WWⅡウィッチーズ   作:ロンメルマムート

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まあ色々ある回。

ちなみにニコはアフリカ、ヤンは東部戦線にいます。


第2話:再会

 それから一時間少々経った後、サン・トロン郊外の田舎道を一台のハンバースナイプが黒いベレー帽を被った運転手の運転でイェジーとその副官を乗せて走っていた。

 

副官「閣下、いいのですか?」

 

イェジー「ん?構わんだろ?クレームを一つつけるだけだ。

     それに君も知っているだろ?あそこには彼奴がいるんだ」

 

 書類を確認しているイェジーに副官が聞くと答えた。

 

副官「成る程、そういうことですか。」

 

イェジー「ああそういう事だ。」

 

 その答えに納得したようだった。

 するとその横を一台のルノーAHNトラックと護衛らしき空軍兵士を乗せたKfz.702台が通過した。

 

副官「なんでしょうか?」

 

イェジー「補給車両じゃないか?」

 

 追い越された二人はそれを気にも留めなかった。

 一行はしばらく走るとチェックポイントに到着するとフリーガーヤッケを着てKar98kとM1903を持ち規格帽を被った空軍兵士に止められた。

 

空軍兵士「止まれ!身分証を」

 

イェジー「あいよ」

 

空軍兵士「えーと、准将閣下でしたか、これは失礼を」

 

 空軍兵士はイェジーから受け取った身分証を確認しブリタニア軍の将軍だと分かると敬礼する。

 イェジーは返礼すると声をかける。

 

イェジー「いや、それが君たちの仕事だからな。

     相手が元帥でもちゃんとやってくれよ」

 

空軍兵士「は」

 

 会話が終わると車が発進し基地の正面玄関に車を止めると大声で叫んだ。

 

イェジー「おい!誰かいるか!」

 

ミラー「はい、なんでしょうか?…失礼しました!

    何の御用でございましょうか?准将閣下」

 

 すると通りがかったミラーが応対するが階級章を見てすぐに敬礼する。

 

イェジー「うむ、今すぐ基地の司令に会わせてくれ」

 

ミラー「その、面会のご予約は?」

 

イェジー「そんなものしていない。

     ただここの基地のウィッチに私の部隊の兵士が酷い目に遭ったから抗議しに来た」

 

 ミラーの質問に堂々と答える。

 ある種のクレーマーだが問題は彼が将軍であった、そのため無碍にもできずとりあえず会わせることしかできなかった。

 

ミラー「分かりました、指令室にご案内します」

 

---------

 

 その少し前、基地では

 

ミーナ「久しぶりにいい訓練ができたわ。

    それにしても夜戦向けの一撃離脱だけじゃなくて格闘戦も上手なのね」

 

ハイデマリー「いえ、中佐が相手ですとどこから近づいても躱されてしまうので仕方なく…」

 

 ミーナが訓練でのハイデマリーの動きを褒めるがハイデマリーは謙遜する。

 

ハインツ「そんな謙遜するな、ツェルシュテーラーでドッグファイトなんで余程腕に覚えのある奴以外自殺行為だ。

     俺だって絶対にドッグファイトなんてせずにずっと一撃離脱しかしてなかったぞ」

 

 すると横から書類を持ってきたハインツが言う。

 ハインツは駆逐機乗りであるため駆逐機で格闘戦をすることの難しさをよく理解していた。

 

ミーナ「ふふ、同じストライカーなら私の方が危なかったわ。

    ハインツさん、書類持ってきた?」

 

ハインツ「はいよ」

 

 ミーナがハインツに聞くとハインツは持ってきた書類を渡した。

 ミーナはそれを受け取るとサインしてハイデマリーに渡す。

 

ミーナ「はい、これで引き継ぎは完了。今後は貴方も私達の指揮下に入ってもらうわ」

 

ハイデマリー「了解です」

 

 ハイデマリーは書類を受け取ると返事をする。

 501解散後ミーナ達はベルギカ南部でアルデンヌ地方の北サン・トロンに配備された。

 この位置ならば丁度アルデンヌ地方北部とベルギカ、それにネーデルラント南部をカバーできる拠点であり今後行われる頂上作戦ではこの辺りは北部のネーデルラントから北部カールスラントに入る部隊と中央部で突進する部隊の側面をカバーする任を担う予定だった。

