緋弾のアリア〜黒鉄の拳闘士〜   作:零崎極識

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舞い踊るhoney gold 6

 

 無理やり体を捩って背中の刀を抜き、回転斬りをするかのように刀を振り抜く。刀と斥力の槍の擦れる音が不協和音として鳴り響き、一瞬の後に斥力の槍は消滅した。

 

「なんだとっ!?」

「うぉぉおおお!!!」

 

 隙を見せた影胤に対して、脚部のスラスターを用いて一気に間合いを詰める。

 

「天童式戦闘術二の型十四番『隠禅・玄明窩』ッ!!」

 

 スラスターの勢いを用いた二段蹴りが影胤の体に突き刺さる。その衝撃によりかなりの速度で壁まで吹き飛んでいき土煙に隠れてしまった。

 

「はぁ……!はぁ……!しぶといんだよ……!!」

 

 刀を構えながら次の攻撃に備える。すると、正面から斥力の槍が迫ってき、同時に側方からティナの狙撃がはしる。

 

「2つ同時は……ッ!」

 

 後方へ飛びながらスラスターを撃発して距離を大きく取り斥力の槍を切り捨てる。だが、その後ろからは2発の9mm弾が迫ってきていた。どうにか身体を逸らすが、1発が右肩に着弾する。

 

「ぐっ……!」

 

 幸いなことに防弾制服の上から当たったために貫通はしなかったものの衝撃で右腕が痺れてしまった。それを見越してか、影胤がこちらへと歩いてくる。

 

「おやおや、右腕はどうしたのかね?」

「……お前性格悪いぜ……!」

 

 虚勢を張りながら左手にSOCOMを持ち牽制射撃を放つ。影胤はその射撃をイマジナリーギミックで弾く。そして、ティナの狙撃がSOCOMを狙って放たれた。

 

「ッ……!!」

 

 すんでのところでかわすが体勢を崩した俺を影胤が見過ごすわけはなかった。

 

「エンドレススクリームッ!!」

 

 斥力の槍が再び迫ってくる。右腕は未だ痺れたままで抜刀するタイミングを逃してしまった。仕方なく左脚のスラスターを撃発し、横っ飛びに避ける。

 

「逃げてばっかりでいいのかね?」

「……策はあるさ」

 

 そう言うと今度は影胤の方へとスラスターを撃発する。

 

「おやおや、飛び込んでくるとは!狙撃の的になりたいようだね!」

「ハッ!分かってねぇな!」

 

 そしてティナの狙撃が迫ってくるがそのコースは()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「なに……!?」

「呆然としてる暇はないぜ!!」

 

 距離を詰め、そのまま右腕に力を込める。

 

「天童式戦闘術一の型三番『轆轤鹿伏鬼』ッ!!」

 

 スラスターの勢いを利用して拳を影胤へと叩きつける。勢いよく吹き飛び地面を何度かバウンドして壁へとぶつかった。

 

「……しぶとすぎるぜ……!」

 

 再び立ち上がった影胤に辟易としながら再び構えをとるが影胤はそのまま振り返ってどこかへと飛び去っていった。突然の出来事に対応出来ずにぼーっとしていたが、慌てて追いかける。

 

「ちっ……!いねぇ!ってうぉっ!?」

 

 廃工場の上に登って辺りを見渡すがどこにも影胤の姿は見えずに、ティナの狙撃が出迎えてくれた。身体をそらし、銃弾を避けると飛んできた方向へと走り出す。

 

 その道中に何度も弾が飛んでくるが、それをかわしながらスラスターを使い距離を詰める。そして、ティナの潜伏するビルへとたどり着くとそこにはティナがサブマシンガンを持って立っていた。

 

「お兄さん……」

「ティナ……」

 

 ティナの構えに合わせて拳を構える。いつでも飛びかかれるように体勢を低くするがティナは銃を構えたままでトリガーには指がかかっていなかった。

 

「……お兄さんは、私がどうしてこんなことをしたのか……分かりますか?」

「……まるで分からないんだが」

「最近……全然構ってくれないじゃないですか……!」

 

 涙を浮かべながらそう言うティナに俺は何も言葉を返すことが出来なかった。

 

「そして……彼女みたいな人もできて……!周りにはき綺麗な人ばかり!」

「それは誤解なんだが……」

「私の気持ちには気づかないのに!!」

 

 ティナがサブマシンガンを向けながら力強く言う言葉にいろんな意味で呆然とした。

 

「ティ、ティナ……?」

「お兄さん、私はあなたのことが好きなんです!でも……それには気づいてくれなくて……」

「……そ、そうか」

 

 たしかにティナは可愛らしいがそれでもまだ小学生だ。何かあったら色々と問題しかない。

 

「それとも、私が小学生だからいけないんですか!?」

「理性的に考えたらそれはそうなんだが……」

 

 どうしても言葉尻がすぼんでしまう。その返答に納得出来なかったティナが引き金に手をかけた。

 

「分かった!!ティナが高校に入るまで待つ!」

「……それは本当ですか……?」

「ああ、その代わり……それでもし俺よりも好きな人が出来たらそっちをしっかり狙いなさい」

 

 どうにかこの場を逃れるために提案を持ちかけたが、ドツボにハマった気がしてならなかった。

 

「……分かりました、それで手を打ちましょう」

 

 ティナはサブマシンガンを下ろしてそのまま近づき、ぎゅっと抱きついてきた。

 

「さっきはごめんなさい……いっぱい傷つけてしまいました……」

「……まぁ、戻ってきてくれたわけだし良かった……」

 

 痛む体に鞭を打ってなんとか起き上がる。そしてティナの頭を少し乱暴気味に撫でた。

 

「というわけで……帰るか」

「はいっ!」

 

 そして2人で寮の部屋へと戻る。

 

「あっ、そう言えば……結局()()()は治ってないんだな」

「……射程距離外になると全く標的が見えなくなっちゃって……」

 

 ティナにはどうしても克服できない癖があり、さっきの戦闘中はその癖のおかげで反撃が出来たのだった。

 

「見えないなら撃たなければいいのに……」

「そこはスナイパーとしてゆずれませんから」

 

 ティナは標的が見えなくても適当に引き金を引いてしまう癖があるのだった。

 

「……まぁその辺りも克服だな」

 

 そんな話をしながら自室へと戻るのだった。

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