WWⅡウィッチーズ   作:ロンメルマムート

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本編前最後の話。
糖分注意
コーヒー等クソ苦いものを用意してください。


第8話:布石

 ヨーロッパの連合軍の組織は北アフリカ・地中海沿岸を管轄する地中海総軍、東部戦線全域を管轄する東方総軍、そしてヨーロッパ西部を管轄する西方総軍の3つに大別される。

 そのうち西方総軍の司令部はここ、ロンドンにあった。

 西方総軍において501は一部部隊とともに総軍直轄部隊として扱われている。

 そのため西方総軍の高級将校会議においてミーナ中佐はその中でも最下級の将校ということが多かった。

 それはこの日の、大陸反攻のため部隊の移動や装備等の増員に関する会議でも同様だった。

 

参謀「で、ありましてヒスパニアから第44連隊と地中海から第26旅団を移動させドーバーに配備。

   書類上は第7軍団の予備部隊としつつも戦術的にはブリタニア南西軍管区の指揮下に置くことになります。」

 

 西方総軍参謀本部の参謀将校が報告する。

 

ボック「うちの部隊は第7軍団の主力をサウサンプトンとワイトに、第113旅団をサウスエンドにおいて増援はドーバーだな。航空部隊は?」

 

 会議に出席している西方総軍参謀本部第13課課長フェードア・フォン・ボック大将が報告している参謀将校に聞く。

 

マロニー「それについては私から話そう。」

 

 ボック大将の質問に対しブリタニア空軍代表として出席したブリニア空軍審議官トレヴァー・マロニー大将が発言した。

 

マロニー「まず通常航空部隊は広範囲に増員、装備についても充実させる。」

 

ボック「ウィッチ部隊は?彼女らは制空権を得るために必要だ。」

 

マロニー「ウィッチ部隊は主力となる501は補充要員を受け取る。

     それでだ、ミーナ中佐、坂本少佐には来週扶桑に帰国してもらう。」

 

ミーナ「ちょっと待ってください。いくらなんでも急すぎます。」

 

マロニー「昨日その連絡が来たんだ。」

 

 ミーナ中佐が驚き抗議するがマロニーはまるで意に介さない。

 

ボック「まあミーナ中佐の抗議ももっともだ。

    マロニー大将、501は反攻における航空戦力の主力と同時にブリタニアの防空の要だ。

    それなりの補填はあるんだろうな?」

 

 ボック大将がマロニーに聞くが、

 

マロニー「必要ないだろ。今の時点で十分な成果を上げているんだ。」

 

ミーナ「ですが坂本少佐はウィッチーズ隊の要です。」

 

マロニー「別に2か月程度いなくてもいいだろ。この間4人も補充を受けたばかりじゃないか。」

 

 マロニーは501に補填は必要ないという。

 

ボック「それはどうかと思うが?マロニー大将。

    彼女らには常に無理をさせているんだ、臨時予算ぐらい構わんだろ。」

 

マロニー「そんなの金がどこにあるんだ?」

 

 ボックが臨時予算を与えるというがマロニーは反対する。すると、

 

ボック「このブリタニア軍の書類によるとそちらの空軍の開発予算がかなり多いように見えるが。」

 

マロニー「そりゃあ開発しなければいけないものはたくさんあるからな。」

 

ボック「だが予算の額がほぼ同じカールスラント空軍と比べると明らかに多いぞ。

    その上そちらが“開発中”の兵器の数はカールスラント軍の半分程度、リべリオン軍の方が多いぐらいじゃないか。

    それとも何かね、我々には言えない“何か”でも作っているのかね?」

 

マロニー「それは…」

 

 ボックが持ち出した書類から予算に余りがあることを見つけられたマロニーは質問に答えられない。

 

ボック「我々は“存在しないもの”に金は出せない。

    では、501に臨時予算を与える。その予算はブリタニア空軍から出される。

    異存のない方は挙手。」

 

 ボックが挙手を求め、マロニー以外の全員が挙手する。

 

ボック「君以外、反対する者はいないようだ。ではこれでよろしいな。

    それじゃあ次の議題は?」

 

 ボックが仕切ると次の議題に行き会議は進む…

 あるブリタニア人がボックとミーナ中佐をにらんでいることも知らずに…

 

 

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ミラー「外出ですか?」

 

ハインツ「いつ?」

 

ノヴァク「そういや給料日昨日だったな。」

 

 3人が来て1カ月がたち、ミラーもノヴァクも実戦を一通り経験、ハインツに至っては夜間哨戒の任務までやり始めていた。

 そんなある日、夕食を食べ終わりまったりしてるとミーナ中佐から外出してくれないかと聞かれたのだ。

 

ミーナ「次の日曜よ。あなたたち今まで一度も基地から外出してないでしょ。

    それに美緒が扶桑に戻るからドーバー駅まで連れて行ってほしいの。」

 

