今回はいつもと違う形式の文なります。
Side:アリシア
こんにちわ!
あたしはアリシア・テスタロッサ。
今は8歳で、テンペスト人材育成学園の初等科2年生。
《
得意科目は算数と魔法で、苦手なのは国語かな。
算数と魔法はママ譲りの才能(ってママが言ってた)でなんとかなるんだけど……言葉が以前住んでた所と違うので、国語は苦手。
最初の1年はママと一緒に学園で学んでました。
前住んでた所?
うーん、あたしはあんまり覚えてないんだけど、ミッドチルダっていう、こことは違う世界だったらしいよ?
物心ついた時には《
アタシが5歳の時にママと一緒にこっちに引っ越してきたらしいんだけどね。
リムル陛下に誘われてこっちに来たんだってー。
フッフッフ、驚いた?
そう!
なんと、あたしとママはリムル陛下にお誘いいただいたのです!
まぁ、あたしは覚えてないんだけどね。てへへ。
さて、今日はそんなあたしの1日を紹介しちゃいます!
えーとね。
まず、朝はママと一緒に起きるの。
それで、洗面所で顔を洗って、歯磨きして、それから朝ごはんの準備。
あたしはお皿とかコップとか出して、ママが魔石コンロでお湯沸かしてお茶を入れたり、パンを焼いたりするの。
あたしが好きなのは、ルベリオス産の麦を使ったパンに、
他の家だと、朝は絶対
朝ごはんを食べたら、ママとあたしはお出かけの準備をするの。
あたしは学園に行くから教科書とかを用意して、ママはお仕事の準備。
ママのお仕事?
えっとね、たしか”魔導具研究所”って所でいろんなの作ってるんだって。
作ってるものは、”しゅひぎむ”?っていうのがあるから言えないらしくって、あたしは聞いてないんだけどね。
でも、あたし達の暮らしをもっともっと便利にするためのお仕事してるって言ってたから、きっとすごい事やってるんだよ!
いっつも優しいし、自慢のママなんだ。
それでね。
あたしは学園へ向かって、ママはお仕事に
フッフッフ、よく聞いてくれました!
《
文字通りの迷宮で、中は複雑な迷路!
そして、10階層毎にはそこを守る
冒険者の人たちは、ここで魔物の素材や、宝箱に入ってるお宝とかを手にいれてお金を稼ぐんだって。
え?
とっても危ない場所?
そんな事ないよー。
ほら、
あれは《復活の腕輪》って言ってね。
あれをちゃんと装備してると、
でも、
リムル陛下のお友達の、魔王ラミリス様の力が届く場所じゃないとダメだって、学園で習ったもん。
ラミリス様はどんな人かって?
えっとね、お母さんの上司?だからあたしもちょっと会った事あるんだけどね。
ちっちゃくてかわいいの!
ケーキが大好きで、いっつも飛んでて、元気いっぱい!
妖精女王様ってだけあって、妖精や精霊、ドライアスの人達もとっても尊敬してる。
そんでね、すっごく頭いいんだって。
しかも
あ、話がずれちゃったね。
なになに?
ママはなんでそんな所に仕事に行くのかって?
えっとね、
街は、なんか偉い人とかが泊まる場所なの。
とってもいい所って聞いたんだけど、どんな所かはわかんない。
いつか行ってみたいよねー。
で、ママは研究所に行くの。
”こっかきみつ”になるから、どんな事してるのかは内緒だって言ってたけどね。
さてと。
次は学園だね。
さっきも言ったけど、あたしの行ってる学園は”テンペスト人材育成学園”って言うの。
《
すっごく小さい子とかはさすがにいないけど。
あとは、大人の人たちもいっぱいいるね。
国語や算数ができないと仕事ができない事があるから、みんな一生懸命勉強してるの。
あたしも国語が苦手だから、大人になった時のお仕事とかちょっと心配……
うん!きっとなんとかなる!がんばるもん!
褒めてくれるの?
えへへ、なんかうれしいな。
うん、がんばるよ!
あ、そうそう。
学園では国語や算数だけじゃなくって、音楽や美術、図工なんかもやるんだ。
ここで音楽の才能を見つけて音楽家になる人とかもいるんだよ?
すごいよねー。
あとはね、魔法と戦闘訓練とかもあるの。
あたし、魔法は得意なんだー。
いっつも成績で花丸!
