こえないように音声は少々控えめになってる。

 現在ユーノは高町家にいる。昨日のごたごたの際に最終的にユーノを抱えていたなのはが、なし崩し的に連れ帰って今に至る。

 塾をサボった事や怪我してるフェレットを連れ帰った事で、高町家ではひと悶着あったらしい。まあ高町家に限らずひと悶着はあったが。塾に来るべき子供が来なければ保護者に連絡位は入れる。

 まあなんとか丸く収まって、めでたくユーノは高町家の飼いフェレットとして認められたとのことだ。

 

「次に、それぞれのできることとできないことの確認よ。クロウカードの封印は私とすずかしかできない。これは間違いない?」

『そうやな。すごい魔力で無理やり押さえつけることはできるやろうけど、ちゃんとカードの形に封印しよおもたら基本的にはアリサとすずかにしかできん』

『それと昨日も言いましたが、太陽属性のカードは太陽の杖、月属性のカードは月の杖でしか封印できません。例外もありますが、基本的にはそう認識しておいて間違いないです』

 

スピネルの補足に全員が頷く。

 

『あ、でも一度封印したカードならどっちの杖でも使えるで?』

『使う?どういうことですか?』

 

 ユーノが不思議そうに尋ねる。アリサ達も言葉にしないまでも同じことを疑問に思ってる表情だ。

 ユーノはそもそも"危険物の回収"のつもりで地球に来たので、クロウカードを"使う"という発想がそもそもない。しかし、翔太にはカードキャプターさくらのイメージがあったため、アリサがクロウカードを封印した時「手札が増えた」と考えていた。

 予備知識のない者からしてみれば、そもそも使えるものだって考え自体が浮かんでこない。

 

『そんなら試しにここで……は使えませんです、はい』

「……わかればよし」

 

 ここは春の陽気が降りそそぐ屋上という、お昼の時間には生徒たちがこぞって場所取りをする絶好のスポット。

 要するにそんな人が大勢いるところで魔法なんぞ使えるか! と一睨みでケロちゃんを黙らせるアリサ。

 

『世知辛い世の中や……』

 

 魔法文明がない世界じゃほんま肩身が狭いでーと小声で漏らす。鍵がひとりでに喋り出しても大丈夫な世界ってのが次元世界にはあるのだろうか? と考える翔太。しかしよく考えて見れば雀宮家で鍵が喋り出しても多分誰も驚かない気がする事に気付き、内心で納得する。

 

『ジュエルシードは手に入れても使えない代物らしいですが、クロウカードは一度封印すれば言うことを聞きます』

「そうなんだ」

「なら(シャドウ)はどんなことができるのよ」

「周りの影を自由に操れて、物理的に触れられるようにできる。でも光で消える。そんな感じだろ?」

 

 昨日の(シャドウ)との交戦を思い出しながら思いつくことを口に出す翔太。こちらからは触れられなかったが、(シャドウ)からはなのはに触れることが出来ていたし、炎で照らしたら消えていた。

 

『せやな。基本的にはそんな感じや』

『歴代のマスターの中には影に潜ることが出来る方もいましたね。此度のマスターにもその域に達してほしいものです』

「はい、頑張ります」

「とーぜんよ!」

 

 ともすれば厭味にも聞こえる言葉にも、明るく答えるすずかとアリサ。表情は見えないが、どこか毒気を抜かれたような雰囲気をスピネルから感じた。過去の主と自分を比べて卑下するようなメンタルをアリサもすずかも持っていないようだ。特にアリサなんかは自分に絶対の自信がある。むしろまったく新しい使い方を編み出そうと内心で燃えていたりもする。

 

「クロウカードについてはこんなところかしら。みんなも把握したわよね」

 

 特に異論はないのでみんなでうなずく。

 

「それじゃ次はジュエルシードだね。私は昨日家に帰ってから直接聞いたんだけど…。ユーノくん、私が説明しようか?」

 

 なのはが気遣わしげにユーノに尋ねる。ユーノの傷はまだ癒えておらず、長時間話すのはまだ辛いのではないかという気遣いだった。

 

『大丈夫だよなのは。午前中に病院に連れて行ってもらってだいぶ楽になったから』

 

 異世界のフェレットに対して地球の動物治療が通じるんだろうか?と関係ない事が頭に浮かぶ翔太。本人が楽になったと言うならそれでいいんだろうけど。

 

