書けど書けど終わらない4話…
3期の決定のせいで劇場版以降の予定がパーになった(予定ではとりあえずベルリンとプラハとワルシャワにスナック感覚で核落とす気だった。場合によってはハンブルクとカイザーベルクにも落とそうとか考えてた)
4日目、折り返しの日となるこの日、基地には朝から数台のマウルティアとビュッシングL4500トラックそして幾らかのコサック騎兵が来て積まれていた物資をラルに引き渡していた。
それにたまたま朝早くから散歩に出かけていたマントイフェルがラルに声をかける。
マントイフェル「ラル少佐。何ですかこれは?」
ラル「ああ。お前たちが頼んだ物資がやっと届いんたんだ。
ユニットとか色々だな。お前の馬もいるぞ。」
マントイフェル「本当ですか?」
ラルに言われすぐにマントイフェルは騎兵のところに向かう。
そこではカールスラント軍の軍服を着た馬上のロシア訛りの兵士が仕立てのいいコートを着て中佐の階級章をつけた佐官に話しかけていた。
騎兵「大佐、それにしてもなんで502が馬を?」
「知らないよ。ただ引き渡せばそれで終わりだ。帰って相変わらずのパトロールだ」
マントイフェル「失礼します。フォン・マントイフェル中尉です。」
マントイフェルはその仕立てのいいコートを着た中佐に敬礼して話しかける。
ヴォルフ「君がフォン・マントイフェル中尉か。
ペテルブルク都市司令部所属コサック旅団フォン・ヴォルフ指揮官ハンス・フォン・ヴォルフ中佐だ。」
それにその大佐、ハンス・フォン・ヴォルフが馬上から返礼して答える。
ヴォルフ「ところで君が頼んでいた軍馬ならそれだ。名前はまだ付けてない。
カバルディン種の雄、2歳馬。名前は元はオラーシャ軍の輜重部隊のだった。
カバルディン種ぐらいは知ってるだろ?」
ヴォルフが馬上から一頭の栗毛に前脚に白いソックスが入った馬を指して説明する。
マントイフェル「ええ。確かロ…じゃなかったオラーシャの馬でしたよね?」
ヴォルフ「別にロシアと言っても構わんぞ。私は君と同じような者だからさ。」
マントイフェル「そうですか。」
ヴォルフ「ああ。受領の書類にはラル少佐がサインしてくれてる。
それじゃあな。さあ帰るぞ。」
そういうとヴォルフはコサックを率いて帰っていった。
マントイフェル「で、君が俺の馬か。」
そう言ってマントイフェルは馬に近づき首筋を撫でる。
馬はそれに鼻を伸ばして喜ぶ。
マントイフェル「そうか、気持ちいいか?」
ひかり「マントイフェルさん?何やってるんですか?」
すると日課のランニング中だったひかりが後ろから声をかける。
マントイフェル「雁淵か。注文していた品が届いたんだ。
まあ見ての通り馬だが。」
ひかり「へえ…ところでマントイフェルさんは乗れるんですか?」
マントイフェル「ん?言ってなかったっけ?元騎兵将校で馬術でもオリンピック代表候補になったよ。」
ひかり「え!すごいです!」
マントイフェルが元騎兵将校で元馬術のオリンピック代表候補だと言うことに驚く。
実は1952年まではオリンピックの馬術競技参加資格は現役騎兵将校に限られていた。そのため馬術競技者の中にはバロン西こと西竹一などの第二次世界大戦で活躍した戦車部隊将校のいくらかもオリンピック代表として出場、中にはメダルを取ったものもいた。
そのためマントイフェルは馬術はもちろん乗馬は大の得意だった。
マントイフェル「乗るか?確かどっかに乗馬用の鞍があったはずだ。
あ、触っても良いが触るなら首筋にしろよ。それ以外を触ったら蹴られるぞ。」
マントイフェルは馬から離れるとトラックから降ろされた箱の中から鞍を探して持ってくる。
その間ひかりはマントイフェルに言われた通り馬の首筋を撫でながら待っていた。
鞍を持ってくるとマントイフェルは手慣れた手つきで馬に鞍を取り付け慣れたように馬にまたがった。
マントイフェル「雁淵、少し待ってくれ。まずはこいつがどんなものか見てみたい。」
マントイフェルはそう言って馬を軽く走らせる。
数分走らせるとひかりのところに戻って来た。
マントイフェル「じゃあ、雁淵、乗ってくれ。」
ひかり「はい!ってうわあああ!」
マントイフェル「おっと!大丈夫か?」
ひかりはマントイフェルに促されて乗ろうとするが失敗し落ち掛けるがマントイフェルが腕を掴んでこと無きを得る。
