WWⅡウィッチーズ   作:ロンメルマムート

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やたら血生臭い回です。
死人多数。


第21話:汚れ仕事

 アラン達がパリで活動していたその頃、セダンではカーロイとホスバッハとイザベルが犬を連れ猟銃を持って森の中を歩いていた。

 

カーロイ「あいつらちゃんと仕事してるんだろうか?」

 

ホスバッハ「してなかったから困る、失敗したら我々の面子に関わる」

 

イザベル「だね」

 

 3人は暇だったためハンティングに出かけたのだ。

 するとカーロイが飛んでいる鳥を見つけた。

 

カーロイ「見ろ、ハトだ」

 

 彼は猟銃を構えると発砲、一撃で鳩を撃ち落とした。

 

カーロイ「やったぜ」

 

イザベル「お見事」

 

 カーロイは犬を連れてハトが落ちたところに向かい足を掴んで拾い上げてイザベルたちに掲げる。

 

カーロイ「見ろよ、晩飯は鳩料理だ」

 

イザベル「ねえ、その鳩足に何かついてるよ?」

 

カーロイ「え?」

 

 イザベルに指摘され鳩の足を見る。

 すると小さな筒が付いていた。

 

カーロイ「伝書鳩だったのか。

     誰の伝書鳩だ?」

 

 カーロイは伝書鳩の持っていた手紙を取り出した。

 

イザベル「え?見るの?」

 

カーロイ「そりゃあねえ、間違えてお宅の伝書鳩を撃ってしまいました、心から謝罪いたしますってやらないと」

 

 少し引いているイザベルにカーロイが言う。

 カーロイは手紙を取り出し読み始めたがすぐにこの手紙がただの手紙じゃないと理解した。

 

カーロイ「おお…ドイツ人、俺どうやらえらいものを撃ち落としたみたいだ」

 

ホスバッハ「何が書いてあったんだ?」

 

 カーロイは無言でホスバッハにその手紙を見せた。

 それを一読しこれがただの手紙ではない事を理解した。

 

 

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 その日の夜、基地内で動きがあった。

 突如基地内の一室に銃声が響くと部屋に兵士達が雪崩れ込んだ。

 部屋の中にいた人物は慌てて立ち上がり明かりをつけた、そこにはM1897トレンチガンを持ったホスバッハと彼に率いられた兵士達がいた。

 その部屋の主は基地の看護師だった。

 

ホスバッハ「貴様が裏切り者か。」

 

 そう言うとホスバッハはトレンチガンをリロードすると構えた。

 次の瞬間部屋は朱に染まった。

 

 

 

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 翌日早朝、一行はマルセイユに到着し現地の協力者に公衆電話から電話をかけていた。

 

アラン「マルセイユ港湾司令部税務調整室。」

 

 アランが交換手にかける相手を伝える。

 暫くすると繋がった。

 

協力者『こちらマルセイユ港湾司令部財務調整室。

    どちら様?』

 

アラン「ハイルヒトラー。」

 

協力者『ハイドリヒの使いか。

    ミュルデ大佐から話は聞いている。』

 

 マルセイユ港湾司令部財務調整室は税関関連部署に見せかけた連合軍のマルセイユでの秘密活動組織であった。

 マルセイユ近辺はガリアにおいてはこの他に軍港のブレスト、ロリアン、トゥーロン、ボルドー、ラ・ロシェル、重要港のシェルブールとサンナゼールと同じような連合軍の重要港だったため都市の管理守備治安維持の責任は海軍にあり担当したのはカールスラント海軍のフリードリヒ・トラウゴット・シュミット少将が指揮するマルセイユ港湾部隊とエルンスト・ショイアレン中将指揮の特別海軍陸戦師団“ショイアレン”(4個海軍歩兵連隊及び2個沿岸砲兵連隊)、そのほかにガリア軍第1外人落下傘連隊、ガリア軍チュニジア行進連隊、ガリア軍第503戦車連隊、警察司令部“マルセイユ”、第18警察連隊、第13警察戦車中隊、戦闘団“第242歩兵師団”など雑多な部隊であった。

 このほかにこの日マルセイユにはカールスラントから到着した第600歩兵師団と第14義勇装甲擲弾兵師団の2個師団が上陸作業中だった。

 

