WWⅡウィッチーズ   作:ロンメルマムート

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ここからやたらあっさりになるというか実質2期これで終わり。

熱い展開なんてない!大砲万歳!海軍万歳!イタリア海軍万歳!
地味に大規模な原作改変します。


第34話:At the end of the her war

坂本「まだだ!まだ終わっていない!終わってなどいない!この戦いも!そして私もだ!」

 

 ベルガミーニの作戦中止命令を聞いてミーナに支えられながら飛んでいた坂本が突然叫んだ。

 そしてミーナを振り払うとネウロイが集中攻撃をする大和に向かって行った。

 

ミーナ「美緒!」

 

参謀『ヴィルケ中佐!今のは何だ!』

 

ハインツ「こちら501主席参謀ヴァレンシュタイン少佐、坂本少佐です。

     坂本少佐が独断専行して大和に向かってます」

 

ベルガミーニ『はぁ?!貴様ら!命令だ今すぐ戻れ!』

 

 坂本の行動に驚いた参謀の問い合わせにハインツが答えるとベルガミーニが直接戻るよう命令する。

 ミーナとハインツは坂本を止めようとするが坂本は全速力で大和に向かう。

 

坂本「私が大和に乗り込んで魔法力で魔導ダイナモを再起動させる!」

 

ミーナ「駄目よ美緒!」

 

 ミーナは坂本に叫ぶが坂本は無視して向かう。

 そのやり取りは空母天城で休養と補給を行っていた他のウィッチ達にも聞こえていた。

 

ペリーヌ「駄目です少佐!行かないで!」

 

バルクホルン「無茶だ!」

 

ノヴァク「自殺行為だ!」

 

宮藤「坂本さん!無理です!坂本さんにはもう魔法力が!」

 

 宮藤の呼びかけを聞いて坂本はふと笑った。

 

坂本「知っていたか、宮藤。そうだ、もはや私には飛ぶだけの魔法力しかない」

 

 坂本が話しているとその横をミーナとハインツが通りMG42とPPSh41を構えて立ちはだかる。

 

ミーナ「分かってるならやめなさい!」

 

ハインツ「命令だ!士官なら従え!」

 

坂本「ミーナ、ハインツ…」

 

ミーナ「戻りなさい!少佐!」

 

ハインツ「命令が聞けないのか?そうか?なら」

 

 ハインツはPPSh41の安全装置を解除する。

 すると坂本は二人に聞いた。

 

坂本「私が行かなければ誰が大和を動かせる?」

 

ハインツ「必要ない、クロスロード作戦がある。

     事前の取り決め通り行動しろ」

 

 ハインツが答えると坂本は近寄りミーナに近寄り囁く。

 

坂本「皮肉なものだ、まともに戦えなかった私だけがただ一人魔法力を残すことになったのだから」

 

ミーナ「少佐…!」

 

坂本「ミーナ、私は嬉しいんだ。

   こんな私にもまだできることが残ってる、501にいることができる、17人の仲間で居られる」

 

ミーナ「美緒…お願い!必ず、必ず、帰ってきて!これは命令よ」

 

坂本「了解した!」

 

 ミーナは坂本を行かせることを許可した。

 坂本は許可を得ると大和に向かって行った。

 坂本が向かうとハインツがミーナに抗議する。

 

ハインツ「ミーナ、正気か?この後すぐクロスロード作戦が始まるんだぞ!

     そんなことをしなくてもいいんだぞ!」

 

ミーナ「ハインツさんはヴェネチアの街が焼かれてもいいの!?」

 

ハインツ「ああ!どうせ俺には関係ないことだ!

     俺たちの任務はあのクソッタレを絶滅させること、それ以上でもそれ以下でもない!

     無用なリスクを冒す必要なんてこれっぽちもないんだぞ!」

 

 ハインツはクロスロード作戦で巣を破壊すと思っていた。

 だからこそ坂本の行動には反対だった。

 無用なリスクを冒して無用な損害を出すことこそが無駄であった。

 

---------

 

 それを見た艦隊では混乱が広がっていった。

 

ベルガミーニ「これだからウィッチは嫌いだ!こちらの事情も知らず勝手に動く!」

 

参謀「どうします?」

 

ベルガミーニ「放置だ!勝手に死んでくれればそれでいい!

