最近暑くて死にそう。サンクトペテルブルク行きたい…(といいたいけど実はロシアの夏も結構酷いらしい)
やっぱスオムスかノイエカールスラントでいいっす。
ラドガ湖、サンクトペテルブルクの東にある面積16400㎢、908㎦もの貯水量を誇るヨーロッパ最大の湖であり大戦前はフィンランドとソ連の国境。
その大きさは面積の上では都道府県の中の面積第2位の岩手県がすっぽり入ってしまうほど。
ヴォルホフ川、スヴィル川などの大河から流入し、ネヴァ川を通ってサンクトペテルブルクを通りバルト海へと流出している。
その位置から湖は重要な交通路でもある。
夏場はここを多くの船舶が通り海軍も存在していた。
大戦中は包囲され餓島と評されたガダルカナルさえかわいく見えるほどの飢餓に襲われたレニングラードの最後の生命線として氷結した湖の上の道路が活躍、またラドガ湖を舞台に遠路はるばるやってきたイタリア海軍部隊やフィンランド海軍部隊とラドガ小艦隊の戦闘や湖上道路を破壊しようとするドイツ空軍との間で戦闘もあった。
その中、ラドガ湖は完全に包囲が解かれるまでの約900日に渡りレニングラードの生命線として役割を果たした。
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ラドガ湖上空、この巨大な湖を5人のウィッチが北上していた。
一番先頭をリョーニャが、その後ろに下原、ジョゼ、そして最後尾がパットとひかりだった。
最後尾のパットは飛びながら煙草を吸っていたがその横でひかりは何やら腕を動かしていた。
パットはそれが雁淵の固有魔法に関連することと判断する。
パット「なあ、雁淵。例の話は箝口令が出てるの忘れたか?」
ひかり「あ、そうでした。」
下原「どうしましたか?」
パットがひかりに注意していると気になった下原が振り返って聞いてきた。
パット「いや、別に。船荷証券に関するある規則の統一のための国際条約を雁淵に説明していただけだが」
ひかり「そ、そうなんです。勉強になります。
そ、そう言えば下原さんて扶桑のどこ出身なんですか?」
パットが咄嗟に誤魔化しひかりが話題を変える。
下原「安芸国。いえ、広島の尾道です」
リョーニャ「ヒロシマ…ああ。」
下原の出した広島という単語にリョーニャが反応する。
彼は終結の数日前、満州で出会ったアメリカ人記者や上官から広島と長崎に落とされた原爆の存在を知り、さらにはその廃墟の写真なども見ていた。
そしてその惨状と医者として放射能の恐ろしさも知っていた。
ひかり「私、長崎の佐世保です!佐世保も尾道と一緒で坂が多いんですよ!
いっつも走ってたんです!」
下原「そうなんですか。ところでリョーニャさんとパットさんはどこ出身なんですか?」
すると下原が話題をリョーニャとパットに振る。
パット「パリだよ。父さんが破棄院の裁判官だったからパリ生まれのパリ育ちさ」
リョーニャ「レニングラードだ。」
ひかり「レニングラード?」
ジョゼ「それ、どこですか?」
ジョゼもひかりも下原もレニングラードが分からなかった。
リョーニャ「偉大なる革命家、同志レオニード・イリイチの名を冠した偉大なる街だ。
こっちの世界のペテルブルクだよ。」
ひかり「そうなんですね〜でもなんで街の名前を変えたんですか?ペテルブルクでもいいと思いますけど」
リョーニャ「“聖”ペトロの街だぞ。いいか宗教はアヘンだ。この世に神なんて存在しない。
だから教会や聖人、聖職者などという反動的なものは全て排除しなければならないんだ。
同時に退廃的でブルジョアジー、帝国主義的、ファシスト的なものも排除しなければないんだ!」
ひかりの質問にリョーニャは力説した。
パット「これだから共産主義はダメなんだ。最も重要な“自由”と“権利”と言う概念が欠落してるから。
信教の自由、さらには宗教活動の自由、基本的人権を考慮されていないって点でダメだ。
この二つは国家を構成する上で重要な要素だ。
