ある日の休日
私はジャージ姿で近所の土手を走っていた
アイドルを目指していた時からの日課で、今も続けている
河川敷には草野球の試合をやるんだろうか、ユニフォームを着た人達が集まっている
走った後は河川敷に降りて余り人気の無い場所でボイストレーニングをやっていた
流石に今はやっていないけど・・・・
卯月「あれ?」
ボイストレーニングをやっていた場所で、青色のジャージを着た子が同じくボイストレーニングをやっている
蒼く長い髪に歌声は明らかにプロだった
思わず聞き惚れてしまう
その顔がはっきりとわかった時、思わず声をかけてしまった
卯月「あの・・・・、もしかして『如月千早』さんですか?」
?「え?そうですけど・・・・」
卯月「すいません、声をかけてしまって・・・・、私、島村卯月て言います」
千早「島村卯月さん?346プロの?」
卯月「はい!あっ、でもアイドルじゃなくて只の事務員のアルバイトなんですけど・・・・」
千早「・・・・なるほど、春香が気にしているはずだわ」
千早さんはクスッと笑った
千早「デビューした頃から、毎日の日課でトレーニングに来ていたのよ。最近は忙しくて来れなかったんだけど、時間があったから今日は久しぶりに来てみたの」
卯月「そうなんですか、私も良く来ています。あの、春香さんから私の事聞いたんですか?」
千早「春香が勝手に言い出したのよ。『この記事に載っているのは私の知り合いだよ』て」
あぁ、あの記事の事か
春香さんも読んだんだ
千早「夢を諦める、て大変な選択だけど後悔はしてなくて前向きだ、て春香が言ってたわ」
卯月「あはは、そんな立派な話じゃないですよ」
千早「きっと昔の春香と重ねていたのよ。似てるから」
卯月「に、似てますか?」
千早「私は似てると思うわよ。純粋で真っ直ぐで自分の事より他人を心配して・・・・。今も変わらないけど」
何だか私の事、言われてるみたい・・・・
卯月「千早さんも同じ場所でトレーニングしていたなんてビックリしました」
千早「デビュー当時はお金も無いし、仕事もそんなに無かったからトレーニングする時間は余るほどあったわ。あの頃は歌う事しか考えて無かったから・・・・」
卯月「でも、今はアメリカでもレコーディング出来るんですよね」
千早「ありがたい話なんだけど・・・・、たまにデビュー当時を思い出す事があるわ。あの頃は色々あったけど、皆で協力したり騒いだり楽しかったわ。今はなかなか皆が集まる機会は少なくなったんだけど」
千早さんは懐かしそうな目をする