特異点の白夜   作:DOS

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果たしてこのチョイスは何話で終わるのだろうか。
しかし書いてしまったものはしょうがないので、かまわず続行!


『一隻眼の龍と隠者の死神』

 

 

 

 

 

 

形態変化(カンビオ・フォルマ)

 

ボンゴレが独自に開発し、ツナ達の持つボンゴレ匣のみに組み込まれた次世代機能。

嘗て、ボンゴレを作り出した男、ボンゴレⅠ世が纏っていた物を参考にしてツナのボンゴレ匣、ナッツが変形したのは、全ての飲み込むかのような漆黒のマント、|Ⅰ世のマント《マンテッロ・ディ・ボンゴレプリーモ》!

 

その力は、触れた物を周りの物質と同化させる大空の〝調和〟の力。

トリカブトが放ったウミヘビの大群は、全て調和により周りと同じコンクリートになり、ツナに攻撃を通すことなくボロボロと崩れていった。

 

「ボンゴレⅠ世のマント!」

「ふぅ~ん、匣アニマルが武器にねぇ…」

 

攻撃の回避に成功したことにバジルは喜び、白蘭はツナの新たな力に少し興味深そうにつぶやく。

 

唯一、白蘭が他のパラレルワールドを覗いて情報を集めようと、決して知ることのできなかった存在。それが、ボンゴレ匣。この時代のみに作られ、ボンゴレにとっては唯一白蘭に対抗できる手段。

 

宙を飛ぶツナは、バサリとマントを翻して、マントにくっついたコンクリートの破片を振りはらう。そしてすぐさまマントは縮み、元のナッツの姿となってツナの肩の上に乗った。

 

「次は俺の番だ」

 

一気に、両手から死ぬ気の炎を噴射させ、その推進力によって目の前にいるトリカブトへとツナは向かった。

 

「哀しき者よ…」

「お前がな」

 

喉笛を食いちぎらんとばかりに、トリカブトはツナへと向かっていったが、推進力ではツナの方が優っている。攻撃を交わし、ビルの壁面に足をついて再び炎を噴射。そして背後からトリカブトの後頭部へと肘を入れる。さらに立て続けに拳、手刀。

 

止めと言わんばかりに、右の拳に炎エネルギーを貯め、一直線にトリカブトにむかって振り下ろした。

 

ドゴオオォ!!

 

頑丈さが売りの、雷の炎でコーティングされたビルを突き抜け、道路へとぶつかり派手に土煙を巻き起こした。今のは怪物相手に加減なしの威力。さすがに無傷とはいかないだろう。

 

「ボンゴレと交戦中の敵の炎反応消滅」

「よくやった綱吉君!」

 

基地でレーダーを確認していたスパナからの報告に、入江は喜ぶ。人の生命エネルギーたる死ぬ気の炎。その反応は、たとえ幻覚を使おうが消すことは基本的に不可能。まあ科学技術を使えば増やしたり消したりも出来るのかもしれないが。一先ず相手の反応が消えたことだが、それでもまだ勝ちというわけではない。

 

この戦いのルールは、標的と定めた一人を倒さない限り勝負はつかない。逆にいえば、相手側はいくら戦闘員が負けても勝負には負けないのである。

 

そして相手側の標的は晴れのデージーと、雷の緑鬼。

この二人を倒さない限り、チョイスの勝負は続行のまま。

 

「正一、他の戦況はどうなってる?」

『うん、どうやら他のところでも戦いが始まってるみたいだ』

 

入江の目の前のモニターには、炎反応が二つ重なる部分が二つある。ただし、どちらも自分たちで作った発信機を持っていないということは、ボンゴレサイドの人間ではない。それに加え、ミルフィオーレ側は基本的に二人行動をしないので、おそらくイリス側とミルフィオーレ側の誰かが戦っていると見るのがおそらく妥当。そしてその入江の予想は辺り、現在、とある場所の道路の真ん中で、二人の男が戦っていた。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「ぬぅん!」

 

ドゴオォン!!

