WWⅡウィッチーズ   作:ロンメルマムート

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ペリーヌの立場が悪くなったり暴力こそ正義だったり中々のクズしかいない


第9話:予兆と推定

フランク「じゃ、じゃあ君は同性愛者じゃないのか?」

 

リーネ「はい、私にはちゃんと愛してる殿方がいらっしゃいますから」

 

ペリーヌ「はぁ、それにしてもあの世界の方々はどうしていつもこうどこか過激なんですの」

 

 数時間後、フランク達は検疫と入国審査を受けるとペリーヌの持つルノーAHLトラックに乗り込んでペリーヌ達と共に屋敷に向かっていた。

 

フランク「過激ってなぁ…同性愛は神の御心に反しているんだぞ。

     生まれ持った姓で異性を愛するのが自然な行為じゃないか」

 

ペリーヌ「はぁ、あのバカ騎士様も同じことを言ってましたわ」

 

 ペリーヌは過去に同じような事を言っていたある人の事を思い出す。

 すると前から一台のオートバイがやってきた。

 

ペリーヌ「噂をすれば何とやら、ですわね」

 

レート「おーい、ペリーヌ!」

 

 やってきたのはオートバイに乗ったレートだった。

 

ペリーヌ「レートさん?確かに試験飛行は許可しましたけどアクロバット飛行は許可してませんわよ!」

 

レート「ついな、イタリア人っていうのは女性を喜ばせるためになんだってする生き物さ」

 

ペリーヌ「だからと言って私の肝を冷やすような事をしないでくださいまし!

     貴方に死なれたら誰が悲しむと思ってますの!」

 

レート「分かったよ、次からは気を付けるからさ」

 

ペリーヌ「絶対ですわよ!」

 

 レートとペリーヌはなぜか口論していた。

 

宮藤「ねえリーネちゃん、あの人だれ?」

 

リーネ「あの人はユニオ・ヴァレリオ・レートさん。

    元エジプト王国空軍で元イタリア空軍のパイロットだった人。

    今は私達の所で手伝いをしてもらってるの」

 

 レートを知らない宮藤がリーネに聞くと説明した。

 

宮藤「そうなんだ」

 

フランク「もしかしてあのマッキを操縦してたのも…」

 

リーネ「はい、レートさんですよ」

 

フランク「あの操縦の腕は大したものだよ、うん」

 

 話していると車列はブドウ畑に出た。

 

宮藤「うわぁ、ブドウだ!

   美味しそう~」

 

リーネ「ここのブドウはワイン用だから食べると酸っぱいよ」

 

ペリーヌ「どうです?美しいでしょう、ガリアは」

 

 ペリーヌは宮藤に聞く。

 

宮藤「うん、すっごい綺麗だね」

 

リーネ「この辺り全部がペリーヌさんの領地なんだよ」

 

宮藤「へぇー」

 

ペリーヌ「みんなご苦労様」

 

 ペリーヌは振り返りブドウ畑で作業する農民に挨拶した。

 すると目の前に大きな城が見えた。

 

宮藤「うわぁ!お城だ!」

 

 それに宮藤は驚く。

 そして車列は城の方へと向かった。

 

---------

 

 一行は城に到着するがまだ一部は破損したままであった。

 宮藤は見上げて悲しげな表情をする。

 

ペリーヌ「これでも解放後すぐに比べれば随分元に戻ったんですのよ。

     あ、あの車は…」

 

 ペリーヌはふと黒のグロスブラックで塗られWHのナンバーをつけたオペルカピテーン4ドアリムジーネとダークイエローにグリーンとブラウンの3色迷彩が施されたWLナンバーのシュタイヤー1500コマンドワーゲン、同じくWLナンバーの水色と黒で塗られたシトロエントラクシオ・アバン・11CV、ダークイエローのビュッシングL4500Sトラックが止まっていることに気がついた。

 そしてそのカピテーンには見覚えがあり顔を暗くする。

 ペリーヌはトラックの荷台を開けるとトラックから降りた。

 するとそれに働いていたアメリーや職人たちが気がつき声をかける。

 

アメリー「おかえりなさーい!ペリーヌさん、リーネさん、レートさん!」

 

職人「おかえりなさい、ペリーヌお嬢さん」

 

 するとペリーヌ達が面倒を見ている孤児たちがペリーヌに駆け寄ってきた。

 

孤児A「ペリーヌお姉ちゃんおかえりー!」

 

