WWⅡウィッチーズ   作:ロンメルマムート

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やっと終わりが見えてきた。
バルクホルンたちの戦闘は端折るし山場の戦闘もあっさり終わる予定だからね。


第10話:英雄と愛

 宮藤たちがペリーヌの屋敷について暫くして、宮藤たちとリーネ、そしてレートはキッチンにいた。

 

フランク「料理なぁ…ほとんど経験ないぞ…

     昔ママの料理を手伝った事ぐらいしかない…」

 

レート「まあそんなもんだ、私だって元々は貴族だ。

    戦争に負けてエジプトに移住してレストランで働くまで料理の経験なんてほとんどなかったさ」

 

フランク「そんなもんだよな、ところで何を作るんだ?」

 

 5人は夕食を作っていた。

 フランクは殆ど料理の経験はなかった。

 だがレートはエジプトでレストランで働いた経験がありそれ以来料理が趣味であったため得意だった。

 

フランク「で、何を作るんだ?」

 

リーネ「肉じゃが、味噌スープなどですね。

    レートさんお得意のイタリア料理とエジプト料理は封印ですよ」

 

レート「はいはい、分かってるよ」

 

 レートはイタリア料理とエジプト料理が得意だったが今日作るのは扶桑料理だった。

 

リーネ「私と芳佳ちゃんが肉じゃがを作るからレートさんとフランクさん、服部さんはお味噌汁をお願いします」

 

フランク「了解、お味噌汁?ああ、日本料理のアレか」

 

 リーネは仕事を割り振るとそれぞれ夕食を作り始めた。

 宮藤とリーネは手際よく肉じゃがを作る一方、レートは料理初心者のフランクに料理を教えながら作っていた。

 

フランク「えっと、こんな感じか?」

 

レート「そのぐらいでいい。あんまり分厚すぎると火が通りにくいからな」

 

 二人は野菜を切りながら話していたがその横で料理初心者だと思われていなかった服部は緊張しながらジャガイモを剥こうとしていたが大振りに切っていた。

 

宮藤「静夏ちゃん、大丈夫?

 

服部「え、え、だ、大丈夫です!」

 

レート「大丈夫ならいいが、料理初心者が二人もいると手に負えないぞ」

 

 服部は誤魔化した。

 だがそのあらはそれからすぐに出た。

 ある程度材料を切り出すとレートは鍋に水を入れ湯を沸かす。

 

レート「じゃあ次は味噌だな。

    味噌、何処に置いたっけな?」

 

 レートがキャビネットを開けて味噌を探し始めるがどこにもなかった。

 

レート「うーん、参ったな…どこかにあったのは覚えてるんだがな…

    ちょっと他の所も探してくる」

 

 キャビネットの中を確認してもなかったためレートはキッチンの他の棚や冷蔵庫を探したが何も見つからなかった。

 

レート「駄目だ、見つからん。ペリーヌに聞いてくる。

    服部、フランク、鍋は頼んだぞ」

 

フランク「服部、すまん、ちょっとトイレ行ってくる」

 

服部「分かりました」

 

 一通り探しても見つからなかったためレートは鍋を服部に頼むとペリーヌに聞きに行き、フランクも急にトイレに向かった。

 そしてそれから数分後、フランクがトイレから戻ってくると服部が何やら鍋に入れていた。

 

フランク「服部?何やってるんだ?」

 

服部「えーと、レートさんが戻ってこないのでその…」

 

 フランクはふとコンロの傍を見ると明らかに味噌汁で使わない食材が並べられ、鍋の中も明らかにおかしな色になっていた。

 

フランク「サバノビッチ、服部、命令だ、今すぐそのバカなおつむを使ってこのゴミを処分しろアホ。

     10数えるうちに処分しなければ俺のケツ穴をなめろ」

 

服部「は!はい!」

 

 服部が勝手に作りかけの味噌汁を台無しにしたと気がついたフランクは静かに怒り狂っていた。

 この後レート共に作り直したがその際服部は排除された。

 

 

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 その日の夜、サン・トロン

 

