WWⅡウィッチーズ   作:ロンメルマムート

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ハインツの過去回。切り方おかしいような気がする…
マイナー部隊万歳。


第20話:お調子者の戦争

 翌朝、食堂には何やら生臭いものが出されていた。

 

ハインツ「なにこれ?生ゴミ?」

 

宮藤「肝油です、ナツメウナギの。ビタミンたっぷりで目にいいんですよ?」

 

 相変わらず言葉を選ばないハインツが生ゴミと表現したものは肝油だった。

 ハインツの質問に答えた宮藤は一斗缶を抱えそこには肝油と漢字で書かれていた。

 ちなみにだがこの時代、肝油の加工品に肝油ドロップというものがあり巷の子供達の数少ない甘味として人気だったことを記しておく。

 

ノヴァク「子供の頃港で嗅いだことある匂いだ…」

 

 ポーランド随一の漁港でもあるグディニャ出身のノヴァクにとってはこの匂いは懐かしいものだった。

 

ハルトマン「…なんか生臭いぞ?」

 

バルクホルン「魚の油だからな。栄養があるなら味など関係ない」

 

 ハルトマンが匂いを嗅いで言うがバルクホルンが問題ないという。

 

ペリーヌ「おっほほほ!いかにも宮藤さんらしい野暮ったいチョイスですこと!」

 

坂本「いや、持ってきたのは私だが…」

 

 ペリーヌが笑う姿を見ていた坂本が答える。それを聞いてペリーヌが固まる。

 

ペリーヌ「あ、ありがたくいただきますわ!」

 

 そう言ってペリーヌはこの生ゴミ(もどき)を一気飲みする、そして石のように固まった。

 

ルッキーニ「うぇ~なにこれ~」

 

 その横ではルッキーニが舌を出して感想を漏らし、

 

シャーリー「エンジンオイルにこんなのがあったな…」

 

ハインツ「お前、エンジンオイル飲んだことあったのかよ…」

 

 シャーリーの感想にハインツは突っ込んだ。

 

エイラ「ぺっぺっ!」

 

 エイラは必死で口から吐き出し、サーニャに至っては容器を持ったまま固まっていた。

 

坂本「新米の頃は無理やり飲まされ往生したもんだ」

 

ペリーヌ「…お気持ち、お察しいたします」

 

 坂本が昔を思い出すように語るがペリーヌはまだ悶えていた。

 

ミーナ「もう一杯♪」

 

 このどう考えてもおかわりどころか一口口つけたくもない状況でまさかのミーナがお代わりを要求した。

 その横ではバルクホルンが悶絶し、ハルトマンはミーナを見てドン引きしていた。

 肝油にはビタミンAが大量に含まれているがこれは一気に取ると急性中毒を起こして死に至る可能性がある。

 ちなみに同じ理由でホッキョクグマもやばい。ホッキョクグマを食べるときは気をつけましょう。

 

ハインツ「ど、どう考えてもこれ毒じゃねえか!こんなの飲むか!」

 

ミラー「リーネはもう逃げたみたいですし逃げましょうよ!食中毒で戦死したくないです。」

 

ノヴァク「テロだ…」

 

 この死屍累々な光景に3人は逃亡しようとするが坂本に止められ無理やり飲まされた。

 その後3人は近くのトイレに駆け込み数分何かを吐く声が聞こえた。

 出てきた頃には3人ともグロッキー状態で胃薬を飲むと「朝飯全部出した…」と言いその日一日中顔色が悪かった。

 

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 その日の夕方、ミラーはハインツを起こしに部屋に入った。

 

ミラー「少佐、時間です…何やってるんですか?」

 

 そこにはカーテンから双眼鏡で何かを覗いていたハインツがいた。

 

ハインツ「何って…見ればわかるよ。」

 

 そう言ってミラーに双眼鏡を渡した。

 渡されたミラーは双眼鏡を覗き、すぐにハインツに返すと、

 

ミラー「少佐…何やってるんですか?このことは報告しますから。」

 

