クソ長くなっちまった…しかも話あんまり進んでねえし…
終わり方がおかしいけど長くなったから仕方ない。相変わらず
翌朝、ケント州西部
ミーナたちは基地から離れある田舎のバス停にいた。
ミーナ「ふぅ、やっと監視もなくなったわ」
そういってミーナは使い魔の耳を戻す。
するとバルクホルンが呟く。
バルクホルン「このままカールスラントに戻って、祖国奪還のために戦った方がよかったかもな…」
ハルトマン「へ?」
その意外な言葉にハルトマンは聞き返す。
バルクホルン「ん、なんだ?」
ハルトマン「トゥルーデが戻ろうって言いだしたんじゃん」
バルクホルン「そ、それは宮藤に…借りがあるから」
ハルトマン「そうだね~、たっぷりとね」
ハルトマンがバルクホルンの答えを聞いて煽る。それにバルクホルンはしどろもどろになった。
バルクホルン「つ、つまりだ!あいつを失意のままに返してしまっていい物か!
カールスラント軍人がそのようなことで…」
ミーナ「はいはい、気持ちは十分よ。
それに、宮藤さんの言ってたことも気になってるの」
するとミーナが二人の会話を止め宮藤の話を出す。
ハルトマン「ネウロイと友達になるってやつ?」
ミーナ「いいえ、ウォーロックがネウロイと接触してたって話よ。
宮藤さんがあの話をした時のマロニ―大将の焦りは、何か秘密があるんじゃないかしら」
バルクホルン「報告義務違反があれば、こっちが攻めに回れる」
ミーナ「そういうこと。
問題はここからどうやって…」
ミーナは手を顎に当てて考える。
すでに基地からは20キロ以上離れていた。歩いて帰れる距離ではない。
するとハルトマンが何かに気が付き声を出す。
ハルトマン「あ!」
それはトラックだった。
すぐにハルトマンはヒッチハイクしようとする。
ハルトマン「そこのトラックー!」
だがトラックはそれを無視して通り過ぎていく。
ハルトマン「こらー!このセクシーギャルを…」
すると今度はトラックの来た方からものすごい数のエンジン音と自動車や履帯の擦れる音が聞こえてきた。
すぐに全員がその方向を向く。
ミーナ「なにかしら?」
バルクホルン「陸軍か?」
ハルトマン「すごい数が来てるような…」
数分後、土煙を上げてやってきたのはオートバイ、乗用車、トラック、ハーフトラック、装甲車、装甲兵員輸送車、戦車、突撃砲、駆逐戦車、自走砲、牽引車、大砲、馬車の隊列だった。
それも種類も数もばらばらで軍用車両もあれば現地で徴用したらしい民間用のもの、ブリタニア軍のものもあればリベリオン軍のものも、カールスラント軍のもの、オラーシャ軍のものもあった。
そしてすべての車両にはカールスラント軍の軍服を着た兵士が鈴なりに乗っていた。
その兵士も古いM36軍服を着た兵士もいれば質の悪いM44を着た兵士、見慣れないえんどう豆パターンの迷彩服やヤッケを着た兵士、なぜかPPSh41を持っていたり、モシンナガンを持っていたりしていた。
その上一部は聞きなれない軍歌まで歌っていた。
そのほとんどの兵士がミーナたちに気が付くと笑顔で手を振る。
その光景にミーナたちは唖然とする。
バルクホルン「す、すごい…」
ミーナ「いったい何人いるのかしら…」
ハルトマン「うわぁ…」
3人はしばらく我を忘れてその光景を見ていたが誰かに声をかけられて気が付きその方向を見る。
そこには何故か空軍用の迷彩ヤッケを着て迷彩カバーをつけたヘルメットを被りPPSh41を持ったハインツと同じ格好をしてMP40を持ったミラー、空挺部隊用のデニソンスモックを着用してステンガンを持ち空挺部隊用ヘルメットを被ったノヴァクがシュタイヤー1500に乗っていた。
ハインツ「中佐、なにカカシみたいに突っ立てたんですか?」
ミーナ「ハ、ハインツさん」
バルクホルン「アレックス!」
ノヴァク「トゥルーデ!無事でよかった」
そういうと後部座席にいたノヴァクは車から飛び降りてバルクホルンに抱き着く。
バルクホルン「く、苦しい…アレックス離れてくれ…きつい…」
ノヴァク「あ、すまん。無事だったからつい」
バルクホルンが苦しがっていることに気がついたノヴァクはすぐに話して謝る。
それにバルクホルンはため息をついてすぐに許す。
バルクホルン「まあ別に嫌では無かったからな。」
ハルトマン「そういえばさっき無事でよかったって言ったよね?何かあったの?」
ハルトマンがノヴァクの言ったことが気になり聞く。
それにハインツが返す。
