何故か戦争映画レベルの戦闘描写
プライベートライアンの冒頭のオマハビーチのシーンのオマージュもあり
マルタ島、地中海のちょうど真ん中にある面積246㎢の島。
この島は古くより地中海の要所として数多くの者たちが支配してきた。
紀元前1000年頃にはフェニキア人が、BC400年頃にはカルタゴ、そしてローマの支配を受け地中海交易の拠点として栄えた。
その後アラブ人、ノルマン人、スペイン、聖ヨハネ騎士団、フランス、イギリスと変わっていった。
またこの島は地中海の要所であることからかの高名な第一次マルタ包囲戦ではマルタ騎士団が死守、第二次世界大戦中には枢軸軍による徹底した空襲と封鎖により危機を迎えるが無事脱し島と島民そのものにジョージクロスが授与され、冷戦期にはこの島でアメリカとソ連の歴史的な会談、マルタ会談が行われ冷戦の終結が宣言された。
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その島の沖合、多数の砲弾やロケット弾が島に降り注ぐ中上空をウィッチたちが飛んでいた。
バルクホルン「凄い砲撃だな…」
ノヴァク「ああ…まさに鉄の暴風だ」
その圧巻の砲爆撃を見ながらウィッチたちは茫然としていた。
地上では次々とネウロイが破壊されていた。
ハインツ「茫然としてる暇はないぞ。
そろそろ第一波が動き出すころだ」
ミーナ「ええ、私たちの任務は上陸部隊の上空支援よ」
「「了解!」」
茫然とするウィッチたちをハインツとミーナがウィッチたちに言う。
それにウィッチたちが返事した。
眼下では明け方の薄暗い中海面にいくつもの小さなものが白い筋を作りながら進んでいた。
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その小さなものとは上陸部隊のLCVPとLCMだった。
彼ら海兵部隊はロマーニャ軍の精鋭であり精強な兵士たちだった。
彼らはカルカノライフルやベレッタM38、ブレダM30を持ちヘルメットを被り襟無しの軍服を着、波しぶきでずぶぬれになりながら緊張した面持ちである者は緊張で手が震え、ある者は船酔いで吐き、ある者は神に祈っていた。
艇長「上陸1分前!神のご加護を!」
LCVPの艇長が上陸までの時間を伝える。
それを聞くと小隊長が部下に言う。
小隊長「左舷用意!右舷用意!
着弾穴に注意!」
軍曹「互いにくっつくな!
一人より五人が狙われる!」
小隊長「銃に砂が入らないように注意しろ!特にパオロとマルコのM30」
小隊長が緊張をほぐそうとジョークを言うと全員がクスリと笑う。
するとLCVPが何かにぶつかって止まる。
そして艇の乗員がハンドルを回し始めるとゆっくりと船首が開きマルタの街が見え始めた。
小隊長「サン・マルコ!アヴァンティ!」
船首が完全に開くと小隊長が号令を取るとM38を持って走って突撃する。
それに続いて兵士たちも艇から飛び出し前進する。
その周りでも同じように兵士たちやブリタニア軍のチャーチル戦車、ロマーニャ軍のⅢ号戦車やⅣ号戦車が上陸用舟艇から降りると突撃していた。
ネウロイは既に事前の艦砲射撃で粗方殲滅され浜辺には砲弾のクレーターとネウロイだったものしか残っていなかった。
彼らは無抵抗で浜辺を突破、マルタの市街地に入った。
小隊長「艦隊の野郎どもやりすぎだ。
地図がまるで役に立たねえ」
海兵A「ですね、ここがどこだかさっぱり。
空挺兵はどこにいるんでしょうか?」
市街地に入ったチャーチル戦車を伴った海兵だが市街地は空襲と艦砲射撃で滅茶苦茶であり持っていた地図がまるで役に立たず空挺兵がどこにいるかもさっぱりわからなかった。
小隊長「とりあえずグランドハーバーは分かるぞ、あのでっかいのだろ?」
海兵A「ええ。どうします?」
小隊長「とりあえず進もう。ここで止まったらいい的だ」
彼らは止まらずに進み始めた。
すると突如ビームが彼らの頭上を飛び越えた。
小隊長「ネウロイだ!手榴弾!パンツァーファウスト!」
突如数体のネウロイが前方100mに表れた。
すぐに援護していたチャーチル戦車が発砲、一体を撃破する。
ネウロイはチャーチルを攻撃するがチャーチルの分厚い装甲に阻まれる。
攻撃を耐えたチャーチルはすぐにまた発砲し撃破する。
その間に兵士たちがネウロイに近寄りパンツァーファウストを撃ち込み一体を撃破、更にパンツァーシュレックを持った兵士が近寄るともう一体を撃破する。
だがここまで撃破するとネウロイは逃走を始めた。
小隊長「クソ、逃げるぞ!」
その直後、ネウロイが上空から銃撃され撃破された。
小隊長「ウィッチだ!」
撃破したの501のウィッチだった。
501は各所で陸軍部隊を支援していた。
海兵A「小隊長、助かりましたね。」
小隊長「ああ。とりあえず先を急ごう。11時方向から銃声がする。
もしかしたら味方かもしれん、行ってみよう」
彼らはネウロイを撃破すると先を急いだ。
彼らは銃声がした方向に瓦礫で埋まった通りを戦車を置いて向かい始めた。
その銃声がした方向では空挺兵とNP大隊の兵士が建物に立てこもりネウロイを攻撃していた。
