WWⅡウィッチーズ   作:ロンメルマムート

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なんで作者ブロッケン伯爵知ってるんだろ…


第27話:悪魔の来襲

ハインツ「こいつは…」

 

ミラー「興味深いですね」

 

ノヴァク「『深入りは禁物、これ以上知りすぎるな』か。」

 

バルクホルン「ミーナは何をしたんだ?」

 

 ハインツ達が見ているもの、それは昨日ロンドンに行った時に車に置かれていた手紙だった。

 彼らはこの手紙に怪しいものを感じミーナが見る前に読んでいた。

 

ハインツ「どちみちこいつは不審物だ。後でケッテンフンテに渡そう。」

 

 その怪しすぎる内容にハインツはケッテンフンテ、憲兵に渡そうといった。

 ケッテンフンテはドイツ語で鎖付きの犬、転じてドイツ軍での憲兵の蔑称だった。

 

ノヴァク「信用できるか?」

 

ハインツ「大丈夫だ。基地の憲兵将校は信用できる。」

 

 ノヴァクは憲兵が信用できるか聞くがこの基地の憲兵将校はハインツの飲み仲間だったため信用していた。

 すると後ろのドアが開き誰かが入ってくる。それに気がつきその場にいた全員が振り返る。

 そこにいたのはミーナと坂本だった。

 

ミーナ「貴方達何をやってるの?」

 

ハインツ「すまんがこれを先に見させてもらった。」

 

 ハインツは手紙を持ってミーナの質問に答える。

 

バルクホルン「『深入りは禁物、これ以上知りすぎるな』…これはどういうことだ?」

 

ノヴァク「一体何をした。こんな脅迫まがいの手紙が送られくるのは異常だ。」

 

 バルクホルンとノヴァクがミーナ達に聞く。

 

坂本「やましいことなど何もしていない。そうだろう、ミーナ?」

 

ミーナ「え?ええそうよ。私たちはただネウロイの事を調べていただけで…」

 

ハインツ「それだけでこんなブツが送られてくるか?」

 

 坂本とミーナは質問に答えるがハインツがそれに納得しない。

 

ハルトマン「差出人に心当たりは?」

 

坂本「ありすぎて困るくらいだ」

 

ミーナ「そうね、私たちのことを疎ましく思う連中は軍の中にいくらでもいるはずだから」

 

ハインツ「なんだ、ここも一緒か」

 

ノヴァク「人間の本質は対して変わらないものだな」

 

ミラー「人は3人寄れば派閥を作るって言いますからね…どの組織も一枚岩なわけないですよね。」

 

 ハルトマンがミーナたちに聞くがその答えにハインツ、ミラー、ノヴァクは派閥争いや噂で流れる政府や軍内部での権力闘争の話を思い出していた。

 

 ドイツ軍では内部の派閥争いが激しく特に有名なのが空軍の空に関係あるものは全部支配下に置きたいというゲーリングの趣味の結果、海軍は独自の航空部隊を持てなかったり、同じく空軍が陸軍に補充要員として空軍兵20万人を譲渡するのを拒み独自の陸戦部隊としてドイツ軍屈指の弱兵部隊として一部で有名な空軍地上師団を合計21個も編成してしまったことなどが有名である。

 

 某極東の同盟国は陸軍と海軍の中の悪さが酷すぎて防空さえ一本化できてなかったりただでさえ貧弱なリソースを奪い合う戦争以前の問題を戦中に何度も起こしていた模様。

 

 なおその敵の某チート国家は5軍間の仲の悪さがガチで陸軍と海軍のトップがガチで仲悪い、空軍の駄作機を作るために海軍の空母が起工5日で撃沈される、某国防長官が「全部の軍で使う戦闘機一種類にすればよくね?」とかいう理論で戦闘機作ったけど全軍の要求が無茶苦茶すぎてとうとう海軍が匙を投げて結局できたのは爆撃機、救出作戦しようとしたら海軍・空軍・陸軍・海兵隊が足を引っ張りまくって結局大失敗、でその反省で特殊部隊専門軍作ったけど海兵隊が蚊帳の外でゴネる、結構近いところに基地があるけど仲が悪いから滅多に交流しない基地がある(日本国内で)などなど。

 

 とにかく大概の国では軍同士の仲はかなり悪いのである。

 

坂本「が、こんな品のない真似をする奴の見当は付く。

   恐らくあの男は、この戦いの核心に触れる何かをすでに握っている。

   私たちはそれに触れたのだろう」

 

ハインツ「あの男?」

 

坂本「トレヴァー・マロニ―、空軍大将さ」

 

