私が私であるためにはどうすれば良いのだろう。
所詮今の私は偽りの表情を付けただけの道化。
・・・全く、夜々にこれ程までに依存してたとはね・・・。
「
彼等が自身の精神統一及び投影魔術の行使に使う呪文。
私が唱えても意味は無いけれど、彼等の想いが篭められている。
「陽華~、ご飯だって~!」
「・・・はーい。今行きますねー」
私の正体はいつになれば明るみになるのかな。
その頃にはもうこの場所には居ないけれど。
私は今、道場にて恭夜さんを探しています。
理由は刀が使いたいからです。
私のメイン武器は刀だもの、投影如きの強度じゃ脆いし。
「ん~・・・恭夜さんってどこにいるのかなぁ・・・」
そして私は気付きました。
足音を一切立てていないし、気配を出来るかぎり小さく消していたのを。
「ありゃりゃ・・・」
昔ながらの癖が出てしまったけれど、音をだせば恭夜さんもそのうちくるかな?
「ふぅ・・・・・・
私の中の封印が軽くとける感じがした。
そして左右の手には愛用した愛刀が顕現していた。
鞘を引き抜くと赤みかかった刀身で、熱いイメージを思わせる刀。
蒼い色の刀身で凍るイメージを思わせる刀。
大昔、この刀で宝具を消滅させたっけ。
とりあえず私は素振りで軽く振り回してみる。
「はっ!」
うん、いつも通り。
道場で私の剣技は出来ないけれど、軽めの素振りぐらいなら出来そうだし、少しだけ振ろうかな。
「ふっ!・・・ふっ!・・・」
刀はやっぱり良いもの。
使い手の腕で金属すら切り裂く事も出来る。
「・・・なんだ?」
そのあと、恭夜さんが私に気がつくまでずっと私は素振りをしていた。
さすがに本物の刀だったから怒られたけれど、素振り出来たから良いかな。
「危ないから竹刀か木刀を使え。好きに使えば良いからな」
「あ・・・はい」
「陽華は・・・その技術をどこで身につけたんだ?」
技術・・・か。
こんなもの技術でもなんでもない。
「生きるために、必要だったから」
「・・・っ!」
「こんなもの技術なんかじゃない。全ては私が生きるために」
「・・・そうか。すまない」
「いいえ、恭夜さんも使っているなら気にはしますし。私は必要だったから練習しただけです」
ひたすらに、危険と隣り合わせの時に備えて私が扱える武器を探したのが刀だったってだけ。
もう一つ弓があるけれど、あれは能力を使えば良いもの。
恭夜さんから解放されて自室に着く。
時間は夕方かぁ・・・。
《えぇっと・・・う~んと・・・》
なんか頭の中に流れて来る。
思念的な物・・・。
ならば、今なら能力行使で調べれば良い。
《・・・なのは》
《ふぇっ!?よ、陽華?》
《そうよ。いきなり思念通話なんてして来るからびっくりするじゃない》
《ごめんなさい・・・ユーノ君が陽華に報告しろっていうから・・・》
ユーノというのは以前拾ったフェレットの事。
かなり傷が酷かったけど能力行使でちゃちゃっと無かったことにした。
ちなみに私となのはは基本的に別行動になる。
私も私でこういう素振りとかやりたいし。
なのはにはユーノがついているから問題ないでしょう。
《ジュエルシード回収出来た?》
《出来たよ!今お家に帰るとこなんだけどね・・・陽華》
《・・・なに?》
《アリサちゃんが遊びに来ないかって・・・ユーノ君を見たいらしいの》
《ふぅん・・・まぁ良いよ。アリサは好きな方だし》
《へ?》
《私も今からご飯作るから切るよ》
《あっ、う、うん!》
これが思念通話かぁ・・・。
この世界では魔術じゃなくて魔法みたい。
ユーノにある程度教えてもらったけれど、ジュエルシード回収を手伝うのは基本的になのは。
私はジュエルシードの破壊が可能だし、干渉はしないことにしましょう。
いざとなれば封印解放を緩めて装束だせば良いし。
「ってもう5時だ・・・桃子さん大丈夫かなあ」
私は士郎さんや恭夜さんに負けないほど食べるので桃子さんも大変。
早く手伝ってあげないと。
「桃子さーん!」
「あら、陽華ちゃん。無理して手伝わなくても良いのよ?」
「いえ・・・大食い増えてますし・・・料理出来ますから」
「陽華ちゃんの料理は美味しいものね。じゃあ手伝ってくれる?」
「はい・・・料理は何でも良いですか?」
「ええ、良いわよ」
とりあえず簡単な物は後回し。
作るのに時間がかかったり出来るのが遅いものを作ろう。
「なんだか、なのはが妹みたいね」
「妹・・・ですか。私みたいな姉は願い下げされますよ」
「そうかしら?良いお姉さんになるわよ」
「・・・ありがとうございます」
照れるけど・・・桃子さんの雰囲気は・・・無意識で甘えそうになる。
駄目なのにね、甘えちゃ。
夜々がいればこんなこと・・・。