アイドルになれなかった私は・・・・   作:ひらじ

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オータムフェスが開催され売り子として参加した卯月

いつの間にか『シンデレラプロジェクトの売り子』として有名になっていたのだった


卯月、インタビューを受ける

オータムフェス終了から数日後

 

山本さんから会議室に来て欲しい、と言われた

 

私、何かしたのかな?とちょっと不安になった

 

卯月「失礼します」

 

山本「悪いね、仕事中に」

 

会議室には山本さんともう一人の男性がいた

 

山本「紹介するよ。彼はアイドル専門のライターの『小柳』と言ってかつては私の部下だったんだ」

 

小柳「どうも、小柳と言います」

 

小柳さんは私に名刺を渡した

 

卯月「島村卯月です。あの、ライターさんが私に何か・・・・」

 

小柳「実は今、ネットで卯月さんの事が話題になってましてね・・・・」

 

そう言って私にタブレットを見せてくれた

 

そこには書き込みで

 

『シンデレラプロジェクトの売り子の子、笑顔が良いな』

 

『頑張ってる感がスゴい。けど悪くない』

 

『あの子がアイドルじゃないのが信じられない!』

 

卯月「これ、全部私の事ですか?」

 

小柳「はい、ネットでここまで良い評判が上がるのは珍しいですよ。それで、インタビューさせてほしいんです」

 

卯月「えぇっ!?わ、私がですかっ!?アイドルじゃないのにっ!?」

 

思わず驚きの声をあげた

 

小柳「実は、こういう連載をやっていまして・・・・」

 

カバンからある雑誌を取り出した

 

それは私が定期的に購読しているアイドル雑誌だった

 

ページを巡りある記事を見せた

 

タイトルは『アイドル残酷物語』

 

卯月「あっ!?私、この連載好きで読んでますよ」

 

小柳「本当ですか?ありがとうございます」

 

アイドルのグラビアやインタビューがメインの中で、この連載は異質だ

 

書かれているのは、リアルな実態、アイドルを襲ったトラブルやスキャンダル、メジャーを目指して頑張っている地下アイドル等、アイドルのもう一つの姿を描いている

 

小柳「山本さんが言いましたが、私は346プロでアイドル関連の仕事をしていた事があります。嫌というほど現実を見てきました。聞けば卯月さんもアイドルを目指していだけども自ら終止符をつけた、と聞きました。これもアイドルの一つの真実だと思います」

 

卯月「それで、私ですか?」

 

小柳「はい、勿論匿名でも構いません」

 

卯月「良いですよ。私の話で良かったら話しますよ」

 

小柳「そうですか!ありがとうございます」

 

私はアイドルに憧れた頃の話

 

アイドルを夢見て養成所に入りオーディションを受けた話

 

オーディションで失敗した話

 

落ち続けて凹んだ話

 

結局、諦めた話

 

今はスタッフとしてシンデレラプロジェクトの皆を応援している話をした

 

山本さんは、黙って話を聞いていた

 

時間にしては短くかんじた

 

小柳「ありがとうございました。インタビューはこれで終わりです」

 

卯月「こちらこそありがとうございました。・・・・私、変な事、話してませんよね?」

 

小柳「大丈夫ですよ。凄く良い記事にしますから」

 

 

 

 

数週間後、雑誌は発売され、私の記事がのっていた

 

全体的にはマイナスな事は書かれていなくて安心した

 

そして、記事はこう締められていた

 

『今まで色んな人々にインタビューしてきたが、ここまで前向きにアイドルになれなかった自分と向き合う少女はいなかった。彼女の歩む未来はきっと明るいだろう・・・・』

 

 

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