506メンバーもやっと出ます。
それから数か月後、年が明けて1945年1月。
真冬のガリア上空を一式戦闘脚Ⅲ型隼を履いた邦佳と三式戦闘脚Ⅱ型を履いた貫二郎が飛んでいた。
貫二郎は通常の軍服にオーバーを着ていた、だが邦佳はいつもの和服だった。
貫二郎「ひぃいい、寒い…
やっぱりフランスは寒いね…」
邦佳「う、うん…天気はいいのに風が…」
真冬であるため眼下のガリアの地は薄っすらと雪が積もり白みがかっていた。
空は晴れていたが雲が多かった。
貫二郎「もうちょっと防寒着持ってくれば良かったかな?
邦佳、寒くない?」
邦佳「全然平気、鍛え方がちが…ヘックシュン!」
貫二郎が聞くと邦佳がくしゃみをする。
すると貫二郎は来ていたコートを脱ぐと邦佳にかけた。
貫二郎「はい、これでどう?」
邦佳「ちょっとはマシかな。」
二人は仲良く話していた。
だがその平穏な空気は突如破られた。
突如二人の右手の雲の中から黒い物体が飛び出してきた。
貫二郎「うわ!」
邦佳「ネウロイ!?」
二人共移動の為荷物を背負い武器は貫二郎が南部十四年式拳銃と日本刀以外持っていなかったため二人共その黒い物体がネウロイだと思い混乱する。
だがすぐにそれがネウロイじゃないと気がついた。
米海軍の艶のあるネイビーブルーで塗られ主翼には白い星が描かれコックピットの下にはパンダが描かれた見慣れない飛行機だった。
邦佳「白い星…」
貫二郎「米軍機だ!なんでここに!」
二人にはその機の所属だけはすぐに分かった。
米軍機だ。
貫二郎と邦佳はすぐにその米軍機のコックピットの中を覗いた。
中ではパイロットを目を丸くして驚き無線で呼びかけてきた。
『こちらアルバトロス12。パンパン、パンパン、パンパン。
水平尾翼に問題が発生、緊急着陸を要請する。』
貫二郎「邦佳、どうする?」
邦佳「うーん、ディジョンまで連れて行こう!
分かった、飛行場まで誘導するね」
『助かる。水平尾翼に問題があるから緩やかな降下で進入したい。
今から2000フィートまで降下する』
機は緊急事態信号パンパンを宣言したため邦佳は機を最寄りのディジョンに誘導することにした。
邦佳は機体の前に出ると主翼を振ってついてくるように伝えた。
それに米軍機も答え主翼を振ると少しずつ降下を開始、15分ほどしてディジョンの飛行場が見えた。
邦佳「やっとディジョンだ!先に着陸して!」
『了解』
貫二郎「ディジョン、今から一機緊急着陸する。消防隊を要請」
米軍機は緩やかに降下しながらフラップを出し、主脚を降ろし着陸進入を開始した。
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その頃地上では緊急連絡を受け消防隊が出動、臨戦態勢になっていた。
「緊急着陸なんて聞いてない」
「消防隊急いで配置につけ!」
地上ではディジョン基地のジーナ・プレディ中佐とマリアン・カーラ大尉が緊急着陸を受け入れる態勢を整えていた。
マリアン「こちらディジョン。消防隊受け入れ完了。
緊急着陸を行う機は機種と乗員数、残燃料を答えよ。」
『感謝する、こちらアルバトロス12。
機体はグラマンF8F-1ベアキャット、乗員一名、燃料は残り…56ガロン。
現在高度600フィート、速度180ノット、水平尾翼に問題が発生。』
マリアン「了解、グラマン機、乗員一名、燃料残り56ガロン。
隊長、情報です。」
ジーナ「ありがとう。グラマンF8F?知ってるか?」
情報を受け取ると機体が見慣れない機種なのに気がつきマリアンに聞いた。
マリアン「いえ、新型機でしょうか?」
ジーナ「テスト中に問題でも起きたのだろうか。」
二人が話しているとF8Fは緩やかな降下で滑走路に着陸、滑走路の真ん中付近で停止した。
そしてすぐに二人はその機が見慣れない国籍章をつけているの気がついた。
一方パイロットは機体をゆっくり走らせながら格納庫まで運んだ。
運ぶとエンジンを切りコックピットから降りるとやってきたジーナに謝った。
