特異点の白夜   作:DOS

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『世の中楽しんだ者が勝つ』

 

 

 

 

灯夜side

 

光努が敬語使ってる!俺も少し驚いたがやればできるのか。

初対面だろうがなんだろうが問答無用で気楽に話すだろうと思っていたので9代目への挨拶を見たときは正直驚いた。年上でも地位の高い人物でも関係ないとも思っていたけど、あいつにも礼儀はしっかりとあったんだな。

 

まあ無作法というわけではないしな。

 

「そうか。どんな人物が来ると思ったが君のような子が来るとはな」

 

「やっぱり意外でしたか?」

 

「まあね。それより敬語は少し堅苦しそうだね。気楽に話すといいよ」

 

まあ普通は9代目に気楽に話せと言われて普通に話せる奴など数える程しかいないんだけどな。

 

「そう?助かったよ。あまり敬語って好きじゃなくて。9代目は話がわかる」

 

「はっはっは。楽しそうだね」

 

やっぱり長くは持たなかったか。

まあ9代目も悪い気はしてないみたいだしよかったよかった。

 

「ガナッシュ」

 

「はっ。灯夜少し散歩でもするか」

 

「ああ」

 

部屋に9代目と光努を残して俺とガナッシュは部屋の外へ行った。

 

 

灯夜side out

 

 

 

 

***

 

 

 

 

9代目side

 

最初の印象は不思議な少年だった。

イリスファミリーの灯夜に連れられてやってきたのは柔らかそうな白い髪をした少年。年齢は中学性くらい。その目には不思議な光が宿っていた。

 

悪い意味ではなく、目には好奇心のような楽しそうな光が見えた。そして真っ直ぐな瞳だった。2代目イリスファミリーのボスか。中々面白い少年がボスになったものだな。

 

「光努君。君はどうしてイリスファミリーのボスになったんだい?」

 

ガナッシュと灯夜がいなくなった部屋の中で聞いてみた。

聞けばこの光努君はどこからともなく現れてボスを引き受けたらしい。普通はマフィアのボスになどそう簡単にならないのに。わしは気になったので聞いてみた。

 

「ボス?楽しそうだから!」

 

「楽しそうだから?」

 

「ああ!俺はここでまだ何もしてないからな。最初から大きいことしてみるのいいかと思ったんだ。マフィアのボスは楽しそうだよ」

 

「ふむ・・・そうか」

 

「でも、気楽にボスを引き受けたつもりじゃないぜ」

 

「!!」

 

「仲間は守る。そしてファミリーも強くする。俺はやるからには全て超える。もしも目の前に立ちはだかるのならなんだろうと容赦はしない。たとえボンゴレだったとしてもね♪」

 

野心・・・ではないな。これは純粋に楽しくしたいということ。この子の目に映るのは真剣な楽しさ。仲間と共に楽しむために全力を尽くす・・・か。だからといってボンゴレを倒すつもりなど毛頭ないみたいだけどな。

ふふふ、面白い子だ。

 

「私達は敵対してないから戦うつもりはないよ」

 

「もちろん。じゃ!俺は帰ってリルとコルと遊ぶ約束してるから。またね、9代目!」

 

「またね、光努君」

 

私と会うのより遊ぶ約束の方が重要か。これからの君を楽しみにしているよ。

 

 

9代目side out

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「どうでした、9代目。イリスファミリーの2代目ボスは?」

 

灯夜と光努が帰って部屋に残った9代目とガナッシュが話していた。

 

「中々面白い少年だったよ。これからイリスがどうなるのか楽しみだよ」

 

9代目は楽しそうな笑をして柔らかく微笑む。

 

「そうですか。まだまだ子供だったんじゃないですか?」

 

「うむ。とても子供らしいけど子供とも思えないほどの者だったよ」

 

「そうですか」

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「そういえば灯夜」

 

「どうした」

 

ここは車の中。9代目の元から家への帰路。

 

「イリスとボンゴレだとどっちの方がマフィア的には上なの?」

 

「ん?まあボンゴレの方が上じゃないか?」

 

「そうなの?意外だな」

 

「マフィア的にはボンゴレの方が上かもな。だがどっちかというとイリスは企業の面が強いからな。だから企業的にこっちの方が上だな。ボンゴレとは傘下でも同盟でもないけど昔から仲が良いんだ。いつからいいのかは調べたことないからわからないがな」

 

「つまりどっちが上なの?」

 

「どっちもどっちじゃないか?」

 

「へー、地位的にはイリスもボンゴレ並に高かったんだ。戦力的には?」

 

「戦力?」

 

「うん!戦ったらどっちが勝つ?」

 

「どうだろうな?イマイチわかりにくいな」

 

「どっちかが一方的に勝つことはないのか」

 

「まあな。大体俺は負けるつもりはないからな」

 

「あ、なるほど。そういうこと」

 

そうこうしているうちに家に着いた。母屋の前で車から出てくる灯夜と光努。

その瞬間高度に向かって飛んでくる影。まるでミサイルのように飛んでいくのは、

 

「おっかえりー!」

 

「うぉっ!リル!ただいま」

 

飛んできたのはリルで光努のお腹へと強烈にぶつかった。光努はそれをダメージの無いように柔らかく受け止めた。

 

「おかえりー、光努、灯夜。何して遊ぶ?」

 

「ただいまリル、コル。そうだな―――」

 

その日も楽しそうな光努達の声が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

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