緋弾のアリア〜黒鉄の拳闘士〜   作:零崎極識

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初投稿です。よろしくお願いします。


イ・ウー編
Scarletは突然に 1


 ピピピピピピッ、ピピピピピピッ

 

 一般的なアラーム音に俺は目を覚ました。時計を見ると午前6時だ。いつも通りに目を覚まし、いつものように朝食を作り、いつものように登校する。そんな日常が続くと思っていた。

 

……だが、現実はそうもいかなかった。

 

 ピピピピピピッ、ピピピピピピッ

 

 今日もアラーム音で目を覚ました。目を覚ますと午前6時だ。

 

……確か今日は始業式だったな

 

 そんな独り言を呟きながら俺は制服に身を包み、腰には()()を背中には()を背負って朝食を作る。

 

 俺がやっているのは『武偵』言うなればお金で動く便利屋だ。今日から高校2年生ということで始業式に行くためにこうして準備をしているわけだがどうにも気が乗らない。

 

 そんなことをおもいながらパパっと朝食を作っていると隣の部屋から慎ましいチャイムの音が聞こえてきた。

どうやら、隣の部屋ーー遠山キンジの部屋に来客らしい。

 

 まぁ……誰が来たかはチャイムで分かったのだが。

 

「よっ、おはよう白雪」

「あっ、おはよう京介くん」

 

 キンジの部屋の前にいたのは、黒髪で前髪ぱっつんの大和撫子『星伽白雪』だ。若いながらにしてこれでも実家の巫女さん武偵である。

 

「今日もキンジのお世話かい?」

「そ、そんなことはないけど……」

 

 急にモジモジし始め、恥ずかしそうに指をツンツンし始めた。

 

「キンジのやつ……ここまでされてるのになんで気づかないかねー」

 

 そんな事を言っていると当の本人が出てきた。

 

「白雪か、おはよう」

「あっ、お、おはよう……キンちゃん」

 

 出てきたキンジに緊張しながらも照れるように名前を呼んだ白雪を見て俺はゆっくりと自分の部屋に帰った。

朝から甘いものを見せつけられると胃もたれしそうだ。

 

 少し冷めた朝食を皿に盛り付けながらテレビを見ていると『武偵殺し』のニュースがやっていた。

 

 ーー『武偵殺し』ーー

 

 なんでもここ最近になって起きている事件の総称である。手口としては、ターゲットとなる武偵の乗り物に爆弾を仕掛けた挙句、機関銃のついたラジコンか何かで追い回すらしい。犯人は捕まったらしいのだが……模倣犯か何かが出てきているみたいだ。

 

 そんなニュースを眺めながら食事を終え、片付けまで済ませると徒歩で始業式の行われる体育館まで向かうことにした。

 

 俺のいる東京武偵校はレインボーブリッジの南に浮かぶ南北約2キロ東西500メートルに渡って浮かぶ

人工浮島(メガフロート)の上にある。学校のある島だからか、通称『学園島』と呼ばれるここに住んでいる俺は、学校から推奨されている通学路を間に合うように歩いていた。

 

「……なんだ?」

 

 ふと気づいた気配に俺はチラッと周囲を見渡すが特に怪しいものはない。だが……直感では誰かに見られている?

 

「……気のせいか」

 

 ここ最近、特にこういった視線を感じているのだが如何せん相手の気配の隠すのが上手いのかなかなか見つけられない。

 

 もっとも、本気を出していないからかもしれないが。

 

 なんとも言えない視線を感じながら歩いていると、不意にババババッ!と銃声が聞こえてきた。どうにも穏やかじゃない雰囲気を感じた俺は急いで現場にかけつける。

 

 しばらくして辿りついたのは『体育倉庫』だ。ここには文字通り体育で使う道具が収納されているのだが……今日に限ってはその入口を短機関銃を積んだ物騒なセグウェイに塞がれていた。

 

 どうみても……穏やかじゃねぇなこれ……

 

 そう思いながら木陰に隠れて様子を見ているといきなりセグウェイの短機関銃が次々と吹き飛んでいく。しかも全部が『銃口』を狙った正確な射撃だ。

 

「あいつ……()()()()()

 

 こんな正確な射撃をするのはアイツに違いない。そんな確信を持っていると案の定、噂してたとおりに遠山キンジが現れた。

 

 ーー遠山キンジーー

 

 1年生の頃は強襲科(アサルト)で武偵ランクSの超人だったが、この前の試験でまさかの探偵科(インケスタ)のEランクまで落ちぶれた武偵だ。

 

 だが、幼馴染の俺はヤツに調()()()()があるのを知っている。その波が絶好調の時にはああいう風に曲芸じみた事を平気でやってのける。

 

 無事にセグウェイを処理したキンジは体育倉庫に戻っていき……そして再び飛び出してきた。いや、正確に言えば投げ飛ばされたか。

 

「逃げられないわよ!私が犯罪者を逃がしたことなんて1度も!ってあれ!?あれれ!?」

 

 飛び出してきたのはピンク色のツインテールをした女の子ーー恐らくは中学生ぐらいだろうーーで手には『M1911A1ガバメント』を二つ持ち、キンジに銃口を向けていた。だが、その銃には弾倉(マガジン)が入っておらず、予備を出そうにも無くて困惑しているようだ。

 

「もう何を言っても許してあげないんだから!」

 

 ピンクの女の子はそう言うとガバメントをしまい、小太刀を抜いて飛びかかるようにキンジに襲いかかっていた。だが、次の瞬間女の子は後頭部から思いっきり地面に転んでいた。

 

 それを狙っていたかのようにキンジはその場から立ち去り、後には悔しそうにしながら地団駄を踏む女の子の姿だけが残っていた。

 

「あー大丈夫かい?」

 

 俺は少し距離を開けてその女の子に声をかける。

 

「……あんただれ?」

「俺は『天童 京介』だ。あんたは?」

「私は……『神崎・H・アリア』よ」

 

 その日、俺は嵐のように日常を壊していく女の子に出会ったのだった。

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