ハインツ「は?ちょい待てや。何にも知らないのか?」
ミーナ「?ええ。
昨日一晩中ドーバーの方から砲声が聞こえて来て聞いたらドーバーの方で夜間演習だと聞かされた程度よ。」
バルクホルン「何かあったのか?」
その返答に一行は呆れる。
ハインツ「あーそのあれだ。話が長くなる上に複雑で今誰も正確な情報を掴んでいない話になるがいいか?」
ミーナ「ええお願いできるかしら?」
ハインツ「ざっくりは話せるが詳しくは将軍に聞いた方が早い。乗ってくれ将軍のところまで送る。」
そういうとハインツは3人を乗せて隊列の後ろの方に向かい星型アンテナをつけたダークイエローに3色迷彩が施されたsdkfz251/3(D型)に並走して大声で呼びかける。
ハインツ「少将!少しいいですか!」
それを聞いて通信を聞いていたカールスラント軍の軍服を着た少将が振り返る。
ギルザ「何かねヴァレンシュタイン君。」
振り返ったのは501の制圧を担当する第52歩兵師団師団長アルブレヒト・フライヘア・フォン・ウント・ツー・ギルザ少将だった。
ハインツ「ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐以下3名を連れてきました!
それと今の状況を教えてください!」
ギルザ「今の状況?参謀、どうなってる?」
ハインツの問いに装甲車に乗っていたギルザは隣で無線にかじりついていた参謀に聞く。
それに参謀は手で制止すると通信兵と2、3言会話すると振り返って報告する。
参謀「かなりいいです。約1時間前に第113旅団がカンタベリーのブリタニア軍を降伏させて第113旅団は旅団司令部と第300バルチックライフル大隊からなる戦闘団をこちらに急行させてるようです。」
ギルザ「本当か?ブルクハウス君は本気だな。それ以外は?第26旅団は?」
その報告を聞いてギルザは驚くがさらに特別編成師団ドーバーこと第26水陸両用旅団(増強)の情報を聞く。
参謀「ドーバーは南西軍管区司令部のドーバー城を破壊したようですが砲兵火力を集中した結果ドーバー城のあった丘が更地になったようです。
現在は周辺地域で敗残兵狩りをやってるようです。」
ギルザ「更地はやりすぎなんじゃないか?何やったんだ」
参謀の報告にギルザは驚くを通り越して呆れる。南西軍管区司令部のあったドーバー城そのものが消えてしまったという事に一体何をやったんだという疑問が出てきた。
参謀「どうやらドーバー師団の全砲兵火力と抵抗したドーバー港在泊のブリタニア軍艦船、それに舟艇部隊の搭載火力を全部ぶつけたようです。
更地になった程度で済んだといった方がいいでしょう。下手すれば丘そのものが消えてた可能性があります。」
ギルザ「上陸作戦用のロケット弾の奴もか?」
参謀「多分。沖縄やイオージマの時の二の舞にしたくない兵士が大勢いたんでしょう。
持てる全火力を集中したんでしょう。」
第26旅団の兵員が過剰とも言える火力、即ちドーバー港の仮装巡洋艦の15センチ砲6門、旅団砲兵の50門以上の榴弾砲・カノン砲・ロケット砲・迫撃砲・高射砲、歩兵大隊の重歩兵砲、上陸用舟艇搭載の備砲や高角砲、停泊中だったブリタニア海軍のスループやフリゲート・コルベット・トローラー・輸送船の火砲、上陸作戦支援用舟艇搭載ロケット砲などを集中した結果ドーバー城は弾薬庫などが誘爆して近くの高射砲陣地ごと大爆発して更地となった。
ギルザ「敗残兵狩りの方はどうだ?」
参謀「ドーバーではどうやら市街戦で一般市民の住居に逃げ込んだり私服に着替えて逃げようとした敵兵が大勢いたようです。
現在しらみつぶしで捜索中です。」
ギルザ「わかってると思うが私服姿で捕まえた奴は…」
参謀「分かってます。処刑しろですね。
一応現在ドーバーでは市長が反乱兵を匿った住居の住人は全員重罪に問われると言う布告を出させているようです。」
戦時国際法上私服など正規の軍服を着ていない兵士は便衣兵と呼ばれ捕虜として扱われず裁判によって裁かれ処刑されるのが普通である。
そのため彼らも私服姿の敵兵は即処刑していた。
ギルザ「市長にとは言っても実際はドーバー師団が銃を突きつけて出させたんだろ?」
参謀「ええ。実際匿った家の住人の何人かを視聴の前で殺すと脅して実際数名を処刑して出させたようです。」
ギルザ「後始末は大丈夫か?」
参謀「ええ。“書類上は”不幸にも戦闘に巻き込まれて死亡としてます。
