私の固有結界。
英雄ですらない私はいわば現代にて生きる英雄と言えるのだろう。
神秘性がとても高い私の固有結界はエミヤのものとは大きく異なる。
「ねぇ、陽華」
「はい?どうされました?」
「ここって陽華の世界・・・なんだよね?」
「厳密には私の心の中の世界・・・ですね。私の中にある想像を現実化したものですから」
「・・・陽華の世界かぁ・・・」
「石段を全て登れば大社もありますよ。私が祭られているらしいですが」
「祭られている?」
「一応存在上は神様らしいです。狐の神様らしいですけど私は気にしてないですね」
「ほぇ~・・・ねぇねぇ、飛んで行っても良いの?」
「構いませんよ。数百段以上あるので歩いていけば数十分かかりますので」
フェイトは飛んで石段の先を目指す。
ここは固有結界とはいえ、広さに制限はない。
そして固有結界に取り込まれた者は一時的にその世界から消え去る事にも。
アルフとプレシアも飛んで行ったので、私も移動する。
「おっきい・・・」
「狐桜神社です。私が祭られているのですが・・・」
「舞いなさい」
私が言霊を発すると、大社の中から大量の刀剣が飛び出て来る。
全てが逸話ある武器であり、私の武器。
エミヤの固有結界と似ているけれどこの大社に保管されている刀剣は無尽蔵に存在する。
固有結界が崩壊しないかぎり幾らでも出現させれる。
まだ他にもあるけれど今は良いかな。
「陽華・・・これって?」
「私の武器です。全てが逸話ある物ですよ」
「武器・・・?これが?」
「私が今まで見てきた剣や刀・・・槍や薙刀などがあります。私の切り札の一つです」
「すごいね・・・」
「そうですか?私は愛用している二振りの刀がありますし・・・」
透明化を解除してフェイト達にも見えるようにする。
『陽炎』と『月霞』が私が創って今もなお使いつづけるもの。
あまりにも神秘性が高いからか、特殊な効果もついちゃったけど・・・良いかな。
少なくとも金ぴか王にはあげるつもりはないけどね。
「さて・・・解除しましょうか」
「
私の幻想が封印されると同時にこの固有結界も崩れていく。
段々と空中要塞の冷たさを感じる床へと変わっていった。
「・・・陽華、あなたは一体何者なのかしら?」
「そうですね・・・人ではない・・・とだけ」
「・・・見たわよ?貴女の本当の姿を」
「とても綺麗だったわ」
「・・・ぇ?」
「あんな綺麗な銀色は見たこと無いわ。光に反射していて美しいとも感じたわ」
「・・・ありがとうございます」
「さて、ご飯食べましょうか。今日は私が作ったの」
「そうなんですか?プレシアさんのご飯楽しみですね、フェイト?」
「うん・・・」
その時私は何かあると感じた。
この空中要塞にフェイトの気配がもう一つあると。
「・・・」
「陽華?」
「・・・いいえ、なんでも」
フェイトはここにいる。
じゃあ・・・もう一つは?
「変ですね・・・後でちゃんと探してみましょう」
フェイトに似ている気配的なものはとりあえず放置してご飯を食べる事にしましょうか。
「フェイト、どこかにいくのですか?」
「うん・・・ジュエルシード回収しないとだから・・・」
「・・・では私も・・・少し出ますね」
「分かった・・・気をつけてね」
「フェイトこそ、なのはとどんぱちするのはいいけれど気をつけてね」
フェイトと私はそこで別れて、能力で移動する。
移動先はなのはの家。
事前にプレシアさんに言って戻ると言っているのでしばらく要塞に帰らなくても大丈夫。
「はぁ・・・少し・・・緊張というか・・・怖いですね」
数日も音沙汰無かったために心配しているだろう。
どこにいたか聞かれるけど・・・隠し通す。
「よし」
呼び鈴を鳴らすと玄関の扉が開いて桃子さんが出てくる。
「・・・陽華・・・ちゃん?」
「・・・はい。遠明寺陽華で・・・!」
「まったく!心配させて!」
桃子さんが私を強すぎない力で抱きしめる。
声も涙声で心配していたのだろうと分かる。
「桃子?・・・って・・陽華・・・ちゃん、じゃないか・・・」
「・・・はい」
「今までどこにいたんだ」
「・・・言えません」
「・・・大事な理由か?」
「はい、大事な友達のためです」
「・・・桃子。なのはは?」
「今は・・・遊びに行ってるはずよ」
遊びに行ってる?
まさか・・・フェイトと戦闘してるんじゃ・・・。
行かなきゃ。
見届けないと。
「・・・なのはの所に行ってきます」
「・・・分かったわ。あなたもそれで良い?」
「ああ。なのはと一緒に帰ってきなさい」
「分かってます」
「行って・・・来るね・・・」
「・・・!ええ、行ってらっしゃい」
私は走り出して直感で場所を探す。
段々と魔力の渦のような所がある。
この近く・・・飛行できる二人が思う存分動き回れるところ・・・。
「上空・・・いや、結界的に無理・・・なら」
「・・・う・・・み?」
能力で海に移動。
そのまま羽を具現化させると遠くから着水音が聞こえた。
「フェイトちゃん・・・私の・・・勝ち・・・だよ・・・!」
なのはとフェイト・・・勝ったのは・・・なのはか。
辺りの微量な魔力すら無くなってる。
かなり暴れたみたい。
「
封印を解除して水の中へと沈んだフェイトを助けに行く。
アルフも来ていたけど分かってもらえたみたい。
「フェイト!」
羽ばたかせて水に潜るとフェイトを
「フェイト。大丈夫?」
「・・・うん。負けたんだね。私」
「でも頑張ったからね。しばらく寝ていなさいな」
そういうとフェイトは私の腕の中で寝てしまった。
なのはも無事?な姿のフェイトに安心する。
「さて、良いか?僕は時空管理局の者だ」
「時空管理局?なのは、どういう?」
「えっとね、ジュエルシードの回収は時空管理局が責任を持つって・・・」
「ふぅん・・・なのはが信じるなら良いんじゃないんですか?」
「・・・うん」
「君は誰だ?なのはによれば家族らしいが」
「それよりも足場安定したとこで話しません?場所が悪いので」
「あ、ああ・・・エイミィ」
時空管理局の男の子。
魔導師だろうね、なのはと同系だし。
警戒していて損は無いかな。
「・・・
別に時空管理局とやらが介入しようと私は知らない。
元より大切な者を守れればそれで良いのだから。
「紹介が遅れたね。僕はクロノ・ハラオウンという」
「・・・遠明寺陽華です」
「さて、一度こっちで話そう。安全な場所で」
「ご自由に」
幾ら私を警戒しようと関係ない。
魔法であろうと私の能力を本気で行使すれば星ぐらい壊せれるのだから。
「ん・・・」
「・・・まったく」
この子は・・・フェイトは寝顔も可愛いですね。
夜々に似ていて・・・凄く弄りたいですけど寝ていますし。
「アースラに回収される。話しはそのあとで」
「はい」
フェイトを起こさないように抱き抱えつつ、アースラとやらに回収された。
その時、要塞の方で何かが起きている。
そんな予感がした。