南方棲鬼と申します。   作:オラクルMk-II

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長らくお待たせしました。ヴィクセンです。
今日から2章の投稿に入りたいと思います。なお、艦これ成分はかなり薄いと思いますのでご了承ください。


2 VSモンスターマシン
天龍念願のマイカー


 

 

 

 

WRX(ダブルアールエックス)は……うわ、500万か。GTR(ジーティーアール)なんてスーパーカーは論外だし……シビックも400万もすんのか……」

 

「天龍もついに車買うの?」

 

「あ、はい。スポーツカー乗りたいけど、なるべく新しいのに乗りたいんすよね」

 

「何かこだわりが?」

 

「ドリ車とか買ったら事故とか修復歴有りそうで」

 

「なるほどね」

 

 年末のドタバタもすっかり過ぎて、今は2月上旬の日の昼頃。すっかり整備スタッフのピンク色のツナギを着こなした巧は、休憩時間を自動車雑誌を見て過ごしていた天龍に聞く。

 

 ちらりと見えた雑誌の、終わりが近いページには、巻末お決まりの中古車の紹介が乗っていた。ヤンキーあがりみたいな彼女の事なので、VIPカーみたいなのを買うかと勝手に思っていたのだが、意外にも普通のスポーティーカーが欲しいとのこと。

 

「でもどうしたのいきなり、車が欲しいだなんて。家近いって言ってなかったっけ?」

 

「最近人増えたから休みも増えたじゃないすか。だから遠出するのにいいかなって」

 

 話しながらチラリと覗くが、天龍が読んでいた本は、ちょいとばかり金を持て余した道楽オジサン……ハッキリ言えばラグジュアリー層向けというのもあって、掲載されているのはどれも400から600万円台の高級チューニングカーばかりだ。流石にこれじゃ、気も引けるわな、と巧は思う。

 

「これとかは? 赤のS660(エスロクロクマル)。いい車だしディーラー試乗の300kmちょいしか走ってない新古車だって」

 

「軽に200万も出すのって何か気が引けるんすよね。あと走るだけならまだしも、2シーターでしかもMR駆動だと、遠出するとき荷物とか全然載らないかなって」

 

「お? 全国の軽車ユーザー敵に回したね天龍?」

 

「やめてくださいよ……」

 

 口ではそんなことを言いつつ、天龍のもっともな意見に巧はそれもそうかと思う。軽自動車ごときにそんな金が出せないというのは人によるだろうが、町乗り上等なモノが多い軽自動車でMR駆動は、よっぽど好きな人じゃないと飲めない条件だよなぁと思った。

 

「じゃあこっちのシビックは。EP3(イーピースリー)とかマイナーだから安いし、シビックRなんてFFの王様だからね、ハッチバックだけどめっちゃ速いよ?」

 

「荷物が載っかりすぎも問題だと思うんすよ」

 

「え? なんでさ」

 

「摩耶さんみたいに、色んな人に良いように使われそうじゃないすか」

 

 「ほら、アレ……」。天龍が開きっぱなしになっていたガレージの外を指差したので、何かと見てみる。そうすれば、なるほど、ちょうどよく摩耶の車に乗ってどこかにいく暁の姿が見えた。巧は目が悪いのであまりハッキリは見えなかったが後部座席に荷物が積載されていたので、どこかに書類でも運びに行くのだろう。

 

 そういえば仕事の都合で他人によく車を貸すとマコリン言ってたっけか。

 

 話し方や仕草にレディースみたいな感じが漂うが、性格が真反対の親友が少し前に口にしていた事を思い出す。おおらかな性格じゃなければ、天龍の言う、知人・職場の人間問わずに自分の車を貸す、というのは抵抗あるだろうな、と思う。

 

 そうやって雑談に花を咲かせていると、すぐに休憩時間が終わり、妖精から仕事再開しろとの怒号が飛んでくる。

 

 渋々広げていた雑誌を棚に戻して作業に入ろうとする天龍に別れを言い、巧は洗車用品が入ったバケツを持って外に出た。

 

 

 

