今年初めての投稿です。ほんとはもう少し早く投稿するつもりだったのですが意外と忙しくて今に至ります…今年も大将軍のルピナスをよろしくお願いします。
え? 作者はメズが好きだろだって?
…………ああ好きだよ! アカメ世界で1、2位を争う位好きだよ! なんでめっちゃ可愛いと思った子すぐに死んでしまうん……カショックとか死刑囚の女の子とかタエコとか……全部零じゃねえか……あ、ドロテアも偵察の少女も好きです。並べると見事に敵キャラしかいねぇ……
『一緒に遊ぼ、ブドー兄ちゃん』
頭の中で蘇る懐かしい声。いつだったであろうか、彼女と初めて出会ったのは。
『ブドーさんももう将軍ですか。おめでとうございます。え? 私の言葉遣いが変? 失礼な! 私の聞き馴れない敬語がそんなに気に食わないのかよ!』
二人の時はいつも対等な仲であり、公の場で敬語を使われるだけでもあまりいい気がしなかった。
『ハッハー! 今回も私の勝ち! いくらか強くなったからと言ってもまだまだ私の敵じゃないな! それじゃ今回も私のお願いを聞いてもらおうかな』
時間を作って誰にも知られぬ所でいつも二人で試合をしていた。いくら若造だったと言えども、当時の帝都内でも五本の指に入る強さだと自負していた。それでも
『あはは……今回もダメだったよ。やっぱりみんなに嫌われているからかな……』
当事の自分は知る事が出来なかったが、彼女は父の周りの官僚達に嫌われていた。自分に媚を売り、彼等から地位を奪おうとしているように見えたのかもしれない。彼女ほどの実力があればすぐに自分と同じ高みに上がることが出来たはずだったが、一度もその階級が上がることはなかった。おそらく彼等の仕業だったのだろう。
『なんでだよぉ……私が悪いのになんで父上が責任を取らされるんだよぉ……ブドーと仲良くする事がそんなに悪い事なのかよぉ…………ごめんなさい……父上……』
涙を流している姿を見たのはこの時が初めてであった。彼女の父親があらぬ罪を負わされ、その責任で親子共々罰せられた。当時、彼女の父親の罪を事実だと思っており、そして彼女を巻き込んだ父親に怒りを覚えていた。その事が彼女を更に傷付ける要因となっていた事を知った時は、自分すら許せなかった。
『約束を守れなかったね……ごめんね、ブドー』
『……さよなら』
そして彼女は自分の前から姿を消した。
なぜ今になって昔の事を思い出したのであろうか。忘れることなどある訳ないが、それでも訓練の休憩時間にこんな事が蘇る事などなかったはずだ。彼女の身に何かあったのであろうか。
そんな事を考えながら、ブドーは籠手の下に付けている腕輪のある場所を見つめる。彼女から貰った大切な宝物だ。いまでも未練がましく身につけている。こんなだからこの歳になっても所帯を持つことが出来ないのだ。だからと言って、彼女以外の人間との結婚など考えられなかった。
「ブドー将軍、どうなされましたか? 先程から上の空でしたよ」
どうやら部下の呼び掛けにも気付かなかったらしい。らしくないなと気を引き締める。
「済まない、少し考え事をしていた。休憩終了の合図か?」
思っていたよりもだいぶ時間が経っていたのかもしれない。いつまでも合図がないから心配になって、自分の元へ来たのかもしれないと思ったが、どうやら違ったようだ。
「いえ、オネスト大臣が将軍に少々話があるとのことでして」
それを聞いて眉をひそめる。オネストもブドーも皇帝陛下の前以外ではあまり連絡は取り合わない。一体何を企んでいるのだろうか。部下達には訓練を続けるよう伝え、自分はオネストが待っているであろう部屋へと向かう。
そして部屋に入るとそこには──
「わざわざ鍛錬中すみませんねぇ。将軍にすぐに見て貰った方が良いと思って呼んだんですよ。さあさあ、早く読んでくださいな」
いつものように悪巧みをしているような顔の大臣と──彼女の家紋の記された、開封済みの手紙が目に入る。そしてそれを見た瞬間、思い出を踏み躙られたように感じ、理性が飛びそうになった。なんとかオネストへの殺意が湧き上がったのを抑えることが出来たが、オネストはそのその様子を見逃すはずがなく邪悪な笑みを浮かべていた。
────────
メズは三日間と言う監視の任務を終えた後も、時間がある時はいつもガーランドの元へと遊びに来ていた。本当なら近づかない方が良いのだが、大臣からも許しが出ており、なんと言っても気があうのだ。彼女と話しているとなぜか安心する。そうして帝都の中で今までの生活では得られなかった楽しみを謳歌していた。
今日は前々からガーランドが言っていた貸本屋に行くことになった。あまり本に興味はないがずっといる訳ではないので、道中色々な所に寄り道させるつもりだ。新品の本は買わないのかと聞いたら、お金をあまり使いたくないかららしい。今いる宿の手伝いをして少しだけ収入はあるらしいが他の場所では仕事の場を見つけられていない。何度か
「ヘぇ〜、こんな所に本屋なんてあったんだ。興味なかったから覚えてなかったよ」
「あはは、これを機にメズも本を読み始めたら」
「やめとく。身体動かす方がよっぽど為になるからね」
そんな会話をしながら、前にある貸本屋の中へ進んで行く。中々蔵書が多いようで様々な種類の本が置かれている。
