鷲尾才人が勇者であるために   作:灰原衛宮

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バーテックス。この世界を脅かす敵の名だ。
俺達はこの平和を保つため、今日も戦い続ける
傷ついても、平和のために。
そして、仲間のために。
誰も死なせたくない。
戦わなければ世界が終わる。
だから何度無理をしようとこいつらを守ると決めた。


鷲尾須美は勇者である編
序章「守りたい人と世界」


体が言うことをきかない。

敵の攻撃を喰らいすぎたのだろう。

他の仲間も俺の周りで倒れている。

敵は神樹に向かって進み続けている。

戦わなければ世界が終わる。

ふとそんな言葉が俺の脳内をよぎった。

俺がやらなければ。

体がどうなろうと知らない。

こいつらと、この世界を守らなければ。

ボロボロの体を起こし、敵の向かう先へ行く。

「悪いな、こっから先は俺、鷲尾才人が通さねぇよ!」

そして、俺は戦いを始める。

世界と、仲間を助けるために。

 

 

「おに....ゃん」

声が聞こえる。すごく聞き覚えのある声。

「お兄ちゃん!」

今度ははっきりと聞こえた。間違いない。須美の声だ。

俺は重い瞼を開く。

「目が覚めた!先生!お兄ちゃんの目が覚めました!」

須美の嬉しそうな声が聞こえる。どうやら俺はまだ死んでいなかったようだ。

「須美....ここは?」

「病院だよ。お兄ちゃん、あの戦いに勝ったあと、気を失ったの」

「他の皆は?」

「皆無事だよ。お兄ちゃんが守ってくれたから」

「そうか、それならいいんだ」

その後俺は医師から診断を受け、明日までは安静にさせるため入院と言われた。

「はぁー。入院中ってトレーニングとか出来ないから暇なんだよなぁ」

「何言ってるんですか。お兄ちゃんは体を休めるために入院するんですよ?」

と須美が俺に叱ってくる。

「そうなんだけどなぁ」

そんな会話をしていると、病室の入口からコンコンっとノックの音が聞こえた。

「ん、客か?どうぞー」

俺がそう言うと扉がゆっくり開くと見慣れた二人の姿が見えた。

「こんにちはー、わっしーのお兄さん」

「体の方は大丈夫ですか?」

と園子と銀が聞いてきた。

「まあ、なんとか、明日までは入院って言われたけど」

と笑いながら俺は言う。

 

 

さて、全員揃ったので軽く自己紹介でもしておこう。

俺は鷲尾才人。神樹館中等部1年。

そして、俺の妹の鷲尾須美。神樹館6年。

そして、須美の友達の乃木園子と三ノ輪銀。

須美と同じ神樹館6年だ。

まあ、軽くなので今はこんなもんでいいだろう。

 

時刻は午後5時。そろそろ暗くなる時間だ。

「そろそろ暗くなるので私達は帰りますね?」

と須美が言った。

「そうか....あ、そうだ須美、明日までのご飯はお前に任せるけど大丈夫か?」

「元々そのつもりなので大丈夫です」

と須美は言ってくる。流石俺の妹だ。

「それじゃまた明日」

「じゃあな」

そう言って俺たちは別れる。

しばらくは平和に過ごしたいものだ。

そう思いながら俺は窓の外を見る。

今はまだ平和なこの世界を見るために。

 




と言う訳で鷲尾才人は勇者でありたい。いかがだったでしょうか?
これからも頑張って面白くして行こうと思うとでどうかよろしくお願いします

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