 気温は低いが快晴の空の下で、ここに来てもう1ヶ月になるのか、と思いながら車を磨く。

 

 最初の頃は巧一人で洗車の仕事をやっていたが、今は車方面の知識が一番強い彼女が、他のスタッフに洗車のやり方を教える目的で二人で仕事に従事していた。ちなみにコレは他のスタッフの下手っぴを気にしていた那智の提案らしい。

 

 黙々とハンディスポンジでゴシゴシと遠慮なく車体をなぞっていく傍ら、巧はここ最近でずっと気になっている事があった。この駐車場の車だが、軽自動車2台が動いているのを見たことが無かったのだ。定期的に動かさないとエンジン腐るぞ? と所有者に言ってやりたい気分だった。

 

「あの、藤原さん」

 

「はぁ~い?」

 

「ここのハスラーとN-BOXって誰の車なんですか。動いてるとこ見たことないんですけど」

 

「あぁコレですか。ハスラーは緒方提督のクルマですよ」

 

「提督さんの?」

 

「はい。なんでも仕事で車使うこと有るだろうからって、結構荷物積めるコレ買ったって。ただ、ウチの鎮守府は車持ってる艦娘さんとか多いじゃないすか? だから誰も乗らないんですよ」

 

 ついさっき、摩耶の車に乗ってどこかに行く暁を思い出す。同時になるほどと内心で相槌を打つ。いくら積載量が多いとはいえ軽自動車、後部座席を寝かせたミニには載る荷物の量で勝てないのだろう。

 

 しかし一つだけ疑問が残った。それは親友のミニはMTで、このハスラーはATだという点だ。普通運転しやすいこちらに乗らないか? と思い、巧はもう少し踏み込んで聞いてみる。

 

「でもここの他の車ってMT多いですよね、なんでみんなハスラーのが動かしやすいのに他の人の車借りるんですかね?」

 

「それはアレです、緒方さんから車借りると手続きがめんどっちいんですよ」

 

「え、手続きなんて必要なんですか」

 

「軍で決まってる事らしくて。いちいちあの人本人から許可書取らないと借りられないって。そうくればまぁ、みんな摩耶さんとかから借りるかなって。長門さんだとかは忙しくて声かけられないでしょうし」

 

「車1台で結構大変なんですね」

 

 そりゃ、確かに面倒臭そうだな……と自己簡潔。

 

 因みに何故長門の名前が出てくるかというと、ここの車たちの中でトップクラスにでかいフリードの持ち主だからだ。戦艦の艦娘という業種柄、ここの鎮守府で最高レベルに仕事が苛烈らしい。

 

 そのまま彼はハスラーの隣の車についての説明に移った。

 

「こっちは艦娘辞めた人が置いてったんですよね。車2台持ってるからって」

 

「そんな簡単に辞められるものなんですか?」

 

「いえ、怪我と、後はもう年だって事で、出ていく旨を上に伝えたらすんなり。今は普通に民間で働いてるそうですよ」

 

 へぇ、と巧の口から声が漏れる。ここに勤務して5年目でベテランな彼によれば、艦娘というのは、基本的に35~40辺りから辞めていく人が多いのだそう。理由は年齢、故障とその他様々だが、それ以上の年齢で食い下がっているのは少数だとか。

 

 N-BOXのガラススモーク越しに覗けるフロントシールドに貼られた車検証が目に入る。もう少しで切れてしまうそれの表示に、なんだかこの車から哀愁が漂っているような気を、彼女は感じた。

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 平凡な毎日が過ぎていく。巧が天龍と車談義をしてからもう3日が経過する。いつも通り、巧はノミと高圧洗浄機を手に、艤装と格闘中だ。

 

 今日は1ヶ月に1度の休憩時間が遅い日で、いつもなら適当に暇潰しをしている時間にも巧はせっせとスタッフ達に混じって仕事に励む。天龍は何故か休みを取っていたので、他の男性作業員とコンビを組み、外した部品をエンヤコーラと運んでいたとき。時間にして3時半頃、やっと休憩が言い渡され、作業中だった人間全員が汗を拭って体を休ませる。

 

