十二の異常な関係   作:ボルメテウスさん

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合流する戌

現状、俺達の状況は最悪だ。

 

なぜならば空を覆う程の鳥の大群が覆っており、いつでも俺達を狙えるようにこちらに狙いを定めており、地上では死体になっている積田弟とどこかに隠れている憂城、もしかしたら他にも死体となっているかもしれない奴が潜んでいる可能性もある。

 

「まさに絶体絶命という訳ですな」

 

「そうだね、ここを切り抜けるには皆の協力が必要だね」

 

「おい、それは俺も含めているのか?」

 

「ここで死にたいのだったら勝手にすれば」

 

「さてっと、どう行動するか」

 

周りを見渡す限りでは逃げ道すらない状態で

 

「・・・んっ?」

 

目を凝らして見ると、こちらの事を観察している目が、いやあの狼のような目は

 

「津久井さん」

 

そこから手をこちらを手招きしており、その目は憂城が操られている時の目ではない。

 

『墨野、あそこにたどり着くまでの可能性、それともしも辿り着いた後の俺達は死んでいるのか?』

 

『龍の奴の協力があれば、なんとか辿り着けるな。

その後は戌の奴も味方だから、大丈夫だ』

 

『サンキュー』

 

それと同時になにをすれば良いのか指示をもらった後、俺は積田兄に近づく。

 

「積田兄、生き残りたいんだったら、協力しろ」

 

「ちぃ、何をすれば良い」

 

「とりあえず、逃げるのにこれがな」

 

そう言い俺は積田兄の背中から武器を奪うと、そのまま投げた。

 

「てってめぇ」

 

「じっちゃん」

 

「そういう事ですか」

 

じっちゃんは俺のやってほしい事が分かったのか、すぐに手元にあった手榴弾を投げ爆発させると、積田兄の武器が爆発し、冷気が辺りを襲った。

 

それに恐れ、鳥は逃げ出し、死体も後ろへと下がろうとしたが、冷気にとらわれて、身動きが取れなくなった。

 

「こっちだ」

 

俺はそう言うと全員が俺の後ろに着いて行き、津久井さんが隠れている場所に一斉に入った。

 

「なっなんとか助かったのか?」

 

「そのようだね」

 

全員の無事を確認すると、俺は改めてここを教えてくれた津久井さんを見た。

 

「ありがとう、津久井さんのおかげで助かったよ」

 

「別に、てめぇがいないとこっちとしては困るから助けただけだ。

それに味方は多ければ多い程、生き残れる可能性は高くなるからな」

 

「そうだね、あくまで最後にある場所へと連れて行けば優勝だから」

 

「だとしても、てめぇがなんでこいつを助けるんだ?」

 

「こいつにはガキ共が世話になっているからな。

優勝も無理そうならば、生き残る手を考えた結果だ」

 

「けっどいつもこいつも、こいつのどこが気に入ったのやら」

 

「まぁお前よりは愛想は良いし、付き合いやすいな」

 

「なははあ」

 

「それよりもまずはこいつをどこに連れて行くかだ。

大会が優勝者を決めないような今回のルールを作ったんだ、なんか考えがあっての事だろうよ」

 

「そうだね、まずは手掛かりがないか探さないとね」

 

そう言うと全員が一斉にこっちを見始めた。

 

「えぇっと、なんで見つめるの」

 

「脱げ」

 

「はい?」

 

「とりあえず、なんか隠されている物がないか、探すぞ」

 

「ええぇ、ちょっ」

 

そう言うと全員が一斉の俺の服を脱がし始めた。

 

「ちょっこんな所で」

 

「だっ大丈夫、私は見ないようにするから」

 

「そういう問題じゃないから、柚木さん!!」

 

そう言いながら、がやがやと騒いでいると

 

「なぁ!!」

 

「んっ??」

 

なにか声が聞こえて、全員が振り返ってみると、屈強な筋肉をした男性が立っており、こちらを見つめている。

 

というよりも

 

「早馬さん」

 

「へっ」

 

「「「「へっ?」」」」」

 

「変態だあぁぁー!!!!」

 

「「「「「違うよっ!!」」」」」

 

こちらの状況を見て、早馬さんは勢いよく逃げ始めた。

 

やばい、このままでは色々やばい

 

『墨野、もしも早馬さんがこのまま逃げたらどうなる!!』

 

『俺達は社会的に変態と呼ばれる事は間違いないな』

 

「全員確保!!」

 

俺はなんとか脱ぎ掛けた服を着なおしながら、言うと一斉に早馬さんを取り押さえるように動き出した。

 

「おっ落ち着いてください、早馬さん」

 

「はっ離してくれ!!