『それじゃジュエルシードについてだけど、基本的には昨日話した通り過去に滅んだ世界の遺産で、とても大きな力を秘めている危険なものっていう認識を持ってほしいんだ』

「確かに昨日のアレはヤバかったものね」

 

 そう言ってみんなに視線を向けるアリサ。

 よくわからないものに追われての逃避行。あの時はなんとかやり過ごしたけど、今思うとよくあの場で冷静に行動出来たと思う。足がすくんで動けない可能性もあったのに。

 あれが恐ろしいものだって認識は全員が共有していた。

 

『いえ、アレはまだましな方だと思います』

「「「えぇっ!?」」」

 

 事前に聞いていたなのはを除いた三人が、ユーノに向かって(正確にはレイジングハートを首から下げたなのはへ)驚きの声を上げる。

 

『ジュエルシードは別名"願いの叶う宝石"と言って、誰かの"願い"によって発動します。その"願い"が強ければ強いほど、ハッキリしたものであればあるほどジュエルシードは大きなエネルギーを発します。昨日のアレはおそらく、微生物か何かの原始的な成長の欲求を読み取ったというレベルだと思います』

「あ、あれが微生物レベルなの?へ、へー」

「声が震えてるぞアリサ」

 

 それを言う翔太も顔が引きつっている。あの程度ならまだ何とでもなるが、あれが微生物とか言われると「俺は微生物に大切な頁を消費したのか……」とちょっと凹んだ翔太だった。

 

「じゃあ、もし人間が強い想いをこめて願ったりなんかしたら……」

『その願いにもよりますが、ろくなことにはならないと思います』

『まかり間違って世界の破滅なんか願ったらえらい事になるな~』

「気楽な声で最悪な事言ってんじゃないわよっ!?」

『っひぃ!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――しばらくおまちください―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁはぁはぁ…!」

「お、落ち着いてアリサちゃん」

「アリサ、どうどう」

「馬じゃないわよ!」

 

 ………世界より先にケロちゃんがえらい事になりました。具体的に言うと、トイレに流されそうになってた。翔太はミルモでポンのとある妖精忍者のことが思いうかんだ。

 さすがに女子トイレには入れないからどうしたものかと思ったが、ぎりぎりですずかとなのはが止めにはいったらしい。

 

『え、えらい目におうた』

『自業自得だ』

 

 気を取り直して再開。

 

『と、とりあえずジュエルシードの危険性は理解してもらったと思っていいかな』

『それはもうこの上なく。めっさ怖かったで……』

「いやそれジュエルシード関係ないから」

 

 ケロちゃんが気をつけるべきは己の失言とアリサだった。

 

「ジュエルシードの方は、なのはちゃん以外にも封印できるのかな?」

 

 仕切り直しの意味も込めて、すずかがユーノに質問する。

 そもそも昨日ユーノは魔法の才がある人間にだけ届く念話で助けを求めていた。つまりは魔法の才がある人なら誰でも封印が出来る可能性があると言うことだ。レイジングハートの所有者にしかできないというわけでもない。

 

『魔力が回復すれば僕にもできますし、術式を覚えていただければ皆さんにもできると思いますが、現状ではなのはが適任だと思います』

「そうなの?」

 

 当のなのは自身がきょとんとして首をかしげてる。

 

「なんとなく予想はつくけど、理由は?」

『ちゃんと計測したわけではないので確かなことは言えませんが、なのはの魔力は次元世界に生きる僕から見ても破格の物でした。魔法の才、という意味では飛び抜けて高いと言えます』

「確かになのはちゃんがレイジングハートを起動したときの魔力はすごかったよね」

「辺り一帯全部桜色だったものね」

「雲突き抜けてたもんな」

 

 すずかが思い出すように言った言葉に、翔太とアリサがうんうんと相槌を打つ。

 なのはは「え、えへへ~」とちょっと照れてから、話題を逸らすように口を開いた。

 

「で、でもでもアリサちゃん達もすごかったよ!金色と銀色の光がふわわわ~~って」

 

 多分こっちもケロちゃん達と契約を交わす時のことを言ってるんだろうけど、両手を使ってその"ふわわわ~~"を表現するなのははとっても愛らしかった。

 

