幽霊戦闘機、一般的にフー・ファイターという名称で知られる未確認飛行物体というのは大戦中連合軍、枢軸軍問わず広い範囲で確認されていた。
1942年にはロサンゼルスでこれが出現、米陸軍が迎撃、6人の“戦死者”を出す事態となった。
また45年にはタイム誌が次のような報道をした。
「もしそれがデマや目の錯覚でなければ、連合軍兵士が直面したもっとも謎めいた秘密兵器に違いない。
先週、フランスに基地をおく米軍の夜間戦闘機パイロットたちは、ドイツ上空で夜間、1ヶ月以上にわたり彼らの戦闘機の後をつける『火の玉』についての奇妙な話を語った。
誰もその火の玉(何であれ)が何を目的としているのかは分からない。
それを心理学的な新兵器だと推測するパイロットたちは、火の玉に『フー・ファイター』と名づけた。
・・・その出現の仕方に関する彼らの記述はさまざまだが、不思議なゆらめきが戦闘機のすぐそばに張り付き、速いスピードでどこまでも付いて来るように見えたという点では一致している。
あるパイロットは、翼の先端から離れたところに赤い球のような形で出現するフー・ファイターの群れがぴたりとついて来て、時速360マイル(時速580km)に加速すると赤い球は空の中に急上昇していった、という。」
――NEWSWEEK 15 January,1945
奇妙な事に、フー・ファイターの証言の多くはその数年後から始まった所謂「空飛ぶ円盤」の目撃証言とよく似ていることが多かった。
現代ではこの事例は初期のUFOの目撃事例の一つとされることが多い。
ではこの“戦闘機”の正体は?
多くの場合戦闘時のストレスによる対空砲火や発光信号、雷などの気象現象、他機などの見間違えや球電やセントエルモの火などのあまり一般的ではない発光現象であるとされる場合が多い。
これは一般的なUFOとされるものと殆ど同じと言える。
だが一方で一部の陰謀論者や人々はこれらの報告の一部、又は殆どを見間違えや自然現象ではないと主張している。
彼らが言うのは“宇宙船”やら“未来人の乗り物”といったいわゆる「オカルト」的なものである。
9割は眉唾物の主張であり信じるか信じないかは貴方次第、なものである。
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カーロイ「おい!知恵遅れゲルマン!これ一体どういうことだ!
何でドイツ人のてめえがハンガリー軍参謀本部の最高機密文章を持ってるんだ!
それにこの内容は何だ!N計画?幽霊戦闘機?フェルニゲシュ?」
ホスバッハ「知らん、俺はただ上からその書類を回収するか破棄せよ、とだけ命令された。
それだけだ」
カーロイはホスバッハに馬乗りになって掴みかかり問い詰めていた。
右手には渡された書類を持ったままだった。
ロザリー「カーロイさん、やめなさい」
カーロイ「こいつは一体どういうことだ!」
カート「一体何が書かれていたんだ?」
カーロイをロザリーが止めカートが聞いた。
カーロイ「ハンガリー軍参謀本部の最高機密文章だ。
このクラスの機密文章は俺も1回しか見たことがない、だが書いている内容は理解できた。
N計画と題されたものだ。
詳細は知らんが幽霊戦闘機の一種、コードネームフェルニゲシュとかいう奴に関する内容だ。」
ロザリー「フェルニゲシュ?」
貫二郎「ハンガリーの古い伝説に出てくる黒龍です。」
カーロイ「そうだ、ちゃんと読んでみない事には分からないが何故お前が持っていた?」
ホスバッハ「だから、回収するか破棄しろと言われていたんだ!」
カーロイが再度詰め寄るがホスバッハはそうとしか答えられなかった。
カーロイ「それ以外何か言え!」
ホスバッハ「俺に命令されていたのはそれだけだ!
中身は知らん!」
カーロイ「知らねえで済むか!このクソナチス!