他にも怪しい建物いくつかを住人の避難を確認せず吹き飛ばしてるようです。」
ギルザ「無駄に戦時国際法を遵守するだけの連中だと思ってたが評価を改める必要があるようだな。
敗残兵狩りはそのぐらいやっても良いだろう。」
彼らは敗残兵狩りを楽にするためドーバー市長を脅し、さらに協力者らしき民間人数名を処刑し民間人の避難を確認せず戦闘を行っていた。
彼らからすれば毎回毎回民間人の避難を確認するのは面倒極まりないため容赦なく民間人を巻き込むつもりでいた。
中には民間人を人間の盾に使っていた部隊もあった。
だがこの容赦なく民間人を巻き込みその上殺害することを厭わない戦い方に聞いていたミーナたちは衝撃を受けるがハインツ達からすればこれが普通であった。
それにバルクホルンは隣に座っているノヴァクに聞く。
バルクホルン「なあアレックス、おかしいと思わないか?軍隊は民間人を守るものじゃ…」
ギルザ「はははは!君、そんな幻想を信じてるのかね?
軍隊とは国家を守るものであり戦争に民間人など存在しない。
存在するのは敵と味方と中立的存在の三つだけだ。
正直言ってネウロイの民間人を処理するあの戦い方も悪くないと思ってるよ。」
それを聞いたギルザが笑いながら否定する。
彼らからすれば戦時国際法は時として完全に無視していた。
それに民間人を守るために地獄の撤退戦を戦った3人は嫌悪感を抱いた。
ギルザ「そうそう。君たち、一応2時間後には501を包囲する予定だ。
その時作戦会議を行うからその時は頼むよ。」
ハインツ「そうですか。それでは。」
ギルザの最後の話が終わるとハインツはギルザに敬礼する。それにギルザが返礼するとギルザのsdkfz251/3から離れて隊列の前のほうに向かう。
それからしばらくすると基地が見え始めた。
ハルトマン「基地だ!」
ハインツ「やっと着いた…」
次の瞬間銃声が鳴り響く。
即座にハインツ達は伏せて銃を取り構える。
それは隊列の左側にあった廃墟からの銃撃だった。
バルクホルン「な、なんだ!」
ハインツ「銃撃だ!どっちからだ!」
ミラー「多分左の廃墟からです!」
即座に周囲にいた兵士たちは物陰に隠れると銃撃を開始した。
さらに随伴していた装甲車からも機関砲が放たれ銃火はあっという間に止んだ。
ハインツたちの隊列には被害はなかったが検分に向かった兵士たちは廃墟でミンチになった数体のブリタニア兵の死体を確認した。
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同じ頃、サーニャとエイラは近くの鉄道駅から材木を運搬する貨物列車に乗り込みロンドンに向かっていた。
だが出発して10分ほどで列車は止まってしまった。
エイラ「なんだ?」
サーニャ「何かしら?」
二人は前の方を見る。すると数人のカールスラント軍の軍服を着て左腕に青・黒・白のシールドをつけた兵士が列車をくまなく検査していた。
兵士A「Ei ole kõrvalekaldeid.」
兵士B「Keegi seal.」
兵士A「Kindlasti.あー身分証を見せてください。」
すると二人に気がついたスオムス語に近い言葉を話していた兵士が訛りのあるブリタニア語で話しかける。
二人とも武装しており片方はライフル、もう片方はドラムマガジンのサブマシンガンを持ち両方とも見慣れない迷彩服を着ていた。
エイラたちは顔を見合わせた後ポケットから身分証を取り出して渡す。
エイラ「はいよ。」
サーニャ「はい。何かあったんですか?」
兵士A「どうも。近くで事件がありましてね。ん?これは…」
兵士B「それで警備のため鉄道を封鎖してるんです。おい、これって…Leitnant! Palun tulge!」
二人の身分証を見た兵士たちはすぐに先頭の機関車のそばにいた中尉を呼ぶ。
呼ばれた中尉はすぐに兵士たちのところに向かい聞く。
中尉「Mis juhtus?」
兵士B「Palun vaata.」
中尉「Helistage brigaadi peakorterile kohe! leidsin sind!」
中尉がなにかを叫ぶと前の方にいた兵士たちが動き始めた。
そして中尉が比較的マシとはいえ訛りのあるブリタニア語で話しかける。
中尉「えー、ユーティライネン少尉、リトヴャク中尉。列車から降りて私について来てください。」
サーニャ「え?」
エイラ「何をするんだ?」