『確かに金や銀は珍しい魔力光だし、魔力も十分すごい部類だと思うけど、何より二人にはクロウカードの方を優先してもらわないといけないから』

「そりゃそうだ。ジュエルシード相手に消耗して、肝心のクロウカードの時に封印できませんでしたってなったら困るしな」

「そんなやわじゃないつもりだけど、とりあえずは役割分担ってことでジュエルシードのメイン担当はなのはってことにしておきましょう。魔法の事はよくわからないし、ユーノの考えに従うわ」

 

 でも一応封印術式ってのは教えてね。と言葉を付け加えて、なのはのみに負担を強いるつもりはない事を言外に宣言するアリサ。

 

「それは俺も同感だな。というかジュエルシードの封印の仕方を教えてもらわないと、俺って完全にサポート要員になっちまうからな。俺だって男の子だもん。かっこよく「ジェルシード封印!」とかやってみたい」

「いや、あんたは槍玉に挙がって相手をひきつける囮要因でいてくれればいいから」

「心が折れること言うな!」

『兄ちゃんも苦労しとるんやな…』

「同情しないで!?アリサに虐げられている者同盟とか組まないからね!?」

「組めばいいじゃない。お望み通り虐げてあげるから」

「『すいません勘弁してください』」

 

 心が一つになった瞬間だった。

 

「さっき私たちの魔力光が珍しいって言ってたけど、色によってなにか特性とかあるのかな」

 

 そんな翔太とケロちゃんのことはさらりと無視して、自分が気になったことを質問してるすずかさん。翔太と目があうとにっこり微笑み返してくる辺りわざとぞんざいに扱っている気がする。

 

『特にはない…と思います。この国の血液型性格判断程度の信憑性で、向き不向きの魔法があるとは言われていますけど』

「ここにきて短いはずなのに、よくそんな日本限定のニッチな情報に触れる機会があったわね」

『ジュエルシード探索の時に、現地情報を調べるために読んだ本の中にあったので…』

 

ちなみに後日、購入せず読書魔法を使って無断で読んでいたことを、読書家のすずかから叱られていた。読む本には相応の敬意を払うのがすずかの流儀らしい。

 

『私たちの場合はその魔力光の色こそが重要なのですが』

『せやな。太陽の鍵(わい)を起こせるのは金色の魔力光やないとあかんし、月の鍵(スッピー)を起こすには銀色やないとあかんかったんやで?』

「そうだったの?」

『魔法文明の中でも数千人に1人レベルのレアカラーだから、君達が数百年目覚めなかったのもわかるような気がする……』

 

 そもそもユーノに発掘されるまで神殿の奥深くに安置されてたらしいから、魔力光以前の問題のような気もする。

 

「そう言えば翔太くんの魔力光ってなに色なの?」

「ん?あーー……、わかんね。自分に普通とは違う力があるのは知ってたけど、魔力とかリンカーコアとかそういうの意識したこと今までなかったから。第一実際に使ったのって昨日が初めてだし」

「召喚する時も特定の色で光ってたってことはなかったわね。ところで、あんたの力って具体的にはどう言うものなの?」

 

 クロウカードとジュエルシードに関する確認は一応終わり、残すところは翔太の能力の確認だけとなった。

 昨日の事件の最中に言った部分も含め、詳しく説明し直すことにした。

 

「まず始めにこの小説が全てのベースになる」

 

 どこから取り出したのか、小説を片手に立ち上がる。

 

「発動条件その1。俺がこの小説を"手書き"で書く事。その頁を消費して人物や能力を召喚することが出来る」

「手書き?」

「だからパソコンとか使わなかったんだね」

「それってかなり面倒なんじゃ……」

 

 労力を考えればパソコンで打ち込み印刷をするなりした方が楽だ。なのにそれをしない事をなのはは疑問に思っていたが、この条件があると言うなら納得できた。

 

「発動条件その2。俺以外の人がこの小説を読んで"この世界観の中なら起こりえる現象・能力である"と思う事」

「なるほど、だから私達に読ませたのね」

「おう。一応うちの姉ちゃんズや兄ちゃんも読んでるけど、読んだ人数で威力や維持時間が変わるからなるべく多くの人に、ってな」

「それってかなり面倒な条件よね」

「俺もそう思う」

 

 三百頁以上の小説を手書きで書き、そしてそれを他人に読んでもらわねばならない。発動条件を満たすまで随分下準備がいる能力だ。

 

「しかも一回使ったらなくなるのよね」

 

