WWⅡウィッチーズ   作:ロンメルマムート

132 / 171
実は今番外でノーブル編書こうかどうか迷ってる


第6話:海兵隊員

フランク「じゃ、じゃあつまりアレか?

     ここは異世界で、しかも7年も前の1945年の8月ってことか?」

 

宮藤「はい、そうです。

   信じられないでしょうけど…」

 

フランク「まあ信じるけどさ、だって俺の知ってるアマギって空母は全然違う船だし」

 

服部「少尉、この人の言っている事を信じるのですか!?」

 

 それから数十分後、フランクと宮藤、服部は艦内の一室で話していた。

 宮藤はここが異世界だという事をフランクに説明していた。

 だが服部は理解できていなかった。

 

宮藤「うん、だって事実だからさ」

 

服部「何を根拠に言っているんですか!」

 

フランク「あー喧嘩しないでもらえるか?」

 

服部「部外者は黙ってください!」

 

 服部と宮藤は口論を始めフランクが止めようとするが止まりそうになかった。

 するとドアが開き海軍将校が入ってきた。

 それに気がつき服部が振り向くとすぐに直立不動の姿勢を取り敬礼する。

 

服部「し、司令長官閣下!」

 

角田「何をやっていたのかね?服部士官候補生」

 

服部「そ、それは…」

 

 入ってきたのは角田と参謀だった。

 角田は口論をしていた服部を咎める。

 フランクは角田の服装から只者ではないと判断し立ち上がり敬礼する。

 

角田「うむ、君よりそこの海兵隊員の方がずっと礼儀正しいぞ。」

 

フランク「アドミラル、自分は合衆国海兵隊第214戦闘飛行隊所属フランク・サレンバーガー大尉であります」

 

角田「うむ、キャプテンサレンバーガー。

   私は扶桑海軍第3遣欧派遣艦隊第2任務部隊司令長官角田覚治少将だ。」

 

服部「し、司令長官!し、知っているのですか!?」

 

 角田がフランクの申告を聞いて疑問に思わない態度に服部が驚いた。

 

角田「まあな、君、彼には敬意を払え。

   彼は大尉だ、君よりも階級は上だ。

   ましてや海兵隊員だ、これは命令だ」

 

服部「わ、分かりました…」

 

角田「まず、色々聞きたいが、おっとまず座ってくれ」

 

 角田は服部にくぎを刺してからフランクに話しかけるがまず着席を促した。

 フランクは促されて着席した。

 

角田「うむ、色々聞きたいが何があった?

   こちらに来た者は殆ど場合何かしらの理由で死んでいる、病死意外だがな。」

 

フランク「はい、朝鮮半島のハムンからウォンサンに向かっていた中国兵を乗せた軍用列車をウォンサンの北15キロ付近で攻撃中に鳥と衝突、そのままコントロールを失い地面に叩きつけられたと思ったら次の瞬間にはインド洋上空でした。」

 

角田「ちょっと待て、アメリカは中国と朝鮮半島で戦争しているのか?」

 

フランク「いえ、ノースコリアとチャイナです。

     2年前の50年の6月に突如ノースコリアがサウスコリアに侵攻、それにアメリカ以下の国連が反応し国連軍を派遣、一時はプサン周辺に追い詰められるもその後インチョンに我らが海兵隊が上陸し北朝鮮軍は瓦解、一気に今度は中国国境まで追い詰めたものの中国が義勇兵を送り込み逆に押され38度線前後で戦闘がずるずると続いている状況です」

 

 フランクが朝鮮戦争の流れをざっと話した。

 その内容を参謀はメモしていた。

 

角田「うむ、分かった」

 

 その後角田とフランクは朝鮮戦争の戦術や兵器について話した後立ち上がりフランクと握手し部屋から出て行こうとするが出る前に服部と宮藤の方を見た。

 

角田「宮藤少尉、服部士官候補生、君達を彼の世話役に任命する。

   命令だ」

 

服部「は、は?司令長官!?」

 

宮藤「分かりました」

 

 そう言うと驚く服部を無視して出て行った。

 

---------

 

服部「私は信じませんよ!」

 

フランク「信じないなら別に俺の世話役なんてしなくてもいいんだぞ?」

 

服部「でも命令ですので、何なりとお申し付けください。」

 

 それから少しして、3人はフランクに宛がわれた部屋にいた。

 服部は文句を言っていたものの命令に従って世話役をしていた。

 

フランク「はぁ、じゃあそこで3回回ってからワンって言って」

 

服部「ふざけてますか?」

 

