謎のパトレイバー要素。
ぶっちゃけ熱い戦闘なんてクソ食らえ
後新キャラも少し
翌朝、バルクホルンとミーナは食堂で待ち構えていた。
バルクホルン「ミーナ、似合うと思うか?」
ミーナ「ええ、とっても似合ってるわよ。
きっとノヴァクさんも喜ぶわ」
なぜか顔を赤くしてミーナにバルクホルンが困惑気味に聞くがミーナは笑顔で答えた。
するとドアが開きノヴァクが入ってきた。
ノヴァク「おはよう、トゥルーデ…」
バルクホルン「お、おはよう、アレックス。
昨日ウルスラが持ってきたのを着てみたんだ、似合うか?」
バルクホルンはノヴァクに来ている服を見せる。
バルクホルンが着ていたのは昨日ウルスラから貰ったディアンドルだった。
それを着てノヴァクに見せてみたのだ。
するとノヴァクはゆっくり近づくとバルクホルンの両肩に手を置いた。
ノヴァク「似合ってる、とてもよく似合ってる。」
バルクホルン「そ、そうか…」
ノヴァク「ああ、ちょっと部屋にカメラ取りに行ってくる!」
バルクホルン「ちょ、アレックス!」
ノヴァクはバルクホルンに言うと制止の声を聞かずに食堂から飛び出して部屋に戻るとカメラを持って戻ってくるとディアンドルを着たバルクホルンを撮影し始めた。
そうしているとハインツとミラーが入ってきた。
ハインツ「ふぁぁ…Guten Morgen…何やってんだ?」
ミラー「Guten Morgen。え?」
二人は食堂で写真撮影をしているノヴァクとバルクホルンを見て呆れていた。
それはその直後に入ってきたハルトマンも同じだった。
ハルトマン「え?何やってるの?」
3人ともその状況に呆れていた。
するとバルクホルンが気が付いた。
バルクホルン「ハインツ!ミラー!ハルトマン!これは…」
ハインツ「ま、まあ似合ってるんじゃないかな…」
ミラー「え、ええ。お似合いですよ」
ハルトマン「変なの!」
ハインツとミラーは気を遣い褒めるがハルトマンは本音を言ってしまう。
それにバルクホルンは顔を真っ赤にし表情が固まる。
ノヴァク「そんなことない!似合ってる!」
ミーナ「ええ、似合ってるわよトゥルーデ」
ハインツ「そ、そうだ、な?ミラー」
ミラー「はい!とっても似合ってます」
何とかミーナ達はフォローしようとした。
そして少しするとバルクホルンは元の調子を取り戻して椅子に座ると朝食を食べ始める。
それに続いて他のウィッチも食べ始めた。
ハインツ「(はぁ、朝からとんでもないもの見せられた)」
ミラー「(ですね、まあこっちは朝からリーネから手紙が届きましたけど。)」
ハインツとミラーは小声で話をしていた。
するとミラーが一通の封筒を取り出した。
ミラー「ところで、これ見てください」
ハインツ「ん?どうした?」
ミーナ「何かあったの?」
ミラーが突然封筒を見せて声をかけた。
ミラーは封筒の中から一枚の写真を取り出し見せた。
ミラー「これ見てください」
ハインツ「ん?なんだ…これって!」
その写真を見たハインツは驚いた、その写真には戦闘機、マッキMC205ベルトロとペリーヌ、リーネ、それに地元の民間人らしき人数人が写っていたが問題はその塗装だった。
なぜか通常のイタリア社会共和国機の迷彩でもドイツ空軍機でもクロアチア独立国空軍機でもイタリア共同交戦軍でもなくエジプト王国空軍(REAF)機の塗装だった。
だがそのREAF機の塗装には少し違和感があった。
ハインツ「エジプト王国空軍機か?