 巧は貰ったスポーツドリンクの封を切り、イッキ飲みする。慣れてきたけどこういう時間割は大変だな、なんて思っていたとき。服の汗を乾かそうと外に出ると、何をしているのか、那智、摩耶、加賀の3人が棒立ちしているのが目に入る。

 

「……? みなさん何してるんですか?」

 

「あ、巧。天龍がなんかここで待っててくれって、さっき電話で呼ばれてさ。那智と加賀もそうなのか?」

 

「えぇ」

 

「応。何かのパフォーマンスか?」

 

 3人とも何となく天然ボケしたような表情で言う。天龍が電話で呼んだ、とはもしかして…… 巧が何かを察したとき、鎮守府の門の周りの空気を震わせるスポーツカーのアイドリング音が全員の耳に入った。

 

 ハザードランプを点滅させながらゆっくりと入ってきたのは、銀色の34R(さんよんアール)だった。一瞬全員がGTRか? と思うが、よく見るとあの特徴的なRのバッヂがフロントグリルに付いていない。そして運転席に眼を移せば、乗っていたのは天龍ではないか。

 

 ポカーンとしていた四人に、天龍は上機嫌でパワーウインドウを下げ、叫んできた。

 

「どっすかァ! このスカイライン!!」

 

「なまら綺麗じゃん! どしたのコレ?」

 

「知り合いから譲ってもらったんすよ。すっごい程度いいのに、80万で譲っちゃる! って」

 

「ER34か! へぇ、コイツで無改造のシルバーとか下手したらGTRよかタマ数少ないんじゃねーの?」

 

 綺麗なアスリートシルバーのR34型・GTR……ではなく34のFRのスカイライン。でも誰もそれを笑わず、素直に自分の車を持ったことに嬉しそうな天龍を祝福した。

 

 今日わざわざ休みを取ったのはお披露目のためだけ……ではなく、手に入れたばかりの念願のマイカーに変なところが無いか専門職の巧と摩耶に見せるためだと言う彼女に、二人は快諾して軽くマシンを診てみる。

 

 R34、それも昔はドリフト暴走族から大人気だったFRスカイラインとくれば、中古車市場に流れているのは、元事故車やらヤン車やらが多くて悪い意味で巷では有名らしいが、どうやら彼女の言う親類とやらは好意的な人物だったようで。この車には変な所が何も無かったのが、巧と摩耶には意外だった。

 

 ボンネットの中も観てみる。エンジンルームの心臓部はホコリ一つなく磨かれた動力がどんと居座り、猛烈な熱が伝わって錆びまみれになりがちなエキゾーストマニホールドのパイプも綺麗に鋳造の鉄が見えている。粗探ししても変な所が無いとなれば、中古車としては文句なしの一級品と言える物件だ。

 

「でも良かったなこんな良いの譲ってもらって。……修復歴あったりして」

 

「ばっ!? 縁起でもないこと言わないでくださいよ!」

 

「ジョーダンだよ。いいなコレ、でかさもパワーも程々だろうし、まぁテクニック磨くには良いかもな」

 

 半開きのままになった34の内装に見える、トランスミッションのシフトノブの溝を見て、あることに気がついた巧が口を開く。

 

「ミッションはATなんだね」

 

「っす。本当はMTがよかったけど、流石にそんなゼータク言えないから」

 

「へー。でもいんじゃない、ERのATはシーケンシャル入ってるから一応MTにもできるし、何よりエンストもしないだろうし」

 

「え、そーなんすか?」

 

「あら、知らなかったんだ」

 

 この車のAT特有の最大の特徴を知らなかった天龍に巧は変な顔になる。車は好きでも、機械的な知識などには天龍は疎いらしい。

 

 ER34のAT車は普通の1、2、PといったフツーのATシフトのレールの隣にシーケンシャルシフトモード、通称MTモードが付いていて、クラッチ操作ナシのアップダウンのみのシフト操作が出来るのだ。巧は整備士として働いていた頃に、同じ装備をこの車や、最近のAT車を見て知っていた。

 

