WWⅡウィッチーズ   作:ロンメルマムート

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謎の紅の豚感(そもそもあれがモチーフですし)


第26話:天才パイロットとアフリカの星

 マルセイユが気絶から回復すると3人で飛行訓練が行われた。

 だが軽快なBf109を使うマルセイユとハルトマンに対して鈍重なJu88を使うニコは二人に後れを取っていた。

 3人は前方に設置された標的の阻塞気球相手を銃撃する。

 発射レートの高いMG34やMG42を使うマルセイユ達に対してニコは航空機関砲としては発射レートは高いもののこの二つの歩兵用機関銃に対しては明らかに低いため撃破する数では明らかに劣っていた。

 だがニコは二人が撃ち漏らした気球を目ざとく見つけるとマルセイユ並みの短い連射で撃破していった。

 それをエルヴィンやハインツなどが地上から見ていた。

 

宮藤「3人ともすごいですね!」

 

シャーリー「マルセイユとハルトマンはカールスラントのトップエースだからな。

      ニコも実力はあるからな」

 

エルヴィン「ビュフティンク君、な、私が言ったとおりだろ?

      ハルトマン=ファルケンホルスト君の腕は世界一だと」

 

ビュフティンク「はぁ、小官は陸軍軍人なのでよく分からないのですが閣下のおっしゃる通りでしたな」

 

 エルヴィンは有名なマルセイユならともかく世界高度記録を持っている程度で一般にはそれほど有名でも戦果でも全く目立たないニコを選んだことを疑っていたビュフティンクに話かける。

 ビュフティンクはこの訓練を見てニコの能力に満足したようだった。

 

ハインツ「しかし、大丈夫か?

     どうにも連携があってないようにも見える」

 

坂本「確かに」

 

バルクホルン「あまり息があってないように見える」

 

 だが地上から3人の連携を見るとニコとマルセイユ、ニコとハルトマンの連携はあっているがハルトマンとマルセイユの連携があっていなかった。

 すると突如マルセイユが急減速するとハルトマンの後ろにつき、銃を向けた。

 だがその直後、ハルトマンとの間に別の影が割り込むとハルトマンは急降下する。

 

ハルトマン「え?ニコ!」

 

ニコ「後ろを見て!マルセイユが君に銃を向けたんだ!」

 

 割り込んだのはニコでありニコはハルトマンを掴むと強引に急降下、

 

ハルトマン「よく気が付いたね」

 

ニコ「爆撃機乗りは普段からケツには気を付けるんだ!」

 

 ニコは元々は爆撃機パイロットであるため後方に対しては常に気を付ける癖がついていた。

 爆撃機は一度戦闘機の背後につかれたら最後、撃墜されることが多かった。

 そのため常に背後に気を付ける癖がついていた。

 これに不意を討たれたのはマルセイユだった。

 マルセイユはニコの能力を疑っていたためまさかハルトマンより先に気が付きハルトマンを掴むと強引に急降下するとは思ってもいなかった。

 

ハンナ「なんだあいつは!」

 

 マルセイユは急降下して二人を追いかける。

 それに気が付いたニコはハルトマンに話す。

 

ニコ「クソ、追いかけてきた!

   ハルトマンさん、三つ数えるから分かれて、君は上昇、僕が気をそらせる、いいね?」

 

ハルトマン「分かった」

 

ニコ「3、2、1、今!」

 

 ニコが三つ数えると二人は二手に分かれニコはマルセイユを挑発しハルトマンは急上昇して離脱する。

 

ニコ「来い、アフリカの星!

   爆撃機乗りに後れを取るか!?」

 

ハンナ「く、私がお前に負けるわけがない!」

 

 ニコの簡単な挑発に乗ったマルセイユはハルトマンをほっぽり出してニコを追いかける。

 すると無線からミーナの声が響いた。

 

ミーナ『飛行中止よ、3人とも。

    直ちに帰投しなさい!」

 

ニコ「了解」

 

ハンナ「く」

 

 ミーナは3人に帰投を命じた。

 地上ではエルヴィンは急な帰投を命じたことをミーナに聞いた。

 

エルヴィン「ミーナ君、何かあったのか?」

 