共産主義の理論だけは十分良いがそれを現実に落とし込もうとすると必ずどこかで破綻する。
そのツケがこれだ。」
だがそれをパットが否定する。共産主義は理論こそ素晴らしいが実際は人間という生き物を全く考慮していない点でダメであった。
この言い争いに下原もジョゼもひかりもついていけてなかった。
パット「おっと、どうやら難しい話をしすぎたみたいだ。
ところで下原たちはこのあたりは長いのか?」
それに気がついたパットが話題を変える。
下原「いえ、それ程長くはないです。それに私はあまり部隊の役には立ってないですから…」
だが話を振られた下原は悲観的なことを言う。
ひかり「そんな筈無いですよー今朝の料理もみんな喜んでいたじゃないですかー」
パット「軍人ってのは飯の味に煩い生き物で、ましてやこの世で最も料理の味にうるさい人種であるフランス人を満足できる料理を作れてるんだ。
十分役に立ってるじゃないか。」
リョーニャ「同志下原、食事は栄養補給や士気、兵士の体力・健康維持にとても重要なことだ。
それを支えているんだ。わかるだろ?」
下原「料理なんて関係無いです。この部隊に居るからにはネウロイと戦って戦果を挙げ無いと…
他の皆さんと比べたら私なんてまだまだダメ。もっと頑張ってネウロイを倒さないといけないんです」
ジョゼ「定ちゃんがダメなんてことないよ!」
下原がさらに悲観的なことを言うとジョゼが突然声を荒げる。
それに驚いて全員がジョゼを見る。
それに恥ずかしくなったのか前に向き直った。
ジョゼ「そろそろラドガ湖を越えるわ。任務に集中しよう」
下原「そうね」
ひかり「はい!」
ジョゼの言葉に続いてそれぞれ反応し戦闘体制を取る。
しばらく飛ぶと雪が降り始めた。
ひかり「あ、雪だ! 雪ですよ!」
下原「寒冷前線の動きが速い様ですね」
ジョゼ「早く偵察を終えて戻りましょう」
リョーニャ「これは荒れるぞ。せっかくの誕生日で革命記念日だっていうのにツイてない」
さらに飛び続けると天候はさらに悪化、なんとか編隊飛行を維持できる程度まで視程が低下した。
心配した下原がひかりに声をかける。
下原「吹雪いて来ましたけど、大丈夫ですか?」
ひかり「平気です」
するとジョゼと並んで飛んでいたリョーニャが左腕につけたリストコンパスと右腕につけた腕時計を確認してあることに気がつく。
リョーニャ「おかしい。そろそろペトロザヴォーツク近郊のはずだが何も確認できない。」
リョーニャは推測航法で飛行していたため正確性に難こそあったが少なくともそろそろ何かしらの街かオネガ湖が見えてもおかしくないにもかかわらず何も発見できなかった。
パット「へっぶし!寒い…パリでもここまで冷えねえぞ…」
ひかり「寒い…」
あまりの寒さに慣れていないパットはくしゃみをしひかりも寒さに震えていた。
二人とも防寒装備は一切持ってきていなかった。
そして5人は吹雪の中に何かを見つける。
リョーニャ「ん?あれは…」
パット「街だ。地図だとこのあたりの街は…ペトロザヴォーツク!」
すぐにポッケから地図を取り出し確認したパットがペトロザヴォーツクと判断する。
だが街は氷漬けにされていた。
パット「うわぁ…あんなの初めて見たぞ。ロシアではいつもこうなのか?」
リョーニャ「まあたまになるが普通は2月とかだ。
11月とかじゃない」
パットとリョーニャがなぜこうなったかを議論していると突如下原が叫ぶ。
下原「雲の上にネウロイ発見!」
ひかり「え? 何も見えないですよ…」
ジョゼ「定ちゃんは遠くの物を見る能力があるの」
リョーニャ「なに?とりあえず行こう」
下原の発見にリョーニャを先頭に上昇しネウロイを補足する。
それは扇風機のような形をしていた。
パット「こちらエーグル1、ペトロザヴォーツク近郊にてネウロイと遭遇、指示求、どうぞ。
ん?エーグル1、502、無線を確認せよ。」
ジョゼ「こちらジョゼ、ネウロイ発見。502部隊、応答してください!