 昨日の戦闘で使った歩く教会や、超電磁砲(レールガン)、ステイルの炎の魔法の頁は欠落したままだ。

 

「書き直してもう一度読んでもらえばまた使えるようにはなるけどな」

「うわー。それもまた面倒な手順ね」

「うん。自分の能力ながらその利便性の悪さにドン引きだよ。ちなみに人数や回数以上に、読んだ時に感じる感情の振れ幅が大きいほどその頁がもつ力が強くなる。たとえばクライマックスの上条さんがインデックスを救い出すために、竜王の殺息(ドラゴン・ブレス)に立ち向かうシーンが描かれた頁は、この巻の中で一番力が強くなってる。みんながのめり込んで読んでくれた証拠だ」

 

 翔太には頁に触れることで、その頁にどれだけ力が込められているか読みとれる力もある。ただ感情の振れ幅と言っても、その感情がプラスかマイナスかまでは読みとれない。わかるのはあくまで大きさだけだ。

 

「確かにそのシーンはすっごくどきどきしたよ。これでインデックスさんを助けることができるって!」

 

その時の興奮を身振り手振りで伝えるなのは。ちなみにその所為でいつもの寝る時間を大幅にオーバーして、翌日遅刻しかけたらしい。

 

そんな風に、これまで魔法という非常識なものに触れてこなかったなのはたちが翔太の力に納得している一方で、魔法が常識の世界の住人たちがそろって固い声で呟いた。

 

『それって実は物凄いことなんじゃ……』

『現実世界への浸食やないか……』

『……あなたの力は思っている以上に強力なモノなのかもしれません』

 

 驚いてばかりもいられず、ユーノは昨日の翔太の言葉で気になっていた事を質問することにした。

 

『そういえば、この小説は翔太さんが夢で見た異世界の出来事を小説として書いたと仰っていましたが、それはどういうことですか?』

「あ、それ私も気になってた。これって翔太が考えたお話じゃないってこと?」

 

 この質問が来たか、と翔太は少し緊張する。

 

「ああ。これは別次元での出来事を俺が小説として書き起こしてるものだ。多分並行世界って呼ばれるたぐいのものだろう。俺はその世界を夢を通して観測することが出来る。だから俺が考えた話ってわけじゃないんだ」

 

 と、堂々と言っているが、これは自作小説と嘯くことに罪悪感を抱えていた翔太が考えた嘘の設定である。本当のところは夢で異世界を観測などできない。こちらに転生する時に、神の手によってとある魔術の禁書目録の全ての著作の内容を魂に刷り込んでもらっているだけである。

 ただ、とある魔術の禁書目録の世界が実在するであろうことを翔太は確信をしている。"別次元で起こった出来事"というのはあながち嘘ではないのだ。

 

 翔太が転生前に生きて、そして死んだ世界―根源世界―には、とある魔術の禁書目録やカードキャプターさくら、そして魔法少女リリカルなのはというフィクション作品が存在している。鎌池和馬が、CLAMPが、そして都築真紀が想像した世界だ。そして、多くの人に認知され、人々の記憶に刻まれた時、その世界は想像を超えて創造される。

 そうやって誕生した並行世界の一つとして、今現在翔太が生きる世界が存在しているのだ。であれば、翔太が観測できないだけでとある魔術の禁書目録の世界もどこかに存在しているのは疑いない。

 今の雀宮翔太に宿る魂は、根源世界の出身である。その世界からまろびでた下位世界である今の世界の住人とは魂の格が大きく異なる。この世界そのものを創造した根源世界の魂など、下位世界にとっては神に匹敵するのだ。ただ、雀宮家は末っ子を神にするために魂を呼んだのではない。ただ普通に生きて欲しいだけだった。よって、魂の格を落とすために、朱雀の手によってその一部を"異能"という形にして分割したのだ。これにより、翔太に宿る魂はこの世界にいてもおかしくない程度の格となっている。分割された"異能"こそが翔太の持つ異能召喚能力、"幻想交差(クロスオーバー)"である。

 

「それじゃ、何でもできる神様書いて、好きに物語を作れるってわけじゃないのね」

「そういうこと。その世界に起きた通りのことしか書けないって訳。改変すると能力として発現できなくなる」

『それでも十分あり得ない力だと思いますが…… その世界以外に観測できる世界はないんですか?』

 