 

ハインツ「すまんな、基地に押しかけてあんたの部隊を吸収して」

 

ハイデマリー「構いません。最前線の戦力強化は重要ですから。

       お陰で私も溜まった書類をセダンの司令部へ提出できます」

 

 ハインツが謝るがハイデマリーは何も思っていなかったようだった。

 それどころか人員が増えたため余裕ができていた。

 するとハインツが何かを思い出した。

 

ハインツ「そういやセダン行くのか?」

 

ハイデマリー「はい、一応車で」

 

ハインツ「なら輸送機で言ったらどうだ?地上は面倒だぞ。

     アルデンヌ地区は全体的に不安定だ。

     最近はザンクト・フィート周辺で土砂崩れが頻繁に起きて結構な割合で不通、それに全域でゲリラだ。

     輸送機ならひとっ飛びだ」

 

 するとハインツはアルデンヌ地方の情勢を解説して陸路は危険だと言う。

 というのもまずアルデンヌはゲリラが跳梁跋扈しその上最近はどういうわけか局地的な地震や土砂崩れ、崖崩れ、地割れ、地下水の汚濁、地下水の漏出などが頻発しただでさえ悪い道路事情が悪化しつつあった。

 そこでハインツは毎日セダン経由でパリから物資等を運んでいた定期便のC-47を勧めた。

 ハイデマリーもここまで言われればそちらの方がいいと納得した。

 

ハイデマリー「では輸送機にします。」

 

ハインツ「そうした方がいい、言っておくがセダン行きの輸送機は1時間後には出るから気をつけろ」

 

ハイデマリー「分かりました、準備のため失礼します」

 

 ハインツが飛行機の時間を伝えるとハイデマリーは部屋を出て行った。

 すると入れ替わりで慌てた様子でミラーが入ってきた。

 

ハインツ「どうした?」

 

ミラー「ブリタニア軍の准将が面会を求めてます」

 

ハインツ「面倒だ、追い返せ」

 

ミラー「それが、流れ弾で部下が酷い目に遭ったらしくその抗議らしいです」

 

 ハインツが面倒だと直感し追い返そうというがミラーの説明に無理だと即理解した。

 

ハインツ「あー、なら仕方ないな。

     とりあえず通して穏便に話し合おう、とりあえずその准将を案内したらあのバカ二人を呼んで来い」

 

ミラー「分かりました」

 

 ハインツが決めるとミラーは案内するため部屋を出て行った。

 

ミーナ「はぁ、面倒なことになったわね…」

 

ハインツ「あーあ、めんどくさいなぁ…」

 

 二人はミラーが出ていくと急いで部屋を片付けるとソファに座って愚痴る。

 するとドアがノックされミラーの声が聞こえた。

 

ミラー「ミラー少尉です、准将閣下をお連れしました」

 

ミーナ「どうぞ」

 

 ミーナが答えるとミラーの後にブリタニア軍の将軍が入ってきた。

 ミーナとハインツは彼に敬礼する。

 

イェジー「うむ、座ってくれ。

     自己紹介がまだだったな、イェジー・ノヴァク、第1義勇装甲師団ドンブロフスキ師団長だ」

 

ミーナ「ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐です。

    この度はうちの部下がご迷惑を」

 

 自己紹介するとミーナが早速謝罪した。

 

イェジー「ああ、全くだ。

     森の中で釣りをしようとしたらウィッチに副官ともどもペイント弾で染め上げられたんだからな」

 

ハインツ「これは失礼を!今当事者を呼んでますので座ってお待ちください」

 

 ハインツはイェジーに座るのを促す。

 イェジーはそのまま二人の対面に座ると当事者を待った。

 そしてすぐにドアがノックされた。

 

ミラー「バルクホルン大尉とノヴァク中尉を連れてきました」

 

ミーナ「どうぞ」

 

バルクホルン「失礼します、ゲルトルート・バルクホルン大尉であります」

 