アラン「なら話が早い」

 

協力者『ここ数日王党派に不審な動きがある。

    アジトの場所を教える、襲撃してそこで待ち伏せろ』

 

アラン「了解」

 

 協力者はアランに王党派のアジトの場所を伝える。

 そして最後に別の情報を伝えた。

 

協力者『王党派の一部はマルセイユのマフィアの一部と繋がりがある。

    気をつけろ』

 

アラン「分かった」

 

 アランは静かに電話を切った。

 電話を切ると公衆電話を出て傍に駐車した車に乗った他のウィッチ達に伝えた。

 

アラン「キーラ達は王党派のアジトに出入りする可能性が高い」

 

スペード「そのアジトってどこだ?」

 

アラン「マルセイユの中心部から少し離れたところにある倉庫だ。

    ここから北に5キロほど行ったところだ」

 

 アランが場所を伝えた。

 そして一行は車に乗り込みアジトに向かった。

 

 

---------

 

 

 30分ほどした後、マルセイユ郊外の王党派のアジトは平穏そのものだった。

 表向きは倉庫とその管理施設などだが、倉庫の出入り口にはゲートが設置され拳銃を隠し持った構成員が立ち、車が置かれ、倉庫の中には銃器や爆弾が隠されていた。

 そしてその様子を近くの茂みの中からトニーとアランとスペードが見ていた。

 

トニー「ゲートには見張りが4人、全員が拳銃を隠し持ってるみたいだ。

    倉庫の中は分からんが見た感じ周りの建物にも人がいるな。」

 

アラン「ああ、ざっと30人か50人ぐらいか。」

 

スペード「王党派だけじゃなくてマフィアとかの関係者もいそうだな」

 

 3人は双眼鏡で監視していた。

 

 相手は50人近くいると思われ明らかにこちらが不利だった。

 

アラン「どうする?相手が多すぎるぞ」

 

トニー「ああ、だが奴さん素人かそれに毛が生えた程度だ。」

 

 アランは隣のトニーに聞いた。

 すると意外な答えが返ってきた。

 

アラン「え?」

 

トニー「正面突破としゃれこむのはどうだ?」

 

アラン「無茶言うなよ。相手はこっちの10倍はいるんだぞ」

 

トニー「俺一人で50人は楽だぞ?」

 

アラン「まあお前は楽だろうが…」

 

トニー「今から襲うか、2時間後の増援を待つか、どっちがいい?」

 

 トニーが茂みに腰を下ろして聞いた。

 それにアランは即答した。

 

アラン「今すぐ襲うか。

    武器を用意しろ。」

 

 アランは覚悟を決めると車に向かい車の周りで待っていた邦佳達に指示した。

 

アラン「動くぞ」

 

邦佳「え?」

 

貫二郎「もう動くんですか?」

 

カーラ「何やるんだ?」

 

 突然の事にカーラと邦佳は驚いていた。

 アランはシムカのトランクを開けながら答えた。

 

アラン「素敵なパーティーだ。

    大野、こっちの車の後部座席に乗れ。

    それとこれを使え。」

 

 アランはトランクの中から分解されたZB26を取り出し貫二郎に渡した。

 

貫二郎「え?僕も行くんですか?」

 

アラン「当り前だろ?それともお前さんは最愛の彼女を人殺しにしたいのか?」

 

貫二郎「いや、それは…」

 

アラン「そうだろ、お前はそれで俺とトニーを援護しろ、いいな」

 

貫二郎「了解。」

 

 アランは貫二郎に指示すると次は邦佳とカーラに指示した。

 

アラン「バカ二人は」

 

カーラ「バカって…」

 

アラン「文句を言うな。

    お前らはここで待機だ。

    逃げてきたやつに銃を突きつけろ、なに、どうせ逃げてきた奴らは撃っては来ない。

    それとスペードには公衆電話で司令部に連絡してもらう。いいな?」

 

カーラ「分かった」

 

邦佳「うん!」

 

 二人が返事する。

 二人にスペードが合流するとアラン達はシムカに乗り込んだ。

 その光景を見て邦佳が漏らす。

 

邦佳「貫二郎、大丈夫かな?」

 