 びくっと翔太が反応する。実は翔太が記憶しているのはとある魔術の禁書目録だけではない。ただ、その中で一番汎用性が高く、そして比較的まともな作品だったのでそれを選んだのだった。とある魔術の禁書目録も進めば進むほど結構えげつない作品ではあるが、それを加味しても他と比べてまともと呼べるのはこれだけだった。

 

「今のところこの世界だけだな。将来的に観測できる世界が増える可能性がないとは言えんが、期待しないでくれ」

 

 苦笑いでお茶を濁すことにした翔太だった。

 ここまでの話した事だけでも随分と非常識な力であるのは確かだ。だが、今まで魔法という非常識を知らなかったアリサたちからしてみれば、ジュエルシードもクロウカードもそして翔太の能力も、全部ひっくるめて"非常識"で収まるのか、ユーノ達ほど驚いたりはしなかった。

 

「それで、あんたが使える能力ってあとどれくらい?昨日結構使ったわよね」

「確か昨日は"歩く教会"を数頁、あと御坂美琴さんの"電撃使い(エレクトロマスター)"とステイルさんの魔法名"Fortis931"を使ったんだよね」

 

 アリサの質問にかぶせるようになのはが昨日俺が使った頁の確認をする。それを聞いて、すずかがすこし思い出すようにしながらこう言った。

 

「歩く教会は使いきってなかったし、御坂さんも序盤にもう数頁出てたよね。あとは月詠先生の回復魔術、神裂さんの七閃、それとインデックスさんの竜王の殺息(ドラゴン・ブレス)かな」

「だいたい正解。ちなみに神裂が出てくるシーンは、ステイルの人払いのルーンっていう別の使い道もあるけどな。一つの頁で召喚できる能力は一つだけだから、どっちかに絞らないといけないけど」

 

 一応竜王の殺息(ドラゴン・ブレス)と対峙してるシーンで魔女狩りの王(イノケンティウス)も出てくるけど、この場合は竜王の殺息(ドラゴン・ブレス)にひっくるめた方がいいからそれはカウントしない。

 

「消費した頁は俺が書き直してもう一回読んでもらえばまた使えるようになるけど、昨日は書き直す時間もなかったし、今の俺の手札はこんなところだな」

「OK、時間が出来次第書き直して私達に読ませなさい。手札が多いに越したことはないわ」

「了解」

 

 

 

 そう言ってひと段落したところでチャイムが鳴り響いた。

 

 

 

「ちょうど予鈴だね」

「一通り確認できたしよしとしましょう。放課後はさっそくジュエルシードとクロウカードの探索よ」

 

 全員でうんと頷いて、非常識話盛りだくさんの昼休みが終わった。

 

 

 

 

 

 

「今日って習い事の日じゃなかったか?」

 

 時は放課後。いつもなら校門脇にバニングス家のリムジンが待ち構えていたはずだが、今日は影も形もない。

 

「事の確認が昼休みだけで済むとは限らなかったから、今日はあらかじめ休むって断りを入れておいたのよ」

「発表会が近いから頑張るとか前言ってた気がするんだが」

 

 ついでに発表会を見に来いとも言われている翔太だった。ヴァイオリンでクラシックとか庶民にはハードル高すぎる。眠気的な意味で。

 

「練習をしないわけじゃないよ。先生の所でしか弾けないってわけじゃないから」

「あー、家も敷地も広いからご近所さんを意識しないでいいってか。このブルジョワめ」

「そうよ。悪い?」

「あ、あはは」

「開き直りやがった!?」

 

堂々と胸を張るアリサと、すこし申し訳なさげに笑うすずか。

 

「家の広さなら翔太くんも人の事言えないと思うの」

「うっ」

 

 この中で唯一家の広さが一般家庭並みのなのはがつっこんだ。

 

「いや、家は広いけど古くてボロイし、父さん母さん婆ちゃんいれて十人暮らしてんだぜ?生活スペースって結構狭いしあまり裕福って感じじゃない」

 

 だからほら、俺もなのはも一般人、と手を伸ばそうとしたところでアリサが遮る。

 

「なのはの家だって巷で有名なケーキの美味しい喫茶店のオーナーなんだから、お嬢様と言っても過言じゃないわ」

「さすがにお嬢様は過言だと思うよ!?」

 

