緋弾のアリア〜黒鉄の拳闘士〜   作:零崎極識

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燃え上がるWhite Snow 4

「哭けよソドミー!唸れゴスペル!」

 

 影胤はベレッタを両手に持ち連射するように引き金を引いた。俺は義眼を解放し迫り来る銃弾の軌跡を最小限の動きで避け、SOCOMで反撃をする。

 

「無駄だよ!イマジナリーギミック!」

 

 突然影胤の周りに透明なバリアのような物が現れ.45ACP弾を弾き、どこかへ抜けていった。

 

「なっ!?」

 

 弾かれた弾丸に目を奪われ一瞬動きが止まり、その隙を逃さずに影胤がベレッタで追撃してくる。なんとか反応して体を捻るが何発か身体にもらった。飛び蹴りを受けたかのような衝撃が体を突き抜けその衝撃でSOCOMが手から離れ地面に落ちた。

 

「ぐはっ……でもなぁ……!!」

 

 後ろに仰け反りそうになるのを無理やり踏ん張り、脚部カートリッジを撃発させ距離を詰める。

 

「天童式戦闘術一の型三番『轆轤鹿伏鬼』ッ!」

「イマジナリーギミック!!」

 

 俺の攻撃を防ぐために先ほどと同じようにバリアを展開したのを確認して、俺は捻りのこもった拳をカートリッジの撃発と一緒に叩き込む。

 

 一瞬の抵抗の後、バリアにひびが入りトドメと言わんばかりにもう1発撃発する。バリンッ!という音とともにバリアが砕け、影胤の胴体に拳が入った。

 

 あまりの衝撃に耐えきれなかったのか、凄まじい速度で吹き飛び、近くにあったゴミ捨て場をなぎ倒して地面を転がり止まった。

 

「ふ、ふふっ……!これこそが痛み!生きている実感!ハレルヤッ!!」

 

 ダメージを受けているようだがそれでも立ち上がりこちらをじっと見つめてきた。それに追い打ちをかけるように脚部スラスターを撃発。一気に距離を詰め、再び肉弾戦を仕掛けようとする。

 

「エンドレススクリーム……!」

 

 影胤の正面に突如出現した槍のような物が俺に向かって飛んでくる。だが、俺はスラスターの勢いを殺すことが出来ずに体をどうにか捻るが避けきれない!

 

「ぁぁぁぁぁあああ!!!!!」

 

 

 正面から直撃することは無かったが槍とすれ違った時に右腕の付け根が吹き飛び、接続部から地面に落ちた。

俺はスラスターの勢いを殺せずに影胤から離れたところに落ち、地面を転がった。

 

 あまりの激痛に意識を失いそうになるがなんとか腰のホルスターから痛み止めを取り出し肩口に射ち、呼吸を整える。

 

「はぁ……はぁ……」

 

 吹き飛んだ傷口からは出血が止まらず意識が朦朧とするも歯を食いしばって脚部スラスターを撃発し、急迫する。

 

「無駄さ!エンドレススクリーム!」

 

 さっきと同じように俺の中央を狙って槍のような物が迫ってくる。だが、今度はそれを見越してカートリッジを撃発し、()()()()()を飛び越えた。

 

「天童式戦闘術二の型十四番『隠禅・玄明窩』……!」

 

 空中で体を捻り回し蹴りの要領で影胤の顔面を蹴る。オマケにカートリッジを撃発しさらに火力を増したが……これでもダメのようだ。

 

「くっくっくっ……!君は優秀だね……!」

 

 確かに負けは負けだ……けど、俺にも意地はある。

 

「うぉぉぉ……!!!」

 

 もう1度踏み込もうとしたところで目の前が真っ暗になった。

 

 

 目を覚ますと、そこには見知らぬ天井が広がっていた……わけではなく、この前のハイジャックの後にお世話になった病院の病室だった。

 

「……ぅっ……!」

 

 体を起こそうとすると全身に激痛が走りそのままベッドに倒れ込んでしまう。右腕を見るとそこには外れたはずの義手がくっついていた。

 

 そして、しばらくすると遥姉さんが病室に入ってきた。意識を取り戻した俺を見るやいなや無言で抱きしめてきた。

 

「京介……!無事でよかった……!」

 

 涙声の遥姉さんに抱きしめられ……ものすごく心配をかけた申し訳なさとなんとか生きて帰れたことに安堵して思わず涙が出た。

 

 数分間そうした後、改めて遥姉さんと向き合いあのあと俺がどうなったのかを確認した。

 

 どうやら意識を失い、トドメを刺されそうになったところにティナが通りかかり、苛烈な攻撃で撤退させたようだ。その後、救急車を呼んでもらい運ばれたのが事の顛末らしいのだが……丸2日起きなかったみたいだ。

 

「……よく分かった……遥姉さん、ごめん」

「ううん……まさかの事態よ……こればっかりは仕方ないわ……」

 

 遥姉さんも俺を瀕死に追い込んだことに責任を感じているのか普段よりも元気がない。

 

「遥姉さん……俺、次にあいつとあった時は……絶対に負けねぇよ」

 

 俺は決意をこめてそういった。遥姉さんは悲しげな顔に少しばかり嬉しさを滲ませて俺の決意を聞いてくれたのだった。

 

「それだったら……家の納屋の奥に……京介の本当の武器があるわ、それを取りに行きなさい」

「俺の……本当の武器……」

 

 それから1週間経ち、やっとの事で退院できた俺は実家に戻り納屋の奥から一振りの刀を取り出した。

 

「……これが……俺の本当の武器……」

 

 手に取った刀は初めてもらったはずなのだが、しっかりと体に馴染み、どこか懐かしく身体の感覚が蘇ってくるようだった。

 

「……これさえあれば俺はやつに勝てるのか……いや、勝つしかない……」

 

 刀を背中につけ家の納屋を出るとティナの待っている自分の部屋へと戻るのであった。

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