 が、そんなメカ方面の巧のウンチクをぶっ飛ばし。天龍は漫画なら瞳の中に星が描かれそうな満面の笑顔で、興奮しながらある提案を切り出す。

 

「そんなことより、みんなで峠いきませんか!? 仕事終わりに表ヤビツまで!」

 

「私はパスだ」

 

「アタシも」

 

「行きたいのはわかるし、私も良いとは思うけど……ちょっと疲れちゃうかな?」

 

「あっ……その、すんません」

 

「いんだよ別に。また今度行こうぜ? そんときは付き合うからサ」

 

 よっぽど自分だけで好き勝手出来る車を持てたのが嬉しかったのか。天龍は自分以外は仕事中だというのを忘れてしまっていた。

 

 摩耶が軽く励ますが、しょげてしまった彼女に。さっき一人だけ黙っていた加賀が手を差し出した。

 

「天龍、私なら大丈夫よ。書類仕事だけだからすぐに片付くし、そんなに疲れることでもないから」

 

「えッ!! マジすか、いいんですか加賀さん!」

 

「えぇ。6時か7時頃に暇になるから、そこから出発しましょう。近道を最近知ったから30分もかからないわ」

 

 「よっしゃあぁぁ!!」と暴走族の爆音マフラーよりでかい声で叫び、比喩でもなんでもなく物理的に飛び上がってから、天龍はルンルン気分で苦笑いしていた加賀とドライブの約束を取り付ける。

 

 そのまま今度は「暇潰しに町内グルグルしてるっす!!」と意気揚々とスカイラインに乗り込み、猛スピードでバックして彼女はすっ飛んでいった。

 

 エネルギー有り余ってんなアイツ。ひきつった笑顔を顔に貼って、四人は同じことを考えていた。

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 仕事も終わり、加賀は動きやすい服装に着替えて、約束通りに天龍とドライブに出ていた。

 

 道を知らない彼女のために、スカイラインをFCで先導していく。ここ最近で雪は溶けたものの、まだ路面が濡れていたり凍っていたりするので、法廷速度厳守の安全運転で道を行く。

 

 国道から分岐し、細い道から更に峠道へと入っていく。もう何度も通った場所なので、加賀は悠々と走っていくが、ペーパードライバーの天龍には見通しの利かないワインディングは少し怖いのか、遅れているのをミラー越しに確認し。加賀は4速に入れ、アクセルに込める力を緩める。

 

 異常に道幅が狭い展望台までの道を登りきり、そのまま更に先へ。目的地の売店の駐車場に着いたのは、登山を始めて20分ほど経過した時だった。

 

 誰もいない駐車場に2台が並んで停車する。まだ2月だから、当たり前だが寒いな、と道端の雪を見て感じながら。加賀はFCのドアを閉めてから、天龍に声をかけた。

 

「お疲れさま。どうだった?」

 

「すっげー怖いっす。暗いし狭いし止まらないし……」

 

「FRで雪は怖いから。でもちゃんとついてこれたじゃない」

 

「加賀さんがハザードで対向車とか教えてくれたからですよ。たぶん俺一人で来てたら衝突してたかも……」

 

「それでどうするの? 2回や3回上って下ってってしたいなら付き合うわ。色んな技術が身に付くから、結構峠は町乗りの勉強にもなるわよ?」

 

「遠慮しときます……1度給油してもう一回上ったら帰りたいな」

 

 「わかった。そうしましょう」と加賀が答えたその時だ。目線を天龍の奥の道路に向けると、1台こちらに向かって上がってきていた車が居たのを見付ける。

 

 まだ8時かそこらの時間なので、一般車だろうと思っていると。乗用車並みの静かなエキゾースト・ノートを引き連れながら、小さなその車は自分達が居た売店の待避所に入ってくる。地元の走り屋か? と思ったが、ナンバーの地名に「京都」と表記があるのを見て、加賀の頭上に?マークが浮かぶ。

 

 ヘッドライトを点けたまま停車した銀色のスポーツカーから、パーカーに下は短パンで素足をレギンスで隠しているという、ランニングに行くアスリートのような細身の女性が降りる。何をしに来たのか、と二人が考えていると、彼女は口を開いた。

