幼馴染転生 - ルディと一緒に本気だす -   作:文頼

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第十七話「入学初日」- 裏 -

「諸君ら魔術師は、未来に向かって羽ばたき――」

 

 入学式当日。

 頭に違和感のある校長が、魔術師とは何たるかを語っていた。

 熱意は凄く伝わったが、私達生徒には正直どうでもいいことだ。

 周りの生徒たちも、うんざりとした表情をしている。

 

 あ、校長と目が合った。

 目をつけられると面倒なので、表面上はしっかり聞いている風を装う。

 

 ……何の魔術の研究しようかなぁ。

 

 異世界転移魔法陣はナナホシ達が作ってくれる。

 あ、私の戦闘力増強のための研究にしようかな。

 それなら本体も活用できるだろうし。

 よし、いっちょやってやりますか。

 

 

 そう意気込み入学式を終えて、教室錬に移動した。

 その間に私を知っている多くの生徒たちに声を掛けられた。

 前世でもこれだけ注目される事は一度も無かったので少し気恥ずかしかった。

 

 玄関に入ると案内版があった。

 それを頼りに特別生の教室に向かう。

 

 教室に入ると、見覚えのある姿が二つ。

 

「げ、あいつが来たニャ」

「ファックなの」

「失礼じゃない? リニアにプルセナ」

 

 入試で戦った獣族リニアと、その相棒のプルセナだ。

 私にボコボコにされたのに特別生になれたのか、よかった。

 あれが原因で落とされてたらどうしようかと思った。

 

「他の特別生は居ないの?」

「んにゃ、特別生はサラと私らの三人だけニャ」

 

 本当に?

 じゃあ一年生しか特別生いないのか。

 前年度まで強い人居なかったのかな。

 

「じゃあ今年一年一緒に頑張ろうね」

「今度は絶対勝つニャ。その余裕そうな表情を歪ませてやるにゃぅぉぁ」

 

 ケモ耳って、なんでこんなに癒されるのだろうか。

 ああ、ずっと触っていたい。

 

「ん」

 

 リニアのケモ耳を堪能していると、プルセナが頭を突き出してきた。

 何だろうか。あ、ピコピコした耳可愛いな。

 

「撫でて」

「――っ!」

 

 

 この後、先生が来るまでめちゃくちゃ撫でまくった。

 

 

---

 

 

 リニア達は授業を受けに行った。

 どうやら彼女たちは授業免除ではないらしい。

 

 一人になった私は、目的を果たすべく図書館に赴く。

 そこには膨大な書物が収まった棚が所狭しと並んでいた。

 この世界の本は高価だ。

 こんな無防備に置いてあって誰かが盗んでいかないのだろうか。

 

 司書さんに魔術の本棚の場所を教えて貰うと、タイトルを一通り見ていく。

 

 ずっと見て行くと、目を引く本を発見した。

 

 『魔力結晶から人体への魔力の取り込み及び魔力回復について』

 

 研究結果次第では、私の魔力総量を増やすことができそうだ。

 これ程研究材料としてピッタリのものは無いだろう。

 私はその本を手に取り、図書館で読み耽った。

 

 

---

 

 

「………」

 

 本に書かれていたのは、非常に困難だという事だった。

 魔力結晶に含まれている魔力は、自身の魔力とは勝手が違う。

 例えば、相手の魔力で勝手に魔術を使えたりはしない。

 相手を操って使わせることならできるだろうが、決して相手の魔力で魔術を使う事は出来ないのだ。

 それと同じで、魔力結晶の魔力を魔法陣に移動させることはできる。

 しかし、それを自分の体内に操作して自分の魔力に出来たりはしない。

 あくまで動かせるだけだ。

 

 私の本体なら魔力結晶から魔力を取り出して、外部魔力にしてしまえばいいのではないか。

 別に体内に取り込まなくても外部で保存する方法があるのだから。

 これはできそうだ。

 やってみなければ分からないけど。

 

 私はどうだ?

 魔力体の私なら、体内に魔力を取り込み、己の魔力に変換できたりしないだろうか。

 そういえば、私専用の研究室がもらえるんだった。

 魔力結晶を買って来て、そこで色々試してみよう。

 もしできたなら天変地異を起こせる程度には魔力が回復できるかもしれない。

 

 うん、今から市場に行って買ってこようか。

 時間は有限だ。

 

 

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