幻想に生きる魔法少女   作:紅風車

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少女は護ると誓う

夕刻ぐらいになった辺りで目を覚ました私。

右手には疲れて寝てしまったのか、アリシアが私の手を握ったまま寝ていた。

 

「・・・ふふ、可愛いなぁ・・・」

 

フェイトと双子と言われてもおかしくないほど似ていて、フェイトを弄るのが好きな私はアリシアにも同様の感情を抱く。

まだまだ寝ていそうだから・・・少し位なら。

 

「・・・ていっ」

 

「ん・・・んぅ~・・・」

 

アリシアの右頬をむにむにと弄ってみる。

フェイトと同じでもちもちですべすべ。

あまり弄りすぎたら荒れちゃうから程々にして・・・。

 

「・・・どうしましょうか・・・私の事をなのはや桃子さんにしっかりと言わないと駄目ですし・・・」

 

おそらくアリシアの身体も検査する必要がある。

それどころか、アリシアの身体には魔術回路が数本だけど解析で分かった。

この子に魔術を教える気はないけれど・・・。

 

「・・・アリシアが不要と言えば・・・回路を貰いますか・・・」

 

本来ならば魔術回路を引きはがそうとすると回路に繋がる神経をも一緒に引きはがすが、能力で()()()()だけを引きはがせば問題はない。

アリシアの魔術の才能がどこまでなのかは分からないけれど・・・それでもこの子は魔術より魔法を扱うべき。

 

「ん・・・ぉねぇ・・・ちゃ・・・ん・・・」

 

「・・・起こしてしまいましたか?」

 

「ぅぅん・・・」

 

まだ眠たいのか、寝ぼけ声。

やらかしたかな・・・。

 

「ん・・・ぁぅ・・・」

 

「どうしましたか?」

 

「ん~・・・」

 

「ふぇっ!?」

 

アリシアは寝ぼけているのか、ベッドに上がって私に抱き着いて来る。

そのまま抱き着いて整った寝息が聞こえる。

 

「・・・全く・・・プレシアさんに怒られても知りませんよ?」

 

アリシアが落ちないように少し端に移動してアリシアを抱き抱えながら寝ることにしましょう。

・・・暖かいですし、寂しくないですし。

 

「・・・おやすみなさい、アリシア」

 

こうして寝れているのも今思えば桃子さんやプレシアさんの助力があってこそ。

そして今ここにアリシアがいるのも結局はプレシアさんが何とかしている。

私はただきっかけを作っただけなのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰かに開けられた窓から鳥の泣き声がする。

 

「ん・・・ぅ」

 

「あっ・・・お、おはよう・・・ございます・・・」

 

初々しい反応で弄りたくなるけれど、やりすぎたら嫌われちゃいそうだし・・・。

それに敬語が自分が言えたことじゃないけれど堅苦しい。

 

「ため口で良いよ」

 

「は、はい・・・あっ・・・」

 

「・・・むー」

 

「わ、わかった・・・よ?」

 

「よろしい。おはよう、アリシア」

 

同年代(見た目)に敬語を使われるのがこれほどきついとは・・・。

アリサやすずか達にはため口で話すようにしよう。

 

「今は・・・7時・・・か」

 

「う、うん。お母さんが・・・今日来るんだ」

 

「プレシアさんが?」

 

「・・・陽華お姉ちゃんは・・・私を助けてくれたから」

 

「・・・私はきっかけを作っただけに他ならないよ。お礼を言われるほどの事なんてしてないもの」

 

「お姉ちゃんがいなかったら私は・・・死んでたかもしれないから」

 

そっか・・・アリシアは仮死状態に長い間なっていたものね。

普通なら死を恐怖するはずなのに、それよりも助けてもらった相手を優先してる。

 

「・・・アリシアは死が怖い?」

 

「・・・うん。また同じようなことが起きたらお母さんやフェイトやお姉ちゃんと話せない・・・」

 

「ふふ。そんなことはないよ。現に今こうやって喋ってるでしょう?」

 

「で、でも・・・」

 

「死という中々ない体験をしてるアリシアは将来凄い人になるわ。でもその道を歩むのかはアリシア次第なの。私と関わると必ず死と関わると同義なの。私自身が化け物だしね」

 

「狐・・・さんなんでしょ?お姉ちゃんは」

 

「まぁね。種族上は九尾だけれど・・・実際の姿は違うもの。それに私は色んな事を見てきたわ。お伽話で語られる英雄と会ったことあるもの」

 

「そうなんだ・・・」

 

「でもね・・・それゆえに私を狙う人だっているの。そんな人から逃げるためにこの街に来たのだけれどね」

 

「・・・」

 

「いずれはそういう人と戦うことになる。私は強制なんてしたくないし、巻き込むのは正直嫌なの。出来ることなら一人で済ませた方がみんなを危険に巻き込まなくてすむからね」

 

「・・・お姉ちゃん」

 

「どうしたの?」

 

「私・・・お姉ちゃんを狙う人と戦う」

 

「・・・死ぬかもしれないよ」

 

「それでも良い。お母さんやフェイトを押し切ってでもお姉ちゃんを守るもん!」

 

この子は・・・ちゃんと理解してないのかな。

まぁ・・・嬉しいけれどね。

私はアリシアの頭を優しく撫でてあげる。

 

「ありがとう。でも私より強くないと守れないかもね?」

 

「あ・・・うう・・・」

 

「ふふ。その気持ちだけで充分。ありがとうね」

 

「・・・うん」

 

「さて、ドア前で盗み聞きするなら入ったらどうですかー?」

 

ずっと前から分かっていたので盗聴人を呼び出す。

実態はプレシアさんとフェイトだったけれどね。

 

「全く・・・盗み聞きとは」

 

「ご、ごめんなさいね。アリシアがはっきりと意見を言うのが珍しかったの」

 

「・・・まぁ良いです。それで、どうしたんですか?」

 

プレシアさんは近くの椅子に座ると頭を下げた。

フェイトも同様に。

 

「娘のアリシアを救ってくれてありがとう」

 

「・・・お礼を言われるほどじゃないですよ。完璧に救えたかといえば全然です」

 

アリシアのリンカーコアは復元不可能にまで侵食されていたため、私の魔力で無理矢理助けたようなもの。

その結果電気の変換資質は消えてしまった。

 

「・・・それでも感謝しか出ないの」

 

「・・・じゃあアリシアを下さい」

 

「だ、だめよ」

 

「嘘ですよ。そのかわりに二人に会いに行きますから」

 

「ええ。歓迎するわ」

 

その後アリシアとフェイトが私に抱き着いてプレシアさんが少し羨ましそうにしていたので、私達三人で抱き着きました。

お母さんがいるってこんな感じなんですね。

 




おかしいですね、テスタロッサ家の一員に見えてきましたよ、陽華が。

そろそろ陽華の求めていたモノが現れます。
一体何なんでしょう?
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