「提督をみつけたら」の三次創作。

艦娘ポーラと提督の物語

本作は『提督をみつけたら』の三次創作作品ですが、本家のパラレルワールドです。
そのため、設定や世界観について本家とは異なる場合があります。
予め、ご留意ください。

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本作は『提督をみつけたら』の三次創作作品ですが、本家のパラレルワールドです。
そのため、設定や世界観について本家とは異なる場合があります。
予め、ご留意ください。


提督も飲みます?

 こんばんわぁ、ポーラでぇす。

 

 うふふふ、え? いいんですよぉ、ここでは、提督じゃなくてもポーラのことポーラって呼んでもいいんです。

 そういう場所ですから。

 うふふ、お酒、何飲みます?

 

 はーい、今注文しますねぇ。

 ポーラも一緒に、飲んでいいですか? やったぁ。

 

 うふふふ、お酒、美味しいですぅ。もう一杯、飲みますぅ?

 

 ふふふ、提督にもたれかかってもいいですかぁ? うふふ、楽しいですねぇ。

 

 また来てくださいね、ポーラ、待ってまぁす。

 

 うふふ、お酒大好き、ポーラの天職ですぅ。天国ですぅ。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 はーい、ポーラでぇす。

 どうしたんですかぁ? お酒、飲みます?

 はーい。それじゃあ、これ飲みますねぇ。

 

 え? 転勤ですかぁ? 艦夢守市。栄転じゃないですかぁ。

 そうですねぇ、ポーラも昔、あの島に住んでいたんですよ。

 

 あの島での話? ポーラの提督のお話?

 うふふ、提督、転勤するからって艦夢守市や艦娘のこと勉強したんだ、偉いですねぇ。

 

 でも、ふふふ、それは内緒ですぅ、ポーラの秘密ぅ~うふふ。

 

 だけどぉ、今日でお別れだから、特別に話してあげますね。

 その代わりぃ、最後の大盤振る舞い、イイですかぁ?

 高いお酒、頼んじゃいます?

 うふふ、提督、大好きぃ。

 

 ポーラは普通の家に生まれたんですよ。そうですねぇ、今の艦娘はみんな普通の家で生まれますねぇ。

 ポーラの家に生まれた艦娘はポーラだけでした。お姉ちゃんは普通の人間でした。

 ポーラの艦娘としてのお姉さまはザラ姉様ですけれどぉ、お姉ちゃんも大好きなんですよ?

 お姉ちゃんは艦娘のポーラのことも分け隔てせず、普通の妹として接してくれました。それはぁ、とっても嬉しいことだったんです。

 艦娘として戦うことなんてもうない時代だって言われたけれど、もし戦うことになったら絶対にお姉ちゃんを守ろう。ポーラは小っちゃいときからぁ、そんなこと考えてたんです。うふふ、ポーラったらおませさん。

 

 え? はい、ポーラの提督の話ですよね。

 わかってまぁす。

 

 ポーラは提督に会えました。

 でもね、ポーラが会った提督は、ダメだったんです。

 会っちゃダメな人だったんです。

 

 お姉ちゃんの彼氏だったんです。

 

 ポーラは頑張りました。頑張って、頑張って隠しました。

 だって、お姉ちゃんには幸せになって欲しかったから。

 ポーラが提督だって言えば、裏から手を回しかねない人だっているって知ってたから。

 だからポーラは黙ってました。

 とても、とても苦しくて悲しくて切なくて、それでもポーラはお姉ちゃんが大好きで。

 

 だからポーラはお酒を飲みました。

 ポーラだからお酒を吞むんだって言って、飲みました。

 飲んでも、苦しくなりません。酔うだけです。気持ちは高ぶっても、それだけです。

 提督はお姉ちゃんと幸せそうでした。

 そして提督は、お義兄さんになりました。

 ポーラはもっともっと、苦しくなりました。

 だけど、ポーラは頑張ったんです。

 

 ……どうして泣くんですかぁ、ダメですよ。お酒は楽しく飲みましょー、ね?

 

 まだ、聞くんですかぁ? うふふ、しょうがないですねぇ。

 

 ある日、ポーラはお酒を飲んでました。

 お姉ちゃんと、お義兄さんも一緒に飲んでました。

 ポーラはその時、失敗しちゃったんです。

 

「提督も一緒に飲みますぅ?」

 

 ポーラは慌てました。

 だからすぐに、冗談だって言ったんです。

 

 お義兄さんは、少し怒りました。

 

 艦娘が、冗談でもそんなこと言っちゃダメだ、って。

 

 ごめんなさい、ってポーラは謝りました。

 ポーラは嬉しかったんです。お義兄さんが艦娘のこと考えてくれてるって。

 そしてわかってしまいました。もう、限界だって。

 このままここにいれば、お姉ちゃんを不幸にしてしまうって。

 

 ポーラは家を、町を、島を出て行くことにしました。

 

 もう、ポーラはあの島には戻りません。

 提督はあの島に行くんですね。もし、ポーラのお姉ちゃんに出会っても、ポーラのことは黙っていてくださいね。

 約束ですよ。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 なんだいなんだい。栄転するってのに湿っぽいねぇ。

 

 あ? ポーラの話?

 

 なんだ、あんた、本気にしてるのか。

 

 ありゃあ、あいつのネタだよ。

 だから、この町を離れるって奴にしか話さねえのさ。

 

 まあまあ、あいつが艦娘で訳あってこの町にいるってのは本当なんだから。

 ははは、どっちにしろ、あいつがここにいるってのは向こうじゃ内緒にしてやってくれや。

 

 じゃあな、お客さん、元気でな。

 またこっちに来ることがあったら、そのときゃ寄ってくれ。

 

 

 

 

 ……ああ。

 本当にあれがネタだったら、良かったのによぉ……なぁ、ポーラよ。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 ポーラはこの町が二番目に好きです。

 お店の人も優しくしてくれるし。

 お店の主人は、元提督なんですよ。ポーラの提督じゃないですけどね。

 ポーラはこの町で、お酒を飲んで楽しくおしゃべりして生きていくんです。

 

 提督がお亡くなりになるまで。

 

 ポーラ、信じてます。

 人間には、生まれ変わりがあるんだって。

 

 だから、その時はすぐにあの島に戻ります。

 きっと、お姉ちゃんの子供か、もしかしたら孫が、ポーラの提督なんです。

 そうです、そうに決まってます。

 

 ポーラはその時を待っているんです。

 いつまでだって、ポーラは待ちます。

 

 待っていてくださいね、提督。

 











ポーラ可愛いです。

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