フランク「ジョークだよジョーク。

     士官学校で習っただろ?士官たるもの常にユーモアを忘れるべからず。

     ユーモアを解せない士官は二流であるって」

 

 フランクはジョークで服部をおちょくる。

 おちょくられた服部は不満だった。

 

服部「そんなことは習ってません。

   士官は常に士官らしく行動しろ、そうは習いました」

 

フランク「だからと言って愚直に命令に従い続けるのはナンセンスだ。

     士官は常に高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に動かなければならない。

     命令も重要だがそれ以上に刻一刻と変化する状況において部下をどう率いれば最善の結果を得れるかを考えるものだ。

     柔軟性と自主性は不可欠だ、時には命令を破るぐらいの気概と判断力がいるね」

 

 フランクと服部では士官に求める資質に違いがあった。

 それはアメリカと日本の文化的な違いがあった。

 日本軍は命令に対する盲目的服従があったがそれが弱点であり奇襲などの状況の変化についていけずそれ以前の策に固執し不利に陥るのに対し米軍は柔軟性と自主性を重んじ状況の変化に良く対応していた。

 

宮藤「あの、フランクさん、おなか減ってませんか?」

 

フランク「え?もうそんな…

     なあ今タイムゾーンは何処だ?

     腕時計をUTC+9で設定してるから調整しないと」

 

 宮藤が聞いてきてフランクは腕時計を見るが腕時計の時間は韓国時間に合わせてあったため全くあっていなかった。

 

宮藤「確かUTC+2です」

 

フランク「じゃあ-7だな。

     もう昼過ぎかよ」

 

 腕時計を調整すると時間は昼過ぎであった。

 

宮藤「はい、おにぎり作ったんですけど食べますか?」

 

フランク「オニギリって確かライスボールだよな?

     食うよ、中身は何だ?」

 

 宮藤はお握りを作ってフランクに持ってきていた。

 

宮藤「えーと、梅干しって言う扶桑の…」

 

フランク「ウメボシか。

     一つ貰うよ」

 

 そう言うとフランクは一つとって食べ始めた。

 それにつられて宮藤も一つとって食べ始める。

 

宮藤「フランクさん、おにぎりとか梅干しを知ってるんですか?」

 

フランク「ああ、48年まで日本にいたからな」

 

服部「日本って何ですか?」

 

 フランクは進駐軍の一員として48年まで日本にいた。

 そのため日本文化や食には慣れていた上に簡単な日本語程度なら可能だった。

 だが服部は日本が何かわからず聞いた。

 

宮藤「フランクさんの世界の扶桑だよ」

 

フランク「ああ。戦争に負けて一面焼け野原、市民の生活も極貧状態で街に出れば子供が集まってきてお菓子をねだってくるような状況だったがな」

 

服部「え…」

 

 宮藤が説明しフランクが戦後日本の状況を語ると服部は絶句した。

 戦後日本は一面焼け野原であり経済は破綻、極貧状態であった。

 

フランク「まあ全部陸軍の、今は空軍のルメイが全部焼いたんだがな。

     核兵器も二発広島と長崎に落として俺達が降したんだ」

 

宮藤「え、広島と長崎に?」

 

 フランクが核を広島と長崎に落としたと言うと宮藤が反応した。

 

フランク「ああ、落としたぞ。

     一撃で街が消えたらしい」

 

宮藤「そんな…」

 

 フランクの言葉に宮藤は絶句した。

 まさか本当に落とすとは彼女は思っていなかった。

 

フランク「それで日本本土で戦わなくて済んだんだ。

     いい事じゃないか」

 

 フランクはそう言うが宮藤は納得できなかった。

 

---------

 

 数日後、ケープタウン沖

 

角田「酷い霧だな。

   各艦現在の距離を維持しろ」

 

艦長「は」

 

 輸送船団と分離した艦隊は霧の中を航行中だった。

 霧は非常に濃く船首さえ見えなかった。

 他の船はライトをつけて何とか確認できたが距離や陣形の維持はレーダーに頼るほかなかった。

 するとレーダー手が報告した。

 

レーダー手『報告!艦首方位300、距離1.5カイリ付近に大型の物体を確認』

 

艦長「見張り員、報告しろ」

 

見張り員『こちら艦橋見張り、特には…』

 

 レーダーが巨大な物体を至近距離で発見したが見張りは確認できなかった。

 

艦長「分かった、見えたらすぐに報告しろ」

 

 情報がない以上そう伝えるしかなかった。

 

---------

 