ノヴァク「トレヴァー・マロニー?トラフォード・マロリーじゃないのか?」

 

 ノヴァクは坂本の言った人物が分からず自分達の元司令官トラフォード・リー=マロリーの名前を言う。

 トラフォード・リー・マロリーはイギリス空軍の名指揮官であり空陸直協に関しては連合軍一の専門家として知られる人物である。

 その腕は仲の悪かったモンゴメリーでさえ賞賛するほどのものだった。

 ただ彼はV1迎撃の件で連合軍航空軍司令官を解任されビルマに飛ばされ、新しい任地に向かう途中に航空機事故で死亡するという悲劇に巻き込まれた不運な名将だった。

 

ハインツ「トラフォード・マロリー?誰だそれ」

 

ノヴァク「俺の元上官。英空軍遠征部隊総司令官でDデイの時には俺たちを指揮してノルマンディーからクラウツを追い出した。

     俺も一回会ったことあるがなかなか良い人だったぞ。」

 

坂本「トラフォード・マロリーはブリタニア空軍第13課課長だぞ。」

 

 ハインツがトラフォード・マロリーが分からずノヴァクに聞き、坂本が同性同名のブリタニア軍の将軍の名を出す。

 

バルクホルン「この501の上官、ミーナの上司だ。

       彼は軍上層部のタカ派で、ウィッチに対してあまり良い印象を持っていないんだ」

 

ハインツ「タカ派で我々に良い印象を持ってないねぇ…」

 

ノヴァク「何かしらこいつが絡んでいると考えて良さそうだな。」

 

 バルクホルンの説明にノヴァクはこの事に何かしら絡んでいることを確信する。

 

ミラー「だとしても一体なんでこんなことをするんだ?

    まさかこの部隊を解散させたいのか?そうなったらドーバーの守りが決壊して戦略的大敗北を喫するだけだ。」

 

ノヴァク「まさかとは思うがそのマロニーとやらは俺たちを失業させられる代物を作ってるんじゃないか?」

 

ハインツ「ありえない…とは言い切れないな。

     ノヴァクの話だと俺たちが居なくなった後ドイツは飛行爆弾やら巨大ロケットやらジェット機やらを実戦で使ってるんだろ?

     この世界でもありえないとは言い切れん。」

 

 3人は与えられた情報の中から恐ろしい仮説を立てる。

 即ちマロリーがウィッチーズを解散するのだ。それは3人には最も恐ろしかった。なにせ501は彼らの唯一の居場所であり仕事場であり家であった。

 もしここがなくなれば居場所がなくなり、最悪モルモットにされる可能性さえある。

 

ハインツ「兎に角、今できるのは出来る限りの情報を掻き集めて想像を膨らませることしかできん。

     あとはこの手紙をシャーロック・ホームズにでも見せて差出人をやらを見つけるぐらいだな。」

 

ミーナ「そうね。」

 

坂本「残念だがそれしかできないな。」

 

 ハインツの結論にミーナと坂本が同意して解散となった。

 ハインツは解散後手紙をハンカチで包みそれを下の憲兵詰所に持っていった。

 この部隊の憲兵将校は彼の飲み仲間であり仲が良く信用していた。

 

ハインツ「よお、マイヤー。調子はどうだ?」

 

 憲兵詰所に行くと彼は飲み仲間の警官上がりの憲兵マイヤー中尉に話しかけた。

 

マイヤー「まあぼちぼちだな。憲兵と警官は暇が一番だからな。」

 

ハインツ「そりゃよかった。で、だお前に頼みたいことがある。」

 

マイヤー「なんだ?違反の揉み消しとかじゃないよな?」

 

ハインツ「そんなもんじゃねえよ。こいつの分析ってできるか?」

 

 そう言うとポッケから手紙を取り出す。

 

マイヤー「手紙だな。できないことはない。まあ欲しい情報が出るかどうかは別だが。」

 

ハインツ「まあ別に情報が出るとは一ミリも思ってないからな。じゃあ後は頼んだ。」

 

 そう言うと彼は立ち去った。

 だが、この手紙はマイヤーが少し目を離した隙に消えた。

 

---------

 

 その日の夜、ロンドンのとあるクラブ

 ボック大将一派の主だった将校将軍たちが集まっていた。

 

ボック「そうか、連中が動いたか。」

 

ケーネン「ええ。フェルカーザムによると奴の可能性が高いとのこと。」

 

 ボック大将に第501猟兵大隊大隊長フリードリヒ・フォン・ケーネン少佐が報告する。

 

シコルスキ「こちらもそろそろ動くか?」

 