漢服を身に纏う巨漢の男、捧日は、手に持つ嵐の炎を纏った偃月刀を振り下ろして、堅いコンクリートの道路を砕いた。通常、刃の部分で切り裂くところだが、捧日の使い方、斬るというより相手を砕かんばかりの威力を出して振るっている。

 

「甘い」

 

偃月刀を躱した光努は、足を振り上げて相手の顔面を思い切り狙う。岩をも砕かん光努の脚力にとって、滑り込ませて偃月刀で防いだにも関わらず、最初と違って今度は後ろへと押されてしまう。自分より明らかに重量の優っている相手を吹き飛ばすとは、さすが光努といったところだった。

 

「あの捧日という方、確かにパワーも高いですし身のこなしも流石といったところですが、あまり光努殿が苦戦しているようには見えませんね」

 

観戦していたバジルが小さな疑問を投げる。

実力的にはミルフィオーレA級かそれ以上と思われる捧日。しかし、いざ戦いを見てみると、まだ光努の方が優っているように見える。捧日の攻撃は全て躱され、光努の攻撃は躱せず受ける。綺麗に受け止めることができたのは最初だけで、後は光努の威力に後退を余儀なくされていた。

 

「当然かもな。捧日と光努はどちらも似たタイプだからな」

 

バジルの質問にディーノが答える。

 

「似たタイプ?」

「ああ、両方とも、己のパワーに自信がある近接格闘タイプだ。だが、今見た感じ、スピードは体重の軽い光努の方が勝ってる。さらに、そんな重量差をものともしないほどに、光努のパワーが強い」

 

同じような特徴を持つ人間が戦った時、勝つのはどちらか?

それは、その特徴が強い方が勝つ。単純に、力の強いもの同士が戦えば、より力の強いものが勝つ。今回のような戦闘においては、二人のパラメーターはほぼ同じような比率で高い。ならば、戦闘で勝つのは数値の高い方。このままなら順調、かと思いきや、スクアーロがディーノを睨んで口を開く。

 

「ゔお゙ぉい、跳ね馬。だがよぉ、向こうはまだ()()()ねぇぞ?」

「……ああ。俺もそれが気がかりだ」

「お二方、それは一体どういう……」

 

だがその疑問をバジルがぶつける前に、画面場で動きがあった。

 

「うおりゃぁ!」

 

瓦礫。というには大きすぎる、コンクリートの塊を、光努は躊躇いも辛さもなく、()()()()()()

 

「その程度、甘いわぁ!」

 

ズガン!

手に持つ偃月刀に嵐の炎を込めて、捧日は飛んで来た塊に向かって鋭い突きを放った。まるで豆腐にでも刺すようにズブリと突き刺さり、刺さった箇所からビシビシとヒビが広がり、目の前の塊を粉砕した。

 

獰猛ににやりと笑みを浮かべるが、目の前にいた光努がいなくなっていることにふさがっていない左目を開いて驚く。だが、直ぐに顔を横へと向けと、先ほどと同じように、コンクリートの塊が飛んで来た。

 

「何度やっても、同じことだぁ!」

 

ピタァ!!

 

『!?』

 

目の前の光景に驚いたのは、捧日だけでなく、観客席にいたメンバー達も一様に驚いた。同じように偃月刀突き出した捧日の攻撃は、飛んできが塊を粉砕するかと思われたが、偃月刀を伸ばしきった数センチ前で、飛んできた塊は()()()()

 

さらに、今度は刃先が触れてもいないのに、塊どんどんとヒビが広がっていき、一気に粉砕して瓦礫が捧日へと襲いかかった。

 

「あ、あれは!?」

「ふ、流石光努だな」

「リボーン殿、光努殿は一体何を?」

 

飛んで来たコンクリートの塊が急に動きを止めて粉々に砕け散った。ならば、意味することを一つ。

 

「あいつは、コンクリの塊を投げて、捧日が突く前に()()()()()、自分の拳で砕いて瓦礫を浴びせたんだ」

「な、そんな無茶苦茶なことって……」

「ま、光努だからな」

 

ガラガラと瓦礫を大量に浴びる捧日は、腕を顔の前に持って行って瓦礫を防ぐが、壊した張本人はどこへ行ったのか。瓦礫と瓦礫の隙間へと体を忍ばせ、捧日の後ろにその身を動かしていた。

 

「あ、光努殿後ろをとったでござる!」

 

拳を握りしめて、光努は背中から捧日の体を打ち抜いた。

 

だがそこで、驚くべきことが、起こった。

 

土煙が立ち込め、瓦礫が周りに浮かんでいるスローモーションの世界の中で、観客達も、光努も驚いた。自ら後ろから振り抜いた拳だが、あろうことが、捧日は避けた。それも、ギリギリかすらないというところで、完全に見切って避けた。

 

先の戦闘の中で、光努はこの状態でよけるのは不可能だと思っていた。しかし、光努のその考えは覆された。そしてゆっくりと動く世界の中で光努は捉えた。捧日の右目を塞ぐ眼帯が外され、その下の瞳が明らかに。驚くべきは、その瞳の中に二つの虹彩があったということだった。

 

「ふん!」

 

攻撃をかすった捧日と光努の位置は、今はほぼ密着した状態。捧日は驚く光努ににやりと笑い、体を回転させながらその拳を光努の体へと叩き込んだ。

 

ドゴオォ!!