ハインツ「なるほど、俺は構わんぞ。いい加減基地から出たいし。」

 

ノヴァク「俺も買いたいものがいくつかあるからいいぞ。」

 

ミラー「別に僕も構いませんよ。ただ…リーネさんも連れて行っていいですか?」

 

 3人とも了承するがミラーがリーネも連れて行っていいか聞いてきた

 

ミーナ「リーネさん?」

 

ミラー「ええ、ここ数日あれで気落ちしてるみたいですし。」

 

 この数日前、リーネはミラーとともに出撃したが戦闘中に魔力のコントロールを失い墜落。

 幸い怪我もなかったがこの結果リーネはここ数日すっかり気落ちしていた。

 互いにほぼ新人で同じ訓練を受けてしかも互いに比較的上流階級出身(ミラーの家はハプスブルク家の宮廷音楽家で先祖を辿るとオーストリア大公ジークムントの庶子に連なると言われる家)だったためミラーはリーネと仲が良かった。リーネをあだ名で呼ぶぐらいには。

 とにかくリーネと仲がいいミラーはリーネの事をよく気にかけていた。

 

ミーナ「確かにそうね。ええいいわよ。」

 

 すると後ろで聞いていたペリーヌが、

 

ペリーヌ「あの、坂本少佐のお見送りなら私もついて行ってよろしいでしょうか?」

 

ミーナ「ええいいわよ。私は仕事でいけないからお願いするわね。」

 

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坂本「しかしこのメンバーとは珍しいな。」

 

ハインツ「まあ外出希望者がこんだけいたと思ってくれれば。」

 

 次の日曜日、ハインツ、ミラー、ノヴァク、リーネ、ペリーヌ、坂本少佐は車で海岸道路を飛ばしていた。

 運転席にハインツ、助手席に坂本少佐、後ろの対面座席にペリーヌ・ノヴァクとリーネ・ミラーと座っていた。

 

ノヴァク「ところでペリーヌ、ドーバーにいいティーショップあるか?」

 

ペリーヌ「何を買う気ですか?」

 

ノヴァク「まあ紅茶とティーセット一式、あとジャム。」

 

ペリーヌ「ジャム?」

 

 

ミラー「リーネさん、ドーバーって行ったことあります?」

 

リーネ「いえ、一度も行ったことないです。」

 

ミラー「整備士から聞いたんですけどドーバーにいい感じのカフェがあるらしいですよ。

    一緒に行きましょう。」

 

 

ハインツ「ケッ、どいつもこいつも女口説きやがって畜生。

     俺は一人悲しく土地勘もない場所でぶらぶらしなきゃいかんのかよ…」

 

 後ろで4人がいい感じになっているのにハインツは一人、ものすごい負のオーラを出していた。

 

坂本「なあハインツ大丈夫か。」

 

ハインツ「大丈夫ですよ。ちょっとイライラしてるだけですから。ちょっと飛ばしますよ!」

 

 そういうと東部戦線でパルチザンから逃げるために養われたドライビングテクニックでドーバーまで飛ばした。

 ドーバーに着いた時、後ろの4人はミラー以外死んだ。ミラーは舌噛んで悶絶した。

 

 

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リーネ「ミラーさん、大丈夫ですか?」

 

ミラー「ふぁのふぁろうふぇったいふぉろす(あの野郎絶対殺す)」

 

ハインツ「それじゃあ坂本少佐、気を付けて。」

 

ペリーヌ「坂本少佐、はやめにもどってきてください。」

 

ノヴァク「少佐、さっさと戻ってきてくださいよ。」

 

坂本「ああ、元気でな。」

 

 ドーバー駅に着いた一行は坂本少佐を見送ると、

 

ハインツ「で?どーすんだ?俺は特に用事ないからぶらぶらしとくが。」

 

ノヴァク「俺とペリーヌは買い物。ミラーは?」

 

ミラー「僕はリーネさんとお茶でもしようかなぁと。」

 

ハインツ「ミラー、ちょっとムカつくから一発殴らせろ。」

 

 そういうと一行は三つに分かれてドーバーの街に消えた。

 

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 三組に分かれた一行のうち、ノヴァクたちはペリーヌの案内でティーショップに来ていた。

 

店員「いらっしゃいませ、何かご用でしょうか?」

 

ノヴァク「ティーセット一式と紅茶。あと木苺のジャムはあるか?」

 

店員「少々お待ちください。」

 

 そういうと店員が店の奥に消えると後ろにいたペリーヌが聞いてきた。

 

ペリーヌ「ティーセットと紅茶は分かりますけどジャムってどうしてですか?」

 

ノヴァク「ああ、ポーランドじゃ紅茶にジャムを入れるのが普通だからな。今度飲むか?」

 

ペリーヌ「ぜひお願いいたしますわ。」

 