ニコ「いい夜だね、サーニャ」

 

サーニャ「はい、ニコさん。」

 

ニコ「こんな平穏な夜が続けばいいのに」

 

 サン・トロンでは元501のウィッチ達が集まりネウロイの攻勢に備えていた。

 だが今の所は平穏そのものでありウィッチ達は思い思いに過ごしていた。

 例えばニコとサーニャは久しぶりの再会を喜び二人で仲良く夜空を眺めていた。

 一方、ハインツとシャーリーはというとシャーリーがルッキーニを寝かせるとハインツの部屋にいた。

 

シャーリー「でさあ、マルセイユがなんて言ったと思う?」

 

ハインツ「あのバカだ、どうせ『私が世界一だ、お前なんか大したことない』だろ?」

 

シャーリー「当たり!それでレースする事になって…」

 

 二人がウィスキーを飲みながら話していると突然電話が鳴った。

 

ハインツ「はい、サン・トロン、ヴァレンシュタイン少佐。

     はい?閣下?本気ですか?

     分かりました、明朝0500時を以てサン・トロンは独断による第1種警戒態勢を取ります」

 

 そう言うとハインツは電話を切った。

 

ハインツ「はぁ、面倒な事になりやがって畜生」

 

シャーリー「何かあったのか?」

 

 シャーリーはハインツに電話の内容を聞いた。

 

ハインツ「ああ、ネウロイに大規模な行動を起こす可能性あり、しかし連合軍最高司令部は反応せず、よって各部隊は独断で警戒態勢をレベル1に引き上げろ、だそうだ。」

 

シャーリー「え!来るのか!」

 

ハインツ「そういう事らしい、可能性で済めばいいがな」

 

 ハインツは電話の内容を説明するとそう吐き捨てた。

 だが残念ながら可能性で終わらなかった。

 

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クルーゲ「さあ、諸君。我々が連中のケツを蹴り飛ばしてウンター・デン・リンデンをパレードする時が来たぞ。

     準備はどうなってる?」

 

 西方総軍の“一部部隊の独断による”警戒態勢引き上げを受け作戦開始が近いと踏んだ北方総軍、更に南方総軍ではトリニティ作戦の準備が着々と進みつつあった。

 

参謀「は、全作戦参加部隊の準備完了、砲兵部隊準備完了、物資に関しては搬入率89%、明日午前にも95%に達する見込み。

   全物資の搬入完了予定は明後日深夜零時を予定。

   各部隊は現在事前偵察を行い侵攻ルートの確認を実施中、一部で修正の必要があるもののほぼ予定通り行けます。

   航空攻撃も予定通りに実施中、現在ベルリン、シュテティン方面を空爆中です。」

 

 彼らの攻撃目標はベルリン、そしてシュテティンだった。

 

 

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モーデル「作戦準備は?」

 

参謀「は、準備はすべて完了。

   予定よりも左翼の兵力が薄いですがガリア方面部隊と挟撃するので問題ありません。」

 

 南方総軍でも作戦準備は進んでいた。

 当初の作戦予定とは全く違い左翼の兵力が薄いという事態になっていたが準備は進みつつあった。

 

アイケ「我々の目標は?」

 

モーデル「ライプツィヒとドレスデンだ。

     エルベのフィレンツェを取り返すんだよ」

 

 南部の目標はライプツィヒとドレスデン、エルベ川まで戦線を押し上げるつもりだった。

 

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 その日の夜遅く、フランクとレートはベランダで酒を飲んでいた。

 

フランク「久しぶりのビールはうまい。

     流石に子供たちの前では飲めないからな」

 

レート「子供の前とペリーヌの前では飲めないからな。」

 

フランク「どうしてだ?」

 

レート「まだ怪我が治りかけなんだ。

    先月瀕死の重傷を負ってな、その怪我がまだ治ってない。

    あのアクロバットだってやった時は体中が悲鳴を上げていたからな。」

 

フランク「無茶やるねぇ。でも俺はそういう無茶できる奴の方が好きだよ」

 