ノヴァク「アレクサンデル・ノヴァクちゅ…」

 

 二人は部屋に入ると敬礼して自己紹介するがノヴァクは目の前にいる人物を見て驚いた。

 そして衝撃的な言葉をつぶやく。

 

ノヴァク「親父?」

 

「「え?」」

 

バルクホルン「親父って…まさか!アレックスのお父さん!?」

 

 その言葉に一同驚愕する。

 彼、イェジー・ノヴァクはノヴァクの実の父親だった。

 

イェジー「久しぶりだな、アレック。

     6年振りか?少しは連絡ぐらいよこせよ親不孝者が」

 

ノヴァク「親父…うぅぅ…」

 

 するとノヴァクは隣のバルクホルンに抱き着いて泣き始めた。

 バルクホルンはノヴァクの背中を黙ってさする。

 だがその光景に大半が理解できていなかった。

 

ハインツ「えーと、准将閣下、ノヴァク中尉と閣下は実の親子という事でしょうか?」

 

イェジー「まあな、6年振りの再会がペイント弾で染め上げられる相当酷いものだったがな」

 

ミーナ「そ、そうですか…」

 

 イェジーが大まかな説明をしてやっとミーナやハインツは理解した。

 その間もノヴァクはバルクホルンに抱かれて泣いていた。

 

イェジー「我が息子、何時まで泣いてるんだ?

     泣いてる間に明日になるぞ」

 

ノヴァク「ぅう…親父…親父なんだよな?」

 

 イェジーは泣き止まないノヴァクに声をかけるとノヴァクは涙声でイェジーに聞いた。

 

イェジー「そうだ、それより先に言うことがあるだろ?

     6年まともに連絡を寄こさなかった事、俺をペイント弾で染め上げて折角の新品の軍服を台無しにした事、俺の知らない間に結婚してた事」

 

ノヴァク「親父…ごめん、知らなかったんだ、親父がこっちに来てたなんて」

 

 イェジーの言葉にノヴァクは謝る。

 それにイェジーは笑顔になる。

 

イェジー「なに、こっちだってお前が来ていることはシコルスキ将軍からずっと前から聞いていたが連絡を寄こさなかったからな。

     まあそこは怒ってないが正直一番怒ってるのが勝手に結婚しただろ?」

 

ノヴァク「親父が何でそれを?」

 

イェジー「結婚指輪をつけてるだろ、相手はどこの誰だ?」

 

 イェジーはノヴァクの婚約指輪を見ながら聞いた。

 彼はノヴァクが実の父親に話もせずに結婚しようとしていることに怒っていた。

 

ノヴァク「親父、まだ結婚はしてない。

     これは婚約指輪だ」

 

イェジー「そうか、とりあえず結婚式には出れそうだな。

     で、相手は?」

 

ノヴァク「それは…」

 

 イェジーはまだ婚約だと知って安心し相手を聞く。

 ノヴァクは隣に立つバルクホルンを見るとバルクホルンが答えた。

 

バルクホルン「私です、お義父さん。」

 

イェジー「彼女かね?」

 

ノヴァク「ああ、ゲルトルート・バルクホルン、大尉で上司で婚約者。

     トゥルーデ、イェジー・ノヴァク、親父だ」

 

 ノヴァクがバルクホルンを紹介する。

 バルクホルンは手を伸ばしイェジーと握手する、

 

バルクホルン「よろしくお願いします、お義父さん」

 

イェジー「ああ、これからよろしく。

     アレック、いい子じゃないか」

 

 握手しながらノヴァクに言う。

 ノヴァクは照れて頭をかく。

 

イェジー「まあ、そこに座ってくれ、ミーナ君たちはちょっとどいてくれたまえ」

 

ミーナ「わ、分かりました」

 

 イェジーは二人を対面に座らせるためミーナとハインツを立たせる。

 気が付けばクレームどうこうではなくただの親子の話し合いになっていた。

 

イェジー「まあいいだろう、ところでいくつかね?