 

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 唯一、一人になったハインツは特に土地勘もないドーバーを一人歩いていた。

 

ハインツ「そこの御嬢さん、一緒にお茶でもどう?」

 

女性「結構です。」

 

 適当に見つけた女性にナンパしていたがことごとく撃沈されていた。

 

ハインツ「シャイセ!別に一人でいいんだよ…一人で…悲しくなんかないやい!」

 

 別に目から汗が噴き出していたりするが本人は気にしてなかった。

 

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 最後にリーネとミラーの二人はドーバー港近くの海が見えるカフェに来ていた。

 

ミラー「えー、コーヒーとショートケーキ。リーネはどうする?」

 

リーネ「えっと…紅茶とショートケーキで。」

 

店員「かしこまりました。」

 

リーネ「あの、なんでここに誘ったんですか?」

 

 店員に注文した後、リーネが聞いてきた。

 

ミラー「ん?いやここ数日目に見えて落ち込んでたからさ。気分転換にどうかなって思って。

    駄目だった?」

 

リーネ「いや、そういうのじゃないんです。ただ…」

 

ミラー「ただ?」

 

リーネ「私みたいな落ちこぼれに構うなんかよりも…」

 

ミラー「リーネ、君は勘違いしてるよ。

    別に君のことを落ちこぼれだとは1ミリも思ってないし大体みんな初陣はそんなもんだよ。

    僕だって後部機銃手で初めて出撃した時、味方機を敵機と思って撃ったことあったし。」

 

 リーネの質問に丁寧にミラーは返した。

 彼自身、かつて東部戦線で初めて出撃した際、味方のBf110をソ連のPe‐2と思い銃撃したことがあった。

 

リーネ「そうなんですか。あと一つ聞きたいことがあるんですけど。」

 

ミラー「ん?なに?」

 

リーネ「そのー「お待たせしました。ショートケーキ2つとコーヒーと紅茶です。」

 

 リーネは何か聞こうとした瞬間、店員が注文の品を持ってきた。

 

ミラー「コーヒーは自分。紅茶は彼女に。」

 

店員「はい。ごゆっくり。」

 

ミラー「うん、いい香り。コーヒーはやっぱり豆のやつに限る。

    で、リーネ聞きたいことってなに?」

 

リーネ「あの、ミラーさんたちはいったい何者なんですか?

    ソビエト?とかナチス?とかっていう話してるし男性のウィッチなんて聞いたことないし見たことない勲章付けてたり帽子のマークがカールスラントじゃないですよね。

    だから…」

 

ミラー「おっと、そこまでだ。この先は場所を変えて話した方がいい。

    今はとりあえずこの風光明媚なドーバー海峡と白い崖を楽しもうか。」

 

 ミラーはリーネの話を止めると、コーヒーを一口飲んだ。

 

---------

 

 それから数十分後、二人は人気のないドーバー港の端にいた。

 

リーネ「あの、ミラーさん。なんでここに?」

 

ミラー「ん?なんでって聞かれると相当不味いことを言うからね。

    こういう所の方が都合がいいから。

    本音としては基地で話したいけどここで聞かれちゃったからね。」

 

 そう言いながらミラーは周囲を念入りに確認する。

 周囲に誰もいないことを確認すると、

 

ミラー「これから言うことは他言無用、もし誰かに言ったら君の頭をブチ抜く。いいね?」

 

 懐から護身用に持ち出していたPPKを見せながら言った。

 

リーネ「え…な、何を話すんですか?」

 

ミラー「これから言うことは全て真実。君からすればお伽話、それもかなり後味の悪い方の奴だ。

    それでも聞きたいか?」

 

 動揺するリーネに最後の確認をする。しばらくするとリーネが頷いた。

 

ミラー「覚悟はできたみたいだね。それじゃあ話そうか。」

 

 そう言って自分たちのことを話し始めた。

 全て話し終わってあと、リーネの顔は暗かった。

 

ミラー「これが僕達の真実だ。分かったね?このことを話すのはこれが最後。いいね。」

 

リーネ「あ、あの。ミラーさんを信じていいんですね?」

 

 リーネが聞いてきた。

 

ミラー「信じていいよ。僕はそれほど悪人じゃない。

    少なくとも理由なく人を殺した事なんてないからね。

    おっと、こんな時間だ。少佐たちが待ってるはずだ。リーネ行こうか。」

 

 そう言うと2人は駅の方に消えていった。 




リア充爆発しろ。
ミラーのヒロインはリーネです。
ノヴァクのヒロインはペリーヌじゃないです。
ハインツのヒロインは未定です(もしかしたら一人ぼっちの可能性も)

ミラーのキャラぶれてると思うけどおぼっちゃまなんで女性のリードは得意。
普段はしないけどいざという時はものすごいキザな役になる。

次回本編開始だと思う
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