空挺兵A「おい!味方はいつになったら来るんだ!」
空挺兵B「知るか!アパム弾持って来い!」
その建物の屋上では眼下の通りのネウロイに向けカルカノライフルでネウロイを銃撃する兵士が隣でブレダM37を撃つ重機関銃手に言うが彼は無視して弾薬手に弾薬を持ってこさせる。
空挺兵C「新手のネウロイ!手榴弾!」
空挺兵D「衛生兵!衛生兵!」
空挺兵E「ママ!ママ!」
その下の階ではサムライベストを着て迷彩服を着たNP大隊の下士官がネウロイを見つけ窓から手榴弾を投げネウロイが吹き飛ぶ。
部屋の反対側では破片を食らったのか腹部から酷く出血し泣き叫ぶ空挺兵をとっくの昔に弾薬を使い果たしたのかベレッタM1934を持ち空になったサムライベストを付けた下士官が衛生兵を呼んでいた。
隣の部屋では
空挺兵F「クソ、詰まった!」
空挺兵G「どけ、こっちの方がいい!」
軽機関銃手がM30を撃っていたが弾詰まりを起こしてしまい軽機関銃を捨て拳銃を取り出して下の通りのネウロイに発砲すると横からカルカノライフルを持った兵士がパンツァーファウストを構えてネウロイに撃ち込み撃破する。
空挺兵H「クソ、弾はいくらある!」
空挺兵I「もうそれほど残ってません!
3人が死亡、2人が重傷、4人が軽傷です!」
空挺兵の隊長が状況を聞くが状況は芳しくなかった。
空挺兵H「全滅は時間の問題だぞ!」
隊長が嘆いていると突如別の方向から銃声が響いた。
空挺兵A「なんだ?」
空挺兵B「ありゃ…味方だ!サン・マルコ師団だ!」
屋上にいた重機関銃手と兵士がそれがサン・マルコ師団だと気が付いた。
海兵A「小隊長!いました!アズッロとNPです!」
小隊長「俺の言ったとおりだ。
サン・マルコ師団は続け!」
向かっていたサン・マルコ師団の兵士が空挺兵に気が付くと手を振り急いで空挺兵たちの下に向かう。
それは空挺兵からも見えていた。
空挺兵H「騎兵隊の到着だ!
チクローネ、NP大隊突撃!」
それを知った隊長は自らM38を手に取ると兵士たちを引き連れ突撃、ネウロイを撃破してサン・マルコ師団の海兵たちと合流した。
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地上で歩兵たちが市街戦を展開していた頃、海中では2隻の潜水艦がグランドハーバーに秘密裏に侵入した。
侵入した二隻の潜水艦は湾内に入ると浮上、3人のウィッチが甲板に上がった。
ハンナ「発進!」
ウィッチ、即ちマルセイユ、ハルトマン、そしてニコは伊四百と伊十三から離艦した。
離艦した3人を狙い回りの多数のネウロイが彼女たちを攻撃する。
だが三人はそれをうまく回避する。
ハルトマン「うわあ!いっぱいいる!」
ニコ「敵合計40!」
ニコとハルトマンは無線で報告する。
だが直後にマルセイユが否定する。
ハンナ「違う、38だ」
ハルトマン「35だよ」
ニコ「30」
3人はそれぞれ攻撃の合間を縫って次々と撃破していった。
ハルトマン「28」
ハンナ「25だ」
ニコ「21!」
ハンナ「10!」
3人はある程度片付けると本丸のコアめがけて急上昇する。
ハンナ「7!」
ハルトマン「6!」
ニコ「5!」
ハンナ「4!」
ハルトマン「3!」
そして最後の3体を3人が同時に撃破する。
「「0!」」
ニコ「残りはコアだ!」
3人が銃撃を浴びせるとその銃弾は同時にコアを破壊した。
破壊されるとドームは真上から崩壊していった。
崩壊し始めると3人が急上昇して出てきた。
ハンナ「13だ」
ハルトマン「私も13、ニコは?」
ニコ「ん?14だけど?」
3人はそれぞれが撃墜した数を聞いたが一番多かったのはニコだった。
ハンナ「また負けた…」
ハルトマン「流石ニコ」
ニコ「いえいえそんなことないですよ」
ハルトマン「謙遜しなくていいだよ?」
ニコはいつものように謙遜するがハルトマンが謙遜しなくてもいいという。
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グランドハーバーのネウロイの撃破は沖合の艦隊からも観測された。
見張り『グランドハーバーのネウロイ消失!』
ベッローモ「やったか!」
ラムゼー「司令部に打電、ステッラ作戦成功。
これより残敵掃討に移行する。」
見張りからの報告にベッローモは喜びラムゼーは総司令部へ打電を命じた。
これにより作戦は掃討戦に移行した。
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勿論その光景は空からも見えていた。
ミラー「少佐、あれ」
ハインツ「え?お、やったか」
ミラーが最初にグランドハーバーのネウロイが崩壊し始めたことに気が付き隣のハインツに報告する。
ハインツも振り向いて確認する。
ヤン「やったな」
エイラ「ほんと、すごいよなニコは」
サーニャ「ニコさん…」
ヤン、エイラ、サーニャも遠くから3人の戦果を確認した。
他のウィッチもそれぞれ各担当地域の上空で崩壊を見ていた。
すると突如無線からハインツの声が響く。
ハインツ「お前ら、余韻に浸ってる暇はないぞ!
