だってエーゲ海の女神はエーゲ海の最貧戦線だしアルンヘムの橋はお気に入り戦争映画3つ(遠すぎた橋、プライベート・ライアン、1944エストニア戦線)のミックスにRSIの新キャラだから…
ぶっちゃけEMTとかどうでもいいです、はい。
ハルトマン「へぇ、トゥルーデのお義父さんねぇ」
ウルスラ「おめでとうございます、大尉」
それから少ししてバルクホルン、ハルトマン姉妹、ハインツ、ミラー、ノヴァクは格納庫にいた。
バルクホルンとノヴァクはハルトマン達にさっき起きた事を説明していた。
バルクホルン「まだ結婚が決まった訳じゃない。
よしてくれ」
ハルトマン「そういえばウルスラトゥルーデ達にもお土産があるんだよね?」
ウルスラ「はい」
ハルトマンがお土産の事を思い出し話題に出す。
ウルスラはすると小包に入った一着の服をバルクホルンに渡す。
ウルスラ「大尉にはこれを」
受け取ったバルクホルンは中身を取り出し顔を赤らめる。
バルクホルン「こ、これは一体…」
中身はフリルの多数ついた赤と白の服だった。
ミラー「ああ、これって、ディアンドルだよね」
それにオーストリア出身のミラーが反応した。
彼にはディアンドルは見慣れたものだった。
ウルスラ「そうです、ディアンドル、南カールスラントの伝統衣装です。
大尉にお似合いだと思いまして」
バルクホルン「そ、そうか…アレックス、似合うと思うか?」
バルクホルンは苦笑いしながらノヴァクに見せる。
するとノヴァクは即答した。
ノヴァク「絶対似合う」
バルクホルン「ほ、本当か?」
ノヴァク「本当だ、絶対絶対似合う」
バルクホルン「な、なら着てみるか」
ノヴァクに褒められバルクホルンは簡単にその気になってしまった。
続いてウルスラは更にラッピングされた瓶と箱を出した。
ウルスラ「ハインツさんにはこちら、キューバ産の葉巻です。」
ハインツ「おお、ありがとう!
スゲェミラー、見ろよこれH.アップルマンだぞ」
ミラー「え?あの高級ブランドのですか?」
ウルスラのハインツへの土産はキューバの葉巻H.アップルマンだった。
H.アップルマンはキューバ産葉巻のブランドの中でも最古参の部類に入りヨーロッパ市場では最も人気のブランドでもあった。
その名は葉巻が高いせいであまり吸わないハインツとミラーでもよく知っていた。
ウルスラ「で、ミラーさんにはこちら、ノイエカールスラントワインです」
ミラー「ありがとうございます。
ワインですか、品質とかはどうなんですか?」
ウルスラのミラーへの土産はワインだったが史実でもアルゼンチンワインの品質についてはあまり聞いていない上にそもそも市場に出回らないためミラーは品質を疑いウルスラに聞いた。
ウルスラ「大丈夫です、見かけ以上に品質はいいですし味も見劣りしませんよ。
赤ワインは肉料理とよく合うそうです」
ミラー「へぇ、そうなんですか」
アルゼンチンワインは史実でも高い品質を誇りアルゼンチンそのものの経済の悪化から1930年代から90年代まで停滞こそしていたものの品質は折り紙付きであり特に牛肉とよく合うことで知られていた。
ふとハインツはあることを思い出した。
ハインツ「ところで、あんたなんで来たんだ?」
ウルスラ「はい、この子のテストです」
バルクホルン「これは!」
そう言うとウルスラは台に置かれていた布を取り去る。
そしてその下からある特徴的なユニットが姿を現した。
ハインツ「成程ね、Me262。
まあいいんじゃないか?ジェットだろ?
欠陥は勿論修正済みだよな?」
それはMe262だった。
ハインツはまず欠陥が修正されたかを聞いた。
ウルスラ「はい、Hs214に代わってJuma004を…」
ハインツ「ああいい。別に詳しい事は説明したところで分かるわけない。」
ノヴァク「要はもう起きないんだな?」
ウルスラは詳しい説明を始めるがハインツにとっては少しも分からないためすぐに止めた。
そしてノヴァクが要約する。
ウルスラ「はい、それで今回も大尉に履いてもらおうかと」
ハルトマン「ダメダメダメダメー!絶対履いちゃダメー!
