幻想に生きる魔法少女   作:紅風車

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久方振りの光景

「ん・・・」

 

私は死んだと思っていたがどうやら生きていたらしい。

自分の魔力どころか身を滅ぼして能力を使っているのにね。

 

「ここ・・・は」

 

とりあえず私は辺りを見渡す。

無意識に能力を使って平行世界へと移動していたらしく、久しく見なかった光景でもあった。

 

「・・・ぁ・・・ぅ・・・」

 

別に私は寂しい訳ではない。

独りでいきれる様にいろんな事を独学で学んだ。

見よう見まねで偉人や英雄の技を模写したり、生き残るために武術も習得した。

だが、士郎や凜とは会えなくなってしまったことはやはりどこか心残りがあったみたい。

 

「・・・」

 

服装もあの時と同じローブ一枚のみ。

能力を使おうにも魔力が空っぽで発動は出来なさそうだった。

ここで私は死ぬのかなと目をつぶっているとどこからか声がした。

 

「お母さん、お父さん!」

 

「どうしたんだい、なのは・・・!?」

 

「どうしたんだ、とうさ・・・って」

 

「あ、あの子・・・」

 

家族・・・なのかな。

複数の声が聞こえる。

だけど目がぼやけてはっきりとはしなくなってきた。

意識も・・・ぼんやりと・・・。

 

 

そこから私は何も覚えていない。

 

 

気付けば病院らしき場所で寝かされており、腕にはチューブの管が。

助かった・・・みたいだけど・・・。

手を動かそうにも、まだ本調子ではないのか痛みが走る。

この場所は安全そうだから・・・もう少しだけ・・・寝かせて・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃん、何してるの?」

 

「夜々・・・まだ起きてたの?」

 

「えへへ・・・お姉ちゃんがいないと寝付けなくて」

 

「全く・・・姉離れしなさい」

 

「や~だね!お姉ちゃんと一緒だと安心するもん!」

 

「はぁ・・・」

 

私の可愛い妹。

遠明寺夜々は私の自慢の妹だった。

内気で人と関わろうとはしない私と違い、夜々は人懐こい。

人を見極める目があるからか、良い友達も多かった。

だが・・・私と同じで夜々も能力を持っていた。

幸いにも私が夜々の能力を封印して多重封印をかけた。

 

「お姉ちゃん」

 

「なぁに?」

 

「大好き!」

 

「ふふ。ええ、私も好きよ、夜々」

 

家族として夜々を好いていた私。

だけどいきなり夜々は姿を消した。

両親は生まれたときからいなくて、使用人に育てられた。

作法や礼儀など全て叩き込まれて。

私は夜々を全力で探したが、どこにも手がかり一つ見つからなかった。

唯一夜々が残していったのは、いつも夜々が髪の毛を括るときに使っていたリボン。

それを大切に私は持っていることにした。

能力も使って強くするイメージを持ってリボンの強度をあげた。

 

「どこにいるの・・・夜々」

 

結局夜々は見つからなかった。

その日からだろう。

私は人を信じれなくなったのは。

夜々がいたからなにもかも出来た。

元より人と関わらなかった私はより一層人を避けた。

私が求めているモノは一体何なのだろうと。

夜々が大切にしていたリボンだけは身につけた。

無くさないように、でも付けていればすぐそばにいるような気がしたから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・久しぶりにあの夢を見たわね。

夜々は・・・元気にしているかな。

最もあの世界から逃げ出した私が言えたことではない・・・か。

さすがにかなり寝ていたからか、魔力も回復しきっていたので能力で治癒を促すようにした。

とりあえず私の今の現状を見なくちゃね。

 

「・・・ぁ」

 

目を開けると久方振りの光に眩しかったが、すぐなれた。

 

「大丈夫だったかい?」

 

隣から声がしたので、その方向に視線を向けると優しそうな男性と女性が座っていた。

 

「・・・は・・・ぃ・・・」

 

「ああ、無理にしゃべらなくて良いよ。まだ君は万全じゃないんだ」

 

「・・・」

 

言われたとおり私は喋らずに頷いた。

喉も軽くやられていたようで、喋ろうとすると痛みがあった。

 

「僕は高町士郎。隣の女性は僕の妻の桃子だよ」

 

「高町桃子です・・・それで・・・」

 

「・・・ぁ・・・」

 

「すまないね、喋らなくて良いと言ったのに喋らせるような形にしてしまった。完全に回復しきるまでは僕たちも待とう」

 

「そうね。またお見舞い来ても良いかしら?」

 

「・・・」

 

お見舞いなんてされないと思ってたからびっくりした。

だけどこの二人からは多少の警戒心があるがそれは初対面だからだろう。

私はまた来てほしいという意味を込めて頷くと二人は喜んでいた。

それだけの行動で私はもう疲れたのか眠気に襲われて、そのまま寝てしまった。

 

「おや、寝てしまったようだよ」

 

「疲れてたのかもしれませんね。寝かせておきましょう」

 

「そうだね。僕たちも戻ろう」

 

二人はその病室を静かに抜けていった。

ベッドに眠る少女を起こさないように。

 

 




高町家の喋り方が全くわかりません・・・。
難しいですね、最近見てないのが原因ですが。

ようやく高町夫婦が出ましたが、まだまだ本編までもう少しかかりそうです。

早速お気に入りにしてくださった方、ありがとうございます。
更新速度は不定期ですが気長に待っていただければと。
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