幻想に生きる魔法少女   作:紅風車

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夜々の初学校

私が目を覚ますと朝の6時半。

夜々はまだ寝ており、下の階からは心地好い料理の音が聞こえて来る。

 

「ん~・・・」

 

桃子お母さんが何を働かせたのかわからないけれど、いつの間にか夜々も学校に入ることになっていた。

・・・本当いつの間に。

 

「・・・顔洗お」

 

このまま二度寝すると遅刻は目に見えてしまうので、洗面所で顔を洗うことにする。

朝の目を覚ます時はこれをしないとしっかりと覚めない。

夜々は・・・どうしよう。

もうすぐ出来るだろうし起こしちゃうか。

 

「夜々、起きて」

 

「んう・・・」

 

夜々は昔と同じくすぐに目を覚ましてくれるので起こす身にはありがたい。

まぁ自分で起きれることが一番だけれどね。

 

「おはよぉ・・・」

 

「おはよう。顔を洗いにいくよ」

 

「ふぁい・・・」

 

まだまだ寝たいのか眠たそうな声をしてるけれど寝かせたら起きなさそうだし・・・うん、連れていこう。

私は夜々の手を引っ張って洗面所へと連れていくと顔を洗わせた。

鏡で見ると私と夜々の髪の色は対になっているようで、普通のところでも綺麗に見えたり・・・するのかな。

 

「んー・・・すっきり」

 

「下で桃子お母さんがご飯作ってるから手伝えそうなら行ってきなさい」

 

「はーい」

 

私と夜々の料理スキルは中々(私は士郎とタメをはれる程度)なので手伝いぐらいなら出来る。

とはいっても本場には負けるけれどね。

 

「・・・今日は、何かあるのかなあ」

 

なんとなーく、そんん感じがする。

私の幸運は高い方だとは思うし・・・嫌な方の勘じゃないから大丈夫とは思うけれど・・・。

 

「・・・そういえば、士郎とちゃんと話せたかな・・・イリヤと別れてから話せず仕舞いだし」

 

士郎の義理の姉であるイリヤはホムンクルス故に短い生涯だったが、その期間だけでも生きようと士郎と楽しんだという。

最期の時だけ私も同伴するように言われたから居たけれど・・・本当はイリヤももっと生きたかったはず。

 

「・・・死人に口なしとはこのことかな。イリヤの本意が分かれば、出来たかも知れないのに」

 

想像具現化であれば私の魔力が消え散るだけで大体の事を起こせてしまう。

それはホムンクルスという身体から普通の人間にへと。

イリヤの魂は遅らく天上の世界へと飛び立ってしまった以上、気軽に呼び戻せはしない。

魂が入れる器があれば・・・可能なのだけれど。

 

「陽華おねーちゃーん!ご飯出来たよー!」

 

「はいはーい!」

 

色々と考えてたらいつの間にか朝ご飯が出来てたみたい。

とりあえずこれは士郎や凜と要相談かな。

私だけで動く内容じゃないし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

年中咲き誇るといわれる桜の木が植えられているその場所。

数百の石段の先にある古びた神社には一人の少女が縁側にて横になって眠っていた。

 

巫女装束に身を包んだ少女は、陽光に反射する白銀の髪を風で揺らしながら。

そしてその隣には、白金の髪を持つ少女が同じく眠っていた。

二人の掛け離れた美しさにどんなモノであろうと見惚れてしまうぐらいに。

 

その神社を知る者はおらず、知られる事もない。

何故ならば、そもそもこの神社自体が少女の世界なのだから。

 

 

ある日、神社に一つの魂がやってきていた。

その魂は眠っていた少女の片方、白銀の少女を見つけると起こさないよう静かに横に移動していく。

そして魂の形作られた姿は、幼くも大人びた雰囲気で赤い眼の銀髪の少女だった。

 

「ここが貴女の世界なのね」

 

口を開くと綺麗な声で、物珍しそうに神社を見ていた。

起きている人物に気付いたのか、草むらの奥からは狐がやってきて銀髪の少女へと擦り寄って来る。

 

「ど、どうしたの?」

 

初めての事で戸惑いつつも、狐を抱いて優しく撫でてあげる。

すると気に入ったのかそのまま眠ってしまった。

 

「これが・・・貴女の世界・・・かぁ」

 

 

