幻想に生きる魔法少女   作:紅風車

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金橙の襲撃者

「おね~ちゃん!」

 

私を呼ぶ声。

 

「おね~ちゃんってばぁ!」

 

凄く聞きたい声。

 

「うぅ~・・・おねぇちゃぁん・・・」

 

目を開けると目の前には目に涙を浮かべる夜々の姿。

 

「・・・や・・・や?」

 

凄く会いたくて。

私の大好きな夜々。

 

「夜々・・・夜々ぁ・・・」

 

「お、お姉ちゃん・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「陽華?」

 

「何ですかっ、勘違いしてただけです」

 

「ふぇぇ・・・」

 

凄く恥ずかしいです。

まさか・・・なのはと夜々を見間違えてしまうとは・・・。

 

「陽華・・・その・・・」

 

「なんですか?」

 

「夜々って誰?」

 

「・・・私の妹ですよ。とてもいい子です」

 

「ほぇ~・・・」

 

「・・・アリサの家ってあれですか?」

 

私が指差すのは他の家と比べて数倍大きい屋敷。

すずかのお家も同じ感じだったし・・・ここかな?

 

「うん、大きいよね・・・」

 

「そうですね・・・」

 

扉にはインターホンがあり、カメラらしきものも見える。

とりあえず呼び鈴を鳴らしてっと。

 

「はい、どちら様でしょうか」

 

「陽華です、アリサはいますか?」

 

「アリサお嬢様のご友人様でございますね。少々お待ちください」

 

扉が開くとなのはが先に入る。

だけど来ない私になのはが不思議そうに見る。

 

「どうしたの?」

 

「なのはは先に行きなさい」

 

「う、うん・・・」

 

なのはが先に行ったかな。

まったく、用心深いわね。

 

投影開始(トレース・オン)

 

投影するのは私が愛用する刀の模造品。

所詮投影の模造品だから本物には届かないけれど、ここは人間の世界。

あんな刀を振るえば、このあたり吹き飛ばしてしまうし。

 

「・・・辺りの気配は・・・」

 

 

「ここ!」

 

「うぐぅっ!?」

 

逆刃で打ったから斬ってはいない。

かなりのスピードが出てたけれど、気配が視えていたなら問題ない。

 

「・・・私はアリサの友達です。危害加える気は無いですし、ありません」

 

「・・・そうでしたか・・・これはご無礼を」

 

吹き飛ばした所から見えてきたのは一人の老執事。

だけどすずかの執事と同じく隙が無い感じで手慣れだとわかる。

 

「私は鮫島と申します。アリサお嬢様に仕えておりますゆえ、以後お見知りおきを」

 

「遠明寺陽華です・・・打撃・・・大丈夫ですか?」

 

「大丈夫でございます、無礼なことをしてしまった非礼を詫びさせてください」

 

「・・・いえ、そういう雰囲気を出してた私が駄目なんです。気にしないでください」

 

本当に申し訳なくしてて、私も困る。

執事・・・というかメイドなら対応出来るんだけどな。

 

「鮫島ー!」

 

「・・・お嬢様がお呼びのようです。行ってまいりますが・・・陽華様も?」

 

どこからか、魔力の匂い。

ジュエルシードの気がする。

 

「いえ・・・後で行きますので・・・」

 

「わかりました・・・今回は誠に申し訳ありません」

 

また詫びるとどこかに行っちゃった。

すぐにアリサの声が聞こえたし・・・鮫島さんは凄い。

 

「さて・・・私も一仕事しましょうか」

 

 

I am fantasy is Staying(我が幻想はここに在りて)

 

封印を解放。

私の中に眠る幻想が解放されて少し、すっきりというか心地好い感覚。そして鞘に納められた二振りの刀が見えるけど、一応見えないように魔術かけとこう。

 

「さて・・・どこにいるかな」

 

気配遮断スキルで気づかれない私は暗殺者みたい。

足音も消して魔力の発生源に向かう。

 

「・・・ここ?・・・この子なのかな」

 

「にゃ~」

 

魔力の発生源がこの猫から。

・・・多分この猫が当たりかな。

 

「にゃ~!」

 

するとジュエルシードが飛び出てきて猫の額に引っ付いた。

まずい!

このままなにか起きれば関係者以外にもばれる!

 

「っ!桜天結界!」

 

とっさに私が持ちうる結界の最高峰のものを具現化。

最高威力の聖剣でも割れない結界だけど・・・過剰だったかな?

 

「にゃお~ん!」

 

どんどん猫が大きくなっていく。

それにつれて結界も大きくしていっているけれど・・・どんだけ!?

 

「ぎゃお~ん!!」

 

「うう・・・うるさい・・・」

 

凄く大きくなった猫。

ジュエルシードって単純な物もこういうふうに叶える・・・のかぁ。

 

「よ~かぁ~!」

 

「なのは!」

 

「大丈夫!?」

 

「別に大丈夫。とっさに結界を貼ってあるから魔法関係者以外ばれないよ」

 

「よ、良かったぁ・・・」

 

「陽華が貼ったのかい?」

 

なのはのポケットからフェレット姿のユーノが出てくる。

結構疲れ果ててるけど・・・アリサかな?