同盟は終わりだ!シベリアにでも送られてくたばれ!」
カーロイはそのまま殴ろうと拳を構えるがその拳をアドリアーナが掴んだ。
アドリアーナ「これ以上はやめろ、一旦冷静になれ。」
カーロイ「あ…ああ。」
カーロイは言われ冷静になりホスバッハのベッドから自分のベッドに戻った。
ロザリー「で、この書類についてハンガリー軍の機密文章ってこと以外何か分からないの?」
カーロイ「最初から読んでみない事には何とも。
参謀本部にいたことがあるがこのクラスの機密書類を扱ったのは2、3回だけだ。」
ジーナ「残りはこの中だ」
ジーナは残りの書類の入ったアタッシェケースをカーロイに渡した。
カーロイはケースを開け書類を読み始め一通り読み終わると溜息をついた。
カーロイ「はぁ、こいつは大変な代物だぞ。
俺のパイプは何処だ?」
イザベル「パイプ?」
カーロイ「パイプ煙草、俺の軍服のポッケに入ってるはずだ。」
カーロイに言われイザベルはそばのハンガーにかけられたハンガリー空軍の軍服のポッケをイザベルが探し象牙のパイプとマッチとパイプ用タバコを見つけるとカーロイに渡した。
カーロイは受け取りパイプ煙草で一服すると内容を話し始めた。
カーロイ「こいつは相当な代物だぞ。
何せ、未知の物体に関する報告書だからな」
ハインリーケ「未知の物体じゃと?」
カーロイ「ああ。最初の報告は1939年9月12日、トランシルヴァニア地方のハンガリー・ルーマニア国境沿いで国境警備隊がルーマニア側から侵入した未確認の物体を発見、止めようとしたところ赤い光を放ち傍の木を吹き飛ばした、それを受け警備隊が交戦、破壊した、とのことだ。
で、これがその隊員が上に報告したスケッチだ。」
カーロイは書類の内容を語り始めた。
内容はハンガリー軍と警察、国境警備隊が39年以降に遭遇した未確認物体に関する報告とその研究に関する物だった。
カーロイは書類についていたスケッチを見せた。
それは蜘蛛のような形をしたものだった。
ロザリー「これって…」
イザベル「ネウロイ、だよね」
カーロイ「ネウロイ?そんな単語がどっかに、あった。
1939年10月5日、ホードメーゼーヴァーシャールヘイ警察が保護した不審な少女の証言。
そこに『私たちは“ネウロイ”と交戦して、死んだと思ったらここにいた』って証言とネウロイに関する報告がある。
その後警察は精神異常者と判断し周辺の精神病院等から脱走した患者がいないか確認したが確認できず、陸軍に引き渡したそうだ。
陸軍で証言等を行った後研究所に送られた、と書かれてる。
ネウロイについてはあった、これだ。
『ネウロイは我々が9月以降断続的に遭遇している未確認の敵意を持った移動物体の総称と思われる。
その能力はルーマニアに相当する国を侵略するほどであり極めて危険と考えるべきである。
一方、その能力とエネルギー源に関しては驚異的な兵器となる可能性を秘め、将来的な兵器化も含めた研究を行うことを提案する。
ロージャ・ミクローシュ陸軍少将、1939年10月16日付報告書より』
『ネウロイは地上だけでなく空中にも存在し、その空気力学的特性、飛行性能は驚異的であるが一方で巨大で目立つため空中では容易に発見可能である。
その飛行能力と空気力学的特性を研究することは今後の航空機の発展、開発に対して素晴らしい見地を得る可能性が極めて高い。
よって、ネウロイの空気力学的研究は空軍と航空機開発に多大なる恩恵を与えるであろう。
空軍技術研究所ホルン・フィレンツ博士、1940年12月6日、定期報告書内より』
『ネウロイに対抗できるものとされるウィッチに関しては既に数名を確保、現在その能力に関する研究を行っているがその能力はまさに超人的としか言わざるを得ない。
物理学的にあり得ない事を普通に行うことが出来、その小さな肉体には最優秀の兵士達と同等の能力を有する。
またこのウィッチに必要な素質に関しては我々の世界には広範囲に渡って存在する可能性が極めて高い。
人工的なウィッチの開発、これが可能となれば我が国は超人的な兵士達を多数そろえ世界最強の軍を組織することが可能である。
ブダペスト大学ペティーフィ・イムレ教授、1943年5月6日、参謀本部によるウィッチ・フェルニゲシュ(ネウロイ)の兵器、戦力化に関する報告内より』
だ、そうだ」
カーロイは書類内にあったウィッチとネウロイに関する報告を引用した。
その内容は総じて「ネウロイは極めて危険な脅威となりうるが一方で多大なる可能性を秘めている」、「兵器化を行うことで極めて強力な兵器となりうる」、「またそれに対抗できる存在と言える“ウィッチ”は超人的であり超人的な兵士を組織すれば極めて有効な戦力となりうる」と書かれていた。
ロザリー「つまりこの書類は貴方方の世界のネウロイとウィッチに関する研究と報告なの?」
カーロイ「ちょっと何言ってるか分からない、世界?まさかここが異世界だっていうのかい嬢ちゃん?」
カーロイの話を聞いてロザリーは内容を要約した。
するとカーロイがロザリーの話を聞いてありえないような表情をする。
ジーナ「残念だがそうだ。君の持っている報告書のネウロイとウィッチのいる世界だ」
カーロイ「証拠は?証拠がなければどんな話も信じないぜ?
