幻想に生きる魔法少女   作:紅風車

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白銀と白金の姉妹

身体検査など色々な検査を受けた私は医師から退院しても良いと言われたため、その日に身支度をして病院を出た。

 

「んー・・・久々に外の空気は吸うと美味しいですね」

 

本来ならば迎えに来るはずだったが、私が嫌だったので一人で帰ってる。

わざわざ店を開けてまで来て欲しくは無いし。

 

「・・・何故でしょう、酷く懐かしい感じがします」

 

それは魂すら懐かしいと思える存在。

そんなもの私の知るかぎり一人しかおらず、ずっと探しつづけている人。

 

「・・・人払いの結界ですか。いるのでしょう?夜々」

 

夜々。

私の義理の妹であり、探していた妹。

私と同じ異能を持つ人間。

 

「別に今さら怒りもしません。貴女なりの理由があってそうしたのでしょうから」

 

近くからは夜々の気配がする。

何か出づらい理由でもあるのかな。

 

「全く・・・いるの分かってるんですよ、出てらっしゃい」

 

その言葉に観念したのか、恐る恐る木の後ろから色素の薄い髪が見える。

私の髪が白銀と言うのなら夜々は白金。

 

「・・・ぉ・・・ぉねえ・・・ちゃん」

 

「ふふ、お姉ちゃんですよ」

 

いつでも良いと私は両手を広げて夜々が来るのを待つ。

するとパタパタと走って私に向かって来る。

その勢いは止まる事を知らずに勢いよく私にぶつかる。

 

「きゃっ」

 

「あっ・・・ご、ごめんなさい・・・」

 

「ふふ。良いですよ」

 

 

「とりあえず言うことがあるんじゃないですか?」

 

「・・・その・・・」

 

「謝るのはなしですよ」

 

「っ!・・・た、ただいま!」

 

「はい。おかえりなさい、夜々!」

 

久々に夜々に会えて私は少し舞い上がってる気がするけれど・・・まぁ良いよね?

何でいなくなったのかは後で聞けば良い。

今は会えたことを噛み締めましょう。

夜々は私にぎゅーっと離れないように抱き着く。

そんな甘えた夜々に私も優しく抱きしめながら頭を撫でてあげる。

夜々がいつも好きだった撫でられ方。

 

「ふへへぇ~・・・」

 

「まったく」

 

「お姉ちゃんの匂いだぁ~・・・」

 

嬉しいのはわかるんですけどね。

私の胸で顔をこすりつけないでください、くすぐったいですっ。

それを注意出来る姉じゃないって分かってるので何もいいませんけどね。

 

「貴女がいきなり姿を消すせいで私がどれだけ心配したか・・・」

 

「う・・・ごめんなさい・・・」

 

「まぁ良いです。後で聞きますから」

 

「は~い」

 

とりあえず私は夜々を連れて家に帰ることにした。

色々と聞くことがあるからね。

そして今日、夜々と一緒に私の事を教える。

夜々は大丈夫って言うけれど・・・大丈夫かな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家に帰るとまず桃子さんと士郎さんが出迎えてくれた。

夜々はそれに戸惑ったけれど、説明を色々とするために美由希さんや恭夜さんも呼んだ。

 

「・・・えっと・・・とりあえずただいまです」

 

「ああ。お帰り、陽華ちゃん。それでその子は?」

 

士郎さんは私の腕に抱き着いて離れない夜々を見る。

 

「・・・妹です。大事な」

 

「陽華ちゃんの妹さんか。どうして今になって?」

 

「まずそこからしっかりと説明しないとですね。そのためにこうして集まってもらったんですし」

 

集まってもらったのは合っているがなのはは呼んでいない。

あの子が耐えきれるか怪しいし、要らぬ心配を今増やす必要も無いからね。

 

「元々私と夜々はこの世界の出身ではありません。平行世界とよばれる別の世界で生まれました」

 

 

「私自身は・・・見ていただければ分かります」

 