前にアレで酷い目に遭ったじゃん!忘れたの?」
ウルスラの言葉にハルトマンが反応し強く反対する。
ハルトマンは前回の大失敗をよく覚えていた。
ハインツ「別にそのトラブルは解決済みなんだから問題ないだろ」
バルクホルン「ああ、もう起きないなら断る理由がない。
大体テストをするのは私でお前じゃないだろ!」
ハルトマン「ふん、ミーナは許可しないよ」
未だ前回の大失敗をハルトマンはジェットを信用していなかった。
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ミーナ「許可します」
ハルトマン「なんで!」
数分後、指令室でイェジーと話していたミーナにハルトマンが乱入してテストの事を話したがミーナは即許可した。
ミーナ「ジェットストライカーの早期実用化はカールスラント奪還のため重要な事だと思うの。
それに先ほどパリから電報が来て正式にテストが依頼されたの」
ハインツ「まあ新兵器の開発でトラブルは避けられんぞ。
飛行機だってライト兄弟だかラングレーだかが作るまで一体何人が挑戦して失敗したか。
トラブルを洗い出してそれを改善するために彼奴は来たんだ。
ジェット自体限界が見えてるレシプロに近い将来、本当に5、6年ぐらいで実戦機は殆ど取って代わられるんじゃないかな?」
サン・トロンにはパリからリュッツオウ大佐とヴィルケ中佐名義でテストの件に関する命令の電報が届いていた。
さらにハインツはハルトマンの後ろに立ってジェットの将来性を語った。
ハルトマン「ミーナは心配じゃないの?」
ミーナ「大丈夫、前回のテストの経験値から例え不具合が生じてもトゥルーデなら対処可能な筈よ。」
ハインツ「ああ、能力を疑ってどうするんだ?」
ハルトマン「でもさぁ…」
それでもハルトマンは疑っていた。
するとそのやり取りを黙ってみていたイェジーが声を上げた。
イェジー「ところで、ジェットとは何かね?飛行機の事はよくわからんのでな。
何分騎兵将校上がりだからな」
イェジーは3人のやり取りは少しも分からなかった。
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それから少しして基地の滑走路上でテストが開始された。
バルクホルンはMe262を履き、Mk214を装備してエンジンを起動する。
ウルスラ「改めて注意点ですが、離陸に必要な速度に達するまで無理なスロットル操作をしない事、エンジンストールの危険があるので急加速や急旋回は避けてください」
バルクホルン「了解した。
発進!」
エンジンが離陸滑走可能な出力が出るまでの間ウルスラはバルクホルンに注意点を説明する。
説明が終わるとバルクホルンは離陸滑走を開始する。
ハルトマン「滑走距離長いなぁ…」
ウルスラ「適正な魔法力の運用を行うように改良したので離陸に必要な速度に達するまで時間が必要です」
滑走距離が長い事をハルトマンが指摘するとウルスラが説明する。
そもそもジェット自体レシプロ以上のパワーを出せるがその分機体にかかる負荷が増すため機体自体の構造が強化され、更にそもそもジェットエンジン自体が非常に重い、例えば現代で最も普及したターボファンエンジンの一つであるCFM56の乾燥重量は2366㎏、約2トンもの重量があった。
それを使用するボーイング737はサイズではB-29とほぼ同じながら機体重量ではB-29の約32トンより10トン近く重い約41トン、更にジェット自体レシプロと違い急な推力変化を行えない構造上の理由もあった。
ハルトマン「上昇速度も悪いね」
ウルスラ「そうですね」
ハルトマンは上昇速度が遅い事にケチをつけるがそもそもMe262は初めてのという枕詞が付くようなものである。
当たり前だが初めてという枕詞が付くものは技術的にも未熟である(一部では初めてが技術的にも完成されすぎて長く使われるものもある、FT-17やブローニングハイパワー、BAR辺りはその代表例)
その間にバルクホルンは旋回するがその旋回半径は非常に大きかった。
ハルトマン「あんなに大きく回ってる、旋回性悪いなぁ」
ハインツ「重戦闘機はあれに足が遅いもつくぞ。
速いだけマシだ」
ウルスラ「姉さま、先程説明した通りジェットとはそういうものなのです」
ハルトマン「なんだよ!そういうものって!」
ハインツ「あれだろ?ジェットは根本的に違うものでありレシプロの脳味噌のままでは地面にキスするだけだって。
これからはより速く、より高く、より遠くで戦闘が起きる、ドッグファイトは無くならないだろうが数が減り一撃離脱がメインになるだろうな。」
ウルスラ「そうです、ドッグファイトから一撃離脱戦に代わるのです。」
ウルスラとハインツの説明にハルトマンは不機嫌になる。
ハインツは元々一撃離脱以外では戦闘機相手に鴨である駆逐機に乗っていたからこそジェットの戦闘スタイルには理解があった。
その間にバルクホルンは彼らの上空を猛スピードで通過する。
イェジー「おお、速いな」
ミーナ「一度速度に乗れば流石の速さだわ」
その速度にイェジーとミーナは驚いていた。
バルクホルン『こちらバルクホルン、前回と同じ速度で飛んでいるが魔法力の過剰消費は感じられない!