だめ、基地と連絡がとれない!」
パットとジョゼが連絡を取ろうとするが全く取れないどころか同時に交信したため混信が発生、無意味なスキール音しか発生しなかった。
ジョゼ「定ちゃん、どうしよう」
下原「戦いましょう。ここでネウロイを倒しておけば…!」
そういうと下原は先行してネウロイに向かった。
リョーニャ「おい!待て!畜生あのバカ行きやがった」
パット「雁淵、あの二人を援護するぞ!」
ひかり「は、はい!」
リョーニャは即座に止めようとするがジョゼたちは全く聞いていないようだった。
パットとひかりも二人を援護するため後に続く。
さらにリョーニャも仕方なく二人を追いかける。
先行した下原とジョゼにネウロイは攻撃を集中する。
そして突如冷気を二人にぶつける。
下原「嘘、銃が凍って使えない!」
ジョゼ「ユニットも凍ってる!」
冷気をもろに食らった下原とジョゼの武器とユニットは凍結、銃は氷漬けになりユニットは故障し始めた。
すると後ろにいたパットとひかりが出てくる。
パット「下原、ジョゼ!雁淵、二人を回収するから援護しろ!」
ひかり「はい!」
パットが二人の首根っこを掴み戻ろうとする前でひかりがネウロイに近づいて行った。
だがその直後今度はひかりが直撃を食らい体温が急激に低下し墜落していった。
「「雁淵さん!」」
パット「雁淵!」
リョーニャ「不味いぞ!」
すぐにリョーニャが雁淵を追いかける。
パットも二人を掴んで急降下し雁淵を追いかける。
追いかけたリョーニャがすぐに雪に刺さったひかりを見つけ掘り出し呼吸などを確認する。
リョーニャ「不味いぞ…低体温症の初期症状が出てる。」
リョーニャは急いで着ていたルパシカをひかりに被せ近くの木陰に入れる。
その間にジョゼたちを掴んだままのパットがやってくる。
パット「雁淵は大丈夫か?」
リョーニャ「いや、だいぶ不味い。急いで雪と寒さをしのげるところを探さないと。
それと何でもいいから温かいものあるか?」
下原「私の所為よ! ネウロイを倒す事に拘ったから…」
それを見て下原が後悔するがそれをジョゼが頬を叩く。
ジョゼ「定ちゃん、自分を責めるのは後!