二人は怪しい空気を感じて警戒する。
中尉「大丈夫です。実は司令部が現在あなた方を探しているんです。
なのでこれから貴方方を連れて行くんです。Tooge auto!」
そう言うと部下らしき兵士がキューベルワーゲンを回してくる。
二人はそれに乗ると司令部へと向かった。
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ほぼ同時刻。シャーリーとルッキーニは基地近くの飛行場にいた。
ルッキーニ「ロマーニャまで持つのかなあの飛行機?」
シャーリー「なに言ってんだよ…私はその後大西洋越えて戻るんだぞ…」
だが次の瞬間、基地の外から突如銃声が響く。
シャーリー「な、なんだ?」
ルッキーニ「ひゃ!」
咄嗟に二人は伏せる。
暫くするとsdkfz250/5やブリタニア軍の塗装の上から適当にダークイエローで迷彩が施されカールスラント軍のマーキングが施されたAEC装甲指揮車が多数のカールスラント兵と共に入って来た。
それにシャーリー達はただ呆然と見ていることしかできなかった。
兵士A「Vai ir kāds?」
兵士B「Paskaties.Ir skaista sieviete.」
兵士A「True tas ir. Kāpēc tu esi šādā vietā?」
兵士B「Dzirdēt?」
兵士A「Es jautāju jums jautājumu.」
すると聞きなれない言葉を話す二人の片方は見慣れないえんどう豆のような柄の迷彩服を着て見慣れない迷彩帽を被りstg44を持った、もう片方は見慣れない迷彩ヤッケを着て迷彩カバーがつけられたヘルメットを被りライフルを持ったカールスラント兵らしき人物が近づいてくる。
そして非常に強い訛りで話しかけてきた。
兵士A「身分証明書を見せてください。えー二人分?」
身分証を見せるように言われたシャーリーは持っていたパスポートを渡す。
ルッキーニのほうもポッケから取り出し見せる。
兵士B「Kāpēc jums ir bērni?」
兵士A「Lūdzu neprasi man.Ko?Paskaties.」
兵士B「Tas ir…Oberst! Regiment Führer! Es gab!」
それを見た兵士は顔色を変えて装甲車のほうにカールスラント語で叫んだ。
それに装甲車に乗っていたそこら辺の役所にいるような冴えない風貌の少佐と彼と話し合っていた仕立てのいい軍服を着た大佐が向く。
大佐「Was?」
少佐「Gab es irgendetwas?」
振り向いた大佐と少佐が大声で聞く。それに叫んだ兵士は走って彼らのもとに行き報告する。
兵士B「Es gab! Kapitän Jaeger und Lt. Kapitän Lucchini!」
少佐「verstehe.Bringt.」
兵士B「Ja!」
暫く話していると戻ってきて拙いブリタニア語で伝える。
兵士B「えー、少佐からあなた方を連れて行くように言われました。あーついてきてください。」
そう言われたシャーリーたちは兵士について装甲車のところまで行く。
兵士B「Oberst, Major, ich habe es gebracht.」
少佐「Ja.」
一言少佐が返すと兵士は下がり敬礼して去っていった。
兵士が去ると装甲車に乗っていた少佐とそのそばで話し合っていた大佐が自己紹介する。
少佐「いろいろと済まないなミスイェーガー。
私は第113歩兵旅団第300バルチックライフル大隊大隊長パウル・マイトラ少佐だ。で、」
大佐「私が第113歩兵旅団旅団長カール・フォン・ピュックラー=ブルクハウス大佐だ。」
それにシャーリーも続く。
シャーリー「シャーロット・E・イェーガー大尉です。で、」
ルッキーニ「フ、フランチェスカ・ルッキーニ。シャーリー怖いよ」
二人も自己紹介するが周りには銃で完全武装して殺気立っていた兵士が多数いてルッキーニは怯えシャーリーも内心怖がっていた。
ブルクハウス「まあ御嬢さん方、安心しなさい。別に私たちは悪い連中じゃないから。」
ブルクハウスが紳士的な態度で優しく二人に話しかける。
マイトラ「まあいい人でもないですけど。
それよりどうします?さっき第2中隊から銀狐と黒猫の確保に成功したって連絡が来ました。
52師団司令部も狼と犬たちの確保に成功したようですから…」
ブルクハウス「第26旅団はドーバーを封鎖しているんだろ?