メズは別に読む訳でもないのに、分厚い本を見るだけで嫌そうな顔をしていた。そんなメズを片目に、ガーランドは歴史の本や料理の本、ジャンルを選ばずに手に取って行く。そしてあらかた選び終わったらしく、カウンターを探し始めた。
「料理もするんだ。今度食べさせてよ」
「そんなに上手じゃないけどね。嫁に行くときに必要だからって母様にみっちり覚えさせられたよ」
カウンターには店員らしき一人の男が暇そうに突っ伏していた。こちらには気付いてもいない。客がいるのにこのような態度で良いのだろうか。
緑の頭髪の店員はすぐ前に来てからようやく気付いたようで、気だるそうに顔をこちらに向ける。
「やっと今日最初のお客が来たか……暇で暇で仕方がな…………」
こちらの姿を確認した途端、急に目を見開き動きを止める。一体どうしたのであろうか。何か失礼をしたのではないかとガーランドは不安になり、それとなく謝ろうかと思って口を開こうとした時、男の大きな声で遮られた。
「やあやあ綺麗なお嬢さん達、俺の貸本屋へようこそ! この後、一緒に遊ばない? 夕食まで奢るよ。OKしてくれたらすぐに店を閉めて準備するからさ」
ナンパであった。メズは腹を抱えて笑いだし、ガーランドはどう対応していいかわからずオロオロした。
「久々に笑ったわ……仕事そっちのけで声かけてくるなんてね」
「君たちみたいな綺麗で可愛い女の子を見かけたら、声かけない方が失礼ってもんでしょ」
「ベタな台詞だなぁ、でもそういうの嫌いじゃないよ」
メズと店員の間で話は盛り上がっていた。メズも悪い気はしていないらしく、ちょっと乗り気のようである。ふとガーランドを見ると、ポカンとした表情をしていた。どうしたのであろうか。
「ねぇ、ボーッとしてるけどどしたの?」
「え? ああいや、同い年位の人からのお世辞に慣れてなくてちょっとびっくりしちゃってたんだ」
その言葉に店員もメズも顔を顰める。お世辞でもなんでもないのに彼女はそう捉えているらしい。謙遜しているのだろうか。
「いや、綺麗で可愛いってのは本音なんだけどなぁ〜」
「え? だってボク、身長も他の女の子より少し高いし、髪もそんなに長くないし、服も可愛いの着てないし口調もこんなだし……でもこんな女の子らしくないボクに可愛いって言ってくれたのはちょっと嬉しかったな」
自覚していないだけであった。メズはため息を吐きながら、そんな調子のガーランドの頭を軽くはたいた。
「ちょっ、何するのメズ!!」
いきなりの攻撃に反応出来ず、小気味よい音が響く。少し恨めしそうに見つめるが、軽く無視された。
「あのねぇ、自覚してないにしてもそんな事言ってたら、他の女の子から顰蹙買うよ」
「え…………なんで?」
「その容姿であんな事言ったら嫌味にしか聞こえないからね。ちょっとは自分がどれ程見た目が整っているか自覚しなさいよ」
「わ、分かったからそんなに頭をグリグリしないで」
周りにいた同世代の奴らからはそういった事を言われなかったのだろうか。
「住んでた近くには同い年くらいの子はいなかったし、遠くに出かけた時とかは男の子達から
ずっとそう思ったままここまできたらしい。メズも店員の少年もため息を吐いていた。どうやらこの少女は自身の事に対しては鈍いらしい。いっその事いかにもお姫様みたいな服を着せてやれば自覚が出るかも知れない。そう思ったと同時にある考えがメズの中に浮かんだ。せっかくだからこの少年の誘いに乗ってやろうではないか。
「そうだ! アンタのナンパに乗ってあげるからさ、この子の服買うのに付き合ってよ。アンタも見て見たいでしょ、可愛い服着た姿を」
「ふ、服ね……いいけどそんなにいっぱいは買わないでね」
「アンタも男でしょ、女の子二人とデート出来るんだから少しは甲斐性見せなさいよ」
お洒落な服はかなり値が張る事は知っているため、服を買ってもらうのは流石に申し訳ないので遠慮しておきたいが、そんな二人の姿を見て少しだけありがたい気持ちになっていた。知り合って間もないのに自分に気を掛けてくれることに。
「そう言えば名前聞いてなかったわね。私はメズ、でこっちの子はガーランド。アンタは?」
「メズちゃんにガーランドちゃんね〜。俺はラバック、この貸本屋の店主だ。気軽にラバって呼んでくれたら今日君達にもっと尽くしちゃうかもな〜」
「アッハッハ、何それ。でも今日たのしい一日にしてくれたら次のデートでそう呼んであげてもいいよ」
「マジかよ! これはますます気合をいれないと」
二人の会話を少し楽しみながら聞いていると、ふと懐かしい気配を感じた気がした。外に目線を少しだけむけると昔、短い間だったがよく遊んだ少年の面影を感じさせる青年が一瞬だけ目に映る。しっかり視界に入れようと思ったが、既に人波の中に消えてしまっていた。人違いかも知れないが、自分の勘が彼本人だと囁いている。彼はまだ夢を追い続けているのだろうか。
「……ランくん?」
ガーランドの小さな声は他の二人の声に掻き消された。
パパ心の中でブチギレの図
と言うわけで少しだけブドー将軍と母親の回想が出て来ました。どっかでちゃんと過去編もするのでその時までお待ちください。
次回、『恐怖! 宮殿の三者面談!!(仮)』です。お楽しみに!
タツミは次の出てくる予定です……多分