 驚きの声を上げるなのはの腕をとって引き寄せ、反対の手ですずかの手を取り「私達仲間。あんたはぼっち」と勝ち誇るアリサ。

 

「…ちくせう、いつか泣かしてやる…」

『ドンマイ』

「だからあんたは勝手に喋らない!」

『す、すまん』

「同士よ…」

 

別の同盟者も、とばっちりだった。

 

「私立の大学付属に通ってる時点で、翔太くんも十分恵まれてると思うけど」

 

すずかの呟きは、風に溶けていった。

 

 

 

 

 

 

「とりあえずどうやって探すの?」

 

 高町家から抜け出したユーノと公園で合流したアリサたち。高町家には今誰もいないからばれる心配はないらしい。

 

「ジュエルシードに関しては発動したら一発でわかると思います。理想は発動前に見つけたいところですが、発動前は反応が弱くて僕の探索魔法だと見つけられなくて…」

『クロウカードは力の強い奴も弱い奴もおるからなー。動き出したらわかる奴もおるやろうけど、今のところわいが感知できる範囲に派手に動いとるカードはおらんで』

『要するに虱潰しに探すしかないと言うことです』

「うわー」

「魔法だなんだっていっても結局そこなのね…」

「すいません、万能というわけじゃないので…」

 

 しゅんと項垂れるユーノ。

 

「まあいいわ。それより気になることがあるんだけど」

「なんですか?」

「それよ」

「?」

 

アリサの言ってることがわからなくてユーノと揃って首をかしげる俺たち。

 

「ユーノの話し方よ。私達に敬語なんて使う必要ないわ」

「え、でも僕はお願いをする立場ですし」

「そんなの関係ないの。私たちはもう運命共同体で仲間なんだから、余計な気遣いは無用よ!」

 

 アリサだけでなく、なのはもすずかも翔太も賛同するように頷く。その様子を見てユーノは観念したように、それでいて嬉しそうにアリサに向き直る。

 

「は、はい、じゃなくて、うん!」

「それでよし」

 

 うんうんと頷くアリサ。その瞬間

 

 

 

――――ィィン――――

 

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 一斉に波動を感じた方に振り向いた。感じた波動は一つではない。

 

『ジュエルシードとクロウカード。どうやら同じ場所で発動しているようですね』

 

 スピネルが冷静に分析する。いきなり二つ同時とは難易度が高い。

 

「みんな、いくわよ!」

 

 アリサの号令に従って駆け出す。女子三人は胸元の相棒を握りしめ、翔太は鞄の中から紙の束を取り出しながら駆け足を速めた。

 

 

 

 

 

 

『グルルルルルゥゥゥゥゥ……』

―ぐるるるるる……―

 

 たどり着いた神社の境内で、通常ではありえない大きさの黒い犬と、なんだかよくわからない兎っぽい何かが睨みあいをしていた。

 

「えっと……どういう状況?」

「さ、さあ。映画で見るような怪獣対決って感じだけど」

 

 スケールは小さめだけどゴジ○対キ○グギ○ラ的な?片方の見た目がファンシーなせいで緊張感が全くわかないんだけど。

 アリサたちは階段を上がりきらず、睨みあう奴らに見つからないように身をかがめながら様子をうかがっていた。ちなみに翔太はこの周囲に人が来ないように『能力召喚"ステイル・マグヌス"、使用霊装:人払い(Opila)刻印(ルーン)』を使っていた。

 

『あの白い方は(ジャンプ)だな』

「てことは犬の方がジュエルシードか」

「属性は?」

『月やな。……ところでジュエルシード担当のなのは嬢ちゃんが階段下でへばってるようなんやけど…』

 

 ここまで来る道中でなのはの体力が既に尽きていた。今も階段下で「ふぇ~~」とかいってへばってる。ユーノが「頑張ってなのは」とか言ってるけど、なのはの体力が減ったのは肩に乗っているのが一因でもある。

 

『魔力は一番でも体力はビリかい』

「バランスとれてんじゃねーの?」

「ほらなのは!急ぎなさい!」

「う、うん」

 

 小声で捲し立てるアリサに急かされて昇ってくるなのは。

 そんなとき、異型たちの間変化が訪れた。

 

『ガウッ!!』

――っ!――

 

 飛びかかってくる黒い犬を、(ジャンプ)の名に相応しく、跳び上がって躱す。

 そして着地点を黒い犬のいる場所にして、踏みつけようとするも、それを悟って避ける黒い犬。

 そんなやり取りが何度も繰り返されていた。

 