とりあえず我々も向かおう。
イェーガー大尉、ルッキーニ少尉、一緒についてきてもらう。いいね?
大丈夫だ悪いようにはせんよ。君たちの同僚も確保されたみたいだからな」
マイトラが補足すると無線で来た部下の報告と第52師団司令部からの連絡を上官であるブルクハウスに伝える。
それにブルクハウスはシャーリーたちについてくるよう命令する。
それにシャーリーたちはただ従うしかなかった。
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アシュフォードはケント州中部にある街である。
この街はちょうどロンドンとドーバーを繋ぐ鉄道・道路などが通る交通の要所であった。
そのためここにはブリタニア軍が一個師団を配していた。だがこの反乱では情報の錯綜により結局動くこともなく南から進出して来た戦闘団52、戦闘団シェレンドルフ、戦闘団カーライルによって武装解除されていた。
この三個戦闘団はブリタニア軍一個師団を武装解除する傍ら反乱兵の逮捕等を名目にアシュフォード近郊で検問を敷いていた。
その検問の一つ、戦闘団カーライル所属第118空挺連隊司令部が敷いた検問に一台のロールスロイスが引っかかった。
兵士A「すいません。身分証をお願いします。」
迷彩スモックと赤いベレー帽を被りステンガンMkⅤを持った兵士がロールスロイスの運転手と添乗者に身分証を求める。
すると運転手と後部座席に乗ったブロンドの少女が身分証を渡す。
兵士はそれを受け取り確認すると叫んだ。
兵士A「カーライル少佐!いました!リネット・ビショップ軍曹です!」
カーライル「本当か!すぐに無線で連絡しろマーケットは司教を確保した。」
すると叫んだ方にあったテントのそばで紅茶を飲んでいたコウモリ傘を持った赤いベレー帽を被った将校が返し無線コードを送信するよう命令する。
その兵士の声に後部座席に乗っていたリーネは驚き困惑する。
兵士A「ビショップ軍曹、今じつは501のウィッチを捜索中でして、ご同行願いますか?」
リーネ「は、はい…」
兵士A「あ、別に車に乗ったままで結構ですよ。護衛と先導車両をつけるだけですし」
そういって暫くすると空挺部隊の兵士がロールスロイスの屋根やボンネット、助手席に乗り空挺部隊モデルのジープ数台の先導で501基地のほうへと向かった。
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501の周辺地域の抵抗を排除した戦闘団ギルザは501を包囲する形で展開、海岸沿いには戦車や砲兵が展開し数少ない工兵ボートを工兵が準備し基地のたもとの橋には歩兵部隊が即席の陣地を作り封鎖していた。
その陣地の後ろに作られた指揮所ではギルザが作戦会議のためハインツやミーナとともにいた。
ギルザは参謀に状況を聞く。
ギルザ「で、どんな感じだ?」
参謀「は、第113旅団がイェーガー大尉、リトヴャク中尉、ユーティライネン少尉、ルッキーニ少尉を、第18空挺師団第118空挺連隊司令部がビショプ軍曹を先ほど確保したようです。」
参謀の返答に少し考えるとさらに聞く。
ギルザ「うむ。連れてくるのにどれぐらいかかる?」
参謀「ブルクハウス大佐によりますと現在指揮車両に乗り込んで急行中だそうです。
第300バルチックライフル大隊もそろそろ先遣部隊が到着するそうです。」
ギルザ「そうか。というか言ってるそばから来たみたいだな。」
すると外からエンジン音や履帯の音、兵士たちの歌声が聞こえてきた。
暫くするとテントの前にsdkfz250/5と適当にマーキングされたAEC装甲指揮車が到着し中からシャーリーとルッキーニ、そして冴えない中年公務員みたいな士官と仕立てのいい軍服を着た大佐が降りてきた。