ひかり「はい!大丈夫です!」
マントイフェル「じゃあ軽く走らせるぞ」
マントイフェルはひかりを乗せ基地の周りを一周した。
その間ひかりはずっと目をキラキラさせて興奮していた。
マントイフェル「ふう…久しぶりだな。どうだった雁淵?」
ひかり「楽しかったです!」
マントイフェル「おお、それは良かった。」
最後に出発地点に戻ると感想を聞いてからひかりを下ろし、マントイフェルは馬を厩舎に連れて行った。
この頃には朝食の時間だった。
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この日、ポーたちはやっと到着したユニットの訓練と同時に固有魔法の調査を開始していた。
こちらは特に問題もなければそのほとんどを完璧にこなし、固有魔法が判明していた。
その間ひかりは一人塔を登っていた。
昨日教えられた方法にさらに靴を脱いでやることでさらに効率が上がっていたがそれでも一番上までには届かなかった。
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翌日、ひかりは朝食に手を付けなかった。
それに気が付いた二パが声をかける。
二パ「どうしたのひかり。なんで食べないの?」
ひかり「えへへ、ちょっとでも軽い方が登れるから」
菅野「おめーは超弩級のバカだな」
ポー「メシはちゃんと食えよ?これが下手すれば最後の飯になるかもしれないからな」
ひかりに菅野とポーが突っ込む。船の上では食事と寝ること以外楽しみがないような世界であるためポーなどの海軍軍人というのは伝統的に食事へのこだわりが強いのだ。
さらにポーはパトロールで事故って墜落したり着艦に失敗して死んだ同僚を見てきたため忠告する。
そしてこの日ひかりの結果は散々だった。
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6日目、ひかりは朝から朝食をがっついて食べていた。
そしてまた登り始めるがパットとポーそれを見て心配していた。
ポー「大丈夫かあいつ?」
パット「確かに。そろそろ一回休んだ方がいいぞ。」
二人はひかりの疲労を心配していた。
疲労というのは恐ろしいもので身体的に回復したと思っていても心理的疲労などがたまっていることを自覚しにくく、その上疲労による判断力の低下は飲酒と同等以上である。
何事も効率的にこなすには適度な休養を定期的に行う必要があるがひかりはそれを全くやっていなかった。
そしてその心配は当たりひかりは登っている途中に落ちてきた。
パット「あ、ヤバい!」
パットが走って受け止めるがその衝撃こけて顔面から地面に突っ込む。
菅野「寝てやがる…」
パット「そうだな。部屋に連れてってリョーニャに見せよう。」
間抜けな顔で寝ているひかりをパットはお姫様抱っこして部屋に連れて行きリョーニャに見せる。
診察したリョーニャは疲労と判断してカルテを書いて提出した。
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翌朝、ひかりはまた塔を登ろうとしていた。
すると声をかけられる。
ロスマン「こんな時間からやるつもり?」
ひかり「ロスマン先生」
振り返るとロスマンがいた。
ロスマン「ちょっと付き合いなさい」
ロスマンはひかりをつれてネヴァ川が見えるところまで連れて行った。
ロスマンがひかりに聞く。
ロスマン「ひかりさん。貴方はどんなウィッチになりたいの?」
ひかり「どんな…お姉ちゃんみたいに皆の役に立つ立派なウィッチです!」
ロスマン「それは無理よ」
ひかり「何でですか!?」
だがロスマンはひかりを否定する。
ロスマン「私は、前にもあなたのようにどうしても戦いたいという子を教えたことがあった。
真面目で、やる気もすごくあったのだけど…」
ひかり「魔法力が弱かったんですか」
ロスマン「そう。その子が戦闘に向いてないのは分かっていた。でも、私は熱意に負けて出撃を許可した」
ひかり「その子はどうなったんですか?」
ロスマン「二度と飛べなくなったわ。
戦場では能力のない物は、本人も周りも悲しい思いをするのよ」
ロスマンがかつての苦い経験を語る。
だがひかりが意外な言葉を呟く。
ひかり「でも、その子は悲しかったのかな?