 

「ここに、艦娘がお忍びで遊びに来るって聞いてきたんだけど、もしかして貴女方?」

 

「……聞いてどうするのかしら? まぁ、間違いではないわ」

 

 一体どこでその話を? と思ったが、巧の一件を加賀は思い出す。元帥の命を救った恩人の鎮守府ということで、軍のイメージ戦略を兼ね、少し前にヒーローインタビューのような事を受けたのだ。その時に全国放送のマイクに、ハッキリと「車が好き」だなんて口走ってしまったのを軽く後悔する。相手は恐らくそれを聞き付けて、峠に来たのだろう。

 

 そして、なんとな~く嫌な予感を彼女が感じていると。案の定、金髪の相手は予想通りの提案を持ちかけてきた。

 

「なら話が早い。私、鎮守府で島風やってて、車とか好きなんだけど。ちょっと競争に付き合って貰えないかな」

 

 やっぱりそう来たか、と思う。

 

「お断りよ」

 

「!!」

 

「残念だけれど、そう言う気分じゃないの。それにそういう目的で私は車に乗っている訳でもないし」

 

「どうして? 私の車がコンパクトカーだから勝負にならないって言いたいの」

 

「何度も言わせないで頂戴。私はレースがしたくてここを走っている訳じゃないの。……あなたのその車が何なのかは知らないけど、私は別に乗ってる車で人を差別なんてしないわ」

 

「……?」

 

「身内に恐ろしい人が居るのよ。乗ってる車が20年も前の型落ちでも、最新式のスポーツカーに勝てちゃうようなのがね。前は私のFCでシビックをチぎってたわ」

 

「……! FCでFK2(エフケーツー)に……? …………なら試してみましょうよ。私とその人どっちの方が上手なのか」

 

 「何だと?」と今まで黙っていた天龍が、軽く相手に凄むが、加賀は彼女を制して、これだけ言われてもなおバトルの意思がないことを島風だと名乗った相手に伝える。

 

「いいのよ天龍。どっちにしろ私はやる気はないわ。行きましょう」

 

「うっす」

 

 じゃあね、とドライな別れの言葉で強引に会話を終わらせて、加賀は自分の車に乗り込み、先に天龍を行かせて、そのあとを追い掛けてゆっくりと山を下りていく。その様子を、島風は納得がいかないといった表情で見ているのを、暗かったが加賀はしっかりと目にする。

 

 

 

 2人がその場から去っていってから数秒。島風は力任せに自分の車のドアを勢いよく開けて乗り込み、バケットシートの穴から延びていた4点式のシートベルトを締め、愛車を発進させた。

 

「…………、しょうがない……!」

 

 ハンドルを右に一回転させ、グッと床までアクセルを踏みつける。ぐるりと180度スピンターンを決めた彼女は、回った勢いをそのままに、射出されるロケットのようにそこから二人を追いかけるのだった。

 

 

 

 

 

 

 




12時に投稿だと言ったな? アレは嘘だ(白目
胸糞とギャグとそこそこのドラマをぶちこんだお話になる予定です。次回をお楽しみに。

用語解説

・MR駆動→車の中心部にエンジンを置き、駆動部品を後方に配置した駆動方式。重量配分が優秀なためハンドリングが非常に快適になるが、反面限界を超えるとあっという間にスピンしてしまう運転難易度の高い車になる。ランボルギーニやフェラーリ等のスーパーカーが有名。

・シーケンシャル→前後のアップダウンのみでギアを上げ下げするミッション。AT車や一部のレーシングカーなどに採用されている。ごく稀にMT車にも採用されているが、いちいち一つずつ変速しなければならないので町乗りで不便。

・四点シートベルト→普通の車の三点式と違い、車検に対応しない競技車用のシートベルト。安全性、体のホールド性能などはこちらに軍配があがるが、三点式と違って体を固定してしまうために交差点などで前のめりで周囲を確認したりといった行動ができない。そのため使用者はこちらと三点式を併用して車に取り付けておくのが一般的。

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