ギルザ「来たか。ピュックラー=ブルクハウス大佐。紹介しよう、第113歩兵旅団長のピュックラー=ブルクハウス大佐と…誰だっけ?」
降りてきた大佐、ピュックラー=ブルクハウス大佐をギルザは紹介するがもう一人の冴えない中年少佐の名前を忘れてしまった。
それにいつものように少佐は返す。
マイトラ「マイトラです。第300バルチックライフル大隊大隊長パウル・マイトラ少佐です。」
ギルザ「そうだったな。すまんなこの歳になると忘れやすくて。」
マイトラ「別に構いませんよ。で、そちらの妙齢のレディーは?」
自己紹介が終わるとマイトラはミーナたちのことを聞く。
ギルザ「ああ。M.ヴィルケ君とG.バルクホルン君、E.ハルトマン君、H.ヴァレンシュタイン君とA.ミラー君、A.ノヴァク君だ。」
ブルクハウス「そうか。よろしく頼むよ。ところで…」
ブルクハウスはハインツ達の名前を聞くと少し間をおいてハインツに聞いた。
ブルクハウス「もしかして君の父親はハンス・エアハルト・ヴァレンシュタイン大佐か?」
ハインツ「え、ええ。父を知っているんですか?」
ブルクハウス「やっぱりか。君がハインツ・エアハルト・ヴァレンシュタイン君か。」
その言葉にハインツとミラーが驚く。
ハインツ「え?なんでミドルネーム知ってるんですか?」
ミラー「というか少佐のミドルネームエアハルトだったんですか?」
ハインツ「まあな。ほら、イニシャルにするとH.E.ヴァレンシュタインで親父と被るんだよ。」
ミラー「そうなんですか。」
ハインツの本名はハインツ・エアハルト・ヴァレンシュタインだったのだがイニシャルにすると父親と被るため普段はハインツ・ヴァレンシュタインで通していた。
そのことを知らないミラーは驚く。
ハインツ「ところで大佐は父の事を知っているんですか?」
ブルクハウス「ああ。君の父はトゥーサン大将の幕僚だったからな。」
ハインツ「え?トゥーサン大将はベーメン・メーレン保護領国防軍総監ですよね?
父は確かブラチスラバの在ドイツ大使館付き武官だったはずですが…それに階級も中佐だったはず…」
ブルクハウス「君の父親はスロバキア蜂起での西部スロバキア軍の武装解除の功績で大佐に出世、トゥーサン大将の幕僚になったんだ。
プラハでは君の父親がチェコ語とスロバキア語ができて旧チェコスロバキア軍士官に伝手があったお陰で多くのドイツ人を避難させられた。
君の父の功績は素晴らしいよ。」
ブルクハウスはハインツの父の事を讃える。
それにハインツは何やら照れくさそうな仕草を見せる。
ハインツ「いやあ照れますな。親父のことを褒められるなんて。」
シャーリー「珍しいなハインツが照れるなんて。」
するとブルクハウスの後ろからシャーリーとルッキーニが現れた。
ハインツ「シャ、シャーリー!?いたのか!」
シャーリー「ずっといたんだけど…」
ハインツ「そうだったんだ…ごめん、気が付かなかった。」
ハインツはずっとブルクハウスの後ろにシャーリーがいるのに全く気が付いていなかった。
それにシャーリーは呆れるが丁度その時、外から車の音がした。
その音に全員が外を見る。そこにはフェンダーに青・黒・白で塗り分けられたシールドが描かれたキューベルワーゲンがあった。
キューベルワーゲンにはフェンダーに描かれたものと同じシールドをつけた数名の兵士とサーニャとエイラが乗っていた。
マイトラ「ああ、大佐。私の部下ですね。」
ブルクハウス「ご苦労だった。」
ハインツ「なああのシールドの色ってエストニア国旗だよな?」
ミラー「ええ。なんでそんなマークが?」
キューベルワーゲンを迎え入れるブルクハウスとマイトラの横でハインツとミラーはエストニア国旗と同じ柄のマークを訝しんだ。