先生!私も他の人の迷惑になるなら扶桑に帰ります。
でも、ほんのちょっとでも戦力になる見込みがあるなら、ここに居たいんです!」
ロスマン「それなら…」
ひかり「分かってます!帽子を取るんですよね?最後の最後までやらせてください!」
ひかりは必死で訴える。そしてそれに流石のロスマンも折れた。
ロスマン「もう好きにしなさい」
ひかり「はい!」
折れたロスマンが許可しひかりは塔に向かう。
バーティ「教師としていい事言ってますな先生?」
ロスマン「ひ!バーティさん、いたんですか?」
すると突然後ろから声をかけられてロスマンが驚く。
振り返るとバーティが釣りをしていた。
バーティ「初めからいたぞ。」
ロスマン「なら一声かけたらどうなの?」
バーティ「とても言い出せるような雰囲気じゃなかったろ?」
ロスマン「まあ、そうね。」
バーティ「まあ生徒の意思を尊重するのは教師としていい事だ先生。
ここは気楽にいこう。」
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7日目、この日は生憎の天候だった。
その天候にパットがジッポーでタバコに火をつけながら愚痴る。
パット「酷い風だ。ジッポーじゃなければすぐ火が消えるぞ」
ポー「大丈夫かね?あいつ」
リョーニャ「とりあえず怪我しなければいいが。」
3人とも塔に登るひかりのことを心配していた。
だが3人の心配をよそにひかりは今まで以上の速度で登っていった。
というのもポーが考えた理論とそれまでの経験、そして適度に抜けた疲労のおかげで気が付けば塔の頂上に到達、帽子を取っていた。
ひかり「はぁ、はぁ、やりましたー!」
ポー「やったぞ!成功だ!」
パット「すごいな。」
それを見てポーが喜びパットも拍手する。
ロスマンも内心喜ぶが後ろから気配を感じる。
ロスマン「何ですか?」
ラル「諦めさせるんじゃなかったのか?」
それはいつの間にか出てきたラルだった。
ラル「確かに、魔法力の少ないあいつにはこれしかない。
だがこんな方法でクリアしても、後がつらいぞ?」
ロスマン「あの子のあきらめが悪すぎるんです」
ラル「そうか。不肖の弟子か」
だがその直後、放送が流れる。
『東方から急速に接近してくる中型ネウロイを確認。総員緊急出撃!』
ネウロイが接近してくるという放送だった。
ポー「スクランブルだ!行くぞ!」
パット「メルド!」
ポーとパットは悪態をつくとそのまま走って格納庫に向かいグラマーF6F-5とリパブリカンP-47Dサンダーボルトを履きM2を持って出撃する。
さらに遅れてマントイフェル、リョーニャ、バーティがフラックウルフFw190D-9、ホークテンペスト、Yak-9Mを履いてHS404、S18/1000と騎兵用サーベル、shvakを持って出撃する。
それと同時にサーシャたちも出撃する。
しばらく飛ぶとネウロイを見つけた。
サーシャ「ネウロイ発見!」
菅野「管野一番、出る!」
ポー「了解!援護する!タリホー!」
ネウロイを見つけると菅野が真っ先に突撃し、ポーとパットがそれに続いて援護を行う。
ポー「ケツに食らいつくぞ。」
パット「さあ当ててみろ」
ネウロイはどういうわけかパット以外を集中的に攻撃する。これは判明したパットの固有魔法、誤認、即ち自らを相手にとって「無害」又は「味方」と誤認させる固有魔法だった。
このおかげでネウロイからは全く攻撃を受けなかった。
サーシャ「前衛は攻撃、中尉達は援護を!」
クルピンスキー「了解!」
マントイフェル「了解!トゥルト!背中は任せろ!」
クルピンスキー「任せるよ」
サーシャはクルピンスキーたちに援護を指示、クルピンスキーが銃撃する後ろからマントイフェルは狙撃で援護する。
さらにリョーニャもShVAKを撃って援護する。
リョーニャ「Ураааааа!!」
バーティ「共産主義者に手柄を横取りされてたまるか!」
またバーティも横から火力支援をする。バーティの固有魔法はシンプルな火力強化であった。そのためイスパノの火力はもはや凶悪なレベルまで強化されていた。
だがそれでもコアは見つからない。
するとネウロイを後ろから攻撃していたポーとパットが前方に何かを見つける。
ポー「ん?1時の方向、何かくるぞ!」
パット「ありゃあ雁淵だ!」
それはひかりとロスマンだった。
菅野「ふん、おせえんだよ!」
ポー「はん、パーティーの主役は遅れてくるもんだぜ?」
それを見て菅野はどこか嬉しそうに言い、ポーもカッコつけたことを言う。
ひかりは銃を構えてネウロイを攻撃しようとする、するとロスマンが止める。
ロスマン「ひかりさん、貴方はお姉さんにはなれないわ」
ひかり「えっ?」
ロスマン「攻撃を避け続けて、弾が当たる距離まで接近するのよ。貴方はあなたになりなさい!」
ひかり「は、はい!」
ロスマンがひかりに教える。するとひかりは教えられた通りに行動、ビームを回避してネウロイに近づく。