孤児B「もうすぐ授業の時間だよ!」

 

ペリーヌ「はいはい、ちゃんと間に合ったでしょ」

 

 ペリーヌは孤児たちと楽しそうに話す。

 レートもバイクから降りると孤児たちと話し始めた。

 

レート「お前ら、いい子にしてたか?」

 

孤児C「うん」

 

宮藤「リーネちゃん、あの子たちは?」

 

 すると宮藤はリーネに子供たちの事を聞いた。

 

リーネ「ネウロイとの戦いで両親を亡くした子たちなの…

    ペリーヌさんが引き取って今は一緒に暮らしてるんだよ」

 

フランク「孤児たちか、戦災孤児はいるからな…

     日本でたくさん見たよ」

 

 リーネの話を聞いてフランクは日本でたくさん見た戦災孤児たちを思い出した。

 

ジャン・ポール「おかえりなさいませ、お嬢様」

 

ペリーヌ「留守中何もありませんでしたか?」

 

 ペリーヌはやってきたジャン・ポールに問題がないか聞いた。

 するとジャン・ポールは車の主たちの話をした。

 

ジャン・ポール「パ・ド・カレー地区軍政司令官のフランツ・クッチェラ少将と第20山岳軍付空軍司令官のオットー・アバーネッティ少将、連合軍参謀部のヴィルケ中佐が先程からお待ちです。」

 

ペリーヌ「よりにもよってクッチェラ少将ですか…それにアバーネッティ少将とヴィルケ中佐?

     何で第20山岳軍の将軍と参謀部の人間が?」

 

ジャン・ポール「ただ、今すぐ例の3人と面会させるよう求めています。

        クッチェラ少将も今すぐ会談しなければ実力を行使すると」

 

 待っていたのはパ・ド・カレー地区軍政司令官で事実上のペリーヌの上司であるフランツ・クッチェラ少将、第20山岳軍付空軍司令官のオットー・アバーネッティ少将、そしてランスの参謀部のヴィルケ中佐だった。

 

ペリーヌ「分かりましたわ、レートさん、リーネさん、アメリーさん子供たちの授業をお願い。」

 

アメリー「分かりました」

 

ペリーヌ「宮藤さん達は私についてきてらっしゃい。」

 

 ペリーヌは子供達の授業をレート達に任せると宮藤達を連れてある部屋に向か

 

---------

 

「じゃあ前線は相当危険なのか?」

 

「ああ、うちのボス曰く後2、3日ぐらいは安全だろうがそれ以降は保証できない、だとさ。

 パリはどうなんだ?」

 

「パリは既に警戒態勢に入ってますがランスが問題です。完全に緩みきってます。

 マロリー閣下とその他我々派閥の将校、参謀、将軍は警戒態勢を上げるよう要求してますが反応は芳しく…

 クッチェラ閣下こそどうして此方に?」

 

クッチェラ「ああ、クロステルマン家私有地への部隊の立ち入りを要求する為だ。

      いくら全面的な治安に関する権限を与えられても勝手に私有地には立ち入れん、法治主義って奴だ。

      そのせいでこのザマだ。私有地が一種の治外法権になってる。」

 

 屋敷の一室では史実を知る人間がいればSSのフィールドグレー勤務服に陸軍の階級章をつけた軍服を着たパ・ド・カレー地区軍政司令官のフランツ・クッチェラ少将、空軍のトゥーフロックを着たオットー・アバーネッティ少将、そして同じくトゥーフロックを着たヴォルフ・ディートリッヒ・ヴィルケ中佐がソファに座り話していた。

 するとドアがノックされた。

 

ペリーヌ「クロステルマン中尉です、お待たせしました少将閣下」

 

クッチェラ「別に待っとらんよ。それとそちらはもう一人のお客様ですかな?」

 

アバーネッティ「こちらの用事だよ、宮藤少尉」

 

 ペリーヌが入ると3人とも待ちくたびれた様子だった。

 ペリーヌと宮藤たちはクッチェラ達の対面に座った。

 座ると最初にクッチェラが話し始めた。

 

クッチェラ「早速だが本題だ、クロステルマン家の私有地に我が警察部隊の立ち入るを求める。

      君の私有地には王党派他のゲリラや反社会勢力が存在する可能性がある。」

 

ペリーヌ「またそのお話ですか、お断りします。

     私の土地にはそのような輩は存在しません、お帰りください」

 

 ペリーヌはクッチェラの要求を即座に拒否した。

 だがクッチェラは更に強権的な手段に出た。

 

クッチェラ「では君をこの場で王党派の同調者、スパイ、協力者として告発し全ての土地と設備を接収する。

      言っておくが我々は手段は選ばない、君だって知っているだろう?