ハインツ「まさかと思うがエステンか?」
ふとハインツはこの兵士がエステン、エストニア野郎だと漏らすがそれに即座にマイトラとブルクハウスが突っ込む。
マイトラ「ほお、それは我々に対する侮辱ですかな?」
ブルクハウス「君、エステンなんて言ってはいかんよ。
彼らは優秀だ。それこそ普通のドイツ人部隊なんかよりもね。
次言ったら多分君は東部戦線送りだ。」
非常に珍しいことに史実ではエストニア義勇兵はドイツ軍内はおろか敵であったチェコパルチザンにさえ一目置かれる非常に優秀な兵士たちであった。
実際エストニア人師団にいたあるSS士官が同僚のエストニア人士官をエステン、エストニア野郎と言った結果ウクライナ人義勇兵部隊に飛ばされたりエストニアの豚野郎と放言した士官に至っては降格の上ロシア人師団に飛ばされていた。
ハインツ「おっと、これは失礼しました。」
ブルクハウス「ならいい。で、どうするかね?こちらの用は済んだ。」
マイトラ「なら帰るとしますか。それでは失礼します。」
そういうと二人はエイラとサーニャを下ろしたキューベルワーゲンと共に帰っていった。
エイラのところの言葉はエストニア語、シャーリーのところの言葉はラトビア語とドイツ語です。
(誰だよ的解説)
・カール・フォン・ピュックラー=ブルクハウス
史実ではベーメン・メーレン保護領のSS司令官としてプラハ蜂起を鎮圧しようとした人。
非常に珍しい経歴の持ち主で妻にザクセン=アルテンブルク公子アルベルトの娘を貰ってその上一次二次両大戦で陸軍の参謀将校として従軍、少佐まで出世すると今度は武装親衛隊に移籍した。
さらに武装親衛隊では第15SS擲弾兵師団を率いて70キロもの苦しい撤退戦を指揮して師団を全滅の危機から救い、さらにプラハ蜂起では優勢なチェコパルチザンとロシア解放軍相手に非常に末期的な装備の雑多な戦闘団を率いてプラハのドイツ人を救出、さらにその後はその戦闘団に中央軍集団残余を集めた戦闘団を率いて民間人を米軍占領地域に脱出させるべくソ連軍とパルチザン相手にヨーロッパ戦線最後の戦闘の一つスリヴィツェの戦いを指揮、最終的に降伏文章に調印した後自殺した。
戦闘指揮能力はSSトップクラス。その上知識人で著書も数冊あるらしい。
あと彼、42年から43年5月までSS警察上級司令部(実は警察はSSと非常に親しい組織でSSには結構な数の警察部隊があった)ミッテの副司令官として勤務していた。
で、このSS警察上級司令部ミッテは後方治安維持とパルチザン狩りなどを行う部隊を指揮する組織、なんで結構な数の虐殺を起こしてます。(つまり多分生きて捕虜になってたら確実に戦犯だった人)
設定ではベーメン・メーレン保護領国防軍総監であるトゥーサン大将の幕僚であるハインツの父親と面識がある。
・パウル・マイトラ
エストニア人では4人しかいない騎士鉄十字章受勲者。
見た目どう見てもさえない中年公務員なのにめっちゃ優秀な軍人。
45年にチェコパルチザンに処刑された。らしい。(諸説あり)
ちなみにほかのエストニア人受勲者にはたった8人、それも山本五十六やマンネルヘイムなど超有名人しかいない柏葉付き騎士鉄十字章の外国人受勲者で戦後はMI6で教官をやった「エストニアのロンメル」アルフォンス・レバネがいる。
(編成図)
・戦闘団ギルザ
第52歩兵師団の残置部隊などからなる部隊。
司令官は第52歩兵師団師団長ギルザ少将。
編成
・第52歩兵師団司令部
・第52歩兵連隊第1、第3大隊
・第252歩兵連隊第1、第2大隊
・第52砲兵連隊第1大隊
・第52高射砲大隊第2中隊
・第52軽歩兵大隊
・第52工兵大隊第2、第3中隊
・第55装甲師団第55戦車連隊第1、第2大隊
・第55装甲師団第55装甲砲兵連隊第2大隊