       たった一人のために全滅なんて御免だ!最大戦速、急速離脱!」

 

 ベルガミーニは艦隊と坂本、二つを天秤にかけ離脱を命じた。

 坂本を見捨てた。これは非情に思えるが命令を無視したものを助けるほど軍は甘くない、ベルガミーニは艦隊を預かりその艦隊には数万の兵士がいた、数万の兵士と地中海の制海権を司る大艦隊、そして命令を無視したウィッチ一人、どちらが重要かなど簡単だった。

 この軍事的、組織的に正しい判断は空母天城のウィッチ達には非情に思えたが組織とはそういうものである。

 

---------

 

 その間に坂本はネウロイの攻撃を躱しながら大和に向かった。

 そして何とか辿り着くと魔導ダイナモを起動した。

 

参謀「魔導ダイナモが反応しました!」

 

ベルガミーニ「クソ!なぜくたばらん!死んでしまえば簡単に済むんだ!」

 

 それにベルガミーニは悪態をつく。

 そしてまた大和が動き始めると主砲が動き巣を照準する。

 そして発砲、ほぼゼロ距離射撃となった砲撃は巣を直撃する。

 

参謀「大和発砲!」

 

ベルガミーニ「なんてことだ…状況は?」

 

 大和と巣は煙と爆炎に包まれ雲が晴れる。

 ベルガミーニは状況を聞く。

 参謀は急いで情報を搔き集める。

 するとレーダー手から報告が届いた。

 

レーダー手『ネウロイの反応消滅、飛行体確認、大和です』

 

参謀「そうか」

 

ベルガミーニ「参謀、私はこれを喜べばいいのか?それとも悲しめばいいのか?」

 

参謀「提督?」

 

ベルガミーニ「ヴェネチアの巣が破壊された、これは十分戦略的勝利だ。

       だが核兵器を使えなかったという事はそれだけで十分な戦略的、外交的敗北だ」

 

 ベルガミーニは極めて微妙な心境だった。

 核兵器の使用による外交的勝利、それを達成できなかっただけで十分な敗北とも言えた。

 するとレーダー手からの別の報告が届いた。

 

レーダー手『ネウロイの反応復活!』

 

参謀「何!」

 

ベルガミーニ「どうなってる!真コアタイプか!」

 

 ネウロイの反応が復活したことにベルガミーニは驚く。

 すると煙が晴れ巨大なコアが現れた。

 

参謀「なんですか…あれは…」

 

ベルガミーニ「デカいな…」

 

 するとネウロイは攻撃を開始、一発が戦艦グナイゼナウの艦首を直撃する。

 

ベルガミーニ「グナイゼナウが!被害報告!」

 

 すぐにグナイゼナウの損害を聞いた。

 

通信兵『報告!グナイゼナウ大破!1番砲塔より前部の艦首喪失!

    2番砲塔にて火災発生、現在注水中!』

 

レーダー手『こちらレーダー手!ネウロイの表面にIFF信号確認!

      坂本少佐です!』

 

 グナイゼナウの損害と同時にレーダー手からネウロイの表面に坂本少佐がいることが報告される。

 だがこれは最悪の結果だった。

 

ベルガミーニ「最悪だ…これじゃあ…」

 

参謀「クロスロード作戦が…」

 

ベルガミーニ「破綻した。我々が、やるしかない。

       陸軍などに任せるか、海軍のケツは海軍が拭く。

       全艦主砲装填弾種魔導徹甲!」

 

 クロスロード作戦が破綻した。

 このままでは作戦は不能だった。

 そうなれば残されたのは海軍の艦隊による攻撃だった。

 

ベルガミーニ「諸君、我々はレージャ・マリーナだ。

       ヴェネチア、ジェノヴァ、ピサの海洋共和国、そして地中海を制した古代ローマ帝国の艦隊の末裔である。

       地中海の覇者たる我々の強さを思い知らせてやれ。

       諸君、祖国のためエイヤ!エイヤ!アララ!」

 

「「エイヤ!エイヤ!アララ!」」

 

 ベルガミーニの演説に艦艇乗組員の士気は上がる。

 艦隊は巣を照準すると一斉に発砲した、だが弾は直前で制止する。

 

参謀「砲弾停止!」

 

ベルガミーニ「何が起きた!」

 

参謀「シールドです!恐らく坂本少佐の!」

 

ベルガミーニ「クソ、どうすれば…」

 

 ネウロイが坂本少佐の魔法力を使い弾を止めたのだ。

 その結果にベルガミーニは絶望する。

 だが参謀が名案を思い付いた。

 

参謀「提督!策はあります!」

 

ベルガミーニ「何?どんな策だ?」

 