 そう言って部屋を出て行った。

 何をやっていたか?ハインツの部屋からは基地の近くの池が見えるのだがそこで宮藤たちが水浴びをしていた。それを覗いていたのだ。

 普段から女風呂を覗こうという無駄な努力をしていたハインツがこれを見逃すはずはなかった。

 この数分後、鬼の形相をしたミーナが現れ説教を受けた。

 

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 ハインツがミーナから説教を受けて暫くして。

 この日もいつも通り4人は哨戒飛行の最中だった。

 しばらく飛んでいると宮藤は普段は遠くからしか見ないハインツの左腕に付けられた飾り、クリミア半島の形が彫られ、上に鉤十字を持った鷲が、その横に1941と1942と、クリミア半島のところに「KRIM」と彫られた盾型の飾りに気がついた。

 さらに左手の下の方を見ると黄色と白の「KRETA」と書かれたカフタイトルに気がついた。

 

宮藤「あの、ハインツさん?」

 

ハインツ「ん?なに?」

 

宮藤「この盾みたいなのと袖についてるのはなんですか?」

 

ハインツ「ああクリミア盾章とクレタ従軍タイトルだよ。こう見えてクレタ戦とクリミアで従軍してたから。」

 

 宮藤の質問にハインツは自慢げに話す。だが宮藤はおろかエイラやサーニャですら意味が分からず首をかしげる。

 

エイラ「クレタ戦ってなんだ?」

 

サーニャ「クリミアは確かオラーシャにある半島ですよね?」

 

宮藤「ハインツさんはそこで戦ってたんですか?」

 

ハインツ「そういや宮藤には話してなかったな。俺たちが異世界の住人だったってこと。」

 

宮藤「え?それってどう言う意味ですか?」

 

 ハインツの突然のカミングアウトに宮藤は理解できなかった。

 

ハインツ「どう言うってそのまんまだけど?向こうじゃあウィッチはおろかネウロイさえ影も形もなかったよ。」

 

宮藤「え?ネウロイがいないんですか?」

 

 見切り発車で話を続けるハインツのネウロイがいないと言う話に宮藤は驚く。

 

ハインツ「まあいない代わりに人間同士が世界規模でドンパチする素敵な世界だけどね。」

 

宮藤「え…人間同士が世界規模でですか?」

 

 人間同士の殺し合いという単語に宮藤は驚く。

 

ハインツ「ああ。俺もいっぱい殺したよ。まあそうしなきゃ自分が死ぬんだから。」

 

エイラ「…お前も殺したことあるのか?」

 

 ハインツのいっぱい殺したという言葉に全員が驚く。

 

ハインツ「あああるよ。俺の話を聞くか?」

 

 ハインツの話に全員が顔を見合わせる。すると宮藤が、

 

宮藤「ハインツさんの世界のことを教えてください。」

 

ハインツ「いいんだな?」

 

宮藤「はい。知りたいんです。」

 

ハインツ「よし、いいんだろう。さてどこから話そうか。」

 

 しばらくするとハインツは話し始めた。

 

ハインツ「俺が生まれたのはチェコスロバキア、ズデーテン地方のツナイム。

     この世界だとカールスラントとオストマルクの国境沿いになる。

     親父はオーストリア=ハンガリー帝国軍の砲兵士官。

     一次大戦でオーストリア=ハンガリー帝国が崩壊してからはチェコスロバキア軍、さらに今ではドイツ国防軍の士官だよ。

     去年には駐スロバキア大使館付武官に任命された。」

 

 ハインツの父はオーストリア=ハンガリー帝国軍の砲兵士官で戦後はチェコスロバキア軍で勤務、その間にチェコ語とスロバキア語を習得した優秀な士官だった。

 そしてその能力を買われてドイツ軍士官になってからはスロバキア軍の軍事顧問としてスロバキアのポーランド侵攻や東部戦線での戦闘を支援。43年以降はブラチスラバのドイツ大使館付武官として勤務していた。

 ハインツは知らないがその後彼の父は44年8月に起きたスロバキア民族蜂起で西部スロバキア軍の武装解除を指揮し、その後は鎮圧軍司令部の参謀将校の一人として鎮圧作戦を指揮した。