カーラ「え?」

 

邦佳「いつもの事だけど心配だからね」

 

カーラ「大切なんだな、あいつが」

 

邦佳「うん」

 

 カーラに邦佳が返事する。

 一方車に乗ったアラン達はアジトのゲートに差し掛かろうとしていた。

 王党派のメンバーは車の前に立ちはだかり止める。

 

王党派A「止まれ!」

 

王党派B「合言葉は」

 

 王党派は窓から覗き込んで合言葉を聞いた。

 するとアランが答えた。

 

アラン「合言葉?確かこれだったかな?」

 

 するとアランはウェルロッド拳銃を取り出すと助手席の方に立っていた男を撃つ、更にトニーもウェルロッド拳銃を取り出し覗き込んでいた男を殺す。

 その動きに驚いた王党派の他の男が拳銃を取り出そうとするがその前にドアを開けてアランがサプレッサー付きステンを連射し一人を射殺する。

 更にトニーがドアを開けアラームを押そうとした男をウェルロッドで撃つ。

 だがこの動きはすぐに他の見張りが気がつき拳銃を撃ってきた。

 その銃声で更に他の王党派が動き始める。

 

アラン「来たか。」

 

トニー「ああ。」

 

アラン「貫二郎はここで援護しろ」

 

貫二郎「了解!」

 

 貫二郎はZB26を後部座席のドアの上に乗せると正面の倉庫の出入り口めがけて連射する。

 出入り口の前にいた男たちと騒ぎに気がついて出てきた男たちは皆銃撃の餌食となり倒れる。

 その間にアランはMk2手榴弾を取り出すとピンを抜いて30メートル程右側の倉庫の前にいる王党派めがけて投げた。

 数秒後王党派の集団の真ん中で手榴弾が爆発、数人が吹き飛ばされる。

 その隙にトニーが拳銃で左側の小屋の前で撃っていた男数人をM3を連射して射殺する。

 

アラン「今だ!突撃!」

 

 アランが叫んだ。

 それと同時にアランとトニーが飛び出しそれぞれ右の倉庫と左の小屋に走り込む。

 そしてドアを少し開けると中に手榴弾を投げ込みドアを閉める。

 数秒後爆発が起き中から叫び声が聞こえた。

 さらに右側の倉庫は中に可燃物があったようで一気に燃え始めた。

 

アラン「よし、次は本丸だ。」

 

 アランとトニーは正面の倉庫に向かう。

 トニーが倉庫の出入り口を押さえるとアランは裏口に向かった。

 裏口では数人の王党派が逃げようとしていた。

 

アラン「止まれ!」

 

 ステンガンを構えアランが叫ぶ。

 だが数人がそれを無視して走って逃げようとしアランに撃ち殺される。

 残りはその場で武器を捨てるか倉庫の中に逆戻りした。

 一方正面ではトニーがドアを開けると中から機関銃を連射された。

 ゆっくりと様子をうかがうと王党派がMG34を据え付けていた。

 

トニー「機関銃かよ、ついてないな」

 

 トニーは中に手榴弾を投げ込む。

 数秒後爆発すると中に突入した。

 中は大量の弾薬箱や銃器が置かれ迷路のようになっていた。

 出入り口の傍では数人が死んでいた。

 そして入るとすぐに別の王党派が現れるが頭と胸を撃って射殺する。

 更に後ろから別の男が来るがこれも射殺、それとは別に後ろからも来るがトニーは振り返らず射殺した。

 その後も次々と現れるが全てあっという間にトニーに射殺されていった。

 その間にアランも裏口から突入し王党派を追い詰める。

 数分後には王党派は倉庫の真ん中の開けた場所に追い詰められ両手を上げて跪く。

 

アラン「制圧完了。」

 

トニー「楽勝だな」

 

 捕まえた王党派十数人を前に呟く。

 すると外から貫二郎がやってきた。

 

貫二郎「終わりました?」

 

アラン「ああ、終わったぞ。外の方はどうだ?」

 

貫二郎「数人捕まえました。

    後増援も来ました」

 

アラン「早いな」

 

貫二郎「パトロール中に騒ぎに気付いたみたいですよ」

 

 貫二郎が外の状況を伝える。

 すると外からエンジン音が聞こえてきた。

 アランが外に出るとオペルブリッツに乗ったカールスラント兵の一団がやってきた。

 

アラン「おおい」

 

下士官「あんたら何やってたんだ?」

 

アラン「見ての通り、王党派のアジトを襲撃しただけだ。

    一応こっちも軍人でね、特別な任務中なので詳しくは言えないが。」

 

 アランが増援の下士官に事情を説明した。

 それに下士官は納得した。

 

下士官「成程、総員!周辺を捜索!逃げだした残党を見つけ次第ひっ捕らえろ!