犬の耳でも出してみろ」
カーロイは信じず挑発する。
するとジーナが魔力を発動して使い魔を出した。
ジーナ「これで信じるか?」
カーロイ「あ、ああ…」
アラン「なんだ今の?」
ジェフ「カート、後で思いっきり殴ってくれ。」
トニー「ありえない…」
ホスバッハ「そんな馬鹿な…」
その光景に全員絶句していた。
カートや貫二郎は既に見た事も説明も受けているので大して気にしていなかった。
アドリアーナ「で、その書類の続きはどうなんだ?」
カーロイ「続き、ああ。
えーと、色々あって…あああった。
『1944年12月8日付、参謀本部最高機密命令第135789号、2週間以内の一切のフェルニゲシュ・ウィッチ計画に関する機材、研究資料及び被験者の廃棄・破壊を実施。
書類は本書類を除き全て焼却処分、被験者は射殺後完全な焼却処分、不可能な場合地下に埋めよ、機材は全て爆破処分。
施設も同様。』
で、
『12月20日付報告、計画の全資料、被験者、施設、機材の破壊完了。
これを以て全計画を終了。』
だ、そうだ」
カーロイが計画の顛末を訳した。
顛末はソ連軍の接近による全資料等の破棄であった。
それは即ちウィッチ等の殺害も意味した。
ロザリー「そんな…」
カーロイ「この記録が正しければね。
恐らく正しいだろうな」
その内容にウィッチ達も含めて絶句した。
カーロイ「で、どうするんだ?
俺達は異邦人だぜ、このまま突き出すのかい?」
その静寂を破るようにカーロイが聞いた。
ロザリー「明日、上の人たちが来るから話し合って決めるわ。
大丈夫、悪いようにはしないわ」
カーロイ「ありがとう、ところで…」
するとカーロイがあることに気がつき遠慮しながら聞いた。
カーロイ「ズボン履かなくていいのか?」
ジェフ「それな」
トニー「俺も気になってた」
アラン「言われてみれば…」
ホスバッハ「確かに…」
カーロイの質問にウィッチ達は首をかしげるがジェフなどは同意し、カートは気まずそうな表情をしていた。
貫二郎「まあその…この世界では我々の言うところのパンツがズボンらしいので…
慣れてください。自分は慣れました。」
カーロイ「え?本当か?」
貫二郎「本当です、慣れです、慣れ。」
貫二郎が死んだ目をしながらカーロイ達に言う。
その気迫から全員何かを察した。
そしてこの日の一連の騒ぎは終わった。
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その頃、パリのガリア軍行政司令部では動きがあった。
ボック「ハイドリヒ君、いいニュースだ。」
ハイドリヒ「閣下、丁度いいタイミングです。
こちらも報告がありましたので。」
ボックの執務室にハイドリヒが呼ばれていた。
ハイドリヒもボックに報告する内容があった。
ボック「まず君からしたまえ、いいニュースかね?」
ハイドリヒ「はい、幾つか報告があります。
まず、ガリア共産党の副書記を先程ペルピニャンで逮捕しました。
次に王党派内部に不穏な動きが。」
ボック「何?王党派?あいつらは我々の協力組織じゃないのか?」
ハイドリヒの口から王党派という単語が出るとボックは驚いた。
この時点で王党派は比較的協力的な勢力として扱われていた。
というのも彼らの反共的性格・権威主義的性格は彼らと極めてよく似ていた。
アクシオン・ガリアなどの王党派勢力は彼らの支持母体でもあった。
ハイドリヒ「そのつもりでしたが、彼らは羊の皮を被ったライオンでした。
彼らは今、ガリア政府の打倒、そして506の解散を狙ってます。」
ボック「ふむ、どのような?」
ハイドリヒ「詳細は不明ですが、つい先日ヒスパニアから輸送中の武器弾薬が強奪された事件が関連しているようです。
あの事件は共産党かバスク独立派によるものと考えてましたが我々のスパイが王党派の犯行という情報を入手しました。