ミーナ「マルセイユ大尉がハルトマン中尉とハルトマン=ファルケンホルスト大尉に銃を向けました。」

 

エルヴィン「そうか、ではしかるべき措置を頼むよ。

      ビュフティンク君、そろそろ帰ろうか」

 

ビュフティンク「は」

 

 そう言うとエルヴィンは輸送機に乗り込み帰っていった。

 

---------

 

 少しして、ハルトマンとマルセイユ、ニコは基地のある部屋にいた。

 そこは殺風景でベッドが二つあるだけだった。

 

ミーナ「二人は今日から作戦の日までこの部屋で過ごすこと。

    訓練飛行中に人に銃を向けたマルセイユ大尉は本来なら営倉行きです、が残念ながらこの基地にはありません。

    代わりに3人でこの部屋で過ごしてもらいます」

 

ハルトマン「ねえ、なんで私もなんだよー」

 

 マルセイユが銃を向けた件の処分として二人はこの部屋で過ごすことになった。

 そのことにハルトマンは不満を言う。

 

ミーナ「いい機会です、3人で同じ部屋で過ごして少しでも作戦のためのチームワークを養いなさい。

    いいわね」

 

ハルトマン「はーい」

 

ハンナ「分かった」

 

ニコ「了解」

 

ミーナ「次やったら絶対許しませんよ」

 

 ミーナは最後にくぎを刺すと出て行った。

 ミーナが出ていくとハルトマンはベッドに腰かけた。

 

ハルトマン「ハンナのせいで怒られたじゃないか」

 

ニコ「あんまり言いたくないですけどそもそも訓練中に人に銃を向けるなって習いませんでした?」

 

 ハルトマンとニコはハンナに言う。

 ニコからすれば理由なく人に銃を向けるなというのは銃を取り扱う際に最初に習うことの一つであった。

 だがハンナは笑いながらベッドに寝転がる。

 

ハンナ「ハハ、やっぱりミーナは怖いな」

 

ハルトマン「本気になったらもっと怖いんだぞ」

 

ハンナ「どうして気が付いた?」

 

 するとハンナが聞いた。

 

ニコ「ん?」

 

ハンナ「お前だ、ニコ。

    なんで気が付いた?」

 

ニコ「僕は元は爆撃機乗りでね。

   背中には常に注意を払うんだ。

   それと、君がハルトマンさんに銃を向ける未来が見えた。

   だから妨害したんだ。

   逆に聞きたいけど、なんで銃を向けようとした?」

 

 ニコは逆に聞いた。

 

ハンナ「ハルトマン、お前と同じ隊にいたころの勝負は8勝8敗、私と戦って互角だったのはエーリカ、お前だけだ。

    だから決着をつけたいのさ、この作戦の間に」

 

ハルトマン「ふぅ、じゃあハンナの勝ちでいいよ」

 

 それを聞いたハルトマンはため息をつくとベッドに倒れこんだ。

 

ハンナ「またか!前もお前は同じようなセリフで私から逃げた!

    なぜだ!」

 

ハルトマン「めんどくさいじゃん、それに私と同じぐらい強いならニコだってそうじゃん」

 

 ハルトマンの言葉にハンナはニコを見る。

 するとハンナはハルトマンの隣のベッドに座るニコに近寄る。

 

ニコ「えっと、何か用ですか?」

 

ハンナ「ニコ、ハルトマンより強いらしいな」

 

 座るニコを見下ろしながらマルセイユが聞く。

 それにニコは謙遜する。

 

ニコ「そんなことないですよ。」

 

ハルトマン「でもこの前模擬空戦でトゥルーデ倒したよね?」

 

ニコ「あれはたまたまですよ、うん。

   そもそも本職違いますし、ナイトウィッチですし」

 

 数日前、ニコはバルクホルンと模擬空戦をしてバルクホルンを倒していた。

 だがニコはたまたまだと思っていた。

 すると更にハルトマンは言う。

 

ハルトマン「この間私と空戦してタイマンしたよね?」

 

ニコ「あれも運が良かっただけで…」

 

ハンナ「ハルトマンとタイマンだと!?」

 

 さらにその前にはニコとハルトマンは模擬空戦でほぼ互角の勝負をしていた。

 その事にマルセイユは驚いた、そして勝負を挑んだ。

 