「あ、ほら見てあそこに女の人が」

 

 なのはがようやくアリサたちと同じところまで上がってきたときに、すずかが倒れている女の人を見つける。手にはリードが握られており、その先にはちぎれた首輪があった。

 

「あ、あの犬さんの飼い主さん、かな」

 

 既に息も絶え絶えのなのは。

 

「余計なこと喋らんと今は息整えとけ」

「う、うん」

 

 すーはー、と深呼吸を始める。その肩からユーノが降りて境内を伺う。

 

「おそらく(ジャンプ)が先に現れて、驚いて気絶した飼い主さんを守りたいと願った結果、ああなったんだと思う」

「ということは下手に飼い主さんに近づくと私達も敵って見なされるかもしれないね」

 

 飼い主さんに(ジャンプ)を一定距離には近づけないようにしているみたいだから。とじっくり観察していた結果を教えてくれるすずか。

 結構凄い速さで動いてるのによく見えている。

 

「となると、どうしましょうか。できればあいつらが私達に気付かないうちに一網打尽にしたいけど」

「とりあえずセットアップしてバリアジャケットを纏っておいて。奴らにばれないように声は押さえ目で」

「昨日みたいに魔力が漏れ出てたらいくら声抑えてても意味ないんじゃないか?」

「いえ、昨日は初回起動だったせいでなのはの魔力を受け切れずにああなっただけだと思う。今ならもう大丈夫だよねレイジングハート?」

『はい、セカンドマスター。起動ワードも省略することが可能です』

「あれ?本来の持ち主がセカンドマスターに格下げされてる?」

「…………」

 

 無言のユーノ。

 一瞬空気が微妙な感じになったが、全員何食わぬ顔でなかったことにした。

 

『一回契約したら封印解除(レリーズ)ゆうだけでショートカット起動できるんやけど、こっそりやりたいなら正規の起動呪文唱えてくれたらええで』

『正規の呪文は昨日教えた通りです』

 

 アリサ、すずか両名とも自宅に帰ってからそれぞれのパートナーとじっくりと話をしていた。その中である程度杖の取り扱い方を学んでいたのだった。

 

「わかったわ。それじゃいくわよ」

 

 頷きあう魔法少女3人。

 

「太陽の力を秘めし鍵よ」

「月の力を秘めし鍵よ」

「風は空に、星は天に」

 

「真の姿を我の前に示せ」

「真の姿を我の前に示せ」

「輝く光はこの腕に」

 

「契約のもとアリサが命じる」

「契約のもとすずかが命じる」

「不屈の心はこの胸に」

 

封印解除(レリーズ)!」

封印解除(レリーズ)!」

「レイジングハート、セットアップ!」

 

 金の太陽(アリサ)銀の月(すずか)、そして天の星(なのは)

 傍らにいる翔太にも魔力の波は感じ取れない静かな変身を終えるアリサ達。

 

「ふう。セットアップ完了」

「お前らだけそういう装束があってうらやましいぞ」

「ならあんたはインデックスを能力召喚して歩く教会でも着れば良いじゃない」

「ぶふぉっ!?」

 

 自分で想像して自分でその気持ち悪さにダメージを受ける翔太だった。

 

 

 

『ガウッ!!』

――ぐるるっ!――

 

 その間も小競り合いを続けている異型たち。外部に被害が及ばない分アリサたちものんびりしたものである。

 

「さて、ちゃっちゃと封印しちゃいましょうか。私があの二匹の動きを止めるから、その隙にそれぞれ封印お願いね」

 

 そう言って(シャドウ)のカードを取り出すアリサ。

 やろうと思っていることを理解して、さっと準備をするなのはとすずか。お互いの封印対象のみを見つめて、アリサがしくじるなんて微塵も思ってないふたり。

 

『時間は夕暮れ時。一日の中で一番影が長い時間帯や。いけるで、アリサ』

「いくわ!」

 

 ひゅんとカードを中空に投げるアリサ。カードはその位置でくるくると回転しながら、僅かに魔力の波動を周囲に発し始める。

 

『影よ!主を縛る戒めとなれ! (シャドウ)!!』

 

 カードを太陽の杖で付き、不可視のエネルギーを発する。

 その瞬間、黒い犬と丁度着地した(ジャンプ)自身の影が膨れ上がり、己が主を縛りつけた。

 