「本当に申し訳ない。滑走路を借りてしまって。」
ジーナ「いや、構わない。緊急事態だったからな。
ところで君は何処の誰かね?所属は?」
ジーナはパイロットに聞いた。
カート「自分は米海軍カート・ロバート・フーヴァー少佐です。」
ジーナ「連合軍第506統合戦闘航空団B部隊隊長ジーナ・プレディ中佐だ。
一つ聞くが、米海軍とはなんだ?どこの海軍だ?」
ジーナは米海軍とは何処の軍だと聞いてきた。
カート「何処とは?アメリカ合衆国海軍のですよ。
U.S.NAVY、聞いたことあるでしょう?」
ジーナ「U.S.NAVYはリベリオン海軍だが?」
カート「どうも認識に関して齟齬があるようだ。
一つ聞くが、ここは何処だ?今は何年の何月?」
ジーナ「ここはガリア共和国ディジョン、今は1945年の1月だ。」
カート「成程…45年7月のカリフォルニアではないか…」
ジーナ「ふむ、私の知る限りあのような機は存在しない。
それに君の所属する米海軍とやらも知らない、一体何があった?」
カート「カリフォルニアのサン・ガブリエル山脈上空で訓練中に突如コントロールを失って急上昇、気を失い気がついたら雲の中を飛んでいて雲から出たらさっきであった彼女達と出会い、ここまで誘導してもらった。」
ジーナ「彼女達?というのさっき連絡してきたウィッチ達か?」
カート「はい」
二人は見解を一致させるため話し合っていた。
すると後ろから着陸した邦佳と貫二郎がやってきた。
邦佳「大丈夫でしたか~」
カート「ええ、大丈夫です。ご協力感謝します」
ジーナ「誰だ?」
邦佳はカートに話しかける。一方ジーナは二人の事を聞いた。
邦佳「今度この基地に配属になった黒田邦佳中尉です!」
貫二郎「その部下で同じく配属となった大野貫二郎少尉です」
二人は敬礼してジーナに自己紹介する。
ジーナ「ふむ、隊員の増強があるという知らせは来てないんだが。
ま、いいか。私はジーナ・プレディ中佐、こちらがマリアン・E・カール大尉。
彼がこの機のパイロットのカート・ロバート・フーヴァー少佐だ。」
マリアン「よろしく、マリアンでいい」
カート「よろしく、黒田中尉、大野少尉」
自己紹介するとマリアンとカートと二人が握手する。
ジーナ「念のため確認してくる。それと君の事もだ。」
そう言うとジーナは頭を掻きながら上に確認に向かった。
すると入れ違いでブロンドの少女とブラウンの髪の少女がやってきた。
「あんた達がさっきの騒ぎやったのか?」
カート「まあ、すいません。飛行中に問題が起きたもので」
ジェニファー「初めまして、ジェニファー・デ・ブランク大尉です。」
カーラ「私はカーラ・J・ルクシック中尉だよ。」
カーラとジェニファーも3人に自己紹介した。
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それからしばらくして。
ジーナ達とカート、邦佳、貫二郎は基地の談話室でくつろいでいた。
カート「まさか飛行中に左のトリムタブが脱落するとは。
原因は何とも言えないが構造上の問題ならば大問題だな。」
カートは機体を点検した際に左の水平尾翼の昇降舵のトリムタブが脱落したことに気がつきその事を報告書に書いていた。
するとジーナが戻ってきた。
ジーナ「えー、君らの勘違いだ。」
「「え?」」
ジーナ「506JFWにはA部隊とB部隊がある。
君らが配属されたのはAのセダン基地、ここBの基地、ディジョンではない。」
邦佳「そっかー」
貫二郎「まさか二つも部隊があるとは」
カーラ「同じじゃないよ。」
貫二郎たちが話しているとカーラが割り込んだ。
カーラ「A部隊は威張り腐った貴族たちの集まり、B部隊は自由な奴らの溜まり場さ。」
マリアン「ふん!お偉い貴族様にはさぞ居心地が悪かっただろうな!」
マリアンがやたら喧嘩腰の口調で言う。
すると二人は笑った。
邦佳「あははははは!まっさか~!」
貫二郎「そんなわけないない、どうせ次男坊だし僕は!
