WWⅡウィッチーズ   作:ロンメルマムート

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色々盛り込みすぎて超長くなってしまった。
糖分一杯ですねはい。


第11話:新人達の初陣

 ロンドンという街はブリタニアという日の沈まぬ帝国の首都であると同時に大陸から叩き出された人類の抵抗拠点の一つである。

 そのため多くの軍人、政治家、官僚、資本家、思想家、活動家がいる。

 だが人は三人寄れば派閥を作ると言うように軍人、政治家、官僚、資本家、思想家、活動家が派閥を作り、日夜ある者は権力の為にある者は権利の為に、ある者は野望の為に、ある者は思想の為に闘争を繰り広げ奇々怪界とした光景を生み出していた。

 それは彼らのようなある“特殊な事情を持つ軍人”にも当てはまった。

 

ボック「なぜあんな奴が西方総軍航空軍最高指揮官になったか。それが全く理解できん。

    確かに奴は優秀だ。だがな、奴には独断専行癖があるんだぞ。

    彼奴らの様な輩のせいでどんな迷惑を被るのか分かっているのか。

    最悪“彼奴ら”の様に祖国を灰にする気か。」

 

 連合軍第13課課長フェードア・フォン・ボックは同じ派閥の将官や参謀を集めて憤っていた。

 それは新たに西方総軍航空軍最高指揮官となったトレヴァー・マロニーブリタニア空軍大将に対してであった。

 

マロリー「ええ全くです。

     この間経理の部下に命じて空軍内部の資金の流れを解析すると奴の派閥に大量の使途不明金らしきものが流れていたようです。

     詳しく解析しようにも奴の派閥はかなり広いです。

     分かってる限りで奴の派閥には南西軍管区司令官とブリタニア空軍の憲兵部長、人事課長がいます。

     下手に動けば逆にこちらが飛びます。」

 

 ブリタニア空軍参謀本部第13課課長トラフォード・マロリー中将がボックの発言に同意し、マロニー派閥の不透明な資金について報告する。

 

シコルスキ「それに奴の派閥はどうやら政治家と内務省に相当巣食ってる。

      その上最近は大蔵省に取り入り始めてるよ。

      この使途不明金の額も気になる。おおよそ30万ポンド。

      これだけの資金が流れているのだから政治家官僚への賄賂だけじゃないだろう。

      空軍だけでは相当足りん。おそらく他のところからも来てる。」

 

 第13課参謀長シコルスキ少将が精通している政治方面から補足する。

 マロニー閥は空軍内部だけで無く内務省や政治家、特に保守強硬派に相当取り入っていた。

 彼らの派閥は主に外務省と左派と保守穏健派に近いためこれはかなり厄介だった。

 

ディートル「個人的に気になるのはこの資金を何に使うかです。

      30万ポンドもあればどこかで内乱を起こして傀儡国家を作ることも出来ます。

      もしこれが反乱などに使われたら…」

 

 彼らの派閥で今この会議にいる中で唯一実戦部隊を率いる第7軍団軍団長エデュアルト・ディートル中将が恐ろしい可能性を指摘する。

 

ボック「マロニーを首班とするクーデターか…

    恐ろしい事だがあり得る。奴にはそれをやれる権力、派閥、資金、兵力があるからな。」

 

シコルスキ「そうなった時、この国は死ぬ。」

 

マロリー「奴らに勝つために地獄の悪魔と手を組むとまではいかないがすでにGDPの何倍もの額の買い物をしているんだ。

     もしそうなった時ツケを踏み倒せばこの国は一瞬でパーだ。

     ケインズ曰く経済は国家の血だ。

     一体どこに自分の総血液量より多い血を抜こうとする奴がいる。」

 

 最悪のパターン、即ちマロニーによるクーデターを恐れ、そうならないことを彼らは切に願った。

 だが、残念な事に時代は血を欲していることに気がつくものはいなかった…

 

 

---------

 

ミーナ「監視所から報告が入ったわ。敵、グリット東114地区に侵入。

    高度はいつもより高いわ。今回はフォーメーションを変えます」

 

坂本「バルクホルン、ハルトマン、ノヴァクが前衛。

   シャーリーとルッキーニは後衛。ペリーヌは私とペアを組め。」

 

ミーナ「残りの人は、私と基地で待機です。」

 