 ちなみに彼の父は蜂起軍を指揮したルドルフ・ヴィエスト大将やヤン・ゴリアン大佐、マラー少将とは面識があった。

 さらにその後はベーメン・メーレン保護領国防軍総監部で勤務しトゥーサイン大将の幕僚の一人としてプラハ蜂起を戦い、カール・フォン・ピュックラー=ブルクハウスSS中将指揮の戦闘団ピュックラー=ブルクハウスに参加し第二次大戦最後の激戦として名高いスリヴィツェの戦いに参加、ソ連軍の捕虜になったがすぐに脱走して故郷に帰還していた。

 

ハインツ「母さんは親父の上官の貴族の娘だったらしいが全く料理できなくて子供の頃から祖母に作ってもらってた。

     親父の実家はツナイムの飯屋だった。俺は子供の頃から祖母から料理を教えてもらってた。

     一応俺にも兄弟がいて弟がいる。42年に空軍に徴兵されて今第44帝国擲弾兵師団ホッホ・ウント・ドイッチュマイスターにいる。」

 

 ハインツの4歳下の弟は空軍に徴兵され陸軍の第44帝国擲弾兵師団ホッホ・ウント・ドイッチュマイスター(以下HuD師団)にいた。

 弟は空軍に徴兵後、弱兵で有名な空軍野戦師団の一つ第19空軍野戦師団(後の第19空軍突撃師団)に配属されたがこの部隊から補充要員として同じ時期にスターリングラードで壊滅して再編成中だった第44歩兵師団(後のHuD師団)に送られていた。

 その後第44歩兵師団は第44帝国擲弾兵師団HuDと改称された。

 ちなみにHuDの称号は本来はオーストリア軍の名誉称号だが第44歩兵師団が元々オーストリア軍第2師団の系譜を引いていたため与えられた。

 改称後、Hud師団はイタリア戦線で戦い、44年11月以降はハンガリー戦に投入され最終的にオーストリアで米軍に降伏している。

 ちなみに第19空軍突撃師団は44年に姉妹師団の第20空軍突撃師団共々イタリア戦線で壊滅している。

 そしてハインツの弟は彼は知らないが44年5月から6月にかけての撤退戦で負傷、米軍の捕虜となり戦後故郷に帰還している。

 

ハインツ「で、俺は元々チェコスロバキア軍のパイロット志望だったんだがズデーテン割譲でドイツ空軍に志願した。

     で、士官教育を受けて39年末に少尉任官、その時には戦争が始まってた。」

 

 ツナイムはズデーテン地方であったためドイツに併合されたのは解体より早い38年だった。

 

ハインツ「で、俺はBf110を飛ばして英国への空襲に参加した。

     そこで初撃墜でハリケーンを撃墜したけど俺も撃墜されてドーバー海峡の海水をたらふく飲まされた。

     そのあとたまたま通りかかったUボートに拾われて帰還した。」

 

 意外と思うがBf110はBoBまではドイツ空軍機の中では損害率が低かった。

 特にフランス戦ではBf109の方が損害を出し一時はBf109を全てBf110に変えることが真面目に議論されたぐらいだった。

 

ハインツ「BoBは俺たちがイギリス、この世界だとブリタニアになる。

     その街を俺たちが空襲して制空権を奪うのが目的。

     だからいろんな街に爆弾を落としてた。

     ドーバー、サウサンプトン、リパブール、もちろんロンドンにも。」

 

 指を折りながら今まで戦った街を数えるハインツ。

 ドイツの空襲は航続距離のなさからイギリス南部が中心、それにドイツ機の多くは爆弾搭載量が非常に少なく爆撃も不完全だった。

 この点がこの苛烈な一大航空戦を分けた。結局ドイツはイギリスの制空権を得られずドイツの勢いに陰りを見せ始めた。

 

ハインツ「その数ヶ月後、今度はバルカンに移動した。

     目標はユーゴスラビア。そしてギリシャだった。」

 