「とても良いところね。もっと早く来たら良かったわ」

 

少し後悔しつつも銀髪の少女はその世界で眠る二人の少女を見守るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「夜々、どうしたの?」

 

「ちょっと・・・怖いというか・・・不安」

 

そっか・・・夜々は学校行ったことないもんね。

あの世界じゃ恐らく学校どころじゃなかったもの。

 

「私も最初はそんな感じ。気楽に行けば良いよ」

 

「お姉ちゃんと同じクラスになれるかなあ・・・」

 

「なれなくても休み時間になれるでしょ?心配する必要はないよ」

 

「う~ん・・・」

 

こればかりは夜々の問題だからなんにも言えないかな。

一緒のクラスならなのはや私もいるし大丈夫だけれど・・・。

 

「ほら、着いたよ」

 

「うん・・・」

 

「とりあえず職員室いこっか」

 

「はーい・・・」

 

学校に着いたけど夜々の靴箱がわからないし・・・今日は私のところで良いかな。

靴もはきかえて夜々と一緒に職員室に向かう。

その途中に私と夜々ですごい視線の量を感じたけれど・・・見た目が見た目だしなぁ・・・。

白銀と白金って珍しいのかな?

白金って金髪が少し薄くなった程度なのに(夜々のは好きだけどね)。

 

「とりあえずここが職員室。先生呼んであげるね」

 

「うん」

 

職員室のドアを叩いて先生を呼ぶ。

私が職員室に来るのが珍しいのか沢山の先生が見てきて少し怖かったり。

 

「はいはーい、どうしました?」

 

「先生、転入生連れてきましたので・・・私の妹ですが」

 

私の妹にびっくりしていたけれど夜々の私に対する密着感で察したみたい。

というか夜々はもう少し離れなさい。

 

「えっと・・・遠明寺夜々さんだったね。同じ名字だから名前でこれから呼ぶけど良いかい?」

 

「はい、大丈夫ですよ」

 

「うん、分かった。陽華さんは先に教室に行ってると良い。あと夜々さんのクラスは同じだからまたすぐ会えるよ」

 

また会えることに夜々は凄くキラキラしながら嬉しそうにしてる。

まったく・・・私に対する依存っぷりが凄いわね。

 

「先に行ってるよ、夜々」

 

「うん・・・」

 

夜々、お願いだから見捨てられた子猫みたいな感じにならないで。

なんというか担任の先生も苦笑いしてるから。

 

「・・・陽華さん。やっぱりお願いして良いかい?なんというか可哀相になってきた」

 

「・・・はい」

 

うん、先生が折れた。

まぁ大体の動きは知ってるし、夜々の場合は教科書類を受け取って教室かな。

 

「あまり迷惑かけちゃだめよ?」

 

「うう・・・お姉ちゃんと離れるのやだもん」

 

「・・・学校では抑えなさい、家では構わないから」

 

「わーい」

 

そのあと先生が教科書を持ってきて私と夜々で半々で持って教室に行った。

当然の如く見た目で見惚れた生徒や私と同じ名字で驚く生徒がいたり。

すずかとアリサもすぐに夜々と仲良くなってて喜ばしいかぎりです。

 

「陽華ちゃん、夜々ちゃんとは姉妹?」

 

「まぁ・・・血は繋がってないけど姉妹だよ」

 

「そうなんだ・・・」

 

「髪似てないと思うけど夜々は白金でアリサより色素が薄いかな」

 

「ホントね、陽華と夜々の髪ってサラサラね、触ってて気持ちいわ」

 

「そう?」

 

夜々の髪は私と似たような感じ・・・なのかな。

触ってて気持ちいのは否定しないけどね。

 

「あうあう~」

 

ちなみにしばらく夜々は私とすずか、アリサに弄られまくってました。

やっぱ弄りがいがあると楽しいね。

フェイトに親近感を抱いたのも夜々がいたからなのかなあ。

 

「お姉ちゃん?」

 

「ん・・・どうしたの?」

 

「ううん、何でもない」

 

「ん・・・そっか」

 

たったこれだけの会話だけでも充分。

何を伝えようとしたのか私にはわかるもの。

 

ーーーお姉ちゃん。

 

ーーーどうしたの?。

 

ーーー大好き!

 

ーーーふふ、私も大好きよ、夜々。

 

 

 

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