それは別に物理的に空いているという訳ではなく、俺の中にある記憶がぽっかりと丸々と無くなってしまったのだ。
記憶の大部分は主に高校生になってからの記憶で、自分の年齢が高校生ぐらいというのは覚えており、どの高校に通っているのか、それまで学んでいたのはなんなのかという記憶ははっきりと覚えている。
だが、それ以上になにを忘れてはいけない物を忘れているような気がする。
「おぉい、どうしたんだ?」
「あっなんでもないよ」
そんな考えをしていると、声をかけてきた方を向くと、そこには軍服を身に纏っている香奈江さんがいた。
「なんだ、また忘れている記憶を思い起こしていたのか?」
「まぁね。
だって気になるじゃないですか、なんかよく分からないけど、記憶がなくなっているなんて」
「そうかぁ、私は酒を飲んでいたら、忘れる事なんて、一杯あるぞ」
「そういう事ですかね?」
「まぁとにかくお前も飲め」
そう言い、香奈江さんは酒を飲ませてくる。
俺こと、戯言使い18歳、高校に通いながら専業主夫している
私の中に何かが壊れたあの闘いから既に1年は経っていた。
十二大戦の中であたいはこいつを守る為に、目の前にあらゆる敵を倒していった。
既にゾンビになった奴らも、空を覆う程の鳥でも、あたいの背中にいるこいつを守る為に戦うと思うと自然に体は軽く、頭はスッキリとして動けた。
その時の私ははっきり言うとこれまでも、そしてきっとこれから先の私の中でも一番最強だと自負できるが、同時に最も愚かだったと言える。
戦いを終えた私達は既に敵をいないと思い、あいつを下した。
「おい、起きろよ、なぁ墨野」
「おい」
「辻のじっちゃん、柚木さん、皆、なんで」
そこには既に戦いによって死んでしまった他の戦士の死体へと向かってヨロヨロと歩いているあいつの姿だった。
「なんでだよ」
「それはそうでしょう。
ここにいる戦士は全て、彼にとっては大切な人々だからです」
「てめぇは!!」
背後に現れたこの大会の司会を務めていた奴を見て、私は一気に詰め寄り、首を絞めながら問い詰めた。
「どういう事だ!」
「おや、知らなかったのですか?
まぁあなたには優勝賞品しか知らなかったから無理はありません。
まずあそこにいる子の戦士は親友、丑は色んな意味での師匠、未はお爺様様のような存在といった皆はあなた様と同じように固い絆に結ばれた者ばかりです。
その方達が全て死んでしまったら、必然的に」
私はすぐに振り向くと、あいつは歩いているが、その先には兎の奴らを始末した時に燃え上がっていた炎へと向かっていた。
「くっ!!」
私はすぐに首輪を使い、こちらに引き寄せると、手刀であいつを気絶させた。
「これはこれは早い行動ですね。
ですが目覚めたら同じ事の繰り返しですよ」
そうしてこちらを挑発をするように笑う。
「分かっているよ、だったらさっきからあたいの願いは決まっているよ」
「こいつの中に今回の十二大戦の記憶、それとあたい以外の戦士とその関係者の記憶を消せ」
「ほぅ、それはどういう意味ですか?」
「生き返らせろと言っても、それが本当のあいつらか分からない。
だったら辛い事は全部忘れれば良いだけだ」
「それは本当に彼の為になるんですかね?」
「なにを言っている。
これはあたいの願いだ、だからあたいがこいつの苦痛を和らげたいと言ったのだって、全部あたいの欲望だよ」
「分かりました。
それがあなたの願いでしたら」
それと共に私の十二大戦は確かに終わった。
あいつが目を覚めた後、どこか欠けていた印象を持っていたが確かにあいつだと言う事が分かった。
それからあいつが住んでいるマンションへ行ったが、隣の部屋には一人の男性が一人暮らしをしているらしい。
「もうすぐ18歳だったな」
あいつが聞いた話では、既に18歳になると聞いた。
自身の欲望を優先した結果、このような結末を迎えたのならば、せめて
「なぁ、結婚って興味あるか?」
「結婚ですか?
正直言って、考えた事なかったです」
「そうか、だったらよ、あたいと結婚しないか」
「えっ?」
一生こいつを支え続ける。
それが私なりの責任の取り方だからな。
寝住達が出会った戦士は
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失井
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妬良
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断罪兄弟 兄
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断罪兄弟 弟
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必爺
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庭取
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異能肉
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迂々真