勝手気ままに生きてく次男坊、富もなければ責任もない!」
邦佳「貴族って言っても体裁を守るための名前だけ、もともと私は分家の端の端で無理矢理養女にされて送り込まれたんですよ。」
二人共貴族としては一方は名前だけ、もう一方は次男坊で責任もなければ相続権もないような人間だった。
それにマリアンは苦い表情をする。
ジェニファー「調子が狂いますね、マリアン」
マリアン「ふん!」
マリアンは不貞腐れた。
ジーナ「長旅の疲れもあるだろう、数日休んであっちに向かうといい。」
邦佳「ありがとうございます!」
貫二郎「感謝します」
ジーナが気を遣いしばらくディジョンに留まることを許可した。
ジーナ「それと、フーヴァー少佐は機体の修理が完了したら私と共にセダンに飛んでくれ。」
フーヴァー「分かりました」
ジーナはカートに一緒にセダンに飛ぶように指示した。
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二日後
カート「機体よし、燃料よし、油温油圧正常。
操縦系統異常なし、こっちはいつでも飛べますよ!」
ジーナ「分かった、そろそろ行くが準備はどうだ?」
格納庫ではジーナのP-51と二人のユニットが並んで発進準備をしていた。
機体の修理、特に喪失したトリムタブはF8F専用であるため既存の別の機のトリムタブを改造して無理矢理取り付ける工事に丸一日かかっていた。
一方邦佳の方はカーラが彼女に抱き着いていた。
カーラ「黒田中尉と大野少尉こっちにいて欲しいよ~!
な?今からあっちは断れ!」
マリアン「ウィトゲンシュタイン大尉は難物だぞ。
あっちに行ったら覚悟するんだな。」
邦佳「うぃとげ…?」
ジェニファー「ごめんね、あんな態度だけど…」
邦佳「大丈夫、分かってるから。
ばっちゃんがいってたもん、愛想がない人ほどほんとは優しいって」
カーラ「なあなあじゃあ私はどうなるんだよ?」
邦佳「カーラはカーラ、裏表ないでしょ?」
邦佳を囲んでB部隊のウィッチ達は別れを惜しんでいた。
貫二郎「あのー、誰か僕の事も…」
貫二郎は一人蚊帳の外だった。
するとカーラがあるバッグを持って来た。
カーラ「これ、餞別な」
邦佳「コーラ、こんなに」
中身はコーラだった。
ジーナ「そろそろ出発するぞ」
カート「こっちはもう行けるよ。」
邦佳「ありがとう!じゃあ行くね!」
貫二郎「お元気で」
そう言うと二人とジーナとカートは離陸しセダンに向かった。
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ホスバッハ「プハ!ここは何処だ!」
カーロイ「痛、何処だ此処」
ホスバッハとカーロイが目を覚ました時、そこは針葉樹林の中だった。
うっすらと雪が降り積もり、遠くには城のようなものがあった。
ホスバッハ「武器はある、アタッシェケースもあるな。」
カーロイ「どうなってんだ畜生」
二人は自分の体と装備を確認した。
二人共無傷であり無事だった。
カーロイ「で、何処だ此処は?」
ホスバッハ「分からん、だがあの城が気になる。
どう思う?」
ホスバッハは遠くに見える城を指さしてカーロイに聞いた。
カーロイはホスバッハから双眼鏡を奪うと城を観察した。
カーロイ「そうだな、比較的綺麗だから誰かが管理してるんだろう。
気になるのは見た感じ、アレはハンガリーの城じゃない、フランス系だ。」
ホスバッハ「フランス?」
カーロイ「ああ。ハンガリーの城はオーストリア系の派手な装飾が多いがアレはかなり古いフランス系の建築だ。
珍しいぞ。」