でも、戦闘訓練はちょっと苦手。
すぐにへとへとになっちゃうんだよね……
いいもん。
将来は冒険者じゃなくって、ママみたいな研究者になるつもりだし!
ん?
見かける人たちで人間が思ったよりも少ない?
そりゃそうだよー。
だってここは《
元々は、魔王リムル陛下の作った魔物の街なんだから。
え?
魔物ばっかりで怖くないのかって?
大丈夫だよ。
みんな優しいもん。
隣の家のゴブリナのロロナちゃんはあたしの親友だし、向かいの家のハイオークのキーゴくんは頼りになるし。
学園でも友達いっぱいいるんだよ。
楽しそう?
うん、楽しいよ!
もし、学園に入る事があったら、あたしが案内してあげる!
お昼ご飯もおいしいしね。
あ、そうそう。
ウチの学園では、給食制度ってのがあるの。
お昼ご飯を学園が用意してくれてね。
午前にいっぱい勉強した後に食べる給食はとっても美味しいんだ。
たまーにシュナ様が作りに来てくれる事もあって、その時はみんなでお祭り騒ぎになったりして。
あと、ほんっとーにたまにしか食べられないけど、ハクロウ様の握ってくれる”お寿司”っていう料理も大好きだよ。
海のお魚を生のままで、ご飯と一緒に食べるんだけどね。
とってもおいしいの!
いつもはパン派だけど、お寿司の時だけはあたしもご飯派になるんだ〜。
給食を食べたらお昼休み。
この時は仲のいい子たちとかと一緒に遊ぶの。
最近だと、魔力お手玉とか、魔力キャッチボールとかしてるよ。
え?
危ない?
そんなことないよー。
当たってもちょっと痛いくらいだもん。
あ、信じてないなー。
それじゃ試してみよ?
えいやー!
…………
ほらね?
全然痛くないでしょ?
え?痛くはないけど、いきなりでびっくりした?
あ、あはは……ご、ごめんなさい……
…………
えーと、気を取り直して!
お昼休みの後は、また授業があります。
午前中が必須科目で大体みんな同じ授業を受けるんだけど、午後は選択式なの。
自分の好きな事を授業で学べってリムル陛下が言ったからこうなったんだって。
あたしはママみたいな研究者を目指してるから、魔導工学をやってるよ。
魔鋼に刻印魔法を付与したり、どんな物に魔力が通るのか、通らないのかとか実験したりするんだ。
よく、難しそうって言われるけど、最初からやってみるとそうでもないんだよ?
興味があったらやってみてね!
それで、午後の授業が終わったら帰ります!
友達と遊んだりとかもするけど、あたしはあんまり遅くまでは遊ばないかな。
ママが帰って来るまでにおつかい済ませなきゃいけないもの。
帰り道でお野菜とかパンとか、ママの書いたメモどおりに買い物して、お家に直行!
それでね、外が暗くなり始めたくらいにママが帰って来るから、夕食の準備を手伝うの。
その後は、ママと一緒にご飯食べて、お風呂に入って、歯磨きして。
最後にママと一緒にベッドに入って、一緒に寝るの。
〜〜〜〜〜
一通りの話を終えて、元気よくアリシアが振り返った。
「はい、あたしの1日はこんな感じです!どうでした?
「うん。元気一杯で良い子だね、アリシアちゃんは。とっても良いお話聞けました、ありがとうね」
フェイトは優しげな笑みでアリシアを見つめて、その話に聞き入っていた。
「この後ママの所に差し入れ持って行ってやれってリムル陛下にこれもらったんだけど、フェイトお姉ちゃんも一緒に来る?」
そう言ってアリシアがケーキの入ったバスケットを掲げた。
対し、フェイトは迷ったような仕草をしている。
「えっと……いいの?」
「うん!リムル陛下が「フェイトも一緒に連れてくといいよ」って言ってたもん!」
フェイトは逡巡するが____
「うん、わかった。一緒に行こう、アリシアちゃん」
〜〜〜〜〜
その後。
真相は当人達のみが知るべきなのだから。
その後の親子の会話がどうなったのか、それは読者様の想像にお任せします。(丸投げとも言う)
リムル様の予想通り、「悪くない」結果だと、私は思うんですけどね。
ちなみに今回、フェイトは一人で《
親子との会話は1対1が良いだろうとリムル様が気を回してフェイトを拉致____げふんげふん。連れて来たからですね。