ハンナ「おい、私と勝負しろ!」

 

ニコ「別に構いませんけど、ちゃんと許可取ってくださいよ。

   もう二度は御免です。

   あ、チョコ食べます?」

 

 ニコはちゃんとした許可を取った上でならと条件をつけて快諾するとポッケからショカコーラを取り出してマルセイユに聞いた。

 それに反応したのはマルセイユではなくハルトマンだった。

 

ハルトマン「お菓子!ニコ、頂戴!」

 

ニコ「はいはい、慌てないで。」

 

 ニコはすぐに缶の蓋を開けてハルトマンにチョコを一切れ渡した。

 

---------

 

 翌日、ニコとマルセイユは模擬空戦をしようとしていた。

 それを地上からウィッチたち、そして何故か大量の整備士や兵士が集まっていた。

 

ミーナ「大丈夫かしら?」

 

坂本「大丈夫だろう、今回は模擬空戦だ。

   それにしても…」

 

 坂本は兵士たちが集まっているほうを見る。

 そこではハインツが台に立って叫んでいた。

 

ハインツ「アフリカの星と世界高度記録保持ウィッチの大勝負だ!

     司令部主催の賭けだ!」

 

 なぜかハインツが整備士を集めて賭けをしていた。

 一応ミーナの許可を得たうえでガス抜きのため賭け事を主宰していた。

 それに坂本たちは呆れていた。

 

サーニャ「ニコさん…」

 

 一方サーニャはニコのことを案じていた。

 するとエイラとヤンがサーニャを安心させようとする。

 

エイラ「サーニャ、きっとニコは大丈夫だよ、うん」

 

ヤン「あいつは俺が今まで会ってきた誰よりも強い。

   だから大丈夫だって」

 

 二人の言葉にサーニャは安心する。

 

---------

 

 

 そのころ上空ではニコが地上の大騒ぎを見て呆れていた。

 

ニコ「なんかお祭り騒ぎになってますね」

 

ハンナ「ああ」

 

 それに向かい合ってMG34を持ったマルセイユも同意する。

 二人とも地上の大騒ぎを呆れていた。

 

ニコ「言っておきますけどあくまで模擬空戦ですよ?

   まあそれでも手を抜く気はありませんが」

 

ハンナ「分かってる、私も手を抜く気はない」

 

ニコ「一発でも食らうかノックアウトしたら負け、いいね?」

 

ハンナ「ああ」

 

ハインツ『おい!お前ら早く始めろ!』

 

 二人で話していると無線でハインツが早く始めろとヤジる。

 地上の興奮は大変なことになりつつあった。

 

ニコ「じゃあ、やりましょうか。

   3、2、1でスタートして交差してから開始で」

 

ハンナ「いいだろう」

 

ニコ「じゃあ、3、2、1、0!」

 

 ニコのカウントダウンで二人はスタート、交差するとまずマルセイユが仕掛け上を取った。

 それにニコは急降下して海面すれすれを飛ぶ。

 

ハインツ「はじめっから一方的になってきたぞ!」

 

 それを地上からハインツたちが見ていた。

 それを見てエイラは不安がる。

 

エイラ「ニコ!何やってるんだよ!高度を取れ!」

 

ヤン「いや、今やったらまともに弾を食らうぞ!

   海面すれすれのほうが当てにくいんだ、無駄弾撃たせようって気だ」

 

 だがヤンにはニコの狙いが見えた。

 ニコはあえて海面スレスレを飛ぶことで回避していた。

 さらにニコはそこに不規則な旋回と未来予知を組み合わせてすべて回避する。

 だがここで見ていたハインツはあることに気が付いた。

 

ハインツ「あ!不味い!こっち来る!」

 

 ニコは逃げながら気が付けば基地に向かっていた。

 すぐに群集とウィッチたちは遮蔽物に隠れたり逃げるがそのど真ん中をマルセイユが銃撃する。

 

ハインツ「よそでやれ!」

 

 ハインツは二人に向かって叫ぶ。

 一方二人は基地の上空を掠めるとニコは翼から雲を引きながら急上昇する。

 

ヤン「スゲェ…ニコが雲を引きやがった…」

 