 ミラーとハインツが珍しく酒盛りした数日後、またネウロイがやってきた。

 だがそれはすぐにかの世界では圧倒的有利なキャベツを撃退し世界初の巡航ミサイル相手に必死の防空戦をしたことがあるブリタニアのやたら優秀な防空網に引っかかってしまった。

 ネウロイを探知すると即座に最寄りの部隊である501にスクランブルをかけた。

 

宮藤「行っちゃったね」

 

 滑走路からスクランブルした出撃組を待機組の宮藤、リーネ、ハインツ、そしてユニットがどうしようもないため警備部隊のトラックを改造した対空車両を率いる算段になってるミラーが見ていた。

 

リーネ「そうですね……」

 

宮藤「今、出来ることって何だろう」

 

ハインツ「まあ出撃しないってことは死ぬこたねぇってこっだ。俺からすれば万々歳な話だけどねー。」

 

リーネ「足手まといの私に、出来る事なんて……」

 

宮藤「あっ、リネットさん……」

 

 そう言うとリーネは基地に走っていった。それを見ていたリーネをミラーは追いかけていった。

 それと入れ替わるようにミーナ中佐がやってきた。

 

ミーナ「宮藤さん、ちょっといいかしら」

 

宮藤「あっ、はい」

 

ミーナ「リーネさんは、このブリタニアが故郷なの」

 

宮藤「へっ…」

 

 ミーナ中佐の説明に宮藤がマヌケな声を出した

 

ハインツ「つまりこの戦いは彼女にとって祖国防衛戦ということだ。」

 

 ポケットからタバコを取り出しながらハインツが補足する。

 

ミーナ「ヨーロッパ大陸がネウロイの手に落ちているのは知っているわよね?」

 

宮藤「はい、リネットさんに…」

 

ミーナ「欧州最後の砦、そして故郷でもあるブリタニアを守る。リーネさんはそのプレッシャーで実戦だとだめになっちゃうの。」

 

宮藤「リネットさん…」

 

 宮藤がリーネのことを思い浮かべていると、タバコを吹かせたハインツが聞いてきた。

 

ハインツ「そういや宮藤はなんでウィッチーズに入ったんだ?銃を持つのが軍人の仕事だってのに。」

 

 即座に宮藤は答えた。

 

宮藤「はい、困っている人達の力になりたくて―」

 

 それを聞いたハインツとミーナ中佐は微笑むと、

 

ハインツ「あいつがここにきた時も同じようなこと言ってたな。(あいつらもな…)」

 

 ハインツは最後にボソッと何かを言うとどこか遠くの方を見ていた。

 

ミーナ「その気持ちを忘れないで。そうすれば、きっとみんなの力になれるわ」

 

 ミーナはそう言うと基地に戻っていった。

 

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ミラー「リーネ、どうした?何かあるなら相談ぐらいしていいからさ。僕じゃダメなら他の奴でもいいからさ。」

 

 滑走路近くでミーナ中佐と宮藤たちが話していた頃、リーネを追いかけていたミラーはリーネに追いつき強引に掴んで止めていた。

 するとリーネはミラーの手を振り払うとか細い声で半泣きになりながら話し始めた

 

リーネ「…めてください…」

 

ミラー「?」

 

リーネ「やめてください!もう私に優しくするのをやめてください!」

 

 リーネはミラーの手を振り払い絶叫した。

 

ミラー「え…?どうして…?」

 

 その言葉にミラーが驚いて聞くと、

 

リーネ「辛いんですよミラーさんが優しくするから辛いんです。こんな落ちこぼれを優しくするから辛いんです!

    なんで私に優しくするんですか!なんで私なんかに構うんですか!なんで、なんで落ちこぼれを優しくするんですか…

    辛いんです…いっそのこと私を落ちこぼれって言ってくれた方がどれだけ楽か…

    私のことを落ちこぼれの役立たずって罵ってくれた方がどれだけ楽なのか…わかってるんですか…」

 

 リーネはそう言うと足早に自分の部屋に戻っていった。

 

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 その頃、上空では。

 

ノヴァク「目標発見。タリホー!」

 

 そう言うとバルクホルンとハルトマンとともにノヴァクが攻撃を開始した。

 ネウロイは一瞬で撃破された。

 

ペリーヌ「手応えがなさすぎる…」

 

