幻想に生きる魔法少女   作:紅風車

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幻と現の具現

美由希さんのお風呂タイムが終わり、一段落したところで私は夜々と一緒に部屋にいた。

夜々から何故あの時姿を消したのか説明してもらうために。

 

「・・・とりあえず・・・お姉ちゃん、ごめんなさい」

 

「ん・・・まぁ、構わないけれど」

 

「えっとね・・・どうしても・・・だったから・・・」

 

「じゃあ・・・最初の事を聞いていい?」

 

「う、うん・・・」

 

元々夜々は遠明寺家によって創られた聖杯で、私もそれは理解していた。

それと同時に想像具現化の能力を持ち合わせていた。

私が封印したのは想像具現化の能力。

聖杯は遠明寺家のものに感づかれる可能性があったので手を付けはしなかった。

だが、その分聖杯の機能があまりにも巨大になりすぎたのか魔術師に狙われていたようで私に気づかれないようにしていたらしい。

 

「・・・で、家を出たと・・・」

 

「うん・・・」

 

「はぁ・・・それぐらいいいなさい。私は夜々のお姉ちゃんなんだから。それこそ頼ってほしかったわ」

 

「うぐ・・・でも・・・遠明寺の聖杯はお姉ちゃんが関係無いと思って・・・」

 

「はぁ・・・少し見ていなさい。I am fantasy is Staying(我が幻想はここに在りて)

 

能力を発動させると私の手には黄金に輝く杯が顕現する。

それを見て夜々が目を見開いていた。

 

「これが聖杯。ありとあらゆる願いを叶える万能の願望器。本物のね」

 

「本物・・・?」

 

「本物にも色々あるから・・・例えば人の身を持ちうる聖杯。こことは違う平行世界にそんな聖杯があるのかもしれない」

 

「じゃあ・・・私は・・・」

 

「夜々は夜々。それでいいでしょう?たとえ聖杯だろうと私が貴女を護ってあげる」

 

「ん・・・ありがとう・・・お姉ちゃん」

 

夜々の頭を撫でると嬉しそうにする。

この子はこれが昔から好きだったわね。

 

その後、狙われる期間はずっと逃げつづけ、ようやく信頼できる人へと出会えて今に至るらしい。

ちなみに信頼できるというのは大師父で凜さんもそのうち知る事かな。

 

「まぁいいかな。ちゃんと反省してるなら何もいいません」

 

「わーい!」

 

「それで、聖杯はどうするの?」

 

「どうする・・・って?」

 

「自分で使うのか、封印するのか」

 

「・・・じゃあ、そのかわり能力の封印を解いてほしい」

 

「制御できる?私と同等の能力だからって言っても強力で呑まれやすい。だからこそ私は夜々に壊れてほしくない」

 

「出来る!だって私はお姉ちゃんの妹だもん!」

 

「はぁ・・・」

 

どこからそんな自信が来るのかわからないけれど・・・まぁ良いかな。

夜々の身体の中心に手をやると、様々な術式で汲み上げた封印式を解いていく。

こればかりは聖杯であろうと私自身の能力で受付をしないようにしてあるので私が解かないかぎり不可能。

 

「・・・ん、これで良い。夜々、目をつぶって自分の中をイメージしてみて」

 

「うん」

 

「何かあるような感じはある?」

 

「えっと・・・なんだかぐにゃぐにゃしてて形が無い・・・かな」

 

「それが夜々の具現化能力。試しに・・・右手に林檎を出したいと想像してみて」

 

「う、うん」

 

夜々は私に言われたとおり右手を出してイメージする。

すると淡い光を放って林檎が現れた。

 

「す、すごい・・・」

 

「これが想像具現化。夜々の魔力を消費して存在から作り出した物だからちゃんと林檎として食べれるよ」

 

「お姉ちゃんみたいなこと・・・出来るのかな」

 

「出来るよ、夜々は元々聖杯として創られたから魔力量も問題ない。そこに魔術を加えていく場合は夜々の独創性によるかな」

 

「そっかぁ・・・ありがとう、お姉ちゃん」

 

「良いよ。さて・・・もう寝ようか。もう遅い時間になっちゃった」

 

いつの間にか寝る時間になっていたので夜々と一緒に寝る。

本当ならば夜々の部屋もあったはずなのだけれど私と夜々が一緒がいいと言って同じ部屋になった。

ベッドに入ると私は夜々を抱きしめて夜々も私に抱き着いてそのまま寝てしまったのだった。

 

 

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