少し伸びた黒髪。頭の横につけている牛のような角。
雨風にさらされて、毛皮の着いたコートがハタハタとはためく。
20年後のランボ。
幼少ランボの10年バズーカによて呼び出された10年後のランボが、さらに10年バズーカを使用することによって呼び出された存在。
その理屈で行けばさらに30年後40年後と呼べそうだが、今はそんなこと考えてる場合ではなかったな
「お前が誰であろうと、消すまでだ」
「やれやれ、昔の俺は相当てこずったようだが・・・・・俺はそうはいかないぜ」
「ほざけ。消えろ!」
ランボの余裕そうな言葉に、レヴィのパラボラが再びを火・・・いや、雷を吹いた。
ピシャアアアァァアアァ!!!
しかも、ちょうど雷も降ってきてフィールドは帯電状態。
ランボはパラボラの雷とフィールドの雷でダメージは何倍にもなるはず。
「エレットゥリコ・リバース!!」
普通なら、な。
雷を纏ったランボが手を地(屋上のコンクリ)につくと、体にまとわりついていた電気が全て地面に流れ、さらに校舎の壁面を伝って地面にまで流してしまった。
その衝撃で、校舎の窓ガラスが全て粉砕した。
「!!・・・あれだけの地面を電流に!」
「すごい!これが20年後のランボ!」
「必殺技、敗れたりってやつだな」
「まさに避雷針だな」
地面にただ流すだけでなく、周りの俺たちやヴァリアー側にも電撃が流れないように操作して地面に流すとは。これでレヴィの雷は全く効かないな。
レヴィってあれでヴァリアーの幹部に引き上げられたってさっき聞いたけど、効かなかったらただの構成員レベルなのかな。
「遠い将来、開花するかもしれないこの雷の守護者の脂質にかけてみたんだが・・・俺の見込み以上のようだな」
「父さん!」
いつのまにか隣に現れた家光とバジル。一体どこから現れたのか。
ああ、普通に扉からか。
「家光、どうだ?」
「光努か。いや、今のところ何もいないな」
「今日は来ないのでしょうか?」
「そうだといいんだがな」
家光達も警戒をしてもらってるが、今のところ敵らしい敵は見つかってない様子。
このまま普通に終わるとありがたいんだが。
ガッ!
レヴィの剣による直接攻撃。
雷が効かないとわかって攻撃方法を雷を纏った剣での物理的な攻撃に変更したみたいだな。さすがに馬鹿ではないだろうしな。
今の音は、レヴィの突き刺した剣を、ランボが落ちていた古ぼけた別の角で受け止めた一撃。10年後のランボだったら今ので本当に串刺しだったな。
「1週間前に警察に捜索願いを出したのに、こんなところにあったとは。今の攻撃でニスが剥がれ、また顔を出したか。幼少の頃、獄寺氏に書かれた、屈辱的な文字が・・・」
古ぼけた角の表面が今の攻撃で剥がれ、中から出てきた角には、油性マジックでデカデカと「アホ牛」と書かれていた。
「あれは!さっき俺がアホ牛の角に書いた文字!」
「なんであの角から?」
「あの角は、20年後のランボの角だ」
家光が知っていた。
一週間前にランボの所属していたボヴィーノファミリーのボスに家光が渡されたも
のらしく、このリング戦でランボが勝つためのキーアイテムだったそうだ。
この角をヒントに、20年後のランボを呼ぶことができればと考えたそうだ。まあ10年後のランボは気づいてなかったみたいが、結果オーライみたいだな。
「やっぱりスペアの角よりしっくりくる。サンダーセット!
自らの角をつけ、電撃を纏って突撃をした。
「愚かな、その技は見切った。致命的な弱点があるからな」
レヴィも受けて立つように、自らの剣に雷を纏って構える。
「え・・弱点?」
「リーチがみじけーんだ。角に当たらねーと効果ねーからな」
「つってもあの角って鹿とかサイみたく大きくも前にあるわけでもないし。ましては頭の横って普通は当てるの無理じゃね?」
「そ・・そういえば!やばいよ!」
「昔の話しさ」
ランボがツナの言葉に、そうつぶやきながら笑うと、角に纏っていた雷が変形し、巨大な雷の角を作り上げた。
雷を操る・・・・とは。予想外というか予想以上。あの雷耐えられるかな?
雷をモロにくらい、レヴィはダウン寸前だな。
「もう引け・・・これ以上やると、お前の命が・・」
ボフン!
「ぐぴゃあああああああ!」
「ランボ!戻ったぞ。つうか自分の雷でダメージ受けてるな」
「どうやらバズーカの効果は、最初の一発があたってから5分間のようだな」
「あのバズーカって一発5分しかもたないのか」
20年後のランボは平気だったが、今の子供ランボには強すぎる雷。
あまりにも強すぎて、体質のおかげで死にはしなかったが気絶してしまった。
そしてレヴィはまだ動ける。状況的にはやばいな。
ん?
「!・・家光!」
「ああ、来るぞ!」
「レヴィ!避けろ!」
キイイィン!
「ぬぅ!」
光努の言葉に、咄嗟に視界の端で光った物体に向かって剣を向けた。
ガキィン!
ランボに近寄り、剣を振り下ろそうとしたとき、横から飛んできた物体を咄嗟に剣で防いだ。なんとか弾き飛ばし飛ばしたが、今度は別の物体がいくつも飛んできた。
「ちっ!」
一旦ランボの場所から後ろに下がって回避をする。その際、剣をランボに向かって投げつける。ランボは倒れて気絶したまま。レヴィの剣と、横から飛んでくる金属の物体が全てランボに向かった。
「ランボ!」
ガガガガガ!
コンクリートをえぐるような音と金属音。
コンクリートから巻き上げられた煙は雨によってすぐに流された。
だが、現れた光景に、その場にいた奴らは目を疑った。無残に切り裂かれたランボがいると思いきや、地面に突き刺さった剣と薄いリング状の物体。
ランボはどこにもいなかった。いや、いた。
リングの外に。
ランボを抱えた人物は、静かに佇んでいた。
額に揺らめく炎。全てを見透かすようなオレンジ色の瞳。
片手でランボを抱え、もう片方の手に付けられたグローブからは額の炎と同じ、死ぬ気の炎が纏われていた。
ランボを助けたのはツナ。それも、前までの荒々しい死ぬ気モードではなく、静かで静寂、強大な力を秘めた超死ぬ気モードだった。
「父さん、ランボを頼む」
「ツナ・・」
家光にランボを渡したツナは、炎を纏った拳を握り身構え、見えない襲撃者に向かって叫んだ。
「誰だ!出てこい!」
その声に、白い影が答えるように飛び出してきた。