俺にはそのような趣味はない!!!」

 

「違います、これはそういうのではなく、生き残る手掛かりを探していただけなんです」

 

「手掛かり?」

 

「はい」

 

その言葉で少しは信じたのか、力を弱めてくれたので、とりあえずは話せるまで落ち着いた。

 

「はい、とりあえずは優勝して生き残る為の手掛かりがないかこうやって探していたんですが、どうしても見つからなくて、それで俺の服に隠れていないのか探していた所に早馬さんと出会ったんです」

 

「そっそうなのか、だったら少しは安心したのかな?

 

そう言いながらも警戒を解かない辺りは早馬さんらしいな。

 

「とにかく、生き残る為にも早馬さんが一緒にいてくれると助かるんだが」

 

「そっそれで、俺は果たして生き残れるのか」

 

「いや、あんた余程じゃない限りでは傷つかないだろ」

 

ほとんど絶対防御である彼を傷つけるのは難しいと思うのだが

 

「だがしかし、他の連中は特に危険だ。

俺も道中出会ったが、逃げる事しかできなかった」

 

「道中?」

 

「あぁ、まずは丑は貴様を救出目的だが、それ以外の奴らは殺す気でいる様子だ。

他にも寅の奴は酒と一緒になぜか金属チェーン付きの首輪を回しているのを見かけたぞ」

 

それは非常にまずい。

 

樫井師匠はともかく、香奈江さんと会ったら、まず間違いなく社会的に殺されそうな気がする。

 

「卯と酉がお前を探す為に血眼になって探していたのを見かけた。

こちらを一瞬見たが、特に興味なさそうに、別の方を見た」

 

「なるほど」

 

これだけの情報で現状、あの二人が手を組んでいるのは確定だ。

 

「ちょっと待て、お前今なんて言った」

 

「えっ卯と酉の事か」

 

「奴らがそんなミスをする訳がない。

という事は」

 

そう言うと積田兄は慌てて窓の外を見ると、周りには大量の鳥が辺りを囲んでいた。

 

「やべぇぞ、どうやらこいつは囮だったみたいだな」

 

「どういう事?」

 

「奴らはこいつに執着するんだ。

こいつの関係性ぐらい知っていてもおかしくない。

だからあえて合流しそうな奴を残して、見張っていたんだ」

 

「ちぃ、どうするよ、この状況そうとうやばいんじゃないのか?」

 

「そうだね、まずは建物の脱出を考えないといけない。

この建物もあんな大群がいるけど、目的のこの子を殺されたら元も子もないから一斉に潰すような真似はしないでしょ」

 

確かにそれだったら、安心だけど

 

「やべぇ!!

逃げろ」

 

「えっ」

 

墨野の声が聞こえる前に窓が割れる音がすると共に俺の腕になにかがカチッとした音がしたので見てみると、そこには犬の首輪が俺の腕に巻き付けられており、その先は窓の外まで鎖が伸びていた。

 

そして、それを見つけると同時に凄まじい力で引っ張られ、俺は窓の外へと飛ばされた。

 

あまりの出来事で頭が追い付かず、周りには鳥達がこちらを追いかけてきたが、下からなにかが爆発して、煙によって鳥達は俺を見失い、爆風によって勢いが弱まる。

 

「よっと」

 

そのまま柔らかい感触が頭を覆い、状況が分からないまま見渡した。

 

「もう、相変わらずスケベだなぁ、お前は。

甘えるのは後でたっぷりと可愛がってやるからよ」

 

「えっと、もしかして香奈江さん」

 

「そうだよぉ、お前の愛しい愛しい香奈江さんだよぉ。

まったく、心配したんだぞ、この野郎」

 

そう言い、そのまま俺を撫でまわしている香奈江さんの表情はかわいらしけど

 

「いや、今はそういう事をしている場合じゃないですよ」

 

「だなぁ、あの鳥共が面倒で甘えられないよなぁ。

とにかくはお姫様抱っこで逃げるぞぉ」

 

「やっぱりこの人、話全然聞いていない!!」

 

口から匂う大量のアルコールの匂いからして、そうとう酔っぱっているのは分かり、俺の意見を無視して、そのまま俺を抱きしめて、酔っ払いとは思えないスピードで走り出した。




キャラクター紹介

怒突
自身が働いている保育園でボランティアでよく来る為、よく話す相手である。

迂々真
趣味のボトルシップきっかけに数少ない友人になる。

妬良
主人公を溺愛しており、今回の大戦でも主人公第一に考えて行動しているようだが

寝住達が出会った戦士は

  • 失井
  • 妬良
  • 断罪兄弟 兄
  • 断罪兄弟 弟
  • 必爺
  • 庭取
  • 異能肉
  • 迂々真
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