 第二次大戦の運命を変えた最も無名な戦いがユーゴスラビア侵攻とギリシャ侵攻である。

 片方は突如親独政権が崩れ敵となった要地を、片方は頼りない同盟国の尻拭いのためやりたくもない侵攻を行った。

 この二つの戦いでソ連侵攻作戦のスケジュールが遅れモスクワにたどり着く前に冬となってしまった。

 

ハインツ「俺はそこで出撃して3機を落とした。これが初戦果だった。

     初戦果はイギリス軍の爆撃機。味方部隊に爆撃しようとしたところを撃墜した。

     ギリシャ戦終了後今度はクレタ島に降下する降下猟兵の支援のために出撃した。」

 

 クレタ島の戦い、メルクール作戦は当時史上最大の一大空挺作戦だった。

 ドイツ空軍の降下猟兵合計2万を地中海の要所の一つクレタ島に降下させこの島を奪取するという作戦だった。

 だが作戦は成功したものの大損害を負いそれ以降ドイツ軍が降下作戦に慎重になる要因を作った。これ以降各国が降下作戦に積極的になるのと対照的にである。

 

ハインツ「で、そこで俺は対地攻撃と対艦攻撃に精を出して一級鉄十字賞とクレタタイトルを貰ったわけ。

     貰った際には第4航空艦隊のアレクサンダー・レーア大将が直接下さった。」

 

 クレタタイトルはクレタ戦に参加した全ての兵士に与えられた袖章のことである。似たものにアフリカタイトル、クールラントタイトルなどがある。

 ハインツに勲章を授けたアレクサンダー・レーア大将はドイツ空軍にたまにいる珍しい経歴の持ち主でオーストリア軍将軍からドイツ空軍の将軍となり戦中にはE軍集団や第12軍の指揮を執った事もある変わり種の将軍の一人。

 戦後ユーゴスラビアへの空襲で戦争犯罪で裁かれ処刑された。

 この人は騎士道精神に溢れた人物でバルカン半島の諸言語や風俗に通じているという人物だった。

 

ハインツ「その1ヵ月後、今度はソ連、こっちでいうオラーシャに侵攻した。

     ソ連軍はとてつもなく弱かった。俺なんて開戦二日後にソ連機をまとめて8機落としたぐらいだった。

     侵攻スピードもえげつなく一日で60キロ進軍したなんて話を聞いたぐらいだよ。」

 

 開戦直後のソ連軍は当時のソ連上層部がドイツの侵攻を予測しなかったため大混乱に陥り僅か数日でベラルーシのミンスクが陥落、空軍もちょうど旧式機から新型機への更新時期というタイミングで旧式機が多く最初の数か月はものすごい勢いで機を失っていった。

 

ハインツ「が、俺たちはナポレオンの二の舞になった。

     モスクワで宴会をする前に冬になってその上補給路が伸びて冬用装備を貰えなかった。

     俺たちは幸い入手できたが前線の兵士たちはそうはいかなかったらしい。

     そのせいで俺たちはクレムリンの星が見えるところまで行ったところで撤退した。」

 

 当時のロシアの道路事情は劣悪極まりないようなものであった上、ドイツ軍の補給は自動車化されておらずまだ旧態依然とした馬匹によるものであり補給の根幹をなす鉄道もロシアンゲージを標準軌に直さなければ全く使えなかった。

 それでもマイナス30℃近い中を突き進みモスクワまで30キロまで到達したがそこが限界だった。

 

ハインツ「俺は42年の1月に移動になってクリミア半島に移った。

     そこはパルチザンだらけでよく補給部隊が襲われてた。

     それで俺は基地周辺のパルチザン狩りのために上に部隊を要請して1000人ぐらいのたいそうな部隊がやってきてパルチザンを500人ぐらい捕まえてた。

     その部隊の指揮官からそのあと、基地周辺で目立たない場所はないかって聞かれた。

     俺は近くにあった貴族の屋敷跡を教えた。

     それから屋敷の跡地からは銃声が聞こえて井戸からは死臭がした。」

 

 ハインツは知らなかったがこのとき呼んだのはアインザッツグルッペン、SSの殺戮部隊だった。

 彼らはパルチザン掃討を兼ねて基地周辺のユダヤ人、共産党員を処理していた。

 