 あまりの手応えのなさにペリーヌが疑問を口に出す。

 

坂本「おかしい…コアが見つからない。」

 

ノヴァク「クルヴァ!陽動か!」

 

 ノヴァクが自分の実戦経験からそう結論を出すと、

 

坂本「だとしたら…基地が危ない!」

 

---------

 

 ミラーを振り払い逃げたリーネは自分の部屋に閉じこもっていた。

 ミラーはリーネを追わなかった。

 

リーネ(なんであんなことしたんだろ…ミラーさんは私のために言ったのに…)

 

 自分の部屋でリーネは後悔していた。自分のためを思って色々してくれたミラーにあんな事をしたからだ。

 リーネにとっては実質基地で唯一腹を割って話せて自分のことを一番気にかけてくれる人であるミラーがどういう存在かやっと理解した。

 

リーネ(なんでミラーさんは私なんかに構うんだろ…まさか…)

 

 その時ドアの向こうから声がした。

 

宮藤「リネットさん」

 

 宮藤の声だ。

 宮藤はミーナ中佐の話を聞いてリーネを追いかけて来ていた。

 

宮藤「私、魔法もへたっぴで叱られてばかりだし、ちゃんと飛べないし、銃も満足に…使えないし、ネウロイとだって本当は戦いたくない。

   でも、私はウィッチーズに居たい。

   私の魔法でも誰かを救えるのなら、何か出来る事があるのならやりたいの。」

 

 宮藤の言葉をリーネはドアの向こうで聞いていた。

 

宮藤「そして、みんなを守れたらって…」

 

リーネ(守る…)

 

 その言葉にリーネは基地に来た頃を思い出した。

 

宮藤「だから私は頑張る。だからリネットさんも…」

 

 その瞬間基地にサイレンが響いた

 

---------

 

ハインツ「ああ、高射砲部隊と警備部隊を緊急出動。すぐに撃てるようにしとけ。

     あと周辺部隊に緊急警戒態勢を敷かせろ。今すぐだ。いいな。

     中佐、高射砲と警備部隊の二個中隊の準備を指示しました。」

 

 サイレンが鳴り新手のネウロイが接近中との連絡を受けたハインツは即座に基地の高射砲部隊。機関砲2個中隊12門と高射砲2個小隊8門からなる高射砲部隊と警備担当の兵士からなる2個中隊を緊急出動させ、さらに近隣の部隊に警戒態勢を敷かせるように指示した。

 

ミーナ「ありがとう。今出られるのは私とエイラさんだけね。ハインツさんとサーニャさんは?」

 

ハインツ「出られないことはないが医者から無理するなって言われてる。」

 

エイラ「夜間哨戒で魔力を使い果たしてる。無理だな」

 

 ミーナ中佐がサーニャとハインツが出られるか聞くがハインツは鼻骨骨折が完治していないため医者からできる限り戦闘を避けるように指示されていたため出撃に難色を示し、サーニャは魔力を使い果たして出撃すら不可能だった。

 

ミーナ「そう…じゃあ二人で行きましょう。」

 

ハインツ「それがいいな。ネウロイが来てる方向は?すぐにそっちにミラーの自走砲小隊を向かわせる。」

 

 ミーナ中佐とエイラを出してハインツは地上で高射砲部隊の指揮を執る(経験はないがこの辺は仕方ない。史実でもパイロットが地上部隊率いてたとかたまにある(例:第19空軍地上師団の初代師団長は一次大戦のエースゲルハルト・バッセンゲ将軍)ことなんで)事で話し合っていると。

 

宮藤「待ってください!私も行きます!」

 

 突然後ろから声をかけられて振り返ると宮藤がいた。

 

ミーナ「まだ貴方が実戦に出るのは早すぎるわ。」

 

ハインツ「本当にいいのか?死ぬかもしれんぞ。過去に同じようなこと言ってた新兵がいたがそいつらは漏れ無く死んだぞ。」

 

宮藤「足手まといにならないよう精一杯頑張ります!」

 

ハインツ「まずお前はまともに銃を撃てんだろ。戦場で銃を撃てないなど論外だ。」

 

宮藤「撃てます!守るためなら。」

 

ミーナ「とにかく、貴方はまだ半人前なの」

 

宮藤「でも…」

 

 宮藤がさらに続けようとすると待機室にリーネが入ってきた。

 

