「ん・・・」
「朝だよフェイト」
「ん~」
もう少し寝ていたい・・・。
今までじゃ有り得なかった温もりが・・・。
「ん~・・・?なぁい・・・」
「陽華ならもう起きてるよ、早く起きな」
「はぁい・・・」
まだベッドで寝ていたいけれど・・・起きないとだもんね。
陽華も起きてるみたいだし。
「フェイトー、アルフー」
名前を呼ばれて、その方へと向くと綺麗な銀髪で大人びた雰囲気の子・・・陽華がエプロンをつけていた。
「よ、陽華。その恰好は?」
「ご飯ですよ?まぁ・・・簡単なものですが」
「・・・ご飯・・・かぁ・・・」
「作っちゃいましたから・・・冷めないうちに食べましょう?」
「肉は?肉はあるかい?」
「アルフのもありますよ。ほら、フェイト」
陽華が私の手を掴む。
ど、どうしよう。
「一緒に食べましょう?独りよりみんなで食べたのが美味しいですから」
「・・・うん」
陽華の勢いについ頷いたけど・・・。
アルフも早く食べたそうにしてるし・・・。
「顔洗ったら食堂で待ってますね」
そういい残すと陽華は走ってどこかに行っちゃった。
陽華のご飯・・・かぁ。
「フェイト?顔が緩んでるよ?」
「・・・ぁぅ」
「え~っと・・・これで良いかな」
とりあえずはこれで良いかな。
フェイト達にも言っておいたし。
「あら・・・良い匂いと思ったら」
「あ・・・プレシアさん、おはようございます」
「おはよう。これは・・・あなたが?」
「ええ。簡単にですが・・・使っては駄目でしたか・・・?」
「いいえ・・・すごく上手よ」
「あ、ありがとうございます・・・」
料理なんて褒められると思わなかった。
少し・・・照れるかな。
「良い・・・匂い・・・」
「・・・フェイト」
「っ・・・母さん・・・」
はぁ・・・まったく。
プレシアも素直になったら良いでしょうに。
「二人とも。先ずは食べましょうか」
「ええ・・・」
「うん・・・」
せっかく作ったのですし、険悪な状況で食べたくはありませんからね。
それに二人の仲を取り繕いますか。
「美味しいわね・・・」
「うん・・・美味しい・・・」
「そうですか?口に合って何よりです」
「それで?フェイトを呼んだのはどういうことかしら?」
「・・・」
「もう少し穏やかにしましょう?仮にもあなた方は親子でしょう?」
「親子・・・ね。私はフェイトを一度もそうは「ホントですか?」・・・どういうことかしら」
「昨日聞きましたから。まぁ嘘ならフェイトを貰っちゃいますけどね」
「・・・よ、陽華。もういいよ・・・」
「あら、嘘だと思います?フェイトの事は気に入ってますし、メイドさんとかにしたら似合いますよ?」
「ううう・・・」
「陽華!駄目よ!」
プレシアがすごい必死な顔で私に言う。
素直じゃないですね、まったく・・・。
「駄目なんですか?こんないい子ですし、私が貰おうと思ったのですが・・・」
「駄目よ!フェイトは私の娘よ!大切な娘なんだもの!」
「か、母さん・・・?」
「ふふ、そうですか。・・・フェイト、良かったですね」
「ちょ・・・陽華!」
「プレシアお母さん?頑張ってくださいね?」
二人の隔たりは無くしてあげたんです。
これ以上は私が介入しなくても次第に良くなるでしょう。
フェイトにはお母さんがいるんです。
私にようにはならないでくださいよ・・・?
「はぁぁ・・・良いものですね、家族は」
「・・・あんたにはいないのかい?」
「・・・ええ。生まれたときから親なんて居ませんから。しいて言えば・・・妹が一人いますね」
「その妹さんは?」
「・・・分かりません。失踪しましたから。私の髪のリボンが妹の形見みたいなものです」
そういい、私は自分の髪を括っている蒼い色のリボンに触れる。
「なんだか悪いね。嫌なこと思い出させて」
「いいえ、フェイトを見てたら・・・少し・・・」
「フェイトに似ているんだね、その妹さんは」
「はい。私の反対で美しい金色の髪で・・・フェイトみたいにツインテールにしてるんですよ。いっつも私が髪の手入れをしてたんですけどね」
自分の髪は・・・自分で手入れしてるけれど・・・あまり上手く出来ない。
夜々にしてもらってたっけなぁ・・・。
「あたいはあんたみたいな髪を持ってないからさ、羨ましいよ」
「・・・アルフも手入れしたら良い髪になりますよ。女の子の髪はそうなってるんです」
「そうかい?まぁあたいはついでで良いよ。フェイトの方が良いさ」
「そう・・・ですね。二人はまだ一緒にいたいでしょうし、この空中要塞を探索してみます」
「あたいはフェイトを待つよ。あんたのおかげで・・・ようやく親子になれたんだ」
「・・・私はただ背中を押しただけですよ。きっかけを与えただけです」
私はそういうとアルフの元を去る。
まだまだこの空中要塞はわからない部分があるから探索したいからね。
「さてっ、お散歩お散歩♪」
いつになってもはじめて見るところは新鮮ですね。
「今日は・・・晩御飯・・・何にしましょう?」
私はそんなことを考えながら歩き回ることにした。