数週間ほどしたこの日。
転入生の私は最初は腫れ物を扱うような感じもあったが、話しかけて来る子は多かった。
次第にクラスどころか学校一の美少女と言われるほどまでになったが、気恥ずかしい所もあって基本は大人しくしている。
だけどなのは達のおかげでそこそこいい感じになってきてはいる。
今は学校の下校途中。
すずかやアリサ、なのはと一緒に帰っている所。
「ねー、陽華って本当に同い年?」
「どうしてです?」
「だって小学生で覚える事じゃない物まで覚えてるじゃんか」
「確かに・・・どうしてなの?」
「秘密ですよ。同性でもお互い探り合うのははしたないです」
私は人差し指を口につけて三人に言った。
すずかが顔を赤くしていたけれど・・・どうして?
「なぁっ!?・・・陽華、あんたそれを他の奴らにはしないようにね」
「・・・?」
「女の子同士でもそういう目で見えてしまう感じがするのよ!」
「・・・そうなのですか?」
「そうよ!なのは」
「にゃっ!?そ、そうだよ!」
アリサによって強制じみた感じになってたけど・・・ま、まぁそういうのなら今後は抑えましょうか。
「・・・?」
「なのは、どうしましたか?」
「い、いや・・・」
急になのはが路地を見つめだす。
私もその先から変な感じはしてて、嫌な感じ。
「・・・すずか、アリサ。先に帰っていただけませんか?少し用事出来ました」
「どういうことよ?」
「・・・アリサちゃん」
「うぅ~・・・なにかあったか教えなさいよ!絶対に!」
「はい、分かってますよ、アリサ」
「すずか、付き合いなさい、暇になっちゃった」
「うん、二人ともまた明日ね」
すずかのおかげで何とか探られずに済ませれたけれど・・・。
この反応は・・・魔力?
実際なのはは感知したのか分からないけれど、魔力の波を感じてる。
するとなのはが走ってその場所まで行ってる。
「仕方ないなぁ」
「
この呪文は士郎が考えてくれた大切な呪文。
私の能力を起動するための一つの呪文でありながら、私個人を体現した言葉。
士郎の呪文と同じような感じで気に入っていたりする。
呪文を唱えた私は自分の身に宿る能力で身体能力を大幅に上げてなのはの所へ向かう。
視力強化をするとなのはの姿と隣にフェレットが一匹。
その近くには魔力を発している根源がいる。
ならば、その助けをするぐらいの事はしてあげましょうか。
「
封印解放をしていない私は本気で戦おうとすれば魔術回路も暴走してしまう。
だから抑えるためにも投影魔術で私の武器を投影する。
右手には洋弓があり、左手には武器が変形した矢。
魔力の集合体に私は洋弓に矢をつけて弦を引く。
「・・・ふっ!」
つくづく士郎と同じ戦い方で嫌になるけど仕方ない。
彼には申し訳なく思うも今は戦闘中。
引いた矢は真っすぐ向かい当たる直前でもう一つの呪文を唱える。
「壊れた幻想・・・!」
これは己の宝具に眠る魔力を全て解放、爆発させる方法。
私は宝具ではないけれど、似たような事は出来るし、先程の矢には少ない魔力を篭めているから多少は足止めできるはず。
その間になのはとフェレットを持ち上げると間合いを取って移動する。
「陽華!」
「全く、先走らない。何のためについていったんだか」
「ごめんなさい・・・でもっ!」
「助けたい?この子を」
「うん!陽華も・・・手伝ってくれないかな・・・?」
「当然でしょう、一人でやらせてたら怖いもの」
「あ、あの・・・」
フェレットがいきなり喋った。
いや、フェレットに化けてるが正しいのかな。
「契約とかがあるんでしょう?私が時間を稼いでおきますからなるべく早くね」
私はその場から離れてあの化け物に対峙した。
よく見てみたけれど・・・結構えぐれてる感じ。
中心には化け物のコア的な物が見えるからあれをなのはにしてもらえば良いか。
「・・・舞え」
言葉を口にすると私の周りには桜が舞う。
「桜吹雪」
その言葉で舞っていた桜が一気に化け物に降り注ぐ。
あの桜には一見何も無いように見えるけど、その次に紡ぐ言葉が最後の締め。
「陽華!」
「散りなさい!桜花閃嵐!」
これは私が考えた呪文。
能力解放限定でのみ出来るけれど威力は宝具と同等なぐらい強力なもの。
これを喰らって平然としていれるのはそうそういないし、土煙が晴れると化け物の原形は殆ど留めておらず、核のコアが露出していた。
「なのは!あれを封印して!」
「う、うん!リリカルマジカル!ジュエルシード、シリアル21・・・封印!」
なのはが現れると魔法少女っぽい衣装で杖を持っていた。
恐らく封印するための呪文を唱えたら、先程の化け物のコアが杖に吸収されて消えてしまった。
「・・・なのは、それは?」
「あ・・・えっと・・・」
「・・・別に、言いたくないのなら」
「こ、これはイメージした衣装がこれで・・・」
「・・・そっか」
「
忘れないように私の能力封印をしておく。
もししていなければ本当の姿が出てしまうから。
なのはにはそんな姿見せられない。
「陽華・・・?」
「なんでもないですよ、帰りましょうか」
「う、うん」
私はなのはを連れて家に帰った。
あのフェレットを飼いたいとなのはが言うと桃子さん達は困っていたが私も飼いたいと言うと何とか承諾を。
私は自分の魔術と能力をどうするか悩んだ。
能力が発動していれば全ての魔術・・・及び第二魔法と第三魔法も行使できる。
私は永い時を生きた人ならざる者。
故に私は側に付き添ってくれた者はおらず、居てくれる者も居ないだろう。
あの時、士郎が私と逃げていなければ。
能力の解放をして追っ手を全員殺していただろう。
士郎のおかげでそれを抑えられ、彼を助けれたのだから。
「今宵は月が・・・綺麗ですね」
私を初めて見る者は化け物と言うだろう。
だが、日本人はこう言う。
伝説に存在した生き物だろうと。
故に私は人とは違う。
人間じゃないことがこれ程までに憎いと思ったことは無い。
「夜々・・・」
寂しい。
本当の妹じゃないのに。
あの子だけは本当の妹のように思えた。
だから消えてしまった時悲しかった。
会いたいよ。
「会いたいよ・・・夜々ぁ・・・」
私の小さな呟きは静かに消えていった。
陽華が唱えた呪文はオリジナルです。
適当に考えた呪文ですので特に気にしないでください。
翻訳かけてそのままの意味にならないかもですがエミヤの詠唱と似た感じと思っていただければ。