いけるぞこれは!」
ハルトマン「チェ」
バルクホルンの報告を聞いてハルトマンは不機嫌だった。
通信手「現在速度800キロに到達、射撃試験に入ってください」
バルクホルン『了解!』
続いて通信手が射撃試験を行うよう指示する。
バルクホルンはすぐに近隣のドンブロフスキ師団が編成中のサン・トロン演習場の砲兵射撃標的に向かう。
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砲兵将校「射撃中止!射撃中止!」(ポーランド語)
その頃演習場では砲兵部隊がBL5.5インチカノン砲の射撃訓練中だったがバルクホルンが使うため射撃中止を命じる。
砲兵は射撃をやめると観測班は目標の観測を続ける。
次の瞬間標的に数発の砲弾が着弾する。
砲兵観測班「観測班、目標全弾外れ、夾叉せず」
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その報告はすぐに基地に届いた。
ハルトマン「全部外れてるじゃん」
ウルスラ「出力制御によって反動吸収が難しくなったためと思われます」
ミーナ「まだ実戦には使えないわね」
ハインツ「ああ、あれならミラーのBK-5で十分だしそもそもピーキーだ。
30ミリで十分じゃないか?」
その様子にハインツは命中率の低下からMk214よりMk103で十分だと考えた。
ただでさえミラーのBK-5が大型・中型以外や長期戦に対して圧倒的不利というピーキーな性格から持て余し気味だった以上わざわざ使用するメリットも薄かった。
しばらくするとバルクホルンが着陸する。
ハルトマン「ほーら、いったとおりじゃーん。
ジェットなんてダメだって」
バルクホルン「いや、前回あった異常個所は改善されている。
欠点はあるが補って余りあるパワーだ。
だが、命中精度が致命的に悪い、ただでさえミラーのBK-5でも相当ピーキーだ。
だったらMk103の方がいいだろう」
ハインツ「それだよな、50ミリとMe262は致命的なほど相性が悪い。
ウルスラ、今度からはMk103にしといてくれ」
バルクホルンとハインツは二人共50ミリ砲がMe262に対して非常に相性が悪いと指摘する。
実際ミラーの戦闘スタイルはハインツが観測手として50ミリの長射程を生かした戦術が大半であった。
その点高い機動力で敵に接近して撃ち込むMe262は長い砲身もあって明らかに相性が悪いと言えた。
ウルスラ「分かりました。次からはMk103にしてみますね」
ハルトマン「ふぁああ。帰ろ」
するとハルトマンが妨害するかのように大きな欠伸をして邪魔すると基地に戻っていった。
ウルスラ「ところで、ツヴァイリンクの件ですがどうしますか?」
ハインツ「あれだが、正直メリットがないだろ。
性能表見てもMe410より飛行性能はいいみたいだが積載量も航続距離も劣ってる上に二人で運用なんて難易度高すぎないか?
却下だ。兵器は総合性能と使い勝手、それに量産性が重要だって知ってるだろ?」
ウルスラはBf109の双子機化、ツヴァイリンクの件をハインツに相談するが即却下した。
ハインツには飛行性能こそMe410より良かったが総合的に見ればそこまでする必要の薄い機体であった。
ミーナ「ところで、准将閣下。
砲兵観測班と射撃場を貸してくださってありがとうございます」
その横でミーナはイェジーに射撃テストの件で感謝を伝えていた。
イェジー「いやいい。別に砲兵部隊も暇だからな。
そうだ、今度うちの部隊に遊びに来ないか?」
ミーナ「え?よろしいのですか?」
イェジー「ああ勿論。うちの部隊は野郎しかいないから君らのようなレディーが偶には来てくれないとストレスが溜まる。
それに陸空協同訓練というのもいいだろう、これからは陸軍が地上を這いずり回る時代じゃない、空と協力して動いてこそ目標を達成し勝利を得れる。
違うかね?
ミーナ「その通りですね、では検討させていただきます」
イェジー「ああ、返事は早くした方がいい、予定だと9月か8月半ばには前線に移動だ。
それまでは息子夫婦と仲良くしたいからそれなりに出入りすると思うがね」
イェジーはそばで楽しそうに話しているノヴァクとバルクホルンを見ながらつぶやいた。
サン・トロンの雷鳴さっさと終わらせたい…