マロリー「ああ。奴を叩き潰してこちらイニシアチブを得るためにもそろそろ頃合いだな。

     情報は揃ってるのか?」

 

 ケーネンの報告にシコルスキとマロリーが意見を述べる。

 

ケーネン「それが…できないことはないレベルでは揃ってますが奴の尻尾を完全に捕まえた訳ではないです。

     ここは慎重を期すべきだと具申します。」

 

マロリー「そうか。はぁ…姑息な奴が」

 

ボック「そうだな。だがいつか尻尾を見せるだろ。

    誰だっていつまでも頭も尻も隠してられない。そうだろ?ここは我慢比べだ。」

 

 だがケーネンの意見にマロリーはため息をつく。それにボックは同意する。

 その日のこの集まりはその後も深夜まで続いた。翌日、一気に情勢が変化する事件が起きるとも知らずに…

 

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 翌日、ハインツは朝からマイヤーから手紙を盗まれたという不愉快極まりないニュースを聞いて不機嫌だった。

 その上この日は突如ネウロイが出現、さらに宮藤とペリーヌが正式な届けを出さないで勝手に飛行訓練を行った上に宮藤が独断専行でネウロイに向かうという不快極まりない状況に不機嫌さがマックスだった。

 

坂本「じゃあ宮藤は一人で向かったんだな?」

 

 ネウロイ出現という報告に坂本、ハインツ、ミラーたちがスクランブルし空中でペリーヌと合流した坂本がペリーヌに聞く。

 

ペリーヌ「すみません、もとはと言えば私が…」

 

ハインツ「その件は後で然るべき措置をとるから覚悟しとけよ。」

 

ペリーヌ「はい…」

 

 ペリーヌが謝るがハインツが事務的な言葉で返す。この日は非常に不機嫌だった。

 

ハインツ「それにしても宮藤は何をやってるんだ?」

 

 魔導針を出してネウロイを探していたハインツが漏らす。

 

坂本「どう言うことだ?」

 

ハインツ「どうもネウロイと一緒にいるのは確かなんだが戦闘行為をしている気配がない。」

 

ミラー「え。それかなりマズイですよね?」

 

 ハインツの話にミラーが驚く。

 戦闘行為をしていないということは戦場では、特に敵と交戦距離内にいる場合では座り込んだアヒルに他ならない。それを熟知しているミラーは最悪の場合をおそれていた。

 

ハインツ「かなりマズイな。とにかくコイツはもしかしたらかなり厄介な代物かもしれんぞ。」

 

坂本「まだ追い付かないのか、ミーナ!」

 

ミーナ『それが、ネウロイはガリア方面に引き返しているわ。単に戻るつもりなんじゃ…』

 

 ハインツの話に坂本が焦り全速力で宮藤のところへ向かおうとする。

 すると何かが飛んでいることにハインツが気がつき双眼鏡を覗き魔眼を使い確認する。

 

ハインツ「いた!宮藤だ!ん?その側に何かいるぞ。人みたいな形をしてる」

 

坂本「宮藤の他にウィッチがもう一人いる」

 

ミラー「は?この辺りに僕ら以外のウィッチは存在しないはずですよね?」

 

 ハインツと坂本の言葉にミラーは慎重になる。

 なにせ不正確な情報は誤射や致命的な悲劇を生み、チャンスをフイにすることがあるのだ。

 実際、サボ島沖海戦では日本艦隊が誤って米艦隊を別の味方艦隊と誤認、さらにその米艦隊も日本艦隊を行方不明の味方艦と誤認し、互いに至近距離まで接近、米艦隊の誤った指令により軽巡ヘレナが発砲、その初弾が旗艦青葉艦橋を直撃したことで海戦の火蓋が切られたのだが互いに米艦隊は味方を撃ったと思い、日本艦隊は味方に撃たれたと思った結果至近距離、それも理想的なT字戦でありながら米艦隊は日本艦隊を取り逃がし戦果を拡大することが出来なかった。

 他にも客船ヴィルヘルム・グストロフが撃沈された際には誤った情報によりこの客船は航海灯をつけっぱなしで航行していた。

 

ハインツ「いや、あれはウィッチじゃない。ネウロイだ!」

 

 そのウィッチのようなものをよく観察したハインツはそれがウィッチではなく人の形をしてネウロイだということに気がつく。

 そして宮藤がネウロイのコアに触ろうとしていることにも。

 それに気がついて坂本は全速力で宮藤の元へ向かう。

 

坂本「何をしている!宮藤!」

 

宮藤「坂本さん!」

 

坂本「撃て!撃つんだ宮藤!」

 

宮藤「違うんです!このネウロイは…」

 

坂本「何をしている!いいから撃て!」

 

宮藤「駄目です、待ってください!」

 

 宮藤と坂本の言い争いを横目にハインツとミラーはハンドサインで坂本の側から離れて上昇する。

 空中戦だけでなく地上戦を含めた戦争の基本は高い所の方が絶対的に有利である。

 上昇するとハインツはミラーに指示する。

 

ハインツ「よしミラー。あの人間モドキを吹き飛ばせ。」

 

ミラー「どっちにします?頭?腕?」

 

 ハインツの指示に腕と頭どちらを撃つか聞く?