いや、国籍マークが少し違うぞ、王冠は?」
というのも国籍マークが違っていた。
REAFの国籍マークは緑をベースとした白と緑のラウンデルで真ん中に三日月と星、そして左上に王冠が書かれていたがこの国籍マークは王冠が書かれていなかった。
ミラー「どうも我々が知っている歴史の少し後から来たようです。
1948年だそうです」
ミラーが衝撃的な事実を伝える。
するとコーヒーを飲んでいたノヴァクは吹き、ハインツはミラーを見る。
ハインツ「1948年?本当か?」
ミラー「ええ、1948年のシナイ半島、エジプト王国空軍第2飛行隊所属のマッキMC205Vベルトロ、だそうです」
この機は1948年エジプトのシナイ半島から飛ばされたというのだ、それに驚く。
彼らの知っている歴史はせいぜい1945年までだった。
するとノヴァクが聞いた。
ノヴァク「じゃあ乗ってるのはアラブ人か?」
ミラー「いえ、イタリア人らしいです」
「「は?」」
さらに驚く。
REAFならば普通はアラブ人だがこの機に乗っていたのはイタリア人だった。
もはや理解しがたかった。
ハインツ「イタリア人?なんでそこでイタリア人が出てくる?」
ミラー「どうも話によればイタリア社会共和国についた後、戦後パルチザンに祖国を追われて色々あってエジプト王国空軍に所属したようです」
ミラーが手紙に書かれたパイロットの事情を説明する。
そのパイロットはイタリア社会共和国(RSI)空軍(ANR)のパイロットで戦後パルチザンに追われ色々あった末にREAFに所属したようだった。
ハインツ「ふーん、で誰が来たんだ?」
ミラー「えーと、ユニオ・ヴァレリオ・レート、REAF少尉、元イタリア社会共和国空軍大尉、元ANR第Ⅰ戦闘航空群アッソ・ディ・バストーニ所属だそうです。
写真のペリーヌの横に立ってる頭に包帯を巻いた男らしいです」
ミラーは写真に写るペリーヌの横に立つ包帯を巻いた長身の口髭を生やした男を指さす。
この男こそユニオ・ヴァレリオ・レートだった。
ハインツ「こいつか?どう思う?」
ミラー「どうって言われても、会ってみない事には…」
ハインツ「だな」
するとドアが開きウルスラが入ってきた。
ウルスラ「おはようございます」
ハインツ「Guten Morgen」
ミラー「遅かったですね、こっちは朝食を食べ始めてますよ」
振り返ったミラーとハインツが挨拶する。
ウルスラ「はい、今朝少佐が頼まれていたMe262用のMk103が到着したのでその梱包を解いていました。」
ウルスラが朝食に遅れたのはハインツが前日にMk214よりMk103を推したため急遽近くの倉庫に置かれていたMk103を取り寄せていたからだった。
ハインツ「おお、早いな。
バルクホルン、飯食ったら早速やるか?」
バルクホルン「いいだろう」
ハインツ「それと、終わったら俺に使わせてくれ。
一回試してみたい、誰か他に試すか?」
ハインツはバルクホルンのテストの後Me262を試したかった。
ハインツ自身Me262の将来性を評価していたから興味を持っていた。
ミラー「興味はありますね」
ミーナ「いいじゃない、試してみましょう、ね?フラウ」
ハルトマン「ふん、ジェットなんていらないよ!今のBf109のままでも十分戦えるじゃん!」
ミーナやミラーは乗り気だったがハルトマンは断固として拒否した。
するとハインツがハルトマンに語る。
ハインツ「ハルトマン、本気で言ってるのか?
言っておくぞ、今兵器は日進月歩でこれまでにない程の速度で進化しているんだ。
もはや人類が人類の手で絶滅させることだってできる兵器だってあるんだ、それは飛行機もストライカーユニットも同じだ。
Bf109が言いユニットなのは認めるがそいつは設計が10年前だろ?
10年も経ってるんだ、近いうちに旧式化する。
その代わりになるのがジェットなんだ、ジェットは2、3年後の兵器でなく5年、10年後の兵器なんだ。
今からすればオーバースペックだが10年後には凡作だ。
前回のアレで嫌ってるのは分かるがジェットの有効性を認めたらどうだ?」
ハルトマン「でも…」
ハインツの正論にハルトマンは黙った。
ノヴァク「まあ、実際試してみてから言った方がいいんじゃないか?」
バルクホルン「ああ、試してみれば良さがわかると思うぞ」
さらにノヴァクとバルクホルンも勧める。
それにとうとうハルトマンは折れた。
ハルトマン「あーもう、分かったよ。
一回だけ、一回だけ試すよ」
ハルトマンがそう言った直後、基地内にサイレンが響き渡った。
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サン・トロンの北、ハッセルト、ベルギカ南防空司令部。
ここではネウロイの出現を受け警戒態勢が敷かれていた。
レーダー手「ネウロイ出現、グリッドラブ8、ハウ7、ヘディング280、高度12000、速度280ノット。
10分後にサン・トロン、1時間後にアントワープに到達します!」
司令官「アーヘンの防空司令部から連絡は来てないぞ、どうした?」
兵士「現在アーヘンに問い合わせ中ですが無線回線が不通です!」
彼らが混乱していたのはこの手前にあるアーヘン防空管区からの探知の連絡が来ていないことだった。
そのため司令官はアーヘン防空司令部に問い合わせていた。
副司令官「直通回線で司令部を呼び出せ、出るまで続けろ。
どこから来たんでしょうか?」
司令官「さあな」
だが無線が不通であり急遽通常の電話回線を使い問い合わせていたがこの地域の電話回線は戦前の民間の電話回線の転用であったため国際電話になるため交換には時間がかかった。
兵士「要撃隊上がりました、サン・トロンよりヴィルケ中佐のウィッチ隊です」
司令官「サン・トロンの第3高射砲軍団に発令、迎撃態勢を取らせろ。」
副司令官「は」
その間にサン・トロンからはミーナ達が出撃、更にサン・トロン地区の高射砲部隊である第3高射砲軍団に迎撃態勢を取らせた。
すると兵士が報告した。
兵士「アーヘン防空司令部、繋がりました!」
報告を受けた司令官は電話の受話器を取るとアーヘン防空司令部を問い詰める。
司令官「こちらハッセルト防空司令部、アーヘン、報告を受けてないぞ!