ハインツ「クリミア戦は最終的に7月にセバストポリ要塞を落として終わった。

     で、その時にクリミアシールドをマンシュタイン元帥自らくださった。」

 

 クリミアシールドはドイツ軍の盾章の中でも最も授与者の多いものである。

 ほかの盾章にナルヴィクシールド、ホルムシールド、デミャンスクシールドなどがある。

 ハインツはそれをマンシュタイン元帥から受け取るという名誉を受けていた。

 

ハインツ「そのあと俺はコーカサスに移動、ソ連軍相手に空襲したりした。

     で、ある時対空砲火を受けて被弾、墜落した。

     後方にいた機銃手は即死、俺は奇跡的に無傷だったがソ連軍陣地のすぐそばに落ちてすぐに捕まった。

     連中、俺を処刑するかと思いきや意外にも丁重に扱ってくれた。」

 

 大戦時のソ連軍というと捕虜を即処刑するイメージがあるが実際には捕虜からの情報を重視し捕まえるとまず丁寧に扱い出来る限りの情報を得ようとしたのである。

 

ハインツ「で、しばらくするとトラックにほかの捕虜の共々乗せられた。

     俺の前にいたのは陸軍の工兵中尉、隣には若い二等兵とバラライカを持った将校がいた。

 

     乗せられてしばらく走ってると何やら砲撃音や銃撃音が聞こえて気が付けば隣にいた将校が倒れた。

     次の瞬間、トラックが揺れて砲弾が炸裂した。

     トラックが止まるといろんなとこからソ連兵が出てきて撃ちまくってた。

     俺は伏せてトラックに空いた穴から外をのぞいたらドイツ兵が戦車とともにいた。

     味方に気が付いたトラックにいたほかの捕虜が監視していたソ連兵を殴り倒して武器を奪った。

     俺もバラライカをもってトラックから飛び出した。

     飛び出したらそこはもうしっちゃかめっちゃか。

     いろんな所に敵がいたり味方がいたりとにかく訳が分からなかった。

     それでもソ連兵を白兵戦で倒したりした。弾がなくなれば絞殺したりスコップで殴り倒したこともあった。

 

     で、気が付いたら味方の戦車のそばにいて戦車に乗ってた髭を生やした砲手から水を貰って部隊に戻った。

     後で聞いたが救出したのは第13装甲師団第4装甲連隊第3大隊第9中隊だったらしい。」

 

 このときハインツを助けた戦車兵は彼は気が付いてないが第二次大戦のドイツ軍のトップ戦車エースクルト・クニスペルだった。

 彼はこの時、丁度42年8月末にコーカサスの第13装甲師団に所属して戦闘を行っていた。

 

ハインツ「部隊に戻ると今度はスターリングラード方面に移動した。

     その時機銃手の代わりに乗せたのがミラー。

     あいつの初出撃の話聞くか?

 

     あいつの初出撃はスターリングラード戦、スターリングラードへの空襲でスターリングラード上空に差し掛かったところでソ連機の襲撃を受けた。

    俺は間一髪回避して右主翼の先を被弾しただけだったが襲ってきたソ連機のパイロットと目が合った。

    驚いたことにそいつは女だった。胴体に白ユリの絵が描かれてて後で聞いたがそいつはエースだったらしい。

   ミラーはそいつを撃ち落とせる絶好のチャンスを逃しやがったんだよ。

   まあ今言ってもしょうがないが。

   そのあとスターリングラードは包囲されて俺は輸送機の護衛任務に参加したけどスターリングラードの見方は降伏、俺のいた部隊はその後本国に戻ってMe410に機種転換、ドイツ本国の防空戦に参加したんだ。

   で、そこで撃墜されて気が付いたらこっちに来てた。こんな感じだな。」

 

 ハインツは話し終えると宮藤たちのほうを見た。

 3人とも俯き、暗い表情をしていた。




第44帝国擲弾兵師団ってかっこいい名前だよね。
ロマンがあふれてる。
名誉称号もつければ第二次大戦で一番かっこいい部隊名になるよね。
強さ?普通の歩兵師団ぐらい。(つまり強くもないが弱くもない)

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