エイラ「それってすごいのか?」

 

 ニコの状況の凄さが分からないエイラがヤンに聞いた。

 ヤンはエイラに解説する。

 

ヤン「ああ、翼から雲を引く状態ってのは翼から気流が剥がれかけて失速寸前なんだ。

   あの状態で空戦をやろうってものならすぐに失速しちまうぞ」

 

 ニコは失速寸前でありながらマルセイユを翻弄していた。

 ニコの腕の良さはここに表れていた。

 だが二人はその後もこのような終わらないドッグファイトを数分続けその間マルセイユは銃撃していたが一発も当たらなかった。

 

 だが突如ニコが後ろを向くと銃撃した。

 それにマルセイユは驚く、何せ常識的に考えてこれは悪手である、と思ったからだった。

 だがこの銃撃でマルセイユはニコを追いかけるのを一瞬やめてしまった。

 ニコの狙いはそれだった、一瞬の隙をを作りその間に態勢を立て直すのが狙いだった。

 その狙い通りニコは銃撃するとその間に一気に急上昇する。

 すぐにマルセイユは追いかけようとするがその先は太陽であった、ニコは急上昇し速度を位置エネルギーに変換、更に太陽の角度を計算し空戦のセオリーである太陽の中に隠れるをやってのけた。

 ニコは加速と計算、そして未来予知という普通なら両立しない三つの固有魔法を使いこのような複雑な手をやったのだ。

 これこそがニコが天才と呼ばれる所以であった。

 普通なら両立できない固有魔法を同時に使い極端な戦術や普通なら悪手とされる手を使い状況を一変させる、これがニコの空戦での常套手段だった。

 

 だがニコは銃撃しようとするが弾が出なかった。

 

ニコ「シャイセ!ジャムった!」

 

 ニコは急激な軌道をしたせいでMG151にジャムが発生してしまった。

 すぐにニコはジャムを直そうとコッキングレバーを弄る。

 その間にマルセイユは急上昇してニコの背後についてしまった。

 

ハンナ「貰った!」

 

 だがこちらも出なかった。

 

ハンナ「弾詰まりか?!」

 

ニコ「そっちは弾切れだ!クソ、よし!

   食らえ!」

 

 マルセイユが弾切れに動揺している間にニコはMG151のジャムを直すとニコを銃撃しようと至近距離に近づいていたマルセイユに銃撃し、あっという間にペイント弾で染め上げてしまった。

 それを地上から双眼鏡でハインツが確認した。

 

ハインツ「えー、勝負ニコの勝ち!」

 

 それを聞いて兵士たちの7割がブーイングをし、3割が歓声をあげていた。

 7割がマルセイユに賭け、3割がニコに賭けていたからだった。

 空ではペイント弾で染め上げられたマルセイユがニコに話しかけていた。

 

ハンナ「参った参った、完敗だ」

 

ニコ「大丈夫ですか?」

 

 ニコはマルセイユの心配をする。

 

ハンナ「ああ。しかし、気に入った!

    アフリカに来ないか?アフリカはいいところだぞ」

 

 するとマルセイユはニコをアフリカに誘った。

 それにニコは笑って返した。

 

ニコ「ええ、ここが片付いたら。

   アフリカは古巣ですし、それに閣下から直々に招待されてますし」

 

ハンナ「そうか、アフリカに来たら今度は私が勝つ」

 

 そう言うとマルセイユは手を差し出す。

 ニコはマルセイユに握手すると返した。

 

ニコ「その時も手加減はしませんよ」

 

ハンナ「望むところだ」

 

 その様子は地上からも見えていた。

 

ハインツ「あー、なんか友情を築いてる」

 

 地上からウィッチ達は二人を見ていたがふとエイラとヤンは何やら不穏なオーラを感じて振り向く。

 

エイラ「サ、サーニャ?」

 

ヤン「お、おい…」

 

 一人サーニャだけが何やら嫉妬していた。




あー意外と10話伸びるな、うん。
次ニコの過去回、C3の作戦会議とステッラ作戦前半、C3作戦前半回、C3・ステッラ作戦後半、エピローグ回だし。
その後は11話の前にマルス作戦と原爆投下のお話を
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