リーネ「私も行きます!」

 

 自分も行くと言った。

 

ハインツ「本気か?死ぬかもしれんぞ?」

 

リーネ「二人合わせれば、一人分ぐらいにはなります!」

 

 その目は覚悟を決めた人間の目だった。数年に渡る実戦経験を持ち地獄の東部戦線を生き抜いてきたハインツですら今まで一度しか見たことのない目だった。

 その気迫にさしものハインツも止めることが無理だと悟った。

 

ハインツ「はあ…どうなっても知らんぞ。

     中佐、こいつら俺たちが止めても出て来るぞ。

     出撃させよう。ただしバックアップで。」

 

 ハインツが完全に諦めてミーナ中佐に進言する。それを聞いてしばらく考えると、

 

ミーナ「90秒で支度しなさい。ただし、ヴァレンシュタインさん、あなたが面倒みてください。」

 

『はい!』

 

ハインツ「りょーかい、って俺?」

 

 ミーナ中佐はハインツが面倒を見ることを条件に出撃を許可した。

 

---------

 

 5人が基地から出撃するとミーナ中佐はハインツに話しかけた。

 

ミーナ「驚いたわ。まさか許可するなんて。」

 

ハインツ「あいつらの目は俺が東部戦線で一度だけ見たことある目だよ。

     俺たちに抵抗して取っ捕まったパルチザンの女の目にそっくりだったよ。」

 

 リーネの目はかつてクリミアでハインツたちの基地の近くで破壊工作を働き、パルチザン掃討のためやってきたSS部隊とウクライナ人部隊に捕まったパルチザンの女の覚悟を決めた目にそっくりだった。

 その後の彼女の運命は数日間近くの井戸から死臭がしたことから分かるだろう。

 その言葉にミーナはただ頷くと、

 

ミーナ「敵は三時の方向から基地に向かってくるわ!私とエイラさんが先行するからハインツさんと芳佳さんとリーネさんはここでバックアップをお願いね。」

 

宮藤「はい!」

 

リーネ「はい!」

 

ハインツ「ってことだ。リーネは狙撃の用意、宮藤はリーネと俺の援護。俺はリーネの射撃を観測する。」

 

 宮藤とリーネが返事をするとハインツが双眼鏡を取り出しながら作戦を指示する。

 

リーネ「本当は私、怖かったんです…」

 

 ハインツが作戦を指示して双眼鏡を覗いて敵を探しているとリーネが宮藤に声をかけた。

 

宮藤「私は今も怖いよ。でも、うまく言えないんだけど…何もしないでじっとしている方が怖かったの。」

 

リーネ「何もしない方が……あっ!」

 

ハインツ「来たか!リーネ射撃用意、俺の指示で撃て。宮藤も戦闘用意。ん!かなり速いぞ!」

 

 リーネがネウロイ交戦するミーナとエイラを見つける。それを見たハインツが即座に戦闘要因を指示する。

 

ハインツ「あの速度だと一撃離脱は無理だ。」

 

 ハインツが呟く。

 その頃エイラたちは、

 

エイラ「速い…」

 

ミーナ「今までより圧倒的に早いわ…一撃離脱じゃ無理ね。速度を合わせて!」

 

エイラ「了解!」

 

 その圧倒的スピードに苦戦していた。

 ミーナの指示で二人がネウロイの後方について射撃するとネウロイは後部を切り離しさらに加速した。

 その速度はあっという間に2人を引き離した。

 

ハインツ「シャイセ!奴が加速した!リーネ有効射程に入り次第撃て!

     ミラー戦闘用意、かなり速いぞ。」

 

リーネ「了解」

 

ミラー『了解。』

 

 その光景を見ていたハインツは即座に戦闘用意を指示するとさらに基地で改造対空自走砲2両を率いていたミラーにさらに戦闘用意を指示する。

 

---------

 

 ミラーの率いてる改造対空自走砲はハインツたちが乗っていたMe410に積まれていたMG151/20を取り外し専用の3連装銃架に載せたものを基地のビュッシング製トラックに乗せたものだった。

 ユニットが大破して修理中のミラーは暇だったためこの自走砲部隊を引きいていた。

 

ミラー「大丈夫かなリーネ…」

 

兵士「いたぞ!かなり速いぞ!」

 

 一台のMG151/20機銃を構えていたミラーはリーネの心配をしているとトラックの運転手の兵士がネウロイが来るのを見つけた。

 即座にミラーは機関砲をネウロイの方向に向ける。

 

ハインツ『シャイセ!奴が加速したぞ!リーネ有効射程に入り次第撃て!