今やるべきことは、雁淵さんを助けることだよ!」
下原「そうね、ジョゼの言う通りよ。なんとしても、雁淵さんを助けましょう!」
ジョゼの叱責に冷静になった下原はすぐにそばに穴を掘り始めた。
ジョゼ「リョーニャさん、何か手伝えることありますか?」
リョーニャ「とにかく雁淵の体温を維持しろ。これ以上下がったらここじゃあ手におえない。
ちゃんとした病院に連れて行かないと」
ジョゼ「分かりました」
ジョゼは治癒魔法を使いひかりを温める。
パットは下原を手伝って穴を掘り始めた。
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同時刻、502基地。
ロスマン「連絡が途絶えてもう二時間…」
クルピンスキー「はぁ、僕のかわいい子猫ちゃん達無事かな~…」
ポー「ハックシュン!サバノビッチ!寒い!」
連絡が途絶えた彼らの捜索のため502では出撃準備を整えていた。
だが出撃するそぶりはなく気温はみるみる低下していた。
そのためあまりの寒さにポーはダッフルコートを、バーティはトレンチコート、マントイフェルは支給された空軍のキルティング防寒服を着ていた。
するとサーシャがやってきた。
サーシャ「五人の捜索は中止です!」
菅野「中止!?なんでだよ!」
サーシャに菅野が抗議する。
サーシャは格納庫のドアを開ける。
そこには猛吹雪で視程は1キロはおろか安全な着陸に必要な目安と言える600mもなかった。
ロスマン「この視界の中では出るのは無理ね」
マントイフェル「それどころか離陸さえ無理だ。」
それに菅野は手すりを叩いて悔しがる。
それは大なり小なりみな同じ心境だった。
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ひかり「…あったかい?」
リョーニャ「よし!気が付いた!」
ひかりは体に感じる熱に気が付き起きた。
それにリョーニャが喜ぶ。
ひかり「ジョゼ…さん?リョーニャさん?」
ジョゼ「雁淵さん!よかった…」
リョーニャ「ジョゼもういいぞ。」
それを確認したジョゼが安堵の声を漏らしリョーニャはジョゼに治癒魔法をやめさせる。
ひかりはジョゼと下原の姿を見る。
ひかり「あの…二人ともその恰好?」
リョーニャ「まあ、その、俺はやめろと言ったんだがな…」
何故かジョゼと下原は下着姿、リョーニャはシャツ姿だった。
ふと自分を見ると同じように下着姿にリョーニャの勲章が付いたルパシカとジョゼと下原の服がかけられていた。
ひかり「えっ、私も!?」
ジョゼ「服を脱いでお互いの体温を直接伝えあってたの」
ジョゼが訳を説明する。
この方法は正直なところ正しくはないのである。
低体温症の治療の応急処置は基本的にとにかく温めることだがこのような下着姿で~なんてすれば全員纏めて低体温症になってしまう。
そのためリョーニャは必死で止めようとしたが二人は全く聞かず、パットは無駄に気を使って外で吹雪の中周りを探索していた。
下原「ジョゼが一晩中、治癒魔法の発熱で温めていたのよ」
ひかり「すみません。私が皆さんの言うことを聞かずに無茶したから…」
ひかりが謝る。するとジョゼが口を開いた。
ジョゼ「ううん、謝らなければいけないのは私。
ずっとあなたを見るのが辛かったの…孝美さんを治せなかったから」
ひかり「ジョゼさん…」
ジョゼ「最初に謝ればよかったのに、その勇気も無くて、あなたから逃げてたの。
それに、リョーニャさんにも謝らなきゃいけない。
同じ固有魔法で私なんかよりずっと優秀だったから避けてたの」
リョーニャ「そうか。」
ジョゼが二人に頭を下げる。
するとリョーニャがジョゼの頭をなでる。
ジョゼ「え?」
リョーニャ「同志ジョゼ、別に気にしてなんかないさ。
それに俺だって万能じゃない。だから気にするな」
ひかり「いえ、ジョゼさんが居たからお姉ちゃんは命をとりとめたんです!
私の方こそ本当に感謝しています」
リョーニャの言葉とひかりが頭を下げるとジョゼに笑みが戻った。
下原「フフ。これで四人共、仲良しさんですね」
下原はそう言って3人に抱き着いた。
そしてふと、リョーニャが言う。
リョーニャ「なあ、あんたら。服着たらどうだ?」
「「あ」」
そう、下原、ひかり、ジョゼは下着姿である。
それに気が付き赤面した3人はリョーニャをいったん外に出すと急いで服を着た。
今年のW杯無茶苦茶でしたね…
ウィッチたちに見せたらカルスラ組はお通夜状態、オラーシャ勢大喜び、ガリア勢大暴走、ヴェスナさん大歓喜じゃないですかね?(蚊帳の外のロマーニャ組から目をそらしながら)
とりあえずクロアチアが優勝してくれたらよかった…あと決勝は正直ベルギーvsイングランドなら見たかった。
フランスvsイングランドだとシャレにならない
誰も得しない話ですがロシアではたまに冬場に水道管が破裂して街が実際に氷漬けにされることがあります。