 

ハインツ「頭に決まってるだろ。お前首から上のない実体のあるやつ知ってるか?」

 

ミラー「そういえば大概脚ないですよね。」

 

 そう言ってミラーは頭に照準を合わせる。無論誤射の危険を極限まで減らすため慎重にである。

 大概のものは頭がないと死ぬ。

 なお某赤い帝国は頭だけでも生物を生存させる狂気の品を作ったことがある。ブロッケン伯爵?知るかよ

 

坂本「惑わされるな!そいつは人じゃない!」

 

宮藤「違うんです…そんなことじゃ…!」

 

坂本「撃たぬなら退け!」

 

 次の瞬間、坂本の後ろ上方より聞きなれた重い音がする。そして人型の頭を吹き飛ばす。

 

ハインツ「お見事」

 

ミラー「このぐらい朝飯前ですよ」

 

 撃ったのはミラーのBK5。バカみたいな火力にネウロイの頭は一撃で吹っ飛んだ。

 撃たれたネウロイは降下する。それを見た坂本はチャンスと判断し機関銃を撃ち始める。だが頭がないにもかかわらずネウロイはその攻撃をいともたやすく躱し逆にビームを撃ち返す。

 坂本はシールドを張るがビームはそれを貫き機関銃を誘爆させ爆発に巻き込まれる。

 

坂本「あああああ!!」

 

ペリーヌ「少佐!」

 

宮藤「坂本さん!」

 

 爆発に巻き込まれた坂本はそのまま悲鳴をあげ墜落する。

 それを見たハインツは即座に指示する。

 

ハインツ「ミラー、あの人擬きを消し炭にしろ!」

 

ミラー「了解!」

 

ハインツ「ペリーヌ、宮藤は坂本の救助。バルクホルンはミラーと俺の援護!」

 

 地獄の東部戦線を生き抜いてきた二人には“この程度のこと”は日常茶飯事、全く動揺しなかった。

 ミラーは人型に向かって50ミリを撃つが比較的小さく、その上機動性が高い人型には中々当たらず弾は全く見当違いのほうに飛んでいく。

 連続で撃ちまくるが暫くすると弾が切れてしまう。BK5の装弾数は僅か20発。全力で撃てばすぐに尽きてしまう。

 

ミラー「少佐!弾切れです!」

 

ハインツ「ミラーはペリーヌ達の援護に行け!あとはこっちがやる」

 

ミラー「了解」

 

 そういうとハインツはバルクホルンを連れて人型を追撃する。

 だが人型は足が速くすぐに離されてしまう。魔道針で監視はできたがとてもじゃないが追いつける距離ではなかった。

 

ハインツ「こちらハインツ。人擬きを取り逃がした。全くなんて日だ!」

 

 ただでさえ不機嫌なハインツは無線で当たり散らす。

 その後重傷を負った坂本に応急処置をすると基地に帰還、そのまま彼女は医務室に担ぎ込まれた。




軍隊の権力争いは酷いですからねぇ…
有名なのは日本陸海軍の争いですよね。まるゆとかもそれが原因でできてるし
あきつ丸?あれ元々強襲上陸は陸軍がよろしくっていう海軍の丸投げが原因

ドイツ軍だと装甲師団HG(ヘルマン・ゲーリング)とか空軍地上師団(クッソ弱い。有名なのだと第16空軍地上師団はノルマンディー戦のグッドウッド作戦一回で全滅した)とか何故か空軍から派遣されてる海軍航空隊とか何故か空軍が舟艇部隊持ってますからね…
SSとかも陸軍と色々あったし…
何やっても蚊帳の外な海軍は泣いていい気がする…

ソ連だとよくわからないけど8月20日クーデター未遂の際に何故か防空軍がクーデター側についたとかどうとか

米軍はまあ提督たちの反乱とかマッカーサーとニミッツの仲悪さとかイーグルクロ―作戦の泥縄度もねぇ…
まあそれでも勝てるんだから米帝しゅごい…



ちなみに憲兵のマイヤーはパンツァーマイヤーが名前の由来。多分これから絡んでくることはないと思う。
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