 

体をくの字に曲げて、一直線に光努は離れたビルの壁面まで飛ばされ、派手にぶつかり土煙をあげたのだった。

 

「こ、光努殿が!」

「まさか……あいつが殴られて飛ばされるところは初めて見た!」

 

その光景に驚いたのは、バジルやディーノだけではない。リボーンやスクアーロ、そして別の場所で観戦しているルイも驚いていた。

 

「やはり、捧日のあれがでたか」

「あれ……か。灯夜は知っているのか。捧日の、あの右目のことを」

「あれは、重瞳だ」

「重瞳?だがあれは・・・」

「ああ、本来ならそんなのは想像上の物、もしくは何かの病気か何かだが、あいつのはそんな偽物じゃない」

 

重瞳。

古くは中国の貴人の特徴として知られていた異形の瞳であり、いくらかの歴史的人物、例えば〝西楚の覇王〟と謳われ、秦を滅ぼした項羽も、この瞳を持っていたといわれる。他にも、日本の歴史においては、豊臣秀吉や平清盛も重瞳だったといわれるが、こちらにかんしての信憑性は低く、中国の歴史においても実際に本当かどうかは定かではない。

 

だが、この場にいるこの男に関していえば、本物。

病名としても似たような物がある瞳だが、捧日の持つこの瞳に映るは、立体的な視点と、神掛かった動体視力。そこから映し出すのは、先を見通す瞳。

 

目がいい、なんてレベルをはるかに超える、コンマの世界を、捧日の瞳は映し出す。

飛び交うコンクリートの瓦礫の破片、微量な粒子が幾兆とあたりを揺らめく土煙。

 

そのすべてを視界に収め、そこからゆらりと揺れるわずかな変化を見つめ、光努の死角からの奇襲を察知することに成功させた。

 

(だが、この瞳は長時間は使えん。そうそうに蹴りをつけるか!)

 

捧日は、偃月刀の塚を握り、光努が飛ばされた場所へと地を蹴りだし、勝負を仕掛けた。

 

「仕掛けに来たな。あいつからしてみれば、早々に蹴りをつけたいところだからな」

「ディーノ殿、それは一体どういうことでござるか?」

「捧日の瞳は確かに厄介だ。ガトリング砲も見切れるし、剣も槍もすべて紙一重でかわしてカウンターを打ってくる。だが、左右違う瞳の見え方っていうのは、ずれた波長が脳を酷使させる」

 

捧日の右目は世界をスローモーションのように捉えるが、左目はそれほどというわけではない。無論、常人よりも高い動体視力を持ってはいるが、それでも右目と比べると圧倒的なずれが存在する。

 

片方ずつ違う見え方をする、本来ならありえない捧日の視界は、長時間見続けることで瞳とそれを処理する脳に多大な負荷がかかってくる。そのため、捧日が重瞳をさらして戦うことができるのは、およそ10分、しかもだんだんと負荷がかかるため、普段通り動けるのはそれでも短くおよそ5分といったところ。つまり、捧日は次の攻撃で決着をつけるつもりだ。

 

ちなみに、片目を閉じるという選択肢もあるが、それでも普通は見ない瞳を使っての行動時間はやはり10分が限界。しかも今回はわざわざ死角を作って勝てる相手ではない。

 

捧日の視線の先には、ガラガラとコンクリートの破片を落としながら土煙を立てるビルの壁面が移る。そして、その中にいる人物は、少し惚けて空を仰いでいた。

 

「ふむ、ここまで飛ばされたのは初めての経験かもなー」

 

光努は、まるで日向ぼっこをしている老人のような猫のような、珍しい体験をしたためか、心なしかいつもよりも楽しそうだ。それもそのはず。この世界において、光努を吹き飛ばす、それも己の肉体を使って拳で殴り飛ばしたものなど、存在しただろうか。

 

「いや~、さすがに驚いて反応が遅れたが、あいつのことはわかった」

 

ゆらり。

体を持ち上げて、スタリと地面に軽やかに降り立つ光努。そのまま右拳をぎゅっとにぎりしめ、楽し気に笑った。体は無傷、精神異常なし、視界良好。

 