現在検証中ですが可能性は高いです。」
この数日前、ヒスパニアからガリアに輸送中の第250装甲擲弾兵師団を積載した貨物列車がガリア南部で襲撃を受け積載していた数トンの可塑性爆薬と武器弾薬を強奪されていた。
強奪は極めて計画的且つ周到なもので警備部隊が襲撃に気がつき救援に向かった頃には物資を奪われていた。
この事件の犯人として疑われたのが反体制派として弾圧していたガリア共産党かバスク独立派などの各地の独立勢力と見られていたが突如王党派の犯行説を裏付ける情報が出てきた。
ボック「そうか、ならば彼らを分裂させないとな。
まずはボナパルティスト、オルレアニスト、レジティミストに3分割して一つずつ潰す。
ラヴァル君にも協力して貰わないとな」
ハイドリヒ「はい、そのつもりです。
ところで、私へのいいニュースとは何でしょうか?」
するとハイドリヒが思い出した。
ボック「ああ。君が欲しがっていた506への独自の情報網、そのアテが出来た。」
ハイドリヒ「できた、と言いますと?」
ボック「お仲間だよ、それもこれだけ」
ボックは両手の人差し指、中指、親指を立てた。
ハイドリヒ「最高ですね」
ボック「ああ、最高だ。」
ボックはそう言うと椅子を回して窓の外を見る。
窓の外には遠くにブルボン宮殿とエリゼ宮が見えていた。
ボック「大概外に向かって自らが権力者だという奴は権力を持っていない。
権力を実際に持つものは権力者を自称する輩の背後にいるものだ。
真の権力者は権力者に都合のいい情報を与え都合のいい判断をさせるか、権力者に間接的な力を見せつけて意のままに操るかのどちらかだ。」
ボックが言うとハイドリヒはにやりと笑う。
それを見てボックも邪悪な笑みを浮かべた。
ボック「言っておくが、私は将軍だよ?政治家じゃない。
私はこの国のあるべき道筋を示唆するだけだ。
そこから何をすべき考えるのは、分かるね?」
ハイドリヒ「勿論」
ボック「では、506の“管理計画”を立てて、実行したまえ。
あの世間知らずの貴族と自由と権利を標榜するバカを教化し我々の駒にしろ」
ボックは鋭い目つきで老練な老将軍の凄みを醸し出しながらハイドリヒに命じた。
それに金髪の野獣も只者ではないオーラを出して返事をする。
ハイドリヒ「は」
そう言うとハイドリヒは部屋から出る。
ドアを開けるとすぐに待っていた副官がやってきた。
ハイドリヒは廊下を歩きながら後ろを歩く副官に指示を出す。
ハイドリヒ「プレッツ、明日ボック大将と共にセダンに飛べ。
明日から君は506の作戦参謀だ。
クラインとジーゲルには私から今晩中に通す」
プレッツ「分かりました、閣下」
ハイドリヒ「向こうに行ったら我々の新たな仲間と協力体制を構築し中の情報を逐一こちらに流せ。
ウィッチとも協力体制を築ければなおいい」
プレッツ「了解、ハイル・ヒトラー」
ハイドリヒ「ハイル・ヒトラー」
二人は右手を伸ばしナチス式敬礼をすると別れた。
(解説)
・ピエール・ラヴァル
史実ヴィシーフランス政府首相・フランス政府首相(元)
フランスのコラボラシオンの代表的人物。
45年に処刑されて飛ばされる。
王党派寄り政治家として活動するが王党派ではなく単なる反共主義者。
なお唯一ノーブルにも実際に出てくる
・ハンス=アヒム・プレッツ
史実保安警察及びSD長官第一副官(つまり史実国家保安本部長官の副官)
44年に戦死して飛ばされる。
ハイドリヒの腹心の部下。
はい、報告書はネウロイとウィッチに関する物です
だって一方だけじゃ不公平でしょ?それに大戦中は幽霊戦闘機の話がいっぱいあったし。
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