     レディーに年齢を聞くのは無礼だと分かってるが家族になるんだ、そのぐらいは聞いておかないと」

 

バルクホルン「19です、お義父さん」

 

 するとイェジーはバルクホルンに色々聞き始めた。

 

イェジー「そうか、出身は?」

 

バルクホルン「カイザーベルク、そちらで言うとケーニヒスベルクです」

 

イェジー「ドイツ人か、家族はいるのか?」

 

バルクホルン「入院中の妹が一人、それ以外は…」

 

イェジー「その先は言わなくていい。苦労したんだな。

     とりあえず一番最後に聞きたいんだが、信仰は?」

 

 最後にイェジーがバルクホルンに信仰を聞いたがそれにバルクホルンとノヴァクは顔を見合わせる。

 

バルクホルン「それが、特にそういうのはないです」

 

イェジー「つまりは無神論者か?」

 

バルクホルン「いえ、そういうわけでは…」

 

イェジー「アレック、ドイツ人でも6歳年下でも宗派が違っても文句はつけないつもりだがこの全部だと?

     私は結婚を認めん、当たり前だ。

     カトリックでないドイツ人と結婚など断じてあり得ん!」

 

 イェジーはきっぱりと反対を表明する。

 彼にとってはカトリック以外でもドイツ人でも年の差でも別に文句はなかったがそれが全部そろえば話は別だった。

 

ノヴァク「親父!なんでだよ!そもそもこの世界にはキリスト教なんてないんだぞ!」

 

イェジー「それでもだ!ましてやウィッチだ!

     魔女だ!神の御心に反するのだぞ!

     私は認めん!魔女は悪魔だ!」

 

ノヴァク「このクソ親父!」

 

 頑なに認めないイェジーにノヴァクは立ち上がるとイェジーを殴り飛ばした。

 イェジーはそのままソファーごとひっくり返る。

 

イェジー「実の父親を殴るとはなんだ!このバカ息子が!」

 

ノヴァク「俺のことはどうでもいいがトゥルーデの事は話が別だ!」

 

 それにキレたイェジーは立ち上がるとノヴァクにアッパー食らわせる。

 そのまま二人は殴り合いの喧嘩を始めた。

 

ミーナ「トゥルーデ!今すぐ二人を止めて!」

 

ハインツ「如何にかしろ!」

 

バルクホルン「アレックス!やめろ!」

 

ノヴァク「トゥルーデ放せ!あのクソ野郎の息の根を止めてやる!」

 

 すぐにバルクホルンはノヴァクを羽交い絞めにして止める。

 するとイェジーがそれを見てノヴァクに言った。

 

イェジー「いいだろう、アレック、少し試してみた。

     ゲルトルート君、さっきはすまないな、ちょっと挑発するつもりだったんだ。

     いいだろう、結婚を認めよう」

 

ノヴァク「え、いいのか?」

 

イェジー「ああ、彼女の事を愛していることはよく分かった。

     ただし、彼女が20歳になってからな」

 

 そもそもが演技であった。

 彼自身は古臭いカトリック原理主義でもなければ頑固者でもなかった。

 認めなかったのはノヴァクがどれだけバルクホルンを大切にしているかを見定める演技だったのだ。

 それを聞いたノヴァクは力が抜けたように倒れバルクホルンが支える。

 

ノヴァク「はぁ、よかったぁ…トゥルーデ、これでちゃんと結婚出来るな」

 

バルクホルン「ああ、やったなアレックス。」

 

 そう言うと二人はキスする。

 するとドアが開いた。

 

ハルトマン「ミーナ!ウルスラが来たよ!って…」

 

 ドアが開くとハルトマンとその後ろからウルスラが入ってきた。

 だが部屋の中の状況を見て引く。

 なぜならソファーが一つひっくり返り顔を殴られたのか頬が赤いブリタニア軍の将軍が微笑みながらキスするバルクホルンとノヴァクを眺め、いちゃつくノヴァク達の横でミーナとハインツが苦笑いしていた。

 

ハルトマン「何があったんだろ…」

 

 その光景を見ながらハルトマンが嘆いた。




はい、イェジー・ノヴァク准将はノヴァクのお父さんです。
やったねトゥルーデ、お義父さんができたよ


軍事要素はないけど劇場版の要素に気が付いたかな?
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