あとは相手を、叩き潰すのみ。

 

 

「それじゃあ、蹴りつけるか」

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

フォォン。

地の底から響くような重低音ではなく、吹くような静かな音。

ボンゴレ側の移動手段、ジャンニーニが改造したこの時代のボンゴレ10代目のコレクションの一つである自動二輪バイク。

 

全体をマモンチェーンと同じ素材で作る事で、原料となる死ぬ気の炎の反応を消し、なおかつジャンニーニ開発のサイレンサーをつけて音を通常のバイクより格段に抑えて静かに走行が可能となっている。

 

そして現在、ボンゴレ側雨の守護者、山本武は一人バイクに乗り、高層ビル群の間を走行していた。

 

ツナはトリカブトを撃破して、再びバイクに乗って移動を開始。獄寺も同じように移動している。バイク内の死ぬ気の炎は外へと漏れ出さない為、敵のレーダーに映らず移動が出来る点がすばらしい

 

今の時代、マフィア達の中で死ぬ気の炎が主流となり、そのために敵の攻撃に必ずといっていいほど組み込まれる死ぬ気の炎を探知するレーダーも無論開発されたが、ハイテクだけに、こういったマシンは隠密行動に向いている。

 

もしも戦闘組の三人の誰かが標的として指定されていたら、このバイクの移動も簡単に察知されてしまうので、そう言う意味では非戦闘員の入江が標的というのも、ある意味良かったのかもしれない。無論、最後の結果次第でもあるのだが。

 

「?なぁ、少し離れたところで誰か戦ってるみたいだぜ?」

 

敵の標的を目指して走行しつつ、炎レーダーを見ていた山本が通信機に向かって声を上げる。

 

確かに見てみると、現在移動中の自分のポイントを中央に、すぐそば、といっても数百メートルは離れてはいるが、二つの点が重なっている。

 

基本的に、ミルフィオーレ側は、パフィオペデュラム隊もガロファーノ隊も、固まって行動しない。

 

自分達の実力に圧倒的自身のある彼らは、各個撃破の方針をとり、入江と光努のマーカーを目印に移動をしている。その過程で敵と遭遇したならば、個人個人で倒すことを基本指針として入る為、通常二人一緒にいることはない。ということは、いま炎レーダー内で二つに重なるポイントは、誰かと誰かが戦っているということ。しかも、自分達ボンゴレサイドの誰もその点とは違うということは、戦っているのはイリスとミルフィオーレの戦い。

 

『うん、どうやらイリスとミルフィオーレが戦ってるみたいだ。戦っているのは、おそらくイリスのリルと、真6弔花側の誰かだと思う』

 

山本の疑問に、予想よりも詳しい入江の回答に驚く。

入江とスパナの開発した炎レーダーは、誰が誰かわからなくならないように、レーダーの反応一つ一つにマークすることができる。

 

最初にチョイスが開始された時点で、入江は全ての標的にマークをつけた。無論、通常ならどれがどの標的かはわからないのだが、入江は思考する。ミルフィオーレ達は、皆Fシューズを多用し、死ぬ気の炎を常に放出しながら移動している為、最初から炎反応をはじき出す。

 

つまり、最初の時点で炎反応が複数あるのだが、入江が着目したのはその数。

 

みな戦闘員の数が、チームによって違うという状況を、入江は変更点とし、それぞれのチームを導きだした。

 

それは最初は仮定段階であったが、これまでの戦闘データによって、明確にチームを分析する。

 

標的となる人物は基本基地から動かず、レーダーの反応も常に固定の為、戦闘員だけ抜き出せば、パフィオペデュラムは3人、ガロファーノは2人、イリスは1人となる。つまり、最初の標的の反応から分散した炎反応が3人の者ならパフィオペデュラム側の誰か、2人ならそこはガローファノ側の誰かという可能性が高いことになる。

 

確信がもてたのはツナとトリカブトの戦い。

 

入江は常にマークしていた敵の炎反応を頼りにして、ツナに奇襲させて戦いに持ち込んだ。そして最初に3人から分散した反応の一つがトリカブトと知ったとき、自分の考えは仮定から事実に変わる。

 

そうすれば、残りの2人の分散反応はガロファーノ、そしてそれ以外の反応はイリスの二人となる。もともと光努はじっとせず、戦闘に絶対に参加すると見越した上での判断。その判断は正解であり、今も戦っている。最初から光努のマーカー反応はマークしてあったので、それ以外で出現した反応があるとすれば、それはもうイリス側のリルの反応に他ならない。

 