 二人は子供の前では酒は飲めず、レートも怪我が治っておらず医者から禁酒を指示されていたため隠れてビールを飲んでいた。

 

服部「サレンバーガー大尉…!レートさん…!」

 

フランク「服部?このことはこれで頼むよ」

 

 突然、服部が現れフランクとレートがいるのに驚くがフランクは指を立てて黙るように言う。

 

服部「は、はい…

   ところでお二人は何を…?」

 

レート「見ての通り、酒を飲んでた。

    医者からは禁酒を言われてるんで黙っていてくれ。」

 

服部「りょ、了解…」

 

フランク「服部こそ何しに来た?紳士二人の酒盛りに参加しに来たのかね?」

 

服部「そういうわけでは…」

 

 フランクは飲みかけのビール瓶を持ちながら服部に聞く。

 

ペリーヌ「それとも、レートさんが言っていた味噌スープを台無しにした件を反省しているのかしら?

     それと、私の騎士様は忠誠を誓う主人の言いつけを守れないのかしら?」

 

レート「ぺ、ペリーヌ…!」

 

服部「ちゅ、中尉!」

 

 すると突然ペリーヌが現れた。

 ペリーヌは腕を組みながらレートの飲酒を咎める。

 

ペリーヌ「はぁ、お医者様が治るまで酒を飲むなっと言ってましたわよね?

     貴方の体が大事なのですから飲まないでください。

     それとも、また私を悲しませるおつもりですか?」

 

レート「す、すまない…」

 

フランク「じゃあ残りの酒は全部貰うぜ」

 

 レートはペリーヌに平謝りする、そしてフランクはレートの酒を奪って飲み始めていた。

 その横で服部はペリーヌに謝った。

 

服部「中尉、その、申し訳ありませんでした」

 

ペリーヌ「ふふ、私も昔は料理は料理人がするものだと思ってましたわ」

 

服部「私は代々軍人一家でして、それで私は…」

 

ペリーヌ「ウィッチの素質を持って生まれたあなたは軍人として期待を受けて育ち料理なんてする時間はなかった」

 

 ペリーヌは服部の思いを代弁する。

 

服部「はい、元々ウィッチの家系ではなかった分父や祖父の期待もとても大きく…」

 

ペリーヌ「そんな環境で育ったのでは宮藤さんやフランクさんの事が気に障るのも無理ないですわね」

 

服部「いえ、宮藤少尉は扶桑の誇りです。

   欧州を解放した偉大なウィッチですから。」

 

ペリーヌ「でもとてもそんな偉大な軍人には見えませんわよね。

     軍規は守らない、命令無視の独断専行、滅茶苦茶ですわ。」

 

 するとペリーヌは宮藤の事を語り始めた。

 

ペリーヌ「『私は戦争が嫌い』、宮藤さんが501に来て最初に言ったセリフですわ。

     故郷をネウロイに踏みにじられていた私達を前に。

     そんな子が何をしに来たの?ってすごく腹が立ちましたわ。

     だけど不思議ね、あの子が入った501は以前よりもっと強くなりましたわ。

     あの子がいなければガリアは解放されてなかったかも。」

 

服部「私は…」

 

ペリーヌ「分からないわよね」

 

フランク「何となくだが分かるぞ」

 

 するとフランクとレートが二人の会話に割って入った。

 

服部「え?」

 

フランク「簡単な話だ、宮藤は人を愛してる、ただそれだけだ。」

 

服部「それとどう関係があるんですか?」

 

フランク「英雄はなぜ自らを犠牲にするような行動をとるか?