参謀「魔法力を消耗させるんです。

   坂本少佐は上がり直前です、そんな大した量はないはず、ならば兎に角攻撃し続け魔法力が尽きるかシールドが脆くなるまで待つんです。

   そして脆くなったところを!」

 

 参謀の名案、それは攻撃し続け魔法力を消耗させ、脆くなったところを一斉に攻撃する案だった。

 この状況ではそれが最善の案だった。

 

ベルガミーニ「そうか!501に問い合わせろ!坂本少佐の魔法力を!」

 

参謀「は!」

 

---------

 

 その頃、501はというと。

 

ハルトマン「シールドだ!」

 

バルクホルン「ネウロイがシールドを張った!」

 

シャーリー「嘘だろ…」

 

ニコ「ん?あのシールドって…」

 

宮藤「扶桑のシールド!」

 

ミーナ「間違いないわ!ネウロイは少佐の魔法力を利用しているのよ!」

 

 ウィッチ達はネウロイがシールドを使ったことに驚いていた。

 すると後ろから銃の装填する音が聞こえ振り向いた。

 そこにはPPSh41とMP40に弾を装填、拳銃を用意していたハインツとミラーがいた。

 

ハインツ「ミラー、やるしかないか」

 

ミラー「ええ、少佐」

 

シャーリー「ハインツ…何をするんだ?」

 

 その殺気立った雰囲気にシャーリーが聞いた。

 

ハインツ「決まってるだろ?彼奴を始末する。

     ネウロイでも味方の砲撃でもなく仲間の銃撃で楽にしてやるのがせめてもの情けだ」

 

シャーリー「ハインツ!正気か!?なんで少佐を殺すんだよ!なあ!」

 

 シャーリーはハインツにつかみかかる。

 それにハインツは冷静に答えた。

 

ハインツ「シャーリー、いいか、このままだと全滅か逃げるしかできない。

     ならば坂本を始末してシールドを貼れなくしたところに砲撃をぶち込む、それが最善だ。」

 

リーネ「それ以外にないんですか?」

 

ミラー「リーネ…ない。

    誰かが坂本少佐を始末しないと」

 

ハインツ「ああ、だから俺達がする。

     あんたらの手は綺麗でいろよ、俺たちが今から一人殺したって大したことない」

 

 リーネの問いかけに二人は冷静に答えた。

 他のウィッチも理性ではこれが最善だとわかっていたが仲間を殺すという現実を直視できるわけがなかった。

 

宮藤「そんな…」

 

ペリーヌ「少佐を…」

 

 ウィッチ達に絶望が広がる中突然無線が届きハインツが答えた。

 

ハインツ「はい、こちら501。

     はい?坂本少佐の魔法力?もう飛ぶだけで限界でしたが…

     あ、はい。では」

 

ミーナ「ハインツさん、なんだったの?」

 

 ミーナが内容を聞いた。

 

ハインツ「ああ、坂本少佐の魔法力はどのぐらい残ってるんだって聞いてきたから答えただけだ。

     何おっぱじめようって言うんだ?」

 

 ハインツが答えると艦隊の方を見る。

 すると艦隊は進路を変え巣へと向かっていった。

 

---------

 

チーマ「主砲装填!弾種タイプ3!」

 

砲術長「タイプ3装填!VT信管!レーダー連動射撃!」

 

ベルガミーニ「よし、撃て!」

 

 艦隊では進路を変え巣に向かうと砲撃が開始された。

 全艦艇が一斉に発砲するとシールドを張る直前に炸裂、多数のシールドが発生する。

 それこそが狙いだった。

 

ベルガミーニ「いいぞ!出し惜しみは無用だ!撃ちまくれ!」

 

チーマ「第二斉射急げ!」

 

 艦隊は一列に並び両翼から浴びせ続ける。

 その攻撃はあまりにも激しく周囲にいた子機の大半が次々と吹き飛んでいきネウロイは反撃さえできなかった。

 

---------

 

ヤン「艦隊はいったい何を…」

 

ハインツ「恐らくあれだ、兎に角坂本の魔法力を消耗させて消耗しきったところを一気に攻撃する気だろう。

     まあそれがいつになるかは知らんが。

     ネウロイの方も砲撃が強すぎて反撃できないみたいだし」

 

 遠くで艦砲射撃を行う艦隊を見るヤンの質問にハインツは双眼鏡を覗きながら答える。

 その砲撃は圧巻でネウロイは反撃さえできず動きを封じられていた。

 するとふとハインツがあることに気が付いた。

 