戦略、知識、対策、思考。

 

伊達や酔狂で、仮とはいえ6弔花を任されてはいない。入江正一という男は、チョイスを作り、知り尽くしただけでなく、この戦いにおいては頼りになる参謀であった。

 

『だが山本君。敵の炎反応が今はトリカブトの消失ともう一つ、おそらく故意に消している反応が一つある。十分に注意してくれ』

 

通常ならありえないことだが、自分から炎反応を消す、つまりは死ぬ気の炎を使わない移動手段をしているという人物が、レーダーを見て一人いるというのはわかる。何か問題が起こったのか、それともそうせざるを得ない状況、そのほうが都合がいい場合などいくらでもパターンをあげればきりがないが、レーダーに映らないということは奇襲に注意。無論これは、相手側にもいえること。

 

ボンゴレ側の人間は皆レーダーに映らないバイクに乗っているので、近くで微かな音を拾うか視認しなくては奇襲を警戒するしかない。

 

「!?なんか妙な感じがする。一旦切るぞ」

『!分かった。気を付けて』

 

唐突に、山本はバイクを止めて地面に降り立つ。

 

その手に持つのは時雨金時。視線を鋭くさせ、瞬時に意識を臨戦態勢に切り替えるさまは、剣士として、一流の技量がうかがえる。

 

具体的に何かを見つけたわけではない。音が聞こえたわけではない。しかし、山本の直感がこの場は少し危険だということを告げていた。

 

(周りに人影はない。…………風切り音!?上か!)

 

とっさにその場から飛びのくと同時に、上空から降り注ぐそれは、硬いコンクリートの地面へと突き刺さった。

 

「これは、ナイフ?」

 

山本が少し不思議そうな声を出して見つめたのは、ナイフ。

見たところ、なんの変哲も無いようなナイフが10本ばかり、先ほどまで山本がいた場所へと突き刺さっていた。雷のステージの為に硬度の高い地面だが、わずかだが刃から揺らめいている死ぬ気の炎を見て、山本はすぐに上空を見る。

 

見てみると、今度は数十本のナイフが、まるで雨のごとく降り注ぎ、太陽の光にキラキラと反射していて見た目だけは一瞬綺麗だと思ったが、洒落ならない状況というのを再度確認して、時雨金時を構えた。ボンゴレリングから伝導した蒼海な雨の炎を刃に纏わせ、降り注ぐ雨に向かって振りぬく。

 

(時雨蒼燕流、攻式八の型、篠突く雨!!)

 

キィインキィイイン!!

 

目にも止まらぬ連撃、振りぬく刃に雨の炎が軌跡を作り、降り注ぐナイフを弾き飛ばした。

 

山本にとっては、上空からのナイフの雨を刀一本で弾くというのはさほど難しくない。そのため、この攻撃をはじきつつ、周りの気配を探り警戒を怠らない。

 

だが、太陽の光の反射する飛び交うナイフを何度か弾いた瞬間、一瞬だが、山本は捉えた。野球選手として、剣士として、高い動体視力を持つ山本は、一瞬だけ自分の目の間のナイフの刃に映し出された黒い影を視界の端に追いやり、勢いのまま自身の背後に刀を振りぬいた。

 

キィイイン!!

 

鳴り響く金属音。

山本の背後にいた人物は、両手に持ったナイフでもって、時雨金時の一撃を防いだ。その日本のナイフには、紫色の雲の炎が纏われている。

 

「お前は、確か〝死神〟とかいう」

 

山本の攻撃を受けたのは、白い髑髏のアップリケのついた黒いシーツのようなものをかぶった、手抜き間が半端なく漂うミルフィオーレガロファーノ隊、死神。

 

手に持ったナイフから、先ほどの攻撃はこの人物がやったということがわかる。

しかし見れば見るほど妙な人物。まるでお化けの仮装をしているようで、山本は場違いにハロウィンみたいだなーと思ったのは余談である。

 

「ボンゴレ雨の守護者ですか。特に悪気はないですが、ここで倒れてください」

 

 

チョイスバトル、山本VS死神、開幕!

 

 

 

 

 

 






コル「さて、ツナとトリカブトの戦いは普通に終わったね」
リル「雷のステージだし痛そうだね」
コル「次の話ではリルも出てくるんだよね」
リル「そうだよ。ついでに光努と捧日の戦いも終わる予定」
光努「ついでってひどい扱いだな………」
灯夜「そんなわけで次回、『ホワイトロードチェンジ』をよろしく」

り・コ・光『また取られた!』
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