『ガ、ガウ!?』

――ぐる!?――

 

「今よ!」

『sealing mode set up。stand by ready』

「リリカルマジカル。ジュエルシード、シリアル16、封印!!」

「汝のあるべき姿に戻れ!クロウカード!」

 

 なのはの桜色の光線が黒い犬を包み込み、すずかの振り下ろした月の杖が(ジャンプ)の姿をゆがませる。

 

『ガ、ガウウウゥゥゥ……―――』

――ぐーるー――

 

 ジュエルシードは輝きを失ってなのはの手に収まり、随分縮んだ核となっていた犬は、何が起こったのか理解していないのか周囲を見渡した後、自分の御主人様を見つけてそちらに駆け出していった。

 

 (ジャンプ)はカードの姿となってすずかの手に収まった。

 

「やったねなのはちゃん!」

「うん!」

「大成功!!」

 

 これにて一件落着。ジュエルシードとクロウカードを手に微笑む二人と、それに飛び込むように抱きついたアリサ。

 夕暮れに映える三人の魔法少女は、それはそれは絵になる光景だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところであんた達、今日なんかしたっけ?」

「ひ、人払いをしました」

「ジュ、ジュエルシードに込められた願いを予測しました」

「……他には?」

「「…………聞かないでください」」

 

 実戦の役に立っていない女尊男卑なそんな一日。

 

 

 

 




大きな変更点。主人公の家庭設定の明確化。
旧版の主人公の家族構成はぼんやりした感じだったが、私の黒歴史の中に存在する雀宮家を引っ張って来て結構明確にしてみた。バックボーンがしっかりしているとキャラクターとして動かしやすいので。
ちなみに雀宮家にはいろんな裏設定がありますが、それはリリなの世界にはあまり関わる予定はありません。あくまで主人公である翔太のバックボーンとして確立させただけであって、リリなのの物語とは関係がないので。
質問される方がいれば適当に公開しますが、これから先の展開のネタバレに繋がる事はありません。基本的にその設定はリリなのの世界に関わらないので。

雀宮家の家族構成

次男:翔太
小学三年生で末っ子。家族内の玩具としてとても可愛がられている。
五女:白鳥(しらとり)
小学六年生だがアルビノのため通っていない。昼間は離れに籠っている。雀宮家が祀る朱雀との感応が高く、翔太を救うように朱雀に頼んだ張本人。髪は生まれてから一度も切っていない。
四女:鶫
小学六年生。燕、白鳥と含めて三つ子。燕と鶫は一卵性で瓜二つ。見分けがつくのは白鳥のみ。サイドテールの結び目が左。やかましい。
三女:燕
小学六年生。鶫、白鳥と含めて三つ子。サイドテールの結び目が右。元気が有り余っている。
次女:美羽
中学二年生。翼の双子の妹。外面は大和撫子。内面も一応見た目に準ずる。ただ怒ると怖い。双子の兄に恋心を抱いている。
長男:翼
中学二年生。美羽の双子の兄で雀宮家次期党首。重度の厨二病感染者に見えて、実は厨二病じゃないという厄介な御仁。「右目が、疼くっ!」「静まれ!俺の左手!」「奴の声が……聞こえる」という言動をしょっちゅうしているが、妄想ではない。
長女:鶴義(つるぎ)
高校一年生。雀宮七兄弟の長女。最強にして最凶。周辺一帯の不良に一目を置かれている姐さんとして有名。でも家では大人しくて優しいお姉さん。言うなれば外弁慶家地蔵。人見知りが激しいうえ上がり症。でも強さは家族内で最強なのは事実なので色々暴れた逸話あり。

父:楯一(じゅんいち)
現雀宮家当主。ほとんど家にいない。全国各地で仕事をしているらしいが、翔太は仕事内容を詳しく知らない。
母:刀子
年齢は秘密。家族全員が恐れる胆っ玉母ちゃん。でも夫に同行しているのでこちらも滅多に家にいない。鶴義と並ぶと姉妹にしか見えないほど見た目が若い。

祖母:美桜(みおう)
忙しい両親に変わって雀宮家の家事を一手に引き受けている元気なお婆ちゃん。見た目は精々40代にしか見えない。合間に週に4日ほど介護ヘルパーの仕事をしている。旦那は11年前に他界。
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