    何人かは情報がないか捜索だ!」

 

「「了解!!」

 

 下士官は兵士達を動かした。

 アランは倉庫内に戻ると倉庫の中心部にあった無線機と電話が置かれた一角に置かれた椅子に座る。

 その前にはトニーが捕まえた王党派を並べていた。

 

アラン「さてと、あんたらキーラからの連絡を待ってたのか?」

 

王党派C「答えたくないね」

 

 尋問を始めるがリーダー格の男は答えるのを拒否する。

 するとアランはトニーに向かって小さく首を振るとトニーは男を殴る。

 男は床に倒れる。

 さらにそこにトニーが腹を蹴り上げ、苦しみで悶え苦しむ。

 

アラン「さあ答えろ、次はどこがいい?」

 

トニー「もう一発食らうか?え?」

 

 男は返事をしない。

 するとトニーがもう一度蹴り上げる。

 

王党派C「…わ…かった…そ、そうだ…ここで連絡を待ってた…」

 

アラン「その連絡って言うのは?」

 

 男は顎でテーブルの上の電話を指す、

 

アラン「成程な。じゃあその連絡はいつ…」

 

 すると突如電話が鳴った。

 

アラン「成程ね」

 

 アランは電話を取った。

 するとキーラの声が聞こえた。

 そして合言葉らしき言葉を言うが何と返せばいいか分からなかった。

 アランは受話器に手を当てて男に聞いた。

 

アラン「おい!合言葉は!」

 

トニー「言え!」

 

 トニーが蹴り上げるが男は答えない。

 

アラン「クソ、アーエー、アロー?」

 

 アランは咄嗟に返すが次の瞬間電話を切られた。

 

アラン「クソ!切られた!」

 

 アランは悪態をついた。

 

 

---------

 

 

 その頃、マルセイユ市中心部ではキーラが電話を切った。

 電話を切ると彼女はジェニファーを連れて足早にどこかに向かう。

 

ジェニファー「どうしたんです?」

 

キーラ「合言葉が無かった、しかも出たのがド・メーストル大尉だ。

    敵の手に落ちたらしい」

 

 キーラがジェニファーに事情を言う。

 二人はマルセイユの通りを歩きながら話し続ける。

 

ジェニファー「セダンかディジョンに戻りましょう。

       隊長たちならきっと悪いようには…」

 

キーラ「隊長たちならそうだろうがホスバッハ少佐とフーヴァー少佐が出てくる。

    あの二人は必ず私の身柄を司令部に突き出すだろう」

 

ジェニファー「そこは何とか私が…」

 

キーラ「憲兵か司令部に突き出されればほぼ確実に私は銃殺、いや銃殺で済めば儲けものだろうな。

    それにまだゲームを降りるのは早過ぎる。

    とはいえ連合軍も諜報部の過激派も私達がマルセイユにいることは知れた。

    数時間以内に今の倍の諜報部員と10倍の兵士が集まってくるはずだ。」

 

 キーラはジェニファーに言う。

 二人はマルセイユの港湾地区へと向かっていった。

 

 




(解説)
・ヴィルヘルム・ミュルデ
史実ドニエプロペトロフスク警察及びSD指揮官
1943年パルチザンとの戦闘で戦死して飛ばされる。
警察司令部“マルセイユ”指揮官

・フリードリヒ・トラウゴット・シュミット
史実イストリア半島海軍守備軍司令官
1944年航空事故死して飛ばされる。
マルセイユ地区連合国海軍司令官。

・エルンスト・ショイアレン
史実第2海軍歩兵師団師団長
1945年に戦死して飛ばされる。
特別海軍陸戦師団“ショイアレン”師団長。


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