十二の異常な関係   作:ボルメテウスさん

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Re:共に逃げる鼠

庭取ちゃんの操る鳥の集団から逃げるように、僕と寝住の2人はなんとかビルを抜け出し、街の中を走る。

 

空から常に俺達を見続ける鳥から逃げる為に路地裏に入り、とにかく走る。

 

しばらくすると、ようやく後ろから追ってくる気配が消えた。

 

それに安堵しながら僕は息を整えながら言う。

 

ちなみに、今は廃墟となったマンションの中だ。

 

寝住が壁によりかかり、荒い呼吸を繰り返す。

 

「それで、これからどうする?

 

そもそも、この十二大戦のルールって、一体何なんだ?」

 

十二支の戦士に選ばれる要素もない俺がこの大会に参加させられる理由など、はっきり言えば皆無に等しい。

 

「それは俺も分からない。

 

というよりも、ルール説明が完全に行われる前に何人かが暴走しやがったからな」

 

「暴走?」

 

その言葉に疑問に思い、首を傾げる。

 

「さっきまで襲っていた酉のお姉さんはお前への執着を隠す気はなく、すぐに出て行った。

それは寅のお姉さんも同じかな」

 

「マジかよ」

 

「さすがに、あの雰囲気の中で最後までルール説明を聞くのは難しかったからね。

 

だから、把握しているのは、お前が大会の鍵という事だけ」

 

寝住の言葉を聞き、ぼくは何とも言えない気分になる。

 

ただ、ここで黙っているのもあれなので、ぼくは聞いてみる事にした。

 

「それで、このままどうする?

 

さすがにこのまま逃げ続けるのは無理だろ」

 

たぶん、この大会に参加しているどの戦士よりも弱いぼくが戦力になるとは思えない。

 

寝住も、能力を上手く使えば生き残る事はできるが、戦闘能力ははっきり言えばない。

 

「その事だけど、1人、確実に味方になる人物がいる」

 

「味方に?

 

それは一体?」

 

この大会の中で味方になる人物。

 

これまでの事を考えても、おそらくは十二支の戦士に関係している人物。

 

その中で俺が味方になりそうなのは

 

「平和的に解決できるとしたら、あの人しかいないな」

 

「お前が予想している通り、申の戦士である砂粒だ」

 

その言葉を聞いて、少し希望を持つ事ができた。

 

ただ問題は

 

「どうやって、合流するかだな」

 

窓の外から僅かに見える光景に、思わず苦笑いをする。

 

未だに鳥達がぼく達を探している。

 

一瞬の隙を探すのも厄介なぐらいに。

 

その状況で、見つかれば、おそらくはおしまいだ。

 

そう考えると、やはりこの場から逃げるしかない。

 

「見つからないで、逃げる手段は」

 

「既に100通りは見たけど、見つからずに無事に逃げる手段はないよ」

 

「なるほど、見つからずに、無事に逃げるのは無理か」

 

「あぁ、だから」

 

その言葉と共に寝住の言葉の意図を察した。

 

「答えは一つ」

 

「あぁ」

 

その言葉と共に寝住と共に走り出す。

 

既に寝住がある程度予測しているおかげで、それを見つける事は簡単にできた。

 

そこに置かれていたのは3輪バイクが一つある。

 

「乗り方は?」

 

「免許はないけど、ある程度は」

 

その言葉と共にぼくがハンドルを握り、後ろに乗った寝住がヘルメットを被る。

 

そして、ぼくはアクセルを回す。

 

エンジン音が響き渡り、それと同時にバイクが発進する。

 

同時に、ぼくは窓から見える景色を見ながら呟く。

 

今の状況では、隠れる場所がない。

 

なら

 

「見つかっても良いから、無事に逃げる方法しかない訳だ」

 

そう言いながら、ぼく達は道路を走る。

 

相変わらず、鳥達に見張られているが、ぼく達の行動を制限するには至らない。

 

それに、まだ距離がある。

 

なら、行ける。

 

そう思いながら、ぼくはスピードを上げる。

 

「追ってきているか?」

 

「まぁね。

 

さっきから鳥達が凄い勢いで追ってきているな。

 

あっ、そこを右に曲がって」

 

その言葉を聞きながらも、言われた通りに曲がり角を右に曲がる。

 

同時に先程まで進んでいた道には既に鳥が襲ってきていた。

 

寝住の予測のおかげで、ある程度危険は回避する事ができる。

 

だが、そこから逃げれるかどうかは時間の問題だ。

 

バイクが走りながら、鳥達に攻撃されないように、ぼくはハンドルを切る。

 

だが、それでも完全に避けるのは難しい。

 

鳥達のくちばしが、ぼくの腕や足を掠める。

 

痛みが走るが、ここで止まるわけにもいかない。

 

ぼくは必死にハンドルを切り続ける。

 

しかし、やがてバイクに異常な状態なのが分かった。

 

「まさかっ」

 

見れば、バイクのマフラーから煙が出ていた。

 

おそらく、鳥達に襲われて、損傷を受けたのだろう。

 

このままだと、いずれ止まってしまう。

 

そうなったら、どうしようもない。

 

そう思った瞬間だった。

 

「どうやら、無事に見つかったようだな」

 

寝住の言葉が聞こえる。

 

それが何を意味するのか、すぐに分かった。

 

こちらに迫ってくる鳥の群れ。

 

その鳥の群れを遮るように近くの建物が崩れ、道を遮る。

 

それが意味するのは、無事に逃げ切る事が出来たという事。

 

「大丈夫、君達!」

 

それと共に建物を壊したと思われる張本人が現れる。

 

「砂粒さん」

 

その人物こそ、ぼく達が探していた人物である砂粒さんだった。

 

「いきなりバイクの音がしたから、気になって来てみたけど、まさか鼠君と君が一緒にいたのはびっくりしたよ」

 

「まぁ、色々と偶然で」

 

そう言いながらもぼくは少し曖昧に答える。

 

寝住の能力は出来れば、あまり知られたくない。

 

それは知り合い。

 

というよりも、今の状況はどこで聞かれているのか分からない。

 

「あぁ、本当に、偶然逃げていたら、偶然見つかっただけだからね」

 

初めからバイクで逃げれるとは思わなかった。

 

鳥の監視の目から逃げる事ができなかった。

 

ならば、初めから見つかり、そして逃げれない事を前提にして、無事に生きる方法。

 

それが砂粒さんとの合流だ。

 

バイクで逃げていたのも、音が大きく、目立つようにするため。

 

後は、鳥がそちらに向かってくれる事を祈っていた。

 

そうすれば、砂粒さんの方に鳥が向かってくれた。

 

そこで砂粒さんと合流し、共にこの場から逃げ出す。

 

ぼく達の計画は成功したのだ。

 

「とりあえず、ここから離れようか。

気づいたのが私だけじゃないからね、きっと」

 

「それはそうだ。

なんだって、ここまで予測するのはさすがに疲れたからな」

 

「?」

 

寝住が言おうとした事に疑問に思ったのか、砂粒さんは首を傾げた。

 

「とにかく、急ぎましょう」

 

その言葉と共にバイクをそのまま捨てて、ぼく達はその場を後にする。

 

その後ろを鳥が追いかけてくる様子はない。

 

そのまま走り続けると、ようやく追っ手を撒く事が出来たようだ。

寝住達が出会った戦士は

  • 失井
  • 妬良
  • 断罪兄弟 兄
  • 断罪兄弟 弟
  • 必爺
  • 庭取
  • 異能肉
  • 迂々真
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