何?探知してない?」
アーヘン防空司令部『こちらのレーダーでは確認していません。
現在管区内の全レーダーを確認中ですが無線回線が不通です』
アーヘンはネウロイを探知していなかった。
世界最高峰の防空システムで探知できなかったのだ。
司令官「アーヘン管区の全防空設備を点検しろ、最優先だ!」
アーヘン防空司令部『は』
司令官「ネウロイが我々のレーダー網を潜り抜けたのか?」
副司令官「カムフーバーラインは完璧です。
バルト海から地中海までネズミ一匹逃しませんよ」
西部戦線の防空網は北はバルト海、南は地中海に至るまでの地域を完璧にカバーしていた。
それを潜り抜けたとは到底思えなかった。
司令官「ウィッチ隊の要撃はまだか!」
兵士「そろそろかと…」
司令官「絶対に撃ち落とせ、絶対だ!
このルートだとブリュッセル近郊も通過する!」
ネウロイの予想進路はサン・トロン、連合軍の補給の要所アントワープだけでなくベルギカの首都でこの地域の司令部が集中しているブリュッセル郊外も通過予定だった。
何としても迎撃しなければならなかった。
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その間にミーナ、バルクホルン、ハルトマン、ノヴァク、ハインツ、ミラーは離陸しネウロイに向かっていた。
ハインツが無線でハッセルトの防空司令部に問い合わせる。
ハインツ「ハッセルト、敵は?」
レーダー手『こちらハッセルト、敵はレーダー及び監視所の報告によれば中型もしくは大型の一機のみとのこと。
なお現在サン・トロンの北西にて雷雨及び積乱雲が発生中、注意されたし』
ハインツ「了解、中型か大型か、ミラー、出番だ。
ミーナ、いつも通りでやろう」
ミラー「了解」
ミーナ「ええ」
ハインツは情報からすぐにいつもの対大型戦術であるミーナ達がネウロイを拘束、そこをミラーが遠距離射撃で撃破する戦術を選択した。
そして飛び続けるが見つからなかった。
ミラー「おかしいですね、そろそろ見えても可笑しくないのに」
ハインツ「いや、いるぞ。目の前にな」
ミラーが不思議がるとハインツが目の前の積乱雲を指さす。
バルクホルン「まさかあの中に!」
ハインツ「ああ、魔導針でも確認した。
あの雲の中、高度15000フィート付近だ」
ミーナ「積乱雲を利用するなんて…」
ネウロイは前方の積乱雲の中に隠れていた。
だが積乱雲、更には雷雨の中は現代でもなお極めて危険である。
内部は危険な上昇気流、下降気流、追い風が組み合わさり低空を飛行する飛行機を地面に叩きつけるダウンバースト、視界を奪いその上エンジンさえストールさせる程の豪雨、機体を叩き壊す雹、そして何より原子爆弾の炸裂にも匹敵するほどのエネルギーを誇る雷、これら全てがその中を飛ぼうとする者を破壊しようとするのだ。
この中に入った結果悲劇的な結末を迎えた事故は非常に多い、有名な例では1985年ダラスフォートワース空港に着陸しようとしたデルタ航空191便ロッキードトライスターがダウンバーストで地面に叩きつけられ135人が死亡、1999年にはリトルロックに着陸しようとしたアメリカン航空1420便が雷雨の中での飛行により着陸手順を飛ばした結果オーバーランし11人が死亡、1977年ジョージア州ハンツビルからアトランタに向かっていたサザン航空242便DC-9は積乱雲の中で雹と雨で2基のエンジンを喪失、ジョージア州のハイウェーに不時着とし大破、炎上、乗員乗客85名の内助かったのは22名のみ、1982年にニューオーリンズを離陸した直後のパンアメリカン航空759便は更に悲惨であった、離陸直後にダウンバーストに遭遇、ニューオーリンズ郊外のケナーに墜落し乗員乗客全員とさらに地上の8名が死亡した大惨事となった。
ノヴァク「で、どうやって奴さんを引っ張り出す?」
ハインツ「出さなくてもいい、向こうからお出ましだ」
ハインツが言った直後、ネウロイが積乱雲の中から現れ攻撃し始めた。
ミーナ「ブレイク!」
ミーナの指示ですぐにウィッチ達は散開するとネウロイを攻撃し始める。
ネウロイは激しく攻撃するがその合間を縫ってバルクホルンとハルトマン、ノヴァク、ミーナが近づき攻撃する。
そして幾らか命中するがその大半はMG42の8ミリモーゼルを弾いた。
ミーナ「装甲が固い!ミラーさん!」
ミラー「了解!」
ハインツ「ミラー、待てよ、ちょい右、よーい」
ミーナの要請にミラーとハインツがネウロイに狙いを定めた直後、ネウロイは積乱雲の中に入ってしまった。
ハインツ「クソ!入られた!ええい!こっちの指示で撃て!
