移動中に下を見てみるとところどころに同じ黒服の男が何人かいた。
同じ服だからやつら全員同じ組織のやつらか。
「まあどうでもいいか。建物に行くかな」
気配を消しながら木の上を移動して建物に向かった。
そして着いた建物。空いていた二階の窓からとりあえず侵入。
所々に置いてある調度品や大理石の床など内装も結構豪華だと思った。
「とりあえず適当に歩くか」
赤い絨毯の引かれてる廊下を歩きながら見渡す。
窓から見ると庭も結構綺麗。
(しかしあの黒服のやつら。動きとか気配を見るに軍隊とか殺し屋とかそんな感じのやつらだが、一体ここはどんな場所なのか?誰かに聞いてみるか。)
長い廊下を歩いていると前方に人発見。
「ちょっとそこの人」
「!?小僧、誰だ!!」
髪の毛が逆だって顔にピアスをつけたいかついおじさんがいた。
黒い服に背中に指してるのは刀・・・・じゃなくて傘。
・・・・・傘?
まあどうでもいいか。人にはそれぞれ趣味とかあるからなあえて考えるのをやめることにした。
それにしても怪しいやつだな。ま、向こうからしたら俺のほうが怪しいだろうけど。
「貴様、どこのファミリーの者だ!」
「ファミリー?」
「答える気がないならすぐに片付けてやる」
そう言って背中の傘を一本抜く。先端は鋭くなってるからやっぱり武器のようだ。8本も背負って8刀流か?
「喰らえ!!」
一本の傘の先端を突き出して特攻を仕掛けてきた傘男に俺は―――。
ガシ!!
「な!バカな!!」
傘を背負った男は驚いた。自分が攻撃を仕掛けて相手はまだ10代前半ほどしかない少年。どう考えてもこの一撃で絶命すると思っていた。
なのに――――。
「傘は悪天候時に使うものだぞ?もしくは日差しが強い日か曲芸する時」
「ぐ・・小僧!貴様!」
男の前には自分のつきだした傘を刺さる前に掴む少年がいた。
(まったく動かん!なんて力だ!ならば・・・100万ボルトを喰らえ!)
電力の出力を上げて傘に流すと少年は素手で掴んだままモロにくらってしまった。
「な!!」
「ふっ、たわいも・・・な!!」
「だいたい100万Vってとこか、普通なら死んでるぞ」
「な・・なんだ!!このガキは!!」
電流を流されてなお、傘を掴み続ける少年がいた。
「じゃあな」
そう言って少年は傘を掴んだまま窓に向かって傘男を放り投げた。
「ぬああぁあーー!!」
傘男は窓ガラスを突き破って外へ吹っ飛んでいった。
「なんか降ってきたぞー!」
「うわっ!隊長!」
「レヴィ隊長!大丈夫ですか!?」
外から声が聞こえて来たけど無視するかな。外より中だ。
「これどうしようかな?」
光努の手には掴んだままの傘男の傘が一本残っていた。
「戦利品にもらっとこう。使わないだろうけど」
***
光努の探検はまだまだ続く。次にやってきたのは台所。
どうして台所にやってきたかは簡単だ。
「いい匂い・・お腹すいたな」
そう思ってやってきたら誰かが料理を作ってるようだ。中にある時計を見てみるに現在はお昼頃。
きっとお昼ご飯を作ってるだろうと予測できた。
「ん~いい感じね♪こっちの料理ももうすぐ完成だわ~♪」
なんか奇妙な声が聞こえた気がしたけど気のせいだといいな~。
と思ったけどきっと現実なんだなと諦めて台所に入る。
そこにはモヒカンのような髪型をしたサングラスの男。
というかオカマ?料理当番?
身のこなしから同じ戦闘する組織の人だと光努は考えた。
ぐ~。
あ、料理の匂い嗅いだらお腹すいちゃったな。
「あら?ボウヤどこから来たの?もしかしてお腹すいてるの?」
「うん」
「まあ、かわいいわ!この料理食べるかしら?」
「是非ともいただきます」
中華料理や洋食などいろいろとあったがどれも美味しかった。
もちろん複数人分あったけど全部食べてないからな。
それにしてもここまで美味しいと日常的に料理してるっぽいしやっぱり料理当番の人かな?
まあなんにしても満足満足♪
「ごちそうさま」
「お粗末さま!お口にあったかしら?」
「美味しかったよ。ありがと。じゃあそういうことで」
光努はお腹も膨れたし台所をあとにしたのだった。
一人残ったサングラスのオカマ。
「そういえば、あの子一体誰なのかしら?」
***
城の中を探索中。
「あー・・・ここの事聞くの忘れた。まあいいかな」
ヒュッ、ドス!
ドスドス!
何かを投げて突き刺さる音。ダーツでもしてるのかな?
目の前にある扉が少し開いてるので覗いてみると誰かいた。
「ししし、百点♪やっぱオレって天才」
「これくらいできて当然でしょ。たいしたことないよ」
ダーツをしていたけど投げるのは投げナイフだったよ。いたのは目元が髪で隠れた王冠を乗せた男にフードをかぶった赤ん坊。
何あの顔わからないコンビ。シャイなのか?
投げナイフでダーツか・・・・面白そう!是非ともやろう。
「ねえ二人とも、オレも混ぜて」
「!お前誰?どっから入ってきた」
「気配を消してたね。敵かい?」
「敵?ただのダーツの挑戦者だよ。自称天才に対してね」
「自称じゃねぇよ、このガキ・・・いいぜ、王子が相手してやるよ♪」
どこからか現れた謎の少年VS髪で目が見えない自称天才男。
「おいてめー!紹介に悪意を感じるぞ!誰が自称天才だ!」
「違うの?」
「まあ普通は自分で天才なんて言わないよね」
「マーモン!どっちの見方だよ」
「うるさいね。さっさと始めたら」
とりあえずナイフを3本お互いに同じのを使い交互に投げて刺さった箇所の点数が高いほうが勝つというシンプルなルールである。
「じゃあ俺一番な。それっ」
一番手は自称天才による投擲。手から離れたナイフは吸い込まれるように見事にダーツの的の中央、直径わずかな点くらいしかないような円に突き刺さった。
「百点♪これでお前の勝ちはなくなったぜ」
「ん?なんでだ。まだ俺は投げてないぞ」
「だって見ろよ。もう100点の円にはナイフが刺さる場所がないんだぜ。どう投げたってお互い次に高い90点取れば100点とった俺の勝ちじゃん♪」
ナイフが突き刺さり100点の円にはもうナイフが刺さる場所がない。100点が一人しか取れないなら、お互いに投擲が得意だとしたら残りは90点しか取れず最初に100点を取ったほうが10点高く、普通に投げるならもう勝つのは無理だろう。もちろん、それは普通ならの話だが。
「じゃあ、よっ」
ズガン!!
「・・・・・」
「マジ?」
結果として光努の投げたナイフはダーツの中央に突き刺さり100点を取った。
最初のナイフが突き刺さった状態でどうやって中央に突き刺さったのか?
答えはナイフを気にせずに突き刺さった。光努の投げたナイフは最初のナイフの柄に当たりその勢いのまま壁に押し込んで突き刺さったのだ。
「よし、100点だ。これで同点だね♪」
一人を除いて誰も声を出せなかった。