     それは単に愛してるからだ。」

 

 するとフランクが宮藤に対する所見を語る。

 

フランク「戦友に対する愛って奴だ。

     戦友というのは同じ釜の飯を食べ、銃火の中で互いの生命を預けあう、まさに家族だ。

     信用できない人間に自分の命を預けるか?無理だ。

     時に兄弟の死をみとり、時に兄弟の為に命を落とし、兄弟と共に笑い、悲しむ。

     兄弟の死を悲しみ、新たな兄弟を迎え入れ、兄弟の門出を祝い、そして試練を乗り越える。

     英雄とは家族に対する愛が深い人間の事だ。

     兄貴もそんな奴だったよ。

     ふう、俺は先に寝る、おやすみ」

 

 フランクは語りながら涙目になる。

 そして語り終わるとベッドに向かった。

 

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 翌朝

 

服部「1800、到着予定、オーバー」

 

司令部『こちらサン・ヴィト、了解。

    サン・カンタンの西にあるイルソンにて補給車列と合流、サン・ヴィトへ向かえ、オーバー』

 

服部「了解、通信終わり」

 

 服部は屋敷の前でジープに積まれた無線機で通信を行っていた。

 その隣ではペリーヌとレートとフランクが地図を広げて確認していた。

 

ペリーヌ「サン・カンタンは南東に150キロほどの街。

     そこから西に進めばイルソンにつきますわ。」

 

服部「合流地点ですね」

 

レート「だが気をつけろ、シャンパーニュとアルデンヌはゲリラの巣窟だ。

    今もゲリラと連合軍が殺し合ってる。」

 

ペリーヌ「ええ。特にアルデンヌは先月だけでも1000人近い兵士が戦死してますわ。

     ネウロイよりも危険ですわよ」

 

服部「了解しました」

 

 ペリーヌとレートはランス周辺のシャンパーニュとアルデンヌの状況を伝えた。

 そこから少し離れたところではリーネが宮藤に何かを渡そうとしていた。

 

リーネ「芳佳ちゃん、これ持って行って」

 

宮藤「え?何?」

 

 リーネから渡された包みを宮藤は受け取ると中身を確認した。

 中身は白衣だった。

 

宮藤「うわああ!白衣だ!これリーネちゃんが作ってくれたの?」

 

リーネ「うん、芳佳ちゃんがお医者さんになるって聞いたから。

    でもその前にまた戦争に行くんだよね…」

 

宮藤「う、うん…

   あれ?リーネちゃんその傷って…」

 

 すると宮藤がリーネの手の怪我に気がついた。

 

リーネ「あの、その、ほら、まだ私、上手にお裁縫できなくて…」

 

ペリーヌ「一か月前からずっと作っていたんですのよ」

 

 リーネは一か月前から慣れない裁縫で白衣を作っていたのだ。

 

宮藤「ありがとうリーネちゃん!私絶対立派なお医者さんになるからね!」

 

リーネ「うん!頑張ってね芳佳ちゃん!」

 

宮藤「うん!」

 

 宮藤はリーネに感謝を伝える。

 そして一行は車に乗り込む。

 乗り込むとリーネとペリーヌが助手席に座る宮藤に荷物を持って来た。

 

リーネ「はい、お弁当。途中で食べてね」

 

宮藤「うん」

 

ペリーヌ「これはここのハーブ園で撮れたセント・ジョーンズ・ランド、傷薬ですわ。」

 

宮藤「ありがとう、リーネちゃん、ペリーヌさん」

 

 すると荷台にレートが何かを積んでいた。

 

フランク「何やってんだ?」

 

レート「ペリーヌが『ここにあるお酒をすべてフランクさんにあげなさい』って言ったからな。

    ワインとビールだ、もってけ泥棒」

 

フランク「サンキュー、有難く飲ませてもらうぜ」

 

 レートが荷台にビールとワインを積んでいた。

 フランクはさっそくビールを一本取ると飲み始めていた。

 その様子に運転席に座る服部は呆れていた。

 

服部「で、では出発します。」

 

 呆れながらも服部はエンジンをかけてユニットをトレーラーに乗せたジープを発進させる。

 

宮藤「リーネちゃーん!ペリーヌさーん!またねー!」

 

リーネ「芳佳ちゃーん!手紙、書くからねー!」

 

 宮藤はジープから乗り出して手を振る。

 リーネたちも又手を振り返していた。

 そして一行はまずサン・ヴィトに向かう補給車列と合流するためにイルソンへと向かった。




ストパンのジープさ、ウィリスMB系じゃなくてどうもウィリスM38A1に見えるんだよな…
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