残敵掃討って任務があるんだ、これから忙しいぞ」
「「了解!」」
ハインツの命令が届くとそれぞれ各地域で地上の残党のネウロイ狩りが始まった。
ネウロイ狩りは丸一日続きその日のうちにマルタのネウロイは完全に殲滅された。
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翌日、501の基地では輸送機が駐機しそのそばでハインツとミーナ、マルセイユ、坂本が会話していた。
ミーナ「ずいぶん急ぐのね」
ハインツ「昨日一日中飛んだんだ、少しぐらい休んだらどうだ?」
ハンナ「午後から向こうで雑誌の取材があるんでね」
ハインツ「はあ、そっちもそっちで大変なんだな」
一日中戦ったにも関わらずマルセイユはアフリカに帰ろうとしていた。
それにハインツは向こうの事情を察した。
ハンナ「ああ、そうだ。
一つ言付けを頼みたい」
ハインツ「ああ、いいが誰に?」
ふとマルセイユはハインツに言付けを依頼した。
ハンナ「ニコにだ。
ロマーニャが片付いたらアフリカで会おう。
そこで決着をつけてやる、って」
ハインツ「ああ、分かったよ。
というか直接言ったらどうだ?」
するとハインツが直接言うことを勧めた。
だがそれにマルセイユはJu52のタラップを上り機内に入るとハインツに言った。
ハンナ「言っただろ。私は忙しいんだ」
カッコつけて言うと彼女はアフリカに帰っていった。
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エルヴィン「C3作戦は大成功だ。
貴官らの協力に感謝する」
同じ頃、ローマではエルヴィンがアイケやバルボ達と話し合っていた。
彼は真っ先にC3作戦への感謝を述べ一人づつ握手する。
バルボ「此方としてもヴェネチアを叩く前に背後の憂いを断ちたいですから」
エルヴィン「事情は同じですよ。これでスーパーチャージ作戦を実行できる。
言い方は悪いですがこの件のお陰でこちらは時間を稼げた。
来月の初めには実行できそうだ」
この一連のマルタでの作戦の間に彼らはスーパーチャージ作戦の最終準備を整えられた。
この作戦には北アフリカのほぼ全軍、さらにリベリオンからの増援のバックナー中将指揮するリベリオン第10軍が投入される予定だった。
彼らはまずリビア・エジプト国境を沿岸部を攻撃すると同時に戦車部隊が内陸部を迂回、国境地域の主力を包囲、殲滅するのと同時にエジプトのエル・アラメインに第10軍が上陸し国境地域の主力を包囲、各個撃破するのが狙いだった。
この作戦で一気に北アフリカ戦線をこじ開け前線をアレクサンドリアまで押し上げるつもりだった。
だがこのままの実行時期が不味かった。
アイケ「ちょっと待て、来月初め?
おい」
バルボ「ああ、マルスとクロスロードに重なる」
エルヴィン「なんだそれ」
丁度その時期はヴェネチア方面への連合軍の二つの作戦と重なる予定だった。
一つが海軍戦力によるヴェネチアへの攻撃、マルス。
もう一つが秘密兵器原子爆弾を使用したクロスロードだった。
デ・ボーノ「ヴェネチアへの攻撃作戦だ。
まあ我々の本命はマルスではなくクロスロードだがね。
この作戦には艦隊が動員される。同時期に上陸作戦なんてほとんど無理だ」
マルス作戦には艦隊が使用されるためスーパーチャージ作戦は実行不能だった。
エルヴィン「分かった。作戦時期は来月半ば、7月の20日ぐらいにしよう」
デ・ボーノ「いいだろう、こちらは7月10日頃でいいな?」
バルボ「いいだろう。そのぐらいには509は作戦可能だ」
アイケ「これで決まりだな」
こうしてマルス、クロスロード、スーパーチャージの作戦実行日が決定された。
後に崩壊の夏と呼ばれるようになるネウロイへの最終攻勢、その最初の段階が決まったのだった。
(解説)
・サイモン・B・バックナー・ジュニア
史実米第10軍司令官
45年に日本軍の砲撃で戦死して飛ばされる。
数少ない上陸作戦を指揮した経験を持つ軍司令官級の人間なのでスーパーチャージ作戦では海兵隊との混成の第10軍を指揮
一応ですが劇場版にネウロイは一気に破滅の淵に立たされます。
その序章ともいうべき話が2期になるんです。