     ミラー戦闘用意、かなり速いぞ!」

 

ミラー「了解。

    さあこい、クソッタレ。」

 

---------

 

ハインツ「リーネ来たぞ!よし、撃て!」

 

 ハインツの指示でリーネはボーイズを撃ち始めるが、

 

ハインツ「ハズレだ。下に修正。またハズレ。大丈夫か?」

 

 弾は悉く外していた。ハインツが大丈夫かと聞くと、

 

リーネ「私、飛ぶのに精一杯で射撃を魔法でコントロール出来ないんです!」

 

宮藤「じゃあ、私が支えてあげる!だったら、撃つのに集中出来るでしょ?」

 

ハインツ「(いいなぁ、でも男がやったらただの犯罪だなぁ…)おっと、リーネ大丈夫か?」

 

 宮藤はリーネを肩車した。それを見たハインツはしばし戦闘を忘れて不埒なことを漏らしていた。

 

宮藤「どう?これで安定する?」

 

リーネ「あ…は、はい。」

 

ミーナ『ハインツさん、リーネさん、宮藤さん、敵がそちらに向かっているわ。貴方達だけが頼りなの、お願い!』

 

宮藤「はい!」

 

ハインツ「中佐、明日あたりに書類の山が送られて来ると思うんで覚悟してください。」

 

 リーネが肩車された時、無線機からミーナの通信が入る。

 宮藤が返事し、ハインツがジョークで返す。リーネはボーイズを構えてネウロイに照準する。

 

ハインツ「リーネ、もう後がないぞ。」

 

リーネ(そうだ!敵の避ける未来位置を予測して、そこに…)

 

リーネ「宮藤さん、ハインツさん!私と一緒に撃って!」

 

宮藤「うん!わかった!」

 

ハインツ「了解。」

 

 リーネの指示にハインツはMG151/20を、宮藤は13ミリを構える。

 リーネは魔力で視力を強化、目標を捉える。

 

リーネ「今です!」

 

 次の瞬間、宮藤の13ミリとハインツのMG151/20がネウロイに向かって放たれ、ネウロイは上に上昇して躱そうとするがそこをリーネのボーイズに狙われ直撃、撃墜された。

 

宮藤「すごーい!」

 

ハインツ「リーネ、初撃墜おめでとう。ミラー、見たか?リーネが落としたぜ。」

 

ミラー『ええ見てますよ。おめでとうリーネ。」

 

 宮藤が感嘆し、ハインツとミラーはお祝いの言葉を述べる。

 

リーネ「やった!やったよ宮藤さん!私初めて皆の役に立てた!宮藤さんのおかげよ!ありがとう!」

 

 そう言うとリーネは宮藤に抱きつき二人仲良く海に落ちた。

 

ハインツ「あー俺の活躍は?俺はハブられたの?」

 

 海に落ちた二人は笑いあっていた。

 

宮藤「芳佳でいいよ! 私たち友達でしょ?」

 

 宮藤のその言葉を聞いてリーネが笑顔になる。

 

リーネ「じゃあ、私もリーネで!」

 

 リーネが返すと宮藤も笑顔になる。

 

宮藤「うん!リーネちゃん!」

 

リーネ「はい!芳佳ちゃん!」

 

ハインツ「うんうん、仲いいのはいいこっだ。

     あとムードぶち壊しで悪いがユニット大丈夫か?」

 

 完全にムードをぶち壊すことをハインツが言うが彼にとってはユニットが全損した後の書類処理ほど不愉快極まり無い事はなかった。

 

---------

 

 その日の夜、リーネはミラーの部屋にいた。

 リーネの初戦果を祝ってミラーが何かしてくれるらしいというのだ。

 

リーネ「ミラーさん。何かするんですか?」

 

ミラー「まあね。」

 

 そう言いながら部屋のキャビネットを開けて一本のボトルとワイングラスを二つだした。

 

ミラー「リーネ、初戦果おめでとう。僕からのプレゼント。ワイン。1929年の15年もの。」

 