 そしてそれから少しして見張りは前方、進路の僅かに左側に何かを見つけた。

 

見張りA「ん?なんだ?」

 

 双眼鏡を覗いて確認する。

 そしてすぐにそれが何かに気がつくと伝声管に叫んだ。

 

見張り「前方に氷山!」

 

---------

 

見張り『前方に氷山!』

 

士官A「了解!艦長!前方に氷山!」

 

 見張りの叫びにすぐに艦橋要員は行動を開始した。

 艦長はすぐに操舵手に叫ぶ。

 

艦長「面舵一杯!」

 

操舵手「面舵一杯!」

 

 操舵手は操舵輪を右に全速で回す。

 更に艦長はエンジンテレグラフに駆け寄ると後進一杯を指示した。

 その指示を受け機関室では急いでエンジンを逆回転させ後進させようともがく。

 だが天城の巨体はそう簡単に止まるわけでも進路が代わるわけでもなかった。

 

見張り『氷山接近!あぁ!ぶつかる!』

 

艦長「水線下水密扉閉鎖!衝撃備えろ!」

 

 艦長が喫水線下の水密扉閉鎖を命じ衝撃に備えるよう叫んだ直後、天城の左舷が氷山に激突、艦橋要員は全員衝撃で倒れるか傍にあったものに捕まり甲板には氷山の一部が落下、艦橋マストの一部も折れた。

 衝撃が治まり、船体が安定すると艦長は立ち上がり叫ぶ。

 

艦長「被害報告!」

 

士官A「報告!左舷第二水密区画及び第三缶室浸水!」

 

艦長「応急員は浸水を止めろ!

   護衛艦に衝突したと伝えろ!」

 

士官A「は」

 

 被害は左舷への浸水程度だった。

 艦長は護衛艦に氷山との報告を伝えさせる。

 だが直後別の士官が別の重大な報告を伝えた。

 

士官B「報告!左舷補助発電機室で火災発生!」

 

艦長「何!消火急げ!何としても火災を止めろ!」

 

 左舷の補助発電機室での火災は重大な問題であった。

 

角田「確か隣は…」

 

艦長「はい、弾薬庫と魚雷調整室です。

   おい!自動消火装置はどうした!」

 

 隣は弾薬庫と魚雷調整室だった。

 この二つの部屋には多数の弾薬及び魚雷が保管されていた。

 艦長は伝声管で状況を報告させる。

 

士官D『ダメです!衝撃で故障!補助バルブも破損してます!

    通路も損傷で通れません!』

 

艦長「どんな手を使っても構わん!何としても火を消せ!

   機関長!補助発電機室への注水は!」

 

 氷山との衝突で区画は酷く損傷し電気系と配管に損傷が発生、消火システムが故障していた。

 更に通路も損傷で通行不能だった。

 艦長はキングストン弁を管理する機関長に注水可能かどうかを聞く。

 

機関長『無理です!キングストン弁は現在第三缶室の排水作業に使用中、終わるのに後最低でも30分はかかります!』

 

艦長「ある程度排水出来たらそれでいい!

   すぐに発電機室への注水に使用できるようにしろ!」

 

 キングストン弁は排水作業に使用中でありすぐに使える状態ではなかった。

 そのためある程度の排水が完了次第注水に回すよう命令した。

 

---------

 

 その頃火災が発生した補助発電機室の傍の通路では消火班の一部が衝突で封鎖された箇所で立ち往生していた。

 するとそこに服部とフランクがやってきた。

 

服部「到着遅れました」

 

フランク「火災って何があった!」

 

士官C「見ての通りだ、何とかできないか?」

 

服部「了解しました」

 

 士官は服部に目の前の封鎖された通路を見ながら言う。

 服部は魔力を発動すると通路を塞ぐ外板の割れ目に沿ってこじ開けようとする。

 だがある程度割れ目が開くと中から火が噴出し服部はシールドを張って下がる。

 

フランク「く、想像以上だな」

 

士官D「駄目か」

 

士官C「結城!無事か!」

 

 その火炎はフランクの想像以上だった。

 士官は伝声管で反対側に閉じ込められた結城兵曹長に状況を聞いた。

 だが状況は悪化していた。

 

結城『火がそこまで迫ってます!