      あらゆる手段で以て敵を殲滅するつもりだ。

      もし無実の人に剣を下す事になろうとも一人の犯罪者の為に1000人が死のうとも関係ない。

      君の世話している孤児も処刑するぞ、なに罪などいくらでも作れる。」

 

ペリーヌ「く…」

 

服部「閣下、意見をよろしいでしょうか?」

 

 その有無を言わせぬ強権的で暴力的な手段に服部が意を唱えようとした。

 

ペリーヌ「服部さん!」

 

クッチェラ「何かね?」

 

服部「は、それは国際法及び国内法に反する行為ではないでしょうか?

   国際法では正当な理由なく捕虜及び民間人の殺害は禁止されています。

   また法的手続きを踏まない国家による殺人など絶対に許される行為ではありません」

 

クッチェラ「ふ、ハハハハハ!面白いジョークだ。

      だろ?」

 

アバーネッティ「ああ。素晴らしい、素晴らしくめでたい脳味噌だ」

 

ヴィルケ「所詮はイエローモンキーの雌猿ですよ、我々に対して劣ってる。」

 

 服部の意見を聞くとクッチェラ達は大声で笑った。

 彼女の意見は彼らからすれば相当おめでたく、そして現実に即していなかった。

 

クッチェラ「我々の敵はゲリラだよ、国際法に従わず平気でテロを起こし秩序を破壊する。

      秩序の破壊者には死を与えるのは我々の仕事だ。

      一人のテロリストでも100人を殺すことはできるからな。

      法に縛られては動けない、法を逸脱しなければ勝つことはできないのだよ」

 

アバーネッティ「それに誰がそれを監視しているのかね?

        腐りきり碌な統治能力を持たないガリア政府かね?

        それともゲリラを目の敵にし現在進行形で虐殺を行う連合軍か?

        この国をパイのように分割しようと企む列強各国かね?

        誰も監視などしない、全ての国はこの国の人々の運命など気にしない。

        何故ならこの国はパイだ、立派に実った絶品のリンゴで作られたアップルパイだ。

        我々は君には悪いが国家の命令に従いこの国を少しずつ、少しずつ切り分けて食べていく。

        誰もパイの材料など興味ないのだからな」

 

 クッチェラとアバーネッティは現状誰もガリア人の事など気にしないという現実を突きつけた。

 各国にとってガリアとはただのパイであり今現在各国が切り分けている段階だった。

 その話を聞いてペリーヌ達は表情を暗くする。

 

クッチェラ「正論ではこの国を治めることはできん。

      正論で治められるなら既に戦争など終わってる。

      クロステルマン中尉、立ち入りを要求する、どうする?

      立ち入りを認めるか、君ら全員が死ぬかどっちがいい?」

 

ペリーヌ「く、分かりました…認めます…」

 

クッチェラ「うむ、よろしい。

      これからも頼むよ、クロステルマン中尉」

 

 ペリーヌはクッチェラの脅しに屈した。

 続いて今度はアバーネッティが話し始めた。

 

アバーネッティ「では次だ、宮藤少尉。

        君らはこの後サン・ヴィトに向かう事になってるだろ?」

 

宮藤「はい…」

 

アバーネッティ「その件だが、今現地の状況が悪化している。

        急激にな」

 

フランク「急激に?」

 

 アバーネッティは現地、即ちアルデンヌ地方とその前面の戦線の状況を伝えに来たのだ。

 そして名目上宮藤たちは第20山岳軍隷下の空軍航空部隊となるためアバーネッティが直属の上司となるのだ。

 

アバーネッティ「まず昨日からアルデンヌ地方ではゲリラ掃討作戦「賞金付きジャガイモ狩り」が発動され現在掃討作戦中だ。

        これにより各地で交戦が行われている。」

 

宮藤「え…交戦?」

 

 宮藤はゲリラと交戦中だと聞いて驚いた。

 