その言葉を理解できないだろうし、ちゃんとした姿を見せないと。

夜々がいるから怖くも無いから。

 

I am fantasy is Staying(我が幻想はここに在りて)

 

いつもの呪文を唱えると私の姿の輪郭が人間ではなくなると同時に強い光が溢れ出す。

日本にてその存在は強いイメージがあるだろう。

大妖怪【九尾】はそれほどまでに日本でも名がある妖怪だったのだから。

輪郭がはっきりとすると光は少しずつ静まっていき、私の髪と同じ色の銀色の十二本の尻尾を持つ狐へと私は姿を変えた。

 

「・・・これが私の本当の姿です。日本人なら多くの人が知るであろう大妖怪」

 

「・・・それ以上はいい。あまり良い気分はしないのだろう?」

 

「いえ・・・この姿を見せて恐れられるのが怖かっただけです。人間は異質な物を排除しようとする性質がありますから」

 

「私達は君をどんなものであろうとも受け入れよう。伝説の存在であろうとも君は私達の家族なのだから」

 

「だってさ、お姉ちゃん。大丈夫って言ったでしょ?」

 

「・・・うん」

 

大昔の日本を跋扈していた大妖怪が情けないでしょう。

それでも受け入れてくれてるのだから。

怖くないわけがないです、拒絶されるのが怖かったのだから。

 

「陽華ちゃんと夜々ちゃん?は実の姉妹なのかい?」

 

「・・・私と夜々は血は繋がっていません。夜々の家族に拾われた・・・そんなところです。その時の夜々は幼かったので私を姉と呼ぶようになったのはその家族の入れ知恵でしょうが」

 

「私は陽華お姉ちゃんが出来て嬉しかったよ?一人っ子だったから・・・」

 

「・・・こういうのも私を姉と呼ぶ要因の一つだったみたいです」

 

そのあと、魔術の世界を聞かれたけれど秘密にするべきだったので少しだけ教えて後は終えた。

なのはの方はリンディがもう済ませたのか、関係してるとだけ言えばそれで終わった。

すると桃子さんが何か言いたそうにしていたので聞いてみた。

 

「桃子さん、どうかしましたか?」

 

「そのね、もうそろそろさん付けを止めて良いんじゃないかなって」

 

「・・・それでしたか。あまり抵抗感も無いですし良いですよ。桃子お母さん」

 

「夜々ちゃんも陽華ちゃんとは違うとはいえ家がないだろう?ここに住みなさい」

 

「えっ・・・えっと・・・いい・・・ですか?」

 

まさか住んでもいいと言われると思ってなかったんだね。

私を住ませて夜々を住まわせなかったら泣いてたかも。

 

「ああ。構わないよ。美由希に至っては妹が出来るのだから喜ぶ」

 

「・・・妹二人ですね。美由希お姉ちゃん」

 

「・・・可愛い・・・可愛いー!」

 

「へっ!?」

 

「きゃうー!?」

 

我慢が出来なくなった美由希お姉ちゃんが私と夜々を抱きしめてくる。

恭夜お兄ちゃんも見てないで助けてよー!

 

「恭夜、助けてやらんのか?」

 

「・・・あんなに嬉しそうにされてはな」

 

「陽華ちゃんも夜々ちゃんも可愛いー!よし、お風呂!お風呂入ろう!」

 

「ふぇっ!?美由希お姉ちゃん!?」

 

「陽華お姉ちゃんー!どうにかしてよー!」

 

「無理ー!」

 

どうやって私と夜々を抱き抱えているかわからないけれどそのまま美由希お姉ちゃんにお風呂場に連れていかれました。

何となく・・・堅苦しさが消えて、本当の家族になれたのかな。

 

 

夜々が帰ってきて家族が出来て私は凄く楽しいですけどね。

なのはは戸惑うだろうなぁ・・・。

それをいじるのも楽しいので良いんですけどね。

 

 




ということで夜々ちゃん回でした。
次回辺りにでも夜々が何故姿を消したか書きましょうか。
色々とやることありますから2期まで少し遠いです。
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