ハインツ「なあ、ここからだと坂本がユニットを履いているようには見えないんだが…」

 

ミーナ「それって…」

 

ハインツ「破壊した瞬間地面に真っ逆さま…

     不味くね?」

 

 坂本がユニットを履いているように見えなかった。

 これが意味することは簡単だった、巣を撃破した瞬間地面に真っ逆さまである。

 

ミーナ「不味いわね、とりあえず向かいましょう。」

 

ハインツ「ああ、宮藤、シャーリー、ノヴァク、ニコ、急いで離陸しろ。

     とりあえず飛べるだけでいい、最低限の武器と医療品を持って艦隊が破壊する前に向かうぞ!」

 

「「了解!」」

 

 すぐにハインツとミーナは救助部隊を編成して離陸させ巣に向かった。

 

---------

 

 501が坂本の救助に向かった一方艦隊は砲撃を続けていた。

 水雷艇、駆逐艦、軽巡洋艦、防空巡洋艦、重巡洋艦、巡洋戦艦、戦艦の合計数百門の艦砲の連続射撃、さらに効果を上げるため艦隊は時限信管又はVT信管を使用することで命中する前に炸裂し破片を増やしてシールドの数を増やす方法で魔力の消耗を強い続けた。

 大型の砲弾が一発炸裂すれば多数の断片、危害を与える破片だけで数百個以上発生する。

 それ一つ一つにシールドを張れば膨大な数になる。

 それが同時に数百個も発生するのである。

 仮に一つの砲弾から発生した破片の数が100個だとしてそれが同時に200発くれば100^200個という天文学的数字となるのである。

 そうなれば魔法力の消耗の速度は極めて早く砲撃開始から僅か30分程でシールドの強度の低下が見え始めた。

 そして一発の砲弾がシールドを突き破るとコアの表面付近で炸裂する。

 

ベルガミーニ「よし、行ける!全艦隊に下令!全戦艦は魔導徹甲弾を装填しコアを攻撃せよ、繰り返す魔道徹甲弾を装填しコアを攻撃せよ。

       これで決めるぞ!」

 

参謀「了解!」

 

チーマ「了解、主砲装填、弾種魔道徹甲弾!」

 

 それを見るとベルガミーニはトドメを刺すことにした。

 すぐに艦隊の全戦艦が主砲に魔導徹甲弾を装填する。

 3分程して全艦が主砲を装填し終わると無線のマイクを手に取り直接命令した。

 

ベルガミーニ「これで全てを決めるぞ、撃て」

 

 最後の攻撃命令とは思えないほど小さく、そして冷淡な命令を下すと船体が轟音と爆炎と共に大きく揺れる。

 それは艦隊の全ての戦艦で同じだった。

 全ての、16隻の戦艦から放たれた巨弾はネウロイのなけなしのシールドをいとも容易く貫きコアの表面を突き破るとコアの内部で次々と炸裂する。

 その強烈なエネルギーはコアの表面を突き破り爆炎と轟音がネウロイを包んだ。

 そして数十秒後煙が晴れるとそこにはネウロイなどなく海面に落下するネウロイの破片、ネウロイ化が解けた大和、そして地面に落ちて行く坂本以外なかった。

 

参謀「提督」

 

ベルガミーニ「ああ、終わった。全てが終わった。

       ローマに連絡、戦闘終了、巣は海軍によって破壊せり。

       イタリア万歳。」

 

 ベルガミーニは被っていた軍帽を脱ぎ汗を拭うとローマへの通信を命じる。

 

ベルガミーニ「追伸、今後はウィッチ部隊への統制の強化、又は再編成を求める。

       ウィッチ部隊は命令無視の嫌いあり、本官はそれが今後の重大なる懸念と憂慮する。」

 

 ベルガミーニは最後にこの様な事態に至った最大の原因を伝えた。

 

ベルガミーニ「ウィッチ部隊、戦略的価値はあれど戦略そのものを無視した行動をする部隊。

       連合軍上層部の無能怠惰が癌ならばあれは我々の糖尿病だ」

 

 ベルガミーニは窓から外で坂本を助けるウィッチ達を憎たらしそうな目で見ながら呟いた。

 




ちなみにエイヤ!エイヤ!アララ!とはファシスト政権期の掛け声です。
元々古代ローマの掛け声を「英雄詩人」ガブリエーレ・ダンヌンツィオが再興してファシスト政権が広く使った。

奇跡なんてクソ食らえ!燃える展開なんでごみ箱に捨てろ!軍事的に正しい作戦こそ正義!(最低)
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