アバーネッティ「ああ。アルデンヌはゲリラの活動が激しいからな。

        増援を得た現地部隊が一気に片をつけようとしてる。

        次にここ数日航空偵察や地上偵察などから敵の状況が変わってきている。

        第20山岳軍の参謀たちの予想では1週間以内の何かしらのネウロイの行動が発生する確率が7割以上、1か月以内だと98%だと予想している。

        なので出来る限り早く向こうに行ってもらいたい。」

 

ヴィルケ「その際の物資、装備に関しては既に輸送済み、外のトラックに積んである。」

 

 アバーネッティとヴィルケが状況を説明した。

 この数日で状況が急激に変わっていた。

 航空偵察から何かしらの行動を起こす可能性が指摘され、一部の試算では7割の確率で行動を起こすとされた。

 そのため警戒レベルを急激に上げつつあった。

 

アバーネッティ「まあ我々の用事は以上だ、失礼するよ。

        このまますぐランスに行かなきゃならないんでね」

 

 そう言うとアバーネッティ達は立ち上がり出て行った。

 

---------

 

 その頃、ランスの連合軍総司令部航空参謀部では部長のマロリーと部下たちが偵察機のもたらした情報を精査していた。

 

参謀A「この写真だと敵は西に向かおうとしてないか?」

 

参謀B「いや北西方面の可能性もある」

 

参謀C「もっと情報がいる、この写真の北側を撮影したのはどれだ!」

 

参謀D「これです、8月16日のE21‐N3‐B45‐256番の写真です」

 

 参謀たちは偵察機が撮影したネガを拡大してネウロイの動きを予想しようとしていた。

 その写真にはネウロイが残したと思しき不自然な地面の亀裂や隆起、地面を掘り返した跡などが残っていた。

 

マロリー「我が最も優秀な空軍士官の紳士諸君、どうだ?

     何か見つかったかね?」

 

参謀A「閣下に敬礼!」

 

 マロリーが声をかけると参謀たちは手を止めて敬礼する。

 それに返礼すると纏め役の参謀が説明した。

 

参謀A「詳細は不明ですがいいものを見つけました。

    8月16日のE21-N3-B45-255と同じ日のE21-N3-B44-255、E23-N3-G58-125を持ってこい!」

 

 すると参謀が引き伸ばした二枚の写真を持って来た。

 その写真にはどちらもカールスラントの田舎の村が写っていたがその村の周囲の地面には多数の地面を掘り返した跡が残っていた。

 

参謀A「閣下、こちらをご覧ください。

   ここに推定200から300以上と思われる15メートルクラスネウロイの痕跡があります」

 

マロリー「うむ」

 

 その写真には多数のネウロイの痕跡があった。

 続いて参謀はその写真の東側で撮られた写真を見せる。

 

参謀A「またこちらの写真には高さが10メートルと推定される未確認の新型中型ネウロイを確認しました。

    そしてこういった痕跡がそこから北に12キロ離れた地点でも確認しました。

    明らかな敵の攻勢の予兆と推測します。」

 

マロリー「分かった、書類を纏め上層部に提出してくれ」

 

 マロリーはその情報を書類にまとめると上層部に提出した、だが

 

将軍「マロリー君、こんなふざけた事がありうるのかね?」

 

マロリー「私の世界で最も優秀な紳士諸君の結論です。

     私は彼らを信頼しているのでこの情報と予測の可能性は非常に高いと推察します。」

 

将軍「ありえないよ、こんなゴミクズに書かれた事が実際に起こりえることなど」

 

 上層部の反応は否定的を通り越して有り得ないと断言するほどだった。

 この無能怠惰の極みともいえる連中は政治家とのつながりを利用して未だ連合軍上層部に巣食っていた。

 実力により主導権を握っている北方や東部、政変と不始末により事実上追放された南方とは違い彼らはまだ生き残っていた。




(解説)
・フランツ・クッチェラ
史実ケルンテン大管区指導者職務代行、ドイツ国会議員、ワルシャワ親衛隊及び警察指導者。
44年に暗殺され飛ばされる。
地味に元国会議員キャラ
ペリーヌの上司にあたるパ・ド・カレー地区軍政司令官。
超強権的で強引、暴力的手段を厭わない。
ペリーヌの領地が一種の治外法権化していることが気に食わずあの手この手で管理下に置こうとしている。

・オットー・アバーネッティ
史実第18軍付空軍司令官。
40年に事故死して飛ばされる。
第20山岳軍の空軍司令官で第20山岳軍隷下となる航空部隊を指揮する。


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