陽華が行方不明になって一週間。
私は陽華がよく行っていた公園に行って探したけれど見つからなかった。
陽華に懐いていた子にも聞いたけれど・・・わからなかったし。
「どこに行ったのかな・・・」
学校にも家にもいない・・・。
お母さんも凄く心配してたよ・・・?
「なのはー、心配なのは分かるけど・・・」
「・・・うん」
「陽華も陽華よ!急に行方不明なるんだから!鮫島にも頼んだけどね」
「私も・・・加賀山さんに頼んでるけど・・・あまり・・・」
「すずかもなのはも駄目か・・・あーもう!どこに行ったのよ!」
気がつけば私という存在は意思を持った。
いつから生まれ、いつから生きているのかも。
私は生まれながらにして最古の存在。
それだけは分かった。
数年すると、自分の容姿が変化した。
獣のような耳が出てきて、腰辺りには一つの尻尾。
そして自分の体に宿る力が気になった。
だけどイマイチよくわからなかった。
また数年するとようやく力の使い方が分かった。
自分のイメージが現実となって具現化する。
これが私の力だった。
でも使ったらすぐに疲れてあまり使わなかった。
後は・・・尻尾の数が増えたこと。
一つが二つに増えていて気付いたときビックリした。
「・・・懐かしい記憶ですね」
私が生まれたときの記憶。
初めての事で最初は・・・凄かったなぁ。
「ん・・・」
「おはようございます、フェイト」
「うん~・・・ふわふわ・・・」
・・・ふわふわ?
ふわふわってアルフ・・・じゃないですし・・・。
まさか・・・。
「陽華って・・・尻尾あるんだね・・・ふわふわ・・・」
尻尾・・・。
それも私の髪と同じ銀色の毛の尻尾が十二。
私の・・・隠してた・・・姿・・・。
「あ・・・あぁぁ・・・」
「陽華・・・?」
「ごめんなさい・・・」
「ど、どうしたの・・・!?」
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・」
「よ、陽華!」
ごめんなさい・・・。
騙しててごめんなさい。
駄目だよね、こんな化け物。
人の身じゃない私は大人しく・・・。
「陽華・・・大丈夫・・・だから・・・」
誰かが・・・私を抱きしめてる?
駄目・・・私みたいな化け物を・・・。
「大丈夫だよ・・・」
「・・・化け物・・・ですよ?私は・・・」
「化け物じゃない!最初はびっくりしたけれど・・・綺麗・・・だから」
「綺麗・・・じゃないですよ」
「ううん、綺麗。私はそう思う。だから・・・」
「・・・ごめんなさい・・・フェイト。少し・・・一人にさせてください・・・」
フェイトのおかげで・・・少し冷静にはなったけれど・・・。
あの夢を見たから?
ずっと封印していたのに。
どうして・・・。
「・・・
私の・・・内に封された幻想を。
全てを解放する。
頭には耳が生え、尻尾は十二尾に。
背も少しだけ高くなった。
「・・・フェイトは・・・受け入れてくれる・・・のでしょうか」
長く生きる私が忌避するのは・・・裏切り。
フェイトを怖がらせるぐらいならば私は姿を消そう。
でも・・・あの子は・・・大丈夫と言ってくれた。
私の・・・化け物の姿を。
「・・・フェイト。戻ってきて・・・良いですよ」
「うん・・・入るよ」
フェイトが入ってくる。
さっきの私とかなり違っていて・・・凄く驚いている・・・というより恐怖。
「・・・怖い・・・ですよね」
「ううん・・・でも・・・陽華は陽華・・・だから」
「・・・そうですか・・・」
「・・・大丈夫・・・?」
「・・・私は狐です。銀毛十二尾の狐。私よりも長く生きるものは知りません。だからこそ怖いんです。長く生きたからこそ恐怖の目で見られることが」
「・・・」
「人間は自分より力のあるもの・・・例えば英雄や勇者。人間達のために貢献した者は最終的にはその人間によって排除されます。偉人の天敵は人間、群衆なのですよ」
「・・・うん」
「私の天敵は・・・そうですね。人類でしょうか。私は人間の大人を信じることが苦手であり、警戒が強くなってしまいます。かつて大人の人間共に疎まれ、忌ま忌ましく思われましたから」
「・・・うん」
「ですが・・・なのはやフェイトにような子供は信じれるんです。まだ汚れきった大人とは違い、無垢ですから。嘘つきで汚い方法の大人よりも純粋無垢の子供の方が必然的に接しやすくなっちゃいました」
「・・・私に触れたのも・・・?」
「最初はなのはのお手伝いでしたから。でも初めて見てフェイトの事は何となくですけど信じれる気がしました。何かに駆られて動いているけれども内に秘めるモノは違うと」
「・・・そっか」
「・・・フェイトは・・・私を・・・どう見てくれますか?」
「陽華は・・・化け物なんかじゃない。私の・・・とも・・・だち・・・だよ?」
フェイトの顔が凄く赤くなっていますね。
恥ずかしいのでしょう。
私もこう・・・真っ正面に言われると恥ずかしいです。
「・・・ありがとう・・・ございます」
初めて、本当の意味で人を信じれました。
フェイトにしか言えていないけれど・・・いつかは桃子さn達にも言わないといけませんよね・・・。
今はそれを考えるべきではないですね。
信じてくれた友達を守れるように。
かつて世界に裏切られたエミヤとは違うモノを目指した彼と同じ志を。
大切な人を守れる正義の味方・・・でしたっけ。
正義の味方は彼の役目です。
私は大切な人を傷つけるようなものがいれば・・・
例え周りに気味悪がわれても守れれば良い。
そのためなら・・・私はいつだって前を向けます。
「フェイト。ありがとう。本当に」
「っ・・・!?・・・ふにゅう・・・」
「あら?可愛いですね・・・」
敬語を・・・フェイトに使うべきではないでしょう。
最も慣れている話し方なので時々出ますが・・・。
「フェイト。良いものを見せてあげます。特別にね?」
「ふにゅう・・・?」
私は深呼吸を何回か行うと、能力を行使する。
魔術回路を起動し、数回しか行わなかった術を。
「
私の周りに魔力が満ちる。
自然界の魔力は私の言霊に反応して私に集まる。
「
私の中で思い出させられるのはただ何も出来なかった自分。
ひたすらにただ無力な。
「
神々が住まう世界で想起するのは月光と陽光が照らし出す雲海。
「
答は、夢は一体何なのだろうと考える。
暗闇の中さ迷い続けるのは銀色の狐。
「
ああ、これは。
「
私の答なんだ。
「
「
私の大切な人を護るために。
私が辿り着いた懐かしい世界に!
私が詠唱を終えると、私を中心に世界が塗り変わっていく。
その光景はこの空中要塞にいるプレシアやアルフ、フェイトと私だけが目の当たりに出来る。
「ここ・・・は・・・」
「世界が・・・変わった?」
「・・・陽華・・・?」
「ここは・・・私が描き、歩み、夢にまで見た幻想の世界です」
「これが・・・陽華の・・・?」
「
私は目の前にある石段を登っていく。
数百段あるそれは私にとって酷く懐かしい。
「陽華!」
「なーに?フェイト」
「凄く綺麗だよ!桜なんて見たことなかったから!」
「ふふ・・・それなら・・・良かったです・・・」
陽華の固有結界呪文はいつものです。
直訳しても全く意味通りではないのであしからず。
陽華のチートは止まるところを知りません。
良いんです、こういう自己満足で書いてるのですごい楽しいですし。