ホスバッハ「そうか、とりあえずあの城に向かうぞ」
カーロイ「あいよ」
二人は武器を持ち城へと向かった。
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ホスバッハ達がいた所の180度反対側の森林ではトニーとジェフとアランが倒れていた。
アラン「ん…」
ジェフ「ここ何処だ?」
トニー「一体何が何やら」
3人は気がつくと周りを見るがそこにはスロヴェニアの急峻な山岳地帯もパルチザンの仲間たちもいなかった。
あるのは森林だけだった。
アラン「立てるか?」
ジェフ「ああ。お仲間はどうした?」
アラン「分からん。」
アランはジェフを立たせると先に立ち上がっていたトニーがジェフにライフルを渡した。
トニー「これを持ってろ。仲間がいないとなると自分の身は自分で守れ。」
ジェフ「いいが、あんたはどうするんだ?」
トニー「大丈夫だ」
ジェフが聞くとトニーはジャケットの下につけていたショルダーホルスターから二丁のM1910を取り出した。
トニー「伊達にマーダーインクにいたわけじゃないんでね。」
ジェフ「ああ、成程ね。
フォレスト将軍の親衛隊か?」
トニー「ウィリアム・S・ハートって言ってくれ。
俺の爺さんは北軍にいたんだぞ」
アラン「軽口もいいがさっさと言った方がいいぞ。
何せドイツ人どもが追いかけてるかも知れないからな。」
アランは軽口を叩くトニーとジェフを後目にZB-26を構えて歩き始めた。
ジェフ「分かってるよ。で、何処に行くんだ?」
アラン「あの城だ。何かしらの情報があるかもしれない。」
ジェフが聞くとアランは木々の梢の合間から見える城を指さした。
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その頃、セダンの506A部隊基地では隊長のロザリー・ド・エムリコート・ド・グリュンネ少佐と戦闘隊長のハインリーケ・ツー・ザイン・ヴィトゲンシュタイン大尉がジーナと邦佳達に会っていた。
案内された隊長の執務室のテーブルの上にはお菓子が置かれ、ジーナ、カート、邦佳、貫二郎、ハインリーケの順で並んでいた。
ロザリー「初めまして、ようこそセダン基地へ、黒田さん、大野さん、フーヴァーさん。
私はロザリー・ド・エムリコート・ド・グリュンネ少佐です。
どうぞ座って楽にしてね。
よかったら食べてみて、私が作ったの。」
ロザリーに促されジーナ達はソファーに向かい合って座った。
そして邦佳は置かれたお菓子を手に取り一口食べると衝撃を受けた。
邦佳「隊長!引退して困ったらパティシエになるといいですよ!」
ハインリーケ「な!おぬし隊長の前で何を言っとるか!」
その失礼極まりない発言に立っていたハインリーケが反応して口論が始まり貫二郎が仲裁しようとした。
一方でジーナとカートはそれを後目に同じく菓子を食べていた。
カート「絶品ですね。」
ジーナ「美味しいな」
二人がそう言った直後、基地内に銃声が響き渡った。
ハインリーケ「なんだ!」
貫二郎「銃声!?」
邦佳「下の方からしたよ!」
喧嘩していた3人は驚いた。
銃声は階下から聞こえていた。
その間にも銃声は続き、連続していた。
カート「ジーナ中佐!」
ジーナ「行こう!」
ロザリー「私も行くわ!」
ジーナ達は立ち上がると部屋を飛び出して階下へと向かった。
ノーブル全巻読んだら8巻の内容がマジで要らない謎プロットが完成した。
後506が容赦なく王党派殺す謎ストーリーも。
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