 そう言ってミラーがキャビネットから出したのは1929年もののワイン。

 

リーネ「1929年、私の生まれた年…しかもこれって…」

 

ミラー「そう、『王者のワインにしてワインの王者』

    ハンガリーの、この世界だとオストマルクか、ワイン、トカイワインだ。まあ安物だけどね。」

 

 ミラーが出したのは史実でも有名なハンガリー産の最高級ワイン、トカイワインだった。

 ただ出したのはトカイワインの中でも比較的安物に入るトカイ・アスー・3プットニョシュだった。

 それでもこの世界では生産地が壊滅したためかなり高い部類に入るが。

 上流階級出身のリーネはこのワインのことを知っていた。

 

リーネ「嬉しい…でも私お酒飲んだことなくて…」

 

ミラー「ならいい機会だ。一緒に飲もう。まあそのためにワイングラス出したんだけどね。」

 

 リーネは酒を飲んだことがなかった。ミラーの方は嗜む程度に酒を飲んでいた。

 ミラーは慣れた手つきでワインのコルクを抜くとワイングラスに1/5程度入れた。

 

ミラー「それじゃあ初戦果を祝って乾杯。」

 

リーネ「乾杯。」

 

 二人で一気に飲むと、

 

リーネ「美味しい…」

 

ミラー「ふん、流石トカイワイン。安物でも美味い。」

 

 リーネは少し顔を赤らめて言い、ミラーは今までいろんな酒を飲んでいた、無論トカイワインも、そのため簡単な感想を言った。

 

ミラー「リーネもっと飲むか?酒を飲めば普段言えないことだって言えるぞ。

    まあそのせいで大目玉食らうこともあるけど。」

 

 さらに飲むかと聞かれたリーネは少し考えると、

 

リーネ「飲みます。」

 

ミラー「じゃあこのぐらい、「もっとください。」え?いいの?」

 

 グラスの半分ぐらいまで入れるとリーネはそれを一気に飲んでしまった。

 

ミラー「え…だ、大丈夫?結構一気に飲んだけど…」

 

リーネ「ミラーさん、ミラーさんはどう思ってるんですか?」

 

 一気に酒を飲んでリーネは顔を真っ赤にして言ってきた。

 

ミラー「どうって…何を?」

 

リーネ「何って…私に事ですよ!ミラーさんは私のことをどう思ってるんですか!?」

 

 リーネは立ち上がって叫んだ。その気迫にミラーも驚いた。

 

ミラー「リーネ、いったん落ち着こう。」

 

 ミラーはそう言うと、リーネを落ち着かせて椅子に座らせた。

 それを見てため息をつくと話し始めた。

 

ミラー「リーネ、君のことをどう思ってるかと言うと君は傷つくかもしれないけど好きだ。

    友人としてでは無く一人の女性として好きだ。」

 

 ミラーはそう言うとワインをグラスになみなみ入れて一気に飲んだ。

 その言葉にリーネは顔を更に真っ赤にしていた。

 

リーネ「そ、それは本当ですか。ほ、本当のこと言ってるんですか?」

 

 リーネが口を開くが明らかに動揺していた。

 

ミラー「本当だよ。君に嘘ついても何の得もないし。」

 

 ミラーが優しく言うと次の瞬間ミラーの口が塞がった。

 なんとリーネがキスしたのだ。口からはトカイワインの芳醇な香りがした。

 

ミラー「リ、リーネ?」

 

リーネ「私のファーストキスです。ミラーさん。」

 

 酔っ払いは稀によく突飛な行動をするがどうやらそれらしい。

 ミラーは笑うとさらに二人で飲み始めた。

 夜はさらに更けてゆく…

 

 

---------

 

ハインツ「ミラーの野郎やりあがった!あの野郎とうとうやりやがった!」

 

トゥルーヒン「ハインツ少佐がモテない理由がなんと無く分かります。」

 

ノヴァク「そうだな、はいチェックメイト。」

 

 その頃格納庫ではハインツが固有魔法使ってリーネとミラーの一部始終を見ていた。




トカイワインはハンガリー産の最高級ワインの一つです。
かのルイ14世が王者のワインにしてワインの王者といったことで有名な品。

ミラーのトラック改造対空車両は台湾の模型メーカーディン・ハオ(AFVクラブの系譜の会社)からズバリのものが出てます。
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