緋弾のアリア〜黒鉄の拳闘士〜   作:零崎極識

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新たな力のawaking 6

 結局、あの後俺たちは正式に付き合うことになったのだが、まだ高校生ということもありあの祭りのあとは理子を家まで送ることしかしなかった。だが、その後は他愛のない話を3時間ぐらいしたのは内緒だが。

 

 そして迎えたバイト当日、俺はキンジたちとは別のタイミングでカジノに潜入するということもあり他の奴とは少し早いタイミングで現地入りする。幸いにもまだ、開場時間には余裕があり少しばかり仕込みをすることにした。

 

「それにしても、こんな忙しい時に武偵校の生徒さんがバイトをしてくれるのはありがたいですねー」

「あはは……まぁ色々と事情がありますからね」

 

 色々と必要なものを揃えていると雇い主である『小野寺さん』が声を掛けてくる。小野寺さんはすこしご高齢ではあるもののディーラーとしての腕はピカイチらしく、本場ラスベガスでも経験していたらしい。

 

「見ると天童くんは、センスがありますよ?」

「お褒めに預かって光栄です」

 

 ディーラーなど、やったことが無かったので不安ではあったもののしっかりと認められたのでひとまずは一安心であるというところだ。

 

「あとは無事に開店するのを待つだけですね」

 

 仕事の仕込みと()()()()()()()()()を終わらせたところで、俺はルーレットのディーラーの配置につく。

 

「さぁ……ゲームを始めよう」

 

 そして、カジノの開店時間になり勝負の時間が始まるのだった。

 

 

 カジノと言うと、一発逆転を夢見て遊ぶ人や、豪遊するような派手な人が集まると思いがちかもしれないが、蓋を開けてみるときっちりとスーツを着こなした人や、見た目は、どこにでも居そうな風貌の人など浮世離れしたような光景などはどこにもなかった。

 

 俺はルーレットに掛けにくるお客さんを相手に、たまには勝たせたり、搾り取ったりいい塩梅で繰り返す。そして、しばらくディーラーをやっているとそんなこんなで昼休憩の時間に入った。

 

「天童くん、休憩いいよ」

「ありがとうございます」

 

 小野寺さんに声をかけられてバックヤードに引っ込むとさっとエネルギーチャージのゼリー飲料を飲み、本題の方へ取り掛かることにした。ディーラーの格好のままで店の奥にあるピラミッドの根元に向かう。元々このカジノは以前、漂着したピラミッドをモチーフに作られているのだが、一説によるとエジプトのピラミッドと全く同じものらしい。今回はその信憑性を調べるための依頼でもあった。

 

「……っとここか」

 

 奥のフロアへと通じる扉は固く閉ざされていたが、小野寺さんから拝借したカードキーを使い扉を開ける。その先にはかなり広く、何も無い空間が広がっており、その先にはピラミッドが鎮座していた。

 

「念には念を入れるか……」

 

 義眼を解放しそのフロアを見ると僅かではあるが、赤外線センサーの網が張られているのが見えた。どうやら、ここまでするほどになにか裏があるようだ。

 

「……しかしまぁ……どうやってくぐり抜けようか……」

 

 フロア全体を覆うような網になっており普通に通るのはかなり難しい。天井の方は割と網目の間隔が広く通れそうだが、あいにくそんな便利グッズを持ってきてはいない。次からは平賀さんにでも頼むか。

 

「制御装置があるのなら……破壊してもいいんだが……」

 

 周囲を見渡すと分かりづらくはあるが柱の奥に制御装置が2つ、両側に置かれているのが見えた。

 

「あれを撃ち抜けばいいのか……」

 

 SOCOMを抜いて肩の力を抜きトリガーを引く。狙い通り弾丸は制御装置を撃ち抜くが消えた線はわずか数本だった。

 

「……どうやら本体が別にあるらしいな……」

 

 他に似ているような装置を探すもどこにも見当たらず仕方なしに違う手を使うことにする。近くの壁に拳を当てて向こう側に空間があることを確認して、拳を構える。

 

「天童式戦闘術一の型三番『轆轤鹿伏鬼』ッ!」

 

 捻りを加えた拳が壁へと突き刺さり見事にその部分から人1人が通れるぐらいの穴を作ることに成功した。

 

「さて、侵入に成功した……ってマジかよ……!」

 

 開けた壁の先には無数の砂人形が待ち構えていたのだ。

 

(あの頭……神話に出てくるアヌビスにそっくりだが……)

 

 余計なことを考える前にその砂人形が手に持ったトライデントで心臓を狙い突いてきた。咄嗟に体を半身にさせ、ギリギリに回避するとそのまま当身をくらわせる。体勢を崩した人形に追い打ちを加えようとするがその前に別の人形に攻撃されてしまう。

 

「数が多すぎる!」

 

 仕方なく後ろに下がりながら1体ずつ相手にして行こうと思うが圧倒的な物量差に撤退の文字が頭に浮かんでいた。ひとまずSOCOMで足を撃つも痛覚がないため関係なしに攻撃を加えてくる。

 

「これじゃ戦えねぇ……!」

 

 拳銃弾が効かないと分かるとSOCOMをホルスターにしまい拳を握って戦うことにする。相手の突く動作に合わせてその槍を払い、胴体に拳を入れるがそれでもひるまない。

 

「……ダメだ、下がるしかないか……」

 

 俺は先頭にいた1体に回し蹴りを入れるとそのままカジノの方へと退避するのだった。

 

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