2時方向!上に20度、撃て!」
ハインツはミラーに盲目射撃を命じる。
ミラーはそれに従い撃つが弾はネウロイを掠めただけだった。
ハインツ「畜生、風で弾道特性が変わって掠っただけだ!
どうすりゃ…ん?高度が落ちてる」
ミラーの放った弾は積乱雲内部の気流によって弾道特性が変化し掠めただけでも奇跡だったが突然ネウロイが急降下し始めた。
ハインツ「よし!やったぞ!」
バルクホルン「どういうことだ?」
ハインツ「砲弾が掠めた結果ネウロイの空力的特性が変化してエネルギーを失ったんだ!
奴さんそれで内部の下降気流に負け始めた!
あのままだと一気に地面に叩きつけられるぞ!」
ネウロイは砲弾が掠り表面の空力的特性が変化した。
その結果揚力を失い始め下降気流に負け始めたのだ。
ネウロイは積乱雲の下降気流によって地面に急降下し始めそれから回復しようとネウロイは雲から飛び出た。
ハインツ「よし、今だ!撃て!」
ハインツの号令でミラーが砲撃、砲弾はネウロイを貫き撃破した。
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数日後、ブリュッセル
「そうか、アーヘンのレーダー網、監視網は問題なし、か」
参謀「はい、3回確認しましたが問題ありませんでした」
ブリュッセルのベルギカ地区後方行政責任者であるフランツ・ベーメ大将は参謀から数日前のサン・トロン郊外での戦闘の件で報告を受けていた。
ベーメ「君はどう思う?」
参謀「もしかしたら戦線の後方に敵の拠点があると推測します」
ベーメの問いに参謀が答える。
ベーメはそれを聞くと机の上に広げられたベルギカの地図を見る。
ベーメ「私も同感だ。
さて、ではそれはどこだと思う?」
参謀「恐らく、アルデンヌかと」
参謀はアルデンヌ地方を指さした。
ベルギカで巨大な何かを隠そうと思えばこの深い森が一番だった。
ベーメ「そうだ、この何処かだ。
だがどこだ?ネウロイの巣なんてものは簡単に見つかるはずだ」
参謀「確かに、空中に発生すれば…まさか!」
参謀があることに思い至る。
それはアルデンヌ地方での地震・崖崩れ・土砂崩れ・水質汚濁・不自然な地下水の枯渇などの事象を合わせれば簡単だった。
ベーメ「地下、だ」
参謀「地下に巨大なネウロイの巣が作られつつある、と考えればアルデンヌ地方での全ての事象に説明がつきます」
ベーメ「ああ、その上今朝ブリュッセル自由大学の地質学者達から報告が来た。
かいつまんで説明すれば『アルデンヌ地方での不可解な地質学的事象の全ては地下に何らかの巨大な物体が存在しその物体が移動していることでしか説明しえない』だそうだ。」
参謀「では」
ベーメ「我々はこいつに備えなければならないな、すぐにパリに行く支度をしてくれ」
参謀「は」
ベーメたちが気が付いた事象、それは正史ではこの一か月以上先になって分かったことだったが彼らはそれよりも早く気が付いてしまった。
そしてこれが大きな変化を生み出すことをまだ知らなかった。
(解説)
・フランツ・ベーメ
史実セルビア占領軍司令官、第20山岳軍司令官、山岳兵大将。
オーストリア・ハンガリー帝国軍からオーストリア軍、更にドイツ軍に移った将軍。
面白い事にアンシュルス直前にはオーストリア軍の参謀総長にもなったことがある。
1941年にセルビア占領軍司令官になると1対50ルール(一人のドイツ兵の殺害に対して50人のセルビア人を殺害するルール)を適応、その結果パルチザン3600人以上と民間人2~3万人が処刑された。
戦後ニュルンベルク継続裁判の捕虜裁判で被告となり拘置所の5階から飛び降り自殺して飛ばされる。
山岳兵上がりで切れ者。
実は情報部門の経験がある。
サン・トロンの雷鳴終わり!ジェットもないし話も盛り上がらない酷い回。