   今すぐ水密扉を閉じて注水してください!』

 

士官C「なんだと!?」

 

服部「え…」

 

 結城の言葉に服部は茫然とする。

 

結城『お願いします!早く注水してください!』

 

士官C「しかし、それではお前が」

 

結城『このままでは弾薬庫が誘爆します!急いでください!』

 

 結城は自らを犠牲に消火するよう懇願した。

 

フランク「注水するべきだ。彼の勇気ある決断を最大限尊重するべきだ」

 

士官C「しかし…」

 

---------

 

 

 そのやり取りは艦橋でも聞こえていた。

 それを聞いた艦長は排水作業中の機関長に連絡する。

 

艦長「機関長、何時注水できる?」

 

機関長『待ってください!あと3分で排水ポンプだけで排水可能レベルまで行けます!

    切り替え含めてあと5分、いえ4分待ってください!』

 

艦長「分かった、4分後に補助機関室への注水を開始する。

   総員区画から退避だ」

 

 艦長はキングストン弁の使用が可能になる4分後に注水の開始を命令した。

 

---------

 

士官C「艦長より命令が出た。

    水密扉閉鎖、応急注水用意、4分後に注水開始」

 

 艦長からの命令を受け服部達は退避と水密扉の閉鎖作業を開始した。

 

士官D「水密扉閉鎖」

 

水兵「了解」

 

 だがそれは事実上結城を見捨てることになるため彼らは気乗りしなかった。

 それでも命令であり何よりその判断は正しいため水密扉の閉鎖を開始した。

 

士官C「すまん、結城…」

 

フランク「彼の義務の範囲を超えた自己犠牲的行為に対して最大限の敬意を」

 

 士官は帽子を深く被りフランクは閉じ始めた水密扉に向かって敬礼する。

 すると突然後ろからバケツが転がる音と水がかかる音がして振り返る。

 そこには水を被りパイプを持った宮藤がいた。

 

服部「宮藤さん!」

 

士官D「宮藤さん」

 

フランク「宮藤、何をする気だ」

 

宮藤「どいて」

 

 フランク達は驚くが宮藤はフランク達を押しのけて水密扉に向かう。

 すると服部が宮藤の腕を掴んで止めた。

 

服部「駄目です!宮藤さん、水密扉が閉じます!」

 

宮藤「中に人がいるんでしょ!」

 

服部「艦長命令です!」

 

宮藤「だから何なの!」

 

 服部は止めようとするが宮藤の凄みにひるむ。

 そのまま宮藤は服部達を振り切って水密扉の隙間から補助発電機室に入ってしまった。

 その様子を見てフランクが呟いた。

 

フランク「バカだな」

 

服部「え、ええ…」

 

フランク「あいつは本物のバカだ。

     だが英雄にはバカが必要だ、仲間の為に本物のバカになれる奴がな」

 

 フランクはそう続けた。

 

---------

 

艦長「状況は」

 

士官A「弾薬庫室温上昇、危険温度までおよそ三分」

 

 艦橋では艦長が状況を聞いていた。

 状況は刻一刻と悪化しつつあった。

 

艦長「注水準備は」

 

機関長「排水作業中断中。

    あと2分で注水できます」

 

艦長「注水切り替え完了次第即座に注水開始だ。

   その時補助発電機室内に誰かがいてもやれ」

 

 キングストン弁の切り替えにはあと2分必要だった。

 

---------

 

 二分後

 

士官C「二分だ、注水開始」

 

服部「宮藤さん…」

 

 士官が時計を確認すると僅かに開いていた水密扉が閉鎖された。

 だが閉鎖直後、スプリンクラーが作動した。

 

水兵「水だー!」

 

士官D「よっしゃー!」

 

フランク「素晴らしい行為だ。模範的な義務の範囲を超えた英雄的行為だ」

 

 その行為をフランクは讃えるが服部は微妙な表情をする。

 しばらくして二人は無事救出された。




ノーブル編やった場合
・ブダペスト包囲戦から脱出中に戦死した第8SS騎兵師団フロリアン・ガイエルの工兵大隊所属の貴族出身で元空軍パイロットのSS少佐(元Bf109乗り)
・ソ連軍に撃墜され逃げてる最中に偶々↑と出会って逃避行を共にしてたけど一緒に戦死した貴族出身ドイツ系ハンガリー人パイロット(Fw190乗り)
・クロアチア独立国空軍の脱走パイロットで元ユーゴスラビア空軍のスロバキア人ユーゴパルチザン(元Bf109乗り)
・ドイツ空軍に撃墜され捕虜になったがユーゴパルチザンによって解放された米陸軍航空隊のP-51乗り
・父親が一代貴族のモスキート乗りだったがドイツ軍に撃墜され捕虜になったがユーゴパルチザンによって解放されたオーストラリア人パイロット
ってキャラに…
中身が濃い
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。