回避は言うのは簡単だがするとなると話は別である。半分は腕、もう半分は運が必要な要素だからだ。
バーティ「ほお、ありゃあすごい。あんな見事な回避は初めてだ。」
マントイフェル「8年軍にいて戦闘機飛ばしてもあんな回避なんて今だにできんよ」
菅野「紫電改がしっかり回ってる。力をユニットに集中させてるんだ!」
ニパ「あの訓練のおかげ?流石ロスマン先生!」
その腕にベテラン、それもスペイン内戦時代からのであるマントイフェルとバーティは素直に褒め菅野とニパはロスマンの手腕を讃えた。
ひかりは回避しながら接近して銃撃を浴びせるが集中しすぎてネウロイの後部に激突してしまう。
そのまま衝撃で飛ばされるが同時に視界が変化した。
ひかり「コアが、見えた!」
ネウロイ内部が見えコアを見つけたひかりはその周囲を銃撃する。
するとコアが露出する。
そして次の瞬間、マントイフェルが一撃で仕留め白い破片となった。
マントイフェル「ふう、なかなかこういうのも悪くないな。」
クルピンスキー「ヒドイじゃないか〜僕の獲物を取るなんて。」
マントイフェル「落としたんだからそれでいいだろトゥルト。」
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その日の夜、基地の部屋ではポーたちは酒を飲んでいた。
リョーニャ「Это есть наш последний〜♪И решительный бой〜♪」
バーティ「インターナショナル歌うな!共産主義者!ビールが不味くなる!」
酒を飲んで陽気になりソ連共産党党歌で旧ソ連国歌のインターナショナルをアカペラで歌うリョーニャにバーティは酔っ払って怒っていた。
ポー「別に良いじゃねえか減るもんでもねえんだしよ!」
マントイフェル「それでも共産主義は滅ぶべし」
パット「ローマ人から見たカルタゴか?」
ポー「そりゃあ良い例えだ。」
するとドア突然開いてひかりが入ってきた。
それに一番酒を飲んでいなかったパットが気がつく。
パット「ん?どうした雁淵?ようか?」
ひかり「パットさん…」
ポー「雁淵か?ラル少佐と固有魔法の話は終わったのか?」
ひかり「ええ、まあ…ただ…」
ポーが気がつきラルとの話を聞くとひかりは言葉を濁す。
パット「何かあったのか?」
ひかり「実は、固有魔法が接触魔眼だったんです。」
バーティ「それは何か問題があるのか?」
ひかりの告白にいまいち理解していないバーティが聞く。
ひかり「接触魔眼っての言うのはネウロイに触れないと発動しないんです、だから…」
パット「使うなと念押しされたか。」
ひかり「はい…」
パットがひかりの言いたいことを汲む。
するとパットが言う。
パット「まあそれは至極当然だ。危険だからな。
ただリスクを冒さなければ勝利を得られないこともある。
その時は、俺を頼れ。俺の固有魔法、誤認なら全く気がつかず接近できる。
だからその時は俺を頼れ、いいな?」
ひかり「え…いいんですか?」
パット「ああ。この場で誓約書を書いてもいいぞ。」
パットはひかりに自信のある言い方でいう。その頼り甲斐のある発言にひかりの顔も明るくなった。
ペテルブルクの夜は更けてゆく。
カバルディン種はロシアの馬の品種の一つで軍馬です。
大戦中のソ連の軍馬は大概この品種らしい。(英語版Wikipediaによると)
現在活動報告で3期決定に伴いそれを記念してモデルとなるであろう第二次世界大戦の独本土攻防戦、そしてベルリンの戦後を解説してます。気になる方は是非。
解説
・ハンス・フォン・ヴォルフ
史実第1コサック師団第1ドン・コサック旅団旅団長。
フォン・ベーゼラーガー兄弟(7月20日事件にかかわったことで知られる兄弟。特に弟のフィリップ・フォン・ベーゼラーガーは7月20日事件の関係者の中では数少ない戦後まで生き残った人物でありこの事件にかかわった人物の中では最後まで生きていた人物。2008年死去)に次ぐ騎兵部隊の至宝として知られる人物。
大戦中はフランス戦では第8装甲師団(当時は第3軽師団)第28狙撃兵連隊第Ⅰ大隊を率いてショーモンの戦いで自ら突撃して要塞を奪取し騎士鉄十字章、さらにはバルバロッサ作戦では同第28狙撃兵連隊第Ⅰ大隊を率いてチフヴィンまでの突進を指揮して柏葉付き騎士鉄十字章を受勲した勇猛果敢で優秀な騎兵将校。
43年9月から第1ドン・コサック連隊を率いていたが44年6月28日にピンスクの演習場で演習中の事故で事故死。
あまり知られてないがドイツ軍にはコサック部隊があってその中でも最大のものがSS第15騎兵軍団でこれは第1・第2コサック師団及びプラストゥン(歩兵)旅団からなる部隊でメンバーはヘルムート・フォン・パンヴィッツSS中将以下昔気質の騎兵将校が集っていた。
ただ彼らの多くは戦後シベリアに流されるか処刑されコサックの栄光ある歴史はここに消えてしまった。ソ連許すまじ。