 

「ん、一応。ばれないようにだけど、二人ほどお客さんだね」

 

私は魔力を放出して奥の方から飛んでくる魔力弾を防ぐ。

そこから二人の人影を見つけた。

一人は金髪の女の子で、もう一人はオレンジ髪で耳が生えてる。

 

「だ、だれ?」

 

「・・・」

 

「ジュエルシード狙い。そんなとこでしょう」

 

「あんた達も必要なんだね?ジュエルシードが」

 

「なのはが封印してなさい。私が相手するから」

 

「へっ!?」

 

私は能力で羽を具現化させるとそのまま空を飛ぶ。

そして左右の手で鞘から刀を引き抜くと、飛行速度優先で二人の周りを飛び回る。

 

「うざったいね!」

 

「・・・!」

 

「そう思うなら攻撃してどうぞ。気にしませんので」

 

「いうねぇ・・・あんた!」

 

オレンジ色の髪・・・尻尾と耳があるから獣人かな。

 

「アルフ」

 

「やらせておくれ!」

 

「・・・別にお好きに。でも意味の無い戦いは好まないので」

 

飛び回るのを止めるのと同時に二人の目の前に移動する。

驚いているけれどまぁ仕方ないもの。

 

「あなた方のお名前、聞かせてくださいな」

 

「っ・・・何の意味が?」

 

「戦う相手の名前は知りたい主義なので。教えてくださらないのなら結界から追い出させていただくだけです」

 

「・・・私はフェイト。この子はアルフ」

 

「フェイト!」

 

「・・・」

 

「フェイトにアルフですか。私は陽華です」

 

一応お嬢様っぽく、服の裾をつまんで礼をする。

 

「・・・それじゃ、やりましょうか」

 

そういうと二人が間合いを取ってアルフが向かってくる。

私のお腹に一発当てる感じかな、目線がお腹に向いている。

 

「はぁぁぁ!!」

 

「・・・甘いですね」

 

目線は常に相手の全てを観察できるように。

それが出来なければ三流以下。

アルフの目線がお腹に向いているならそれよりも早く動いて蹴り飛ばす。

 

「ふっ!」

 

「あぐっ・・・やるね・・・」

 

「そちらこそ、蹴りをまさか受け止めるとは」

 

予想はしてたけど止められた。

でもメインは足じゃない。

 

「足が止められてても・・・手は動くんですよ!」

 

武術の一つ、発勁という技を出す。

アルフがガードしようと手を前にしたけれど・・・残念。

 

「はぁぁ!!」

 

「ぐぅ!?」

 

発勁は相手の防御を貫通する技。

使うのは難しいけれどガード主体の相手ならば容易に繰り出せる。

 

「な、なんだい・・・威力が・・・減ってない・・・」

 

「秘密です。ついでに筋肉も引き攣っているようですね」

 

「なぁっ!?何でわかったんだい!」

 

「そういうふうにしましたから・・・まだ戦います?」

 

「・・・アルフ。もういいよ、諦めよう」

 

「でもそれじゃあ!」

 

二人とも仕方ないから集めてるのかな。

フェイトもどこか諦めた表情。

 

「・・・フェイト」

 

「なに」

 

「ご飯・・・食べてますか?顔色が優れてませんね」

 

「・・・別に関係ない」

 

「ありますよ。もしまた戦う時があったとして相手が不調の状態で戦いたくないのです。それに理由があるから集めているのでしょう?倒れたら集めれませんし」

 

「・・・わかった」

 

「よろしいです」

 

何だか戦闘する気がなくなっちゃった。

元より戦う気も無いけれど。

 

「陽華~!出来たよー!」

 

「・・・フェイト。もし私と会いたい時は公園を探してください。いるかもしれませんね」

 

何となくあの子は来るような気がする。

だから会えるようにしたい。

私もあの子には興味というか・・・仲良くしたいし。

 

「陽華・・・この二人は・・・」

 

「どうします?二人とも。逃げるのならしていいですよ」

 

「・・・アルフ」

 

「わかったよ。それじゃあ」

 

「はい、またです」

 

「・・・うん。またね」

 

「ふふ」

 

あの子が『またね』と言った。

なら会えるね。

 

「陽華何を話してたの?」

 

「・・・まぁ色々と」

 

「む~・・・まぁなにもないし大丈夫かな?」

 

「とりあえず結界解除しますよ。微量ですけど魔力無くなります」

 

私が手を叩くと結界が解除されて、私となのはをテレポートする。

空に浮いてたら変だからね。

 

fantasy seal(幻想封印)

 

また身体能力の制限がかかる感覚。

でも生きるためにだから仕方ないかな。

 

「なのはー!陽華ー!・・・まったく鮫島、連れてきて!」

 

 

 

「・・・呼んでるね」

 

「呼んでますね、行きましょうか」

 

「うん!」

 

なのはを手を引いて私はアリサの元へと急ぐ。

着いたら着いたで怒られたけれどまぁ良いかな。

 

フェイトも弄れば面白そうだし、それに内に秘めてる力はなのはと同等。

 

「まったく・・・疲れそうですね」

 

「ん、なにがよ?」

 

「いえ、何でもないよ」